
「書皮報50号」
「書皮報50号」中西晴代 |
「書皮報」は、<本が好き、本屋が好き、本屋のカバーも好き>の書皮友好協会の会報です。1983年の「本の雑誌」(本の雑誌社)に、「本屋のカバーを集めています。交換しませんか」という投稿が載って、それを見たカバーにこだわる人、集めている人、集めていないけど何となく面白そう、という人たちが集まって、本屋のカバーを『書皮』と名付けて、書皮友好協会ができた。日本の書店では、本を買うと無料でカバーを掛けてくれる。本はどこで買っても、同じ値段で同じ商品だ。それなら、気に入ったカバーをかけてくれる書店で本を買いたい。互いの連絡手段が、手紙か固定電話の頃のこと。近況や、入手した書皮、訪ねた書店、旅の報告など、手書きで書いた原稿をまとめて会報にした。 会員同士の情報交換で、日本各地の書店に様々な書皮があることを知って、素晴らしい書皮を讃えようということになった。そして毎年1回、会の中で人気投票をして、「書皮大賞、地方賞、特別賞」を決めて、賞状を持って書店を訪ねて、ご店主から聞いた書皮についての話を会報で紹介する、を30回続けた。会員たちの関心の的は、読んだ本より、新しくできた書店のことだ。どんな雰囲気と品揃えか、どんな書皮を使っているか?で、書皮は会員たちが集まる口実かもしれない。 会ができて35年という区切りの今年、会報は50号になった。さらに今年は13年ぶりに2冊目の「カバー、おかけしますか?2」(出版ニュース社)が出版されて、6月に東京古書会館で2度めのカバー展を開催するという、めでたい出来事が重なって、50号はそれらの報告でいつもより厚い104ページになった。 「カバー、おかけしますか?2」では、私のコレクションの中から、絵柄でジャンル分けした248枚の書皮を紹介。東京古書会館 2階でのカバー展(6月20日~23日)では、本に入らなかった<食べ物/元号/コンビニ/作家の似顔絵>などを加えた、32のジャンルに分けて書皮を展示して、韓国やアメリカ、中国で入手した書皮も入れた。順路の最初は、会場がある神保町に敬意を表して、<神保町の新刊書店/古書店>から。ガラスケースのほかに、会場の壁2面に書皮を貼りに貼って・・・その数567枚。いくつかのジャンルが部屋の中に入りきらなくて、外に置いてあった移動式パーティションへと続いた。 絵画作品展さながらの会場は、さっと見て通り過ぎてしまいがちだけれど、それではもったいない。以前よく見かけた新潮社の横向きひょうたん柄はマチスの作品だとか、絵の作者は誰もが知る著名人(伊丹十三、水木しげる、手塚治虫・・・)だとか、単行本用の大判書皮には絵の隅にオオグソクムシが増えたとか・・・蒐めているから知っていることがある。そんな”実は・・・”を紹介するギャラリートークを、会期中に5回行った。 13年前の東京古書会館でのカバー展との違いは、スマホ片手の若い世代が、気に入った書皮を撮影して、その場でSNSに上げていたことだ。書店のレジでカバーいりませんと言う人が多い一方で、日本だけにある書店カバーの文化が、若い世代にカワイイものとして受け継がれていくとしたら、喜ばしいことだ。 4日間だけ存在した、部屋の中すべてが「カバー、おかけしますか?」の書店カバーという、夢のような空間だった。会場で書いていただいたアンケート用紙には、「書店カバーにこんなに種類があるとは! 絶景だ。自分の思い出と重なる。本を日焼けや汚れから守ってくれる大切なもの。図書館のカバーがあるとは」等々。見慣れすぎて存在感の薄い書店カバーも、500枚以上並べばオーラを放つというもので、何人ものお客さんから「圧倒された」の声を聞いた。わざわざ足を運んでくださった皆さんに、楽しく驚いていただけたなら幸いだ。 「書皮報」50号は、そんなこんなの4日間のことを、思い出せる限り書いた記録集でもある。
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本の虫の本
本の虫の本林哲夫 |
