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旺文社文庫、初版、カバー／小口ヤケ少

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カバー 小口ヤケ、シミ 283頁

カバ、282ｐ、２刷。解説／松原敏晴。経年に比して良好。カバ背少ヤケ、くすみあり。本体天地・小口少ヤケ。印刷面概ね良好。

初版　 カバー付　 カバー背少ヤケ　 カバー両面ヤケ無し　本隊天ヤケ　小口と地少ヤケ　線引き無し　書き込み無し　保存状態並本です。

◆落語研究家の安藤鶴夫が、昭和31年5月から33年12月まで138回にわたって『週間東京』に連載した原稿をまとめました。

本書は古典落語に登場する人物たちの列伝（?）ですが、その中の88人はとりあえず人間でも、油断すると「犬」「抜かれた馬」などが登場するから、これがどれほど人を喰った趣向か想像できるでしょう。うっかり読み落とす恐れはありますが、巻頭の凡例のふざけていることといったら。

「竜田川」「熊五郎」のような架空の人物があたかも現代に生きているかのように描写されているのが、おかしい。平景清や弘法大師や加藤清正など歴史上の人物も、なにせ落語でたとえ話として出てくる人として語られるのだから、威厳も何もあったものでない。それでいて、全体を読むと古典落語の粗筋が飲みこめるような仕組みになっていて、娯楽と教養を兼ね備えた無類の本です。

文庫版　283頁　第3刷　旺文社刊　安藤鶴夫/著　カバーと天地小口、本文周辺部に少焼け・少シミ　頁に少ヨレ　定価320円