「リテラリーゴシック・イン・ジャパン　文学的ゴシック作品選　ちくま文庫」の検索結果

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初版　 カバー　 帯付　 カバーヤケ無し　 帯ヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好の美本です。
建築からファッション、音楽までいささか散漫に拡散されてしまったゴシックという言葉の概念を日本文学における受容と発展に絞って具現化したアンソロジー。
三島や澁澤龍彦という王道の他に宮沢賢治という名がある意外性や、大戦前の横溝正史の幽玄な代表作「かいやぐら物語」と法水麟太郎が登場する超探偵小説の中でも、そのバッドテイストぶりが突出した「失楽園殺人事件」の二編が並ぶセレクトの秀逸さ。山尾悠子や皆川博子の名編、そして現代のゴシック文学を代表する乙一や桜庭一樹の作品は無論、ゴシックとは無縁であるような小川洋子や伊藤計劃の作品の中に、編者のいうリテラリーゴシックの可能性の広がりが見て取れる瞬間が訪れるのは良質なアンソロジーの醍醐味と言えるだろう。
残酷や嗜虐といった人間の暗黒面の中に美を見出す名短編集として怪奇幻想文学のマニアから若い文学ファンまで幅広く薦めたい、斬新な文学的発見に満ちた一冊。