紙魚(しみ)をご存知でしょうか? 古書通のみなさんに対して今さらこんな質問を発するのもおこがましいかもしれません。おそらくどなたも古書の隙間からスルスルッとはい出して来る灰色の小さな虫に遭遇されたことがあるでしょう。本書で田中美穂(倉敷の古書店・蟲文庫の主)は次のように説明しておられます。 「フナムシを小さくしたような、銀色のあれ。シミ目シミ科の昆虫で英名はsilverfish。寿命は七、八年と思ったより長い」「その名前からして、いかにも本の天敵のようであるけれど、しかし、活字の上にうねうねとした喰い跡を残したり、穴を開けたりするのはシバンムシという茶色くてころっとした甲虫の仕業なのだ」。 なるほど、紙魚は本を食い荒らすわけではなかったんですね、安心しました。蟲文庫さんによりますと、鹿児島の大隅諸島から届いた古書に住みついていたヤマトシミは、ふだん見かけるものよりも、ひとまわり以上も大きく、かなり黒っぽかったそうです。どちらかと言えば南方系の生き物だそうで、関西の方で幅を利かせているらしいのです。もし万一「糸魚川ー静岡構造線」以東の方で紙魚を知らないとおっしゃる方がいらしても悲観(?)するにはあたらないのかもしれません。 本の間をウロチョロしながら本とともに暮し、本をなめるように生活している、まるで紙魚のような人たちのことを「本の虫」と申します。そんな本の虫五匹……古本界ではもうおなじみのオカザキフルホンコゾウムシ(岡崎武志)、オギハラフルホングラシムシ(荻原魚雷)、理科系女子タナカコケカメムシブンコ(田中美穂)に加えて、新刊書店のおもしろ話を数々披露してくれるノムラユニークホンヤムシ(能邨陽子、京都・恵文社一乗寺店勤務)、そして私ハヤシウンチククサイムシ(林哲夫)……が集りまして文字通り『本の虫の本』をまとめました。 本と本をとりまく世界について、五匹がそれぞれ分担したテーマを、短いエッセイとして執筆しています。見出しは155。用語集としての正確さも心がけながら、読んで楽しいように編集されています。巻中に挿入された赤井稚佳のカラーイラストも本好きならではのデフォルメが気持いいのです。どのページを開いても何かしらヒントになる、そう、本が読みたくなる、本屋・古本屋へ行きたくなる、そんな本に仕上がりました。どうぞ一度、立ち読みしてみてください、「座り読み」(ノムラムシ担当)でもけっこうです。 蛇足ながら、執筆者全員、糸魚川ー静岡構造線以西の生まれです。
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2018年10月10日 第260号
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古書市&古本まつり 第68号
。.☆.:* 通巻260・10月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。
初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛け下さい。
なお、1月から「シリーズ古書の世界」を連載しております。
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━━━━━━━━━【シリーズ古書の世界 第11回】━━━━━━━
本と暮らす
出久根達郎(芳雅堂)
数年前、『本と暮らせば』という本を書いた(今夏、草思社文庫で刊)。
むろん、井上ひさしの名作『父と暮らせば』の模倣タイトルである。
下手なもじりに及んだのは、昨今、家の中から本が消え、本と暮らし
ていない人が大半だからである。
本と暮らす生活がどのようなものか、まじめに考察するつもりだ
ったが、よくよく考えてみると、私の本を読むような人はすでに実
践しているわけで、何も改めて私が説くまでもない。
続きはこちら
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『文庫 本と暮らせば』 著者 出久根達郎
(草思社文庫) 定価:886円 (本体 820円) 好評発売中!
