腰巻お仙 唐 10郎 著 1968年「昭和43年」初版 現代思潮社
腰巻お仙/吸血姫/煉夢術/日本列島南下運動の黙示録/魔都の群袋/紅疾風/腰巻おぼろ 妖鯨篇/女シラノ の8冊 (全冊村松友視宛献呈署名入)
現代詩手帖 第12巻 第4号 (1969年4月) <特集 : 創造と暴力>
魔都の群袋 唐十郎 著 潮出版社 危険な魅力をはらむ襲撃的エッセイ 新宿あるいは上野、そして朝鮮半島からバングラデシュへ真紅のテントに怨念込めて強烈な祭りを展開する唐十郎。旗手が送り届けるみずみずしいロマンの数々!
唐版・風の又三郎 飛ぶ鳥を落とす勢いで上昇気流に乗った時期の傑作である。 朝日新聞の劇評では「宮沢賢治、ギリシア神話、ヴェニスの商人などを自家薬籠中のモノとして気軽に取り入れた陶酔」 1973年の深夜、宇都宮の陸上自衛隊の駐屯地で起きた、実際の「自衛隊機乗り逃走事件」が巷間の人口に膾炙され、このドラマの基礎となった。なドラマチックな構成、ロマンとエロティズムが対話し、重層的で毒々しい色彩感に富みながらも、素朴なメルヘンの芳香を散りばめた懐の深い出来栄えと言えよう