セルデン、1635
First edition, 4to, (20), 304pp, (14), contemporary leather binding, re-backed, spine in compartment, title lettered in gilt on red morocco, red edges, title pages and some pages repaired professionally, not affecting the contents
イングランドの弁護士で下院議員であったジョン・セルデンが、初めて明確にグロティウスの名前を挙げて、その主著である「自由海論」を批判したした書籍です。ラテン語版『自由海論』第2版が出版された1618年、セルデンはこれに反論してイギリスの北海領有権を主張した『封鎖海論』を執筆して時の君主ジェームズ一世に献上しました。しかし、北海の対岸にあるデンマーク国王から負債を負っていた君主はデンマークへの配慮から出版を止めました。しかし、その後もオランダとの紛争は続き、イギリス側の理論的武器としてようやく1635年に完成し出版されました。なお翌年には第二版が刊行されました。
グロティウスの「自由海論」が現代の公海に関する制度の起源と言われていますが、対してセルデンの「封鎖海論」は領海や排他的経済水域の制度の起源と言われています。