http://www.bunsobunko.net/soshisha/detail/978-4-7942-2347-0.jsp
━━━━━【10月10日~11月15日までの全国即売展情報】━━━━━
⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
第18回 四天王寺 秋の大古本祭り(大阪府)
期間:2018/10/05~2018/10/10
場所:四天王寺 大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
URL:http://osaka-koshoken.com/
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第49回 鶴屋古書籍販売会(熊本県)
期間:2018/10/10~2018/10/15
場所:鶴屋百貨店 本館6階催事場
熊本市中央区手取本町6番1号
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BOOK & A(ブック&エー)
期間:2018/10/11~2018/10/14
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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城南古書展
期間:2018/10/12~2018/10/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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有隣堂イセザキ本店・古書ワゴンセール(神奈川県)
期間:2018/10/13~2018/11/04
場所:有隣堂伊勢佐木町本店
横浜市中区伊勢佐木町1-4-1
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ぐろりや会
期間:2018/10/19~2018/10/20
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://www.gloriakai.jp/
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本の散歩展
期間:2018/10/19~2018/10/20
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
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秋の古本掘り出し市(岡山県)
期間:2018/10/24~2018/10/29
場所:岡山シンフォニービル1F 自由空間ガレリア
岡山県岡山市北区表町1-5-1
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浦和宿古本いち(埼玉県)
期間:2018/10/25~2018/10/28
場所:JR浦和駅西口さくら草通り 徒歩5分 マツモトキヨシ前
URL:https://twitter.com/urawajuku?lang=ja
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ア・モール古本市(旭川市)
期間:2018/10/25~2018/10/30
場所:コープさっぽろ ア・モール店 1階催事場
北海道旭川市豊岡3条2丁目
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神田古本まつり特選古書即売展
期間:2018/10/26~2018/10/28
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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フィールズ南柏の古本市(千葉県)
期間:2018/10/26~2018/11/08
場所:フィールズ南柏2F 千葉県柏市南柏中央6-7
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オールデイズクラブ古書即売会(愛知県)
期間:2018/10/26~2018/10/28
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12
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第59回 東京名物 神田古本まつり(青空古本市)
期間:2018/10/26~2018/11/04
場所:神田神保町古書店街(靖国通り沿い・神保町交差点ほか)
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好書会
期間:2018/10/27~2018/10/28
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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第13回 にしお本まつり(愛知県)
期間:2018/10/27~2018/10/28
場所:愛知県西尾市立図書館/西尾市岩瀬文庫
愛知県西尾市亀沢町480
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明治維新150年カウントダウン 維新ふるさと館古書店(鹿児島県)
期間:2018/10/27~2018/11/04
場所:鹿児島市維新ふるさと館受付前ロビー(入場無料 館内見学は有料)
鹿児島市加治屋町23番1号(西郷隆盛生誕地隣)
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第20回 図書館総合展古書即売会(神奈川県)
期間:2018/10/30~2018/11/01
場所:パシフィコ横浜 展示ホールD
横浜市西区みなとみらい1-1-1
URL:http://www.libraryfair.jp/
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第42回 秋の古本まつり-古本供養と青空古本市-(京都府)
期間:2018/10/31~2018/11/04
場所:大本山百万遍知恩寺境内
京都府京都市左京区田中門前町103
URL:http://koshoken.seesaa.net/
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東京愛書会
期間:2018/11/02~2018/11/03
