訳・楠山正雄 装丁・箱絵・扉 伊原宇三郎 口絵・高橋秀、童話春秋社、昭和30、3冊
初版 A5 函 「楠山先生はこれまで二回にわたりアンデルセン童話集を訳出されたが、いずれもドイツ語版の翻訳全集によったものであった。今回この本のために三度アンデルセン童話を手がけるにあたり、これをよい機会とし今までの旧訳は一切これを用いず多年の宿願であったデンマーク語の原典によって新訳されることにした。数多いアンデルセンの全童話中から、広く最もすぐれたものを探し求めて言語の形と働きをくずさず、われわれの言葉に生かしきることに全力を傾けた畢生の作品を、ここに全三巻として刊行する次第である。」(巻末広告より)「新訳「アンデルセン童話集」の刊行されますについて、訳者の亡父正雄に代り、一言おことわりを申し上げます。まえがきにもありますように、父は、専念、童話春秋社社長篠崎仙司氏のおすすめで、新たに、アンデルセン童話全集の完訳に着手いたしました。アンデルセンを、父が始めて(表記ママ)手がけましたのは大正の中期、三十二三才のころと聞いております。以来その翻訳と紹介とに半生の心血を注いで参りました父にとっては、晩年のこの企画がいわばそのしめくくりともなるはずでありました。その全集は、原語版の五冊を、本文も挿絵も原ページのとおりに五冊に分冊して、形の上からも原著者の息吹をそのまま移し植えよう、とのもくろみで始められ、そして、その中の二冊までは、非常な意気ごみで刊行いたしました。しかし、そのころから不幸にして病魔(肝臓癌)に冒かされ、約半年の闘病生活の後に他界し(昭和二十五年十一月)、そのために企画は空しく挫折するに至ったのであります。ただ不幸中の幸いとでも申しましょうか、病の実情を知らずに、病床にありながらも案外元気であった父は、平生から人一倍努力家であったことも手伝ってか、なおも翻訳をすすめており、それを家人に口述筆記させなどしておりました。こうした状態は殆んど死の直前までもつづけられ、そして、その間にも相当数の訳業がなしとげられていたのであります。このようなわけで、今回、前記の二冊はこれを絶版とし、それに遺稿の分をも加えて、「新訳アンデルセン童話集」三冊とし、改めて世に送ることになりました。」(楠山春樹 新訳「アンデルセン童話集」のはじめに より) 函ヤケ 小口ほかシミ 新聞切り抜きつき
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