鈴木牧之 編撰 ; 京山人百樹 刪定 ; 岡田武松 校訂、岩波書店、2004年10月、348p、19・・・
3刷 カバー付 カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
雪の怖さを切々と、少々の恨み節と
様々な逸話を交え語っています。
それが、北国暮らしの者の鬱屈を
代弁されているようで、なんとも痛快。
熊や狼に関する奇なる話や悲惨な話。
食糧としての鮏(さけ)と、
その漁に纏わる話。
とりわけ、夜間漁に勤しむ夫のためにと
断崖にて施した気遣いが仇となり、
永遠の別れに繋げてしまう妻の話は
やるせなさ一杯で、
心痛如何ばかりか察してしまいます。
妻の絶望、葛藤を思うと胸が詰まります。
また、懐中の食糧を旅人に売ったがために
自身こそが寒さに耐えかね衰弱し
命を落とす村人の話。
身につまされるというか、
何とも皮肉な教訓をも秘めているかと…