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/
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古書愛好会
期間:2018/11/03~2018/11/04
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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蓬左文庫古書市
期間:2018/11/03~2018/11/11
場所:徳川園 蓬左文庫エントランスホール(講座室)
名古屋市東区徳川町1001
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洋書まつり
期間:2018/11/09~2018/11/10
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://blog.livedoor.jp/yoshomatsuri/
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好書会
期間:2018/11/10~2018/11/11
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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新橋古本まつり
期間:2018/11/12~2018/11/17
場所:新橋駅前SL広場
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早稲田青空古本まつり
期間:2018/11/12~2018/11/17
場所:早稲田大学十号館前(大隈重信公銅像そば)
新宿区西早稲田1-6-1
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浦和宿古本いち-埼玉県民の日(14日)臨時即売展- (埼玉県)
期間:2018/11/14~2018/11/18
場所:JR浦和駅西口さくら草通り 徒歩5分 マツモトキヨシ前
URL:https://twitter.com/urawajuku?lang=ja
━━━━━━━━━━【映画公開のお知らせ】━━━━━━━━━
映画
『ビブリア古書堂の事件手帖』
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂。その店主である篠川栞子
(しのかわ しおりこ)が古書にまつわる数々の謎と秘密を解き明
かしていく国民的大ベストセラー、三上延・著「ビブリア古書堂
の事件手帖」シリーズ。
その実写映画化となる『ビブリア古書堂の事件手帖』が11月1日(木)
に公開となります。
続きはこちら
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原作:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』
(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
出演:黒木華 野村周平/成田凌/夏帆 東出昌大
監督:三島有紀子 脚本:渡部亮平、松井香奈
(C) 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
配給:20世紀フォックス映画、KADOKAWA
主題歌:サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」
(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
ホームページ
https://biblia-movie.jp/
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日本の古本屋メールマガジンその260 2018.10.10
【発行】
東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
URL http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:二見彰
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本と暮らす (シリーズ古書の世界第10回)
本と暮らす出久根達郎 |
数年前、『本と暮らせば』という本を書いた(今夏、草思社文庫で刊)。むろん、井上ひさしの名作『父と暮らせば』の模倣タイトルである。下手なもじりに及んだのは、昨今、家の中から本が消え、本と暮らしていない人が大半だからである。 本と暮らす生活がどのようなものか、まじめに考察するつもりだったが、よくよく考えてみると、私の本を読むような人はすでに実践しているわけで、何も改めて私が説くまでもない。そして本と同居していない人は最初から読むはずがない。ここで私が言う本は、紙に印刷された書籍であって、電子書籍のことではない。電子のそれは、私自身は書籍と称するのに抵抗がある。映像のそいつを蔵書といえるだろうか。 しかし、近い将来には、本といえば電子の方になるのだろう。紙の本は邪魔者扱いされるのだろう。いや、それはすでに始まっている。 先日、所用で外出した折、近所のゴミ集積所に、世界大百科事典の揃いが捨ててあった。きちんと一巻から巻を追って積んであった。三十数年前の版だが、使おうと思えば、十分、事典の用は果たす。もったいないと思うが、出かける身ではどうしようもない。心あるかたにもらわれなよ、と念じながら立ち去った。 夕方、帰途、集積所の前を通ったら、百科事典の山だけが元の位置に残っていた。貼り紙があって、「これはゴミではありません 資源です。資源回収の日に改めて出して下さい」と書いてあった。事典の持ち主に宛てた文言だろう。 私はうなるほど感心した。確かに事典はゴミではない。「資源」である。ものは言いようだ。この貼り紙を書いた人は、本を粗末に扱った持ちぬしに皮肉をきかせたのだろう。 カミさんにかくかくと報告したら、資源ゴミと生ゴミの回収日は別だ、と言ってるんですよ、ゴミ扱いには変わりません、と苦笑した。 百科事典は、いつのまにか、処理されたようである。数日後、集積所に姿は無かった。 別に感慨も湧かないが、あの時、きちんと巻を揃えて集積所に置いた持ちぬしの心情を、あれこれ推量した。長い間、大事にしていた事典ではなかったか。使ったかどうかはともかく、事典と共に暮らしていたのである。何かの事情で手離さざるを得なかった。古書店に相談したに違いない。商売では引き取れぬ、と言われたはずだ。だからといって手元にとどめられぬ事情があった。泣く泣く集積所に運んだのかも知れない。邪魔者だったら、とうの昔に処分していたろう。本と暮らせない特別なことが出来(しゅったい)したのかも知れない。 突然、家の中から戸外に放置された百科事典は、どんな思いであったろう。書物の居場所は家屋、それも書棚がふさわしい。人のぬくもりの感じられる近くである。本というものは、必ず人とつながっているものなのだ、と今更ながらしみじみ思うのである。
