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メールマガジン記事 日本の古本屋メールマガジン2006

日本の古本屋メールマガジン  その47 9月25日号

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     。.☆.:* その47・9月25日号 *:.☆. 。
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◆INDEX◆
1.自著を語るその20・『古書力99%』
2.イベントのお知らせ
  ・第21回早稲田青空古本祭
  ・中澤弘光ブックデザイン展
  ・第47回東京名物神田古本まつり
3.日本の古本屋即売展情報

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自著を語る」コーナー、今回は林哲夫氏に『文字力100』
(みずのわ出版 http://www.mizunowa.com/index.html )
について語って頂きました。

■古書力99%■

 文字力と書いてモジリキと読ませる。文字通り文字のリキである。
ただし、文字力と言っても、書道やレタリング、ましてや活字やタ
イポグラフィについて述べたわけではない。全くそれらと無関係で
はないにしても、文字そのものを論じる意図もないし知識もない。

 私の本業は絵描きである(おもに古本の絵を描いている)。考え
てみれば、文字というのはその始まりをたずねてみると、具象的な
「絵画」であることが多い。「人」という字は人を横から見た姿だ
し、「T」という字は角を左右に突き出した牛の頭を正面からとら
えている。絵画における描写を落とせるだけ削ぎ落とした、究極の
表現、それが文字なのだ(むろんすべての文字がそうだと言うわけ
ではないが)。

 だとすれば、絵を見るように文字を見ることも可能ではないだろ
うか。というよりも、そのようにして書物に用いられた文字(とく
にタイトル)を漫然と、これカッコイイ、あれはちょっと、などと
まったく無責任に批評し、また気に入ったものを収集してきた。知
らぬ間に積み上がったそんな雑本によって『文字力100』はでき
ている。
 
 私は自分自身でも装幀の仕事を手がけることがある。いつも思う
のだが、装幀というのは、タイトルの文字さえ決まれば、後は付け
足しではないか、と。表紙や背にどういう書体でもいい「文字」と
入れてみる。それを見た人はきっと自分の中にある「文字」と定義
された抽き出しを開くであろう。開いてもらえればそれで成功であ
る。

 ところが仮に「文字」という文字を使わず、図像として「文字」
を表現しようとすると、明らかな困難を感じる。あまりに多様すぎ
て集約できないのだ。これは要するに、絵や写真は人に対して具体
的な何かを与えるが、文字は人の中からイメージを引き出す、そう
いうことではないだろうか。

 それが文字力である。

 例えば、文字の「文」という字は「文身」すなわち「彫物」、今
ふうに言えば「タットゥー」の形象である。ナベブタの点が頭、そ
の下の三角形が胸。古い「文」の字形には三角形の中に文様が描か
れている。それが古代人の「文」に込めた意味だった。文はくりか
らもんもん也。こういう解釈(by 白川静)を知ってしまうと「文」
字を見るたびに遠山の金さんの桜吹雪がちらついて困る。ぎりぎり
コンパクトに切り詰められた記号が逆にとてつもなく大きな容量の
イメージをたぐりよせる。

 それが文字力である。

 文字力というテーマを思いついたのは、京都の古書店、山崎書店
の二階「京都パラダイス」なる展示スペースにおいて、ささやかな
装幀作品展を開催したときのことだった。自作だけの展示では数も
そう多くないし面白くない、好きな古本も並べてみよう、そしてで
きるだけ文字が主役になっているような意匠に絞ってみよう、そう
いう主旨だった。

 これが予想以上に好評で気を良くした。単行本にしましょうとい
う話が持ち上がった。その結果、展示したコレクションをベースと
し、洋書を省いて、和書だけに絞り直したのがここに収めた百冊で
ある。すべて古本である、と言いたいところだが、百冊の内の一冊
だけは新刊で求めた。残り九十九冊は正真正銘の古書である。

 本の写真と解説を見開きでレイアウトしたが、この解説には少々
難渋した。解説を書くためにほぼ百冊すべてを読むはめになった。
私は以前から「本は読む物ではない」と主張しており、その主張を
実行してきたのであるが、今回ばかりは「本は読むこともできるの
だ」と再認識しないわけにはいかなかった。ただ、そのおかげで文
字が集合体として意味を伝える力やその方法、言い換えれば、近代
における文章の魅力や表現の変遷を改めて知る好い機会となったよ
うに思う。

 とにかくも、集め、選び、写真を撮って、解説を書く、『文字力
100』をつくる過程において存分に遊ばせてもらった。その愉し
みが読者の方々にも伝わることを願う。古書店の均一台を前にして
「お、これは文字力だ!」などとつぶやいていただければ、思うツ
ボ、あ、いや、著者冥利に尽きるというものである。

