小林英夫 著、小学館、2007年5月、254p、20cm
5刷 カバー付 帯欠 カバー背上下少スレ カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 本体書き出し 「はじめに」の2xヶ所青色ボールペンで、○の囲みと7文字に線引きあり 本文にはかきこみ、線引きありません 保存状態良好です。
満鉄きってのソ連通で、石原莞爾に先生といわれた宮崎正義は、満州国の建国にあたってその計画経済の立案を主導、さらに日本に帰国して、戦時統制経済の設計図を描いた影の立役者である。彼が、主唱した「間接金融」「資本と経営の分離」などの官僚統制の手法は、日本的経営システムの根幹をなすものである。「日本株式会社」を創案した人物といっても、過言ではない。宮崎が立案した官僚主導の統制経済体制は、その後、岸信介ら「革新官僚」に引き継がれ、戦時体制を支えることになる。さらに、戦後の日本の復興と高度成長も、その延長線上に築かれたものといえる。 本書は、日本屈指の経済戦略家である宮崎正義の初の伝記であり、歴史の表舞台に立たなかったために今まで影に隠れていた宮崎の実像を、中国や旧ソ連の新発掘資料、遺族・関係者の取材などにより、明らかにするものである。 戦後50年にあたり、日本的経営システムの限界と問題点が明白になり、経済面での戦前・戦後の連続性の問題が議論の的となっているが、宮崎正義の思想と生涯を知ることは、原点から日本的経営システムの特質に迫ることになる。そして、今後の日本経済を考える際に、重要な手がかりを与えてくれる。