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Copyright (c) 2018 東京都古書籍商業協同組合 |
『ビブリア古書堂の事件手帖』映画公開

2018年9月25日 第259号
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☆INDEX☆
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1.忘れられた戦時中の女性団体を掘り起こして
胡澎(中国社会科学院日本研究所日本社会室室長)
2.死海文書と終末論 月本昭男
3.「本の玉手箱―国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━【自著を語る(213)】━━━━━━━━━
忘れられた戦時中の女性団体を掘り起こして
胡澎(中国社会科学院日本研究所日本社会室室長)
白いタスキをかけて「万歳」三唱で出征兵士を送り出す「国防婦
人会」の女性たち――戦時中の女性団体についてはそんなイメージ
がすぐに思い浮かぶのではないかと思います。実は、出征兵士の見
送りは1942年夏まで。それ以降は防諜上の理由から禁止されます。
名前だけはよく知られている「大日本国防婦人会」も、アジア・太
平洋戦争の過程では「大日本婦人会」に統合(1942年2月)されて
しまっていました。
続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=4182
『戦時体制下日本の女性団体』胡澎 著 莊嚴 訳
こぶし書房 本体4,200円+税 好評発売中!
http://www.kobushi-shobo.co.jp/book/b298092.html
━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━
死海文書と終末論
月本昭男
死海文書の最初の発見は一九四七年、その二年前には、ナグ・ハ
マディ文書と呼ばれるグノーシス主義文書がエジプトで出土してい
ます。二〇世紀最大の発見と称されることになる二つの文書は、相
前後して日の目を見たことになります。死海文書は、キリスト教が
成立する前後の時代に書かれて、死海沿岸の洞穴に秘匿され、ナグ
・ハマディ文書はキリスト教が地中海周辺地域にひろがってゆく時
期に書かれ、四世紀前半に埋められました。
続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=4180
死海文書 全12冊 死海文書翻訳委員会訳 刊行開始
『死海文書 Ⅷ 詩篇』勝村弘也・上村静訳
定価 3600円+税 好評発売中!
『死海文書 Ⅸ 儀礼文書』上村静訳
ぷねうま舎刊 定価4000円+税 好評発売中
https://www.pneumasha.com/
━━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━
開館70周年記念展示
「本の玉手箱―国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」
国立国会図書館では、開館70周年を記念した展示会「本の玉手箱―
国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」を開催します。
昭和23(1948)年の開館以降の当館の歩みと、約4,300万点に及ぶ
蔵書の多様さを、美しい本、珍しい本、どこかで見た本、世を映す
本といった特色ある資料約180点(展示替え分を含む)の展示によ
りご紹介します。
http://www.ndl.go.jp/exhibit70/index.html
[東京会場]
開催期間:平成30年10月18日(木)~11月24日(土)
(日・祝・11月21日(水)は休館)
開催時間:10時~19時(土曜日は18時まで)
会場:国立国会図書館東京本館 新館1階展示室
(東京都千代田区永田町1-10-1)
入場料:無料
[関西会場]
開催期間:平成30年11月30日(金)~12月22日(土)
(日・12月19日(水)は休館)
開催時間:10時~18時
会場:国立国会図書館関西館 地下1階大会議室
(京都府相楽郡精華町精華台8-1-3)
入場料:無料
※両会場とも展示会の観覧のみの場合、入館手続きは不要です。
満18歳未満の方でもご覧いただけます。
お問い合わせ先:
国立国会図書館利用者サービス部サービス企画課展示企画係
(電話:03-3506-5260(直通)
E-mail:tenjik-info@ndl.go.jp)
━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━
『本の虫の本』
林 哲夫 著 / 能邨 陽子 著 / 荻原 魚雷 著 / 田中 美穂 著 /
岡崎 武志 著
創元社 定価:2,484円 好評発売中
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=3894
━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━
9月~10月の即売展情報
⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
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日本の古本屋メールマガジンその259 2018.9.25
【発行】
東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
URL http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:二見彰
編集長:藤原栄志郎
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忘れられた戦時中の女性団体を掘り起こして
忘れられた戦時中の女性団体を掘り起こして胡澎(中国社会科学院日本研究所日本社会室室長) |