■林哲夫 はやしてつお■

1955年生まれ。画家。著書に、
『古本デッサン帳』(青弓社、2001)
『古本スケッチ帳』(青弓社、2002)
『喫茶店の時代』(編集工房ノア、2002
第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞)
『歸らざる風景ー林哲夫美術論集』(みずのわ出版、2005)
など。

■『文字力100』■

著者:林哲夫
(ブログ「デイリー・スムース」 http://sumus.exblog.jp/ )
発行:みずのわ出版( http://www.mizunowa.com/index.html )
   2006年6月発行
定価:1,890円(本体:1,800円)
ISBN:4-944173-39-3 C0095
判型:新書判
頁数:205ページ

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■イベントのお知らせ■
  
◇◆◇第21回早稲田青空古本祭◇◆◇

早稲田古書店街が送る年に一度の大バーゲンセール、早稲田青空
古本祭は本年も10月1日より開催です。随時追加補充で延べ30
万冊が並びます。また、古本祭会場にて千円以上お求めのお客様
には、古書店街で使える1割引券を差し上げております。会期中
のみ何度でもご利用いただける1割引券を是非ご利用頂きまして、
会場のみならず、古書店街全体の盛り上がりも是非ご体感下さい。

日にち / 10月1日(日)~10月6日(金)
場所  / 穴八幡宮境内(早稲田大学文学部前)
時間  / 10:00~19:00(最終日は17時で終了します)
詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://d.hatena.ne.jp/w-aozora

お問い合わせは早稲田青空古本祭広報部 渥美書房 渥美匡雄まで
住所 / 〒169-0051 新宿区西早稲田3-15-1
電話 / 03-3203-1027
メール/ atsumi@kosho.ne.jp
営業時間 / 10:00~19:00 日曜定休

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◇◆◇中澤弘光ブックデザイン展◇◆◇

 今を去る55年も前、昭和25年発行の『新小説』という雑誌上
で、鏑木清方はこのように懐古しています。

 「今の人は知らないだろうが、この時分(明治末期~大正初期)
の中澤氏の、出版文化の上の業蹟は著しいものだった。鑑賞者の心
に泌々と滲み透る、詩歌的な、浪漫的な、その境地は何人も追随す
ることの出来ない独自なものであった」と。

 すでに50年も前に「今の人は知らないだろう」と懐かしがられ
ている中澤弘光です。たしかに彼が華々しい活躍をしたのは、現在
からおよそ1世紀前、100年も昔のことでした。そして清方の言
う「何人も追随することの出来ない独自な」「詩歌的な、浪漫的な、
境地」を、その装丁本、原画を通してたっぷりとご覧ください。

日にち / 10月15日(日)~10月21日(土)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 10:00~18:00
主催  / 弦屋光溪(版画家)
後援  / 東京都古書籍商業協同組合
問い合わせ先 / 山田書店 03-3295-0252 

期間内に多数イベントがございます。

◆ギャラリー・トーク
 「明治後期の装幀本-弘光・非水・五葉・夢二-」
日にち / 10月15日(日)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 15:00~
佐藤光信氏(平木浮世絵美術館館長)×弦屋光溪氏(版画家)

○●○アンダーグラウンド・ブック・カフェ
(10月15日~17日東京古書会館地下ホールにて開催)○●○

詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

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◇◆◇第47回東京名物神田古本まつり◇◆◇

昭和35年に初めて開催された『神田古本まつり』も、本年で
第47回になります。
今年は専修大学前交差点から三省堂書店前まで、靖国通り沿いを
100万冊の古書が埋め尽くします。今年も賑々しく開催します。
ぜひご来場ください。

日にち/ 10月27日(金)~11月1日(水)
場所 / 神保町古書店街・東京古書会館B1F
問い合わせ先 / 悠久堂書店 03-3291-0773

☆併催イベント☆
『-池谷伊佐夫-本の街イラストめぐり』

古書通の方ならお馴染み、あのイラストレーター・池谷伊佐夫さん
の「秘蔵コレクション」を展示いたします。肉筆イラストはもちろ
ん、取材の際にメモとして使われた“内緒の話”ものっている?
スケッチブックなど、神保町好きには見逃せない愉しい展示会です。

日にち/ 10月26日(木)~10月29日(日)
場所 / 東京古書会館2F情報コーナー
問い合わせ先 / 中野書店 中野知之 03-3261-3522

「本の街・神田神保町」のポータルサイト
【BOOK TOWN じんぼう】http://jimbou.info

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■日本の古本屋 即売展情報■

9月~11月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

最新情報をご確認下さい。

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
見逃したメールマガジンはここからチェック!
【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその47 2006.9.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合 広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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