特集525 宮沢賢治生誕130年 - 近代文学(2026年8月19日〜2026年9月3日 ホーム掲載)
1896(明治29)年8月27日、宮沢賢治、岩手県花巻市に生誕。詩人・童話作家。代表作は「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」「雨ニモマケズ」など。生前はほぼ無名に近く、自費出版した詩集「春と修羅」や童話集「注文の多い料理店」は、没後にその天才性が再発見された。農学校の教師として地質学や天文学にも精通していた。自然界の生き物や現象、鉱物や星々までをも命ある対等な存在として描いた。科学的リアリティと、目に見えない霊的な世界への憧憬が交錯する「銀河鉄道の夜」をはじめとする作品群は、単なる子ども向けの童話の枠組みを大きく超えている。「銀河鉄道の夜」の主人公ジョバンニと親友カンパネルラという異国風で印象的なネーミングを巡っては、17世紀イタリアの哲学者トマーゾ・カンパネッラ(「太陽の都市」の著者)や、イタリア語圏の人名(ヨハネに対応するジョバンニ)からの影響が指摘されているが、一方、賢治の郷土である岩手の身近な人物像「吉兵衛」や「定吉」といった若者たちの呼び名や語感が、賢治特有の音感フィルターを通じて詩的で異国情緒あふれる響きへと昇華されたという説もある。この物語や詩の世界は、時代を超えてアニメーション、SFといったポップカルチャーへと形を変え、人々の心を刺激し続けている。松本零士作「銀河鉄道999」は、着想の原点として誕生したとのことで、蒸気機関車で宇宙を旅するというロマンや生と死を巡る普遍的なテーマを新時代のSFへと発展させた。
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