白いタスキをかけて「万歳」三唱で出征兵士を送り出す「国防婦人会」の女性たち――戦時中の女性団体についてはそんなイメージがすぐに思い浮かぶのではないかと思います。実は、出征兵士の見送りは1942年夏まで。それ以降は防諜上の理由から禁止されます。名前だけはよく知られている「大日本国防婦人会」も、アジア・太平洋戦争の過程では「大日本婦人会」に統合(1942年2月)されてしまっていました。映画やテレビドラマで作られたイメージをあらためて確かめてみると、意外なほど戦時下の女性の実像を知らなかったことに気付かされます。 かつての日本政府は満洲事変から「大東亜戦争」まで、国内人口の半分を占める女性を動員しました。女性は戦争を熱狂的に支持したとともに、重要な役割を果たしたのです。しかし、次のことに注意するべきです――戦時期の日本女性は個人としてではなく、さまざまな婦人団体を通して戦時体制に巻きこまれたのだということを。 戦時体制下では、女性を動員する力を持っていた官製女性団体(愛国婦人会・大日本国防婦人会・大日本聯合婦人会そして大日本婦人会)は、銃後を安定させ、戦時経済生活を維持し、「士気」を鼓舞する上では大きな役割を発揮したと言えるでしょう。 本書では、まず戦時体制下の女性団体の全体像を俯瞰的に論述することに努めました。我が国(中華人民共和国)の学界ではこの時期の日本女性史に関する資料が不足している現状もあり、日本で蒐集した大量の一次資料をできるだけ利用し、それぞれの団体の公式発表や証言などから実像を描き出しています。 さらに、なぜ戦時下の女性団体が戦争に追随し協力したのか、この思想的な深層を掘り下げることもめざしました。近代の「忠君愛国」を軸とする女性教育や、「家族国家」観と「家」制度、「男尊女卑」的な社会的性差、「皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠」なる天皇制などの問題を含め、制度・思想・文化と伝統などの視点から日本女性団体が戦時体制に参加したことの原因を分析しています。 そして、市川房枝をはじめとした婦選運動のリーダーたちが、なぜ満洲事変後に「転向」し、政府の侵略政策を支持し、戦争を支えた官製女性団体の指導者となっていったのか。このことも本書で力を入れたポイントです。ある意味では、彼女たちの「転向」問題をはっきりさせてはじめて、戦時女性団体に適切な評価を行い、必要な歴史的教訓を見出すのに真に役立つと私は考えています。 女性解放を、国策翼賛をつうじて実現しようとした悲劇――このことが本書のもうひとつのテーマとなっているのです。
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死海文書と終末論

2018年9月10日 第258号
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古書市&古本まつり 第67号
。.☆.:* 通巻258・9月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。
初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛け下さい。
なお、1月から「シリーズ古書の世界」を連載しております。
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━━━━━━━━━【シリーズ古書の世界 第10回】━━━━━━━
江戸から伝わる古書用語6 江戸時代の本屋の終焉
橋口 侯之介(誠心堂書店)
江戸時代の本屋の仕組みはよくできていた。それを整えた本屋仲間
への信頼度も高く、安心して代々継承していた。業界への参入の門
戸が広いために個人単位でも末端に入り込むことができた。
しかし、そうした体質は明治に入ると外堀を埋められるような形で
変貌を余儀なくされてしまう。そこには現代に通ずる問題があるの
で私たちもじっくり考えなくてはならない。
続きはこちら
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誠心堂書店
http://seishindo.jimbou.net/catalog/index.php
━━━━━【9月10日~10月15日までの全国即売展情報】━━━━━
⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
第1回 国分寺大古書市
期間:2018/09/05~2018/10/03
場所:ミーツ国分寺 3階特設会場
JR中央線、西武国分寺線、多摩湖線「国分寺駅」北口直結
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有隣堂フジサワ古書フェア
期間:2018/09/06~2018/09/19
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場
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博物館古書市
期間:2018/09/08~2018/09/17
場所:名古屋市博物館 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
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第28回 池袋西口公園古本まつり
期間:2018/09/08~2018/09/16
場所:池袋西口公園
豊島区西池袋1-8-26 東京芸術劇場横
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第34回 古本浪漫洲 Part3
期間:2018/09/10~2018/09/12
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2
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第34回 古本浪漫洲 Part4
期間:2018/09/13~2018/09/15
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2
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書窓展(マド展)
期間:2018/09/14~2018/09/15
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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TOKYO BOOK PARK 吉祥寺
期間:2018/09/14~2018/09/25
場所:吉祥寺パルコ1Fターン・ザ・テーブル
武蔵野市吉祥寺本町1-5-1
URL:http://tokyobookpark.com/
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第43回 鬼子母神通りみちくさ市
期間:2018/09/16~2018/09/16
場所:雑司が谷・鬼子母神通り
URL:http://kmstreet.exblog.jp/
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第34回 古本浪漫洲 Part5
