三好秋馬, 三輪剛 編、現代医療社、1987.3、338p、18cm
序
上部消化管領域の疾患を巡って,この約10年間におけ
あるわれわれ臨床医に驚きと新しい意欲をかきたてもの
といえば診断技術の進歩とその多様化, 加えて新しい治
療薬の出現であろう.
特に診断技術の面においては,従来, 特定の専門領域
の研究者にのみ可能であった消化管の病態, 機能を解説
する検索法がルーチン化に近づいたことである。
あるものは検査機器の進歩によるため, その機器を備
考える必要があるが, それも入手し得る限界に入って来た.
このような診断技術によって得られる知識が集積され
れば, 病気に対する新しい概念, 従来の病態の疑問が明
らかにされ,当然, 治療に結びつけられよう。
本書は新しい診断法 (試験方法) を膨大な成書を読ま
なくとも、容易に実施に踏み切れるようにとの企画と、
ともすれば軽視され易い従来の重要な検査法の再認識を
との意図を加えて, 経験豊かな研究者に、誰でも門に入
(暴れるようにと書いて頂いたものである.
同時に、特殊疾患の整理, 新しい治療などについても
言及して頂いた.
お手許で利用,繁用出来るよう工夫も加えた積りであ
なお,本書の企画は東海大学三輪 剛教授, 広島大学
梶山梧朗教授および大阪北野病院久保勝彦部長に全面的
協力を頂いたものである。感謝と敬意を捧げたい。
1987年3月9日
三好秋馬 広島大学名誉教授