期間:2018/09/16~2018/09/18
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2
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趣味の古書展
期間:2018/09/21~2018/09/22
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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中央線古書展
期間:2018/09/22~2018/09/23
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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新橋古本まつり
期間:2018/09/24~2018/09/29
場所:新橋駅前SL広場
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浦和宿古本いち
期間:2018/09/27~2018/09/30
場所:JR浦和駅西口さくら草通り 徒歩5分 マツモトキヨシ前
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和洋会古書展
期間:2018/09/28~2018/09/29
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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西部展
期間:2018/09/28~2018/09/30
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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五反田遊古会
期間:2018/09/28~2018/09/29
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
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第15回 「古書の日記念」古書の日即売会
期間:2018/09/28~2018/09/30
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12
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京都まちなか古本市
期間:2018/09/28~2018/09/30
場所:京都古書会館 京都市中京区高倉通夷川上る福屋町723
京都市営地下鉄烏丸線・丸太町駅の7番出口から徒歩4分ほど
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第42回ヨコハマ古書まつり
期間:2018/10/04~2018/10/07
場所:有隣堂・伊勢佐木町本店
有隣堂本店別館2階催事場(旧・文具館)
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第19回 八王子古本まつり
期間:2018/10/05~2018/10/09
場所:JR八王子駅北口 ユーロード
URL:http://hachiojiusedbookfestival.com/
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第21回 天神さんの古本まつり
期間:2018/10/05~2018/10/09
場所:大阪天満宮境内 大阪市北区天神橋2丁目1番8号
URL:http://osaka-koshoken.com/
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杉並書友会
期間:2018/10/06~2018/10/07
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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横浜めっけもん古書展
期間:2018/10/06~2018/10/07
場所:神奈川古書会館1階特設会場
神奈川県横浜市神奈川区反町2-16-10
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LOFT9 BOOKFES,2018 一日まるごと古本市&トーク
期間:2018/10/07
場所:LOFT9 shibuya 渋谷区円山町1-5 キノハウス1F
URL:http://www.loft-prj.co.jp/loft9/
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BOOK & A(ブック&エー)
期間:2018/10/11~2018/10/14
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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城南古書展
期間:2018/10/12~2018/10/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
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有隣堂イセザキ本店・古書ワゴンセール
期間:2018/10/13~2018/11/04
場所:有隣堂伊勢佐木町本店
横浜市中区伊勢佐木町1-4-1
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次回メールマガジンは9月下旬に発行です。
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次回は2018年9月下旬頃発行です。お楽しみに!
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日本の古本屋メールマガジンその258 2018.9.10
【発行】
東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
URL http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:二見彰
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