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2015年5月13日 第181号

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    古書市&古本まつり 第31号
     。.☆.:* 通巻181・5月13日号 *:.☆. 。
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━━━━━【5月13日~6月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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有隣堂イセザキ本店・古書ワゴンセール(神奈川県)

期間:2015/04/28~2015/05/16
場所:有隣堂伊勢佐木町本店 横浜市中区伊勢佐木町1-4-1
    
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第5回 リブロ池袋本店 アートブックバザール

期間:2015/05/01~2015/05/31
場所:西武百貨店 池袋本店 書籍館2階 
   リブロ芸術書売場 特設会場

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第19回 早稲田青空古本掘出市

期間:2015/05/11~2015/05/16
場所:早稲田大学 10号館前(大隈像裏の広場)

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たにまち月いち古書即売会(大阪府)

期間:2015/05/15~2015/05/17
場所:大阪古書会館 (中央区粉川町4-1 TEL:06-6767-8380)
   ※谷四と谷六のちょうど中間
  
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五反田遊古会

期間:2015/05/15~2015/05/16
場所: 南部古書会館  品川区東五反田1-4-4

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下町書友会

期間:2015/05/15~2015/05/16
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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アツベツ「古書の街」(札幌市)

期間:2015/05/17~2015/05/19
場所:サンピアザ 1F 光の広場
   札幌市厚別区厚別中央2条5丁目
   地下鉄東西線新さっぽろ駅直結

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新橋古本市

期間:2015/05/18~2015/05/23
場所:新橋駅 SL広場
  
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札幌ブキニスト in チ・カ・ホ(北海道)

期間:2015/05/18~2015/05/24
場所:札幌地下歩行空間 憩いの空間

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2015/05/21~2015/05/24
場所:JR浦和駅西口下車 さくら草通り徒歩5分 マツモトキヨシ前

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趣味の古書展

期間:2015/05/22~2015/05/23
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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名鯱会(名古屋)

期間:2015/05/22~2015/05/24
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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中央線古書展

期間:2015/05/23~2015/05/24
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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第74回 彩の国所沢古本まつり(埼玉県)

期間:2015/05/27~2015/06/02
場所:くすのきホール 西武線所沢駅 東口 西武第二ビル8F

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第20回 BOOK & A(ブック&エー)

期間:2015/05/28~2015/05/31
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9  

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和洋会古書展

期間:2015/05/29~2015/05/30
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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有隣堂イセザキ本店・古書ワゴンセール(神奈川県)

期間:2015/05/30~2015/06/20
場所:有隣堂伊勢佐木町本店  横浜市中区伊勢佐木町1-4-1

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城南古書展

期間:2015/06/05~2015/06/06
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22  

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反町古書会館展(神奈川県)

期間:2015/06/06~2015/06/07
場所:神奈川古書会館 1階特設会場
   横浜市神奈川区反町2-16-10

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新興古書大即売展

期間:2015/06/12~2015/06/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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大均一祭

期間:2015/06/13~2015/06/14
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

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新宿古書展

期間:2015/06/14~2015/06/15
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 
※初日14日(金)は、11時開場です。

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日本の古本屋メールマガジンその181 2015.5.13

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:殿木祐介

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katarog

『古本はこんなに面白い』中野智之 著 が生まれるまで

『古本はこんなに面白い』中野智之 著 が生まれるまで

中野書店 中野千枝

 著者の中野智之は、昭和53年から中野書店の2代目として古本屋に従事し、昨年平成26年の12月に病の爲永眠致しました。著者が発行していた目録に『お喋りカタログ』があり『古本はこんなに面白い』はその番外編として、古書通信に連載された32編を集めた冊子です。常に傍らにいたものとして、誕生秘話(というほど大層なものでもないのですが、)を明かしますと、月刊目録『古本倶楽部』200号の記念として何かを出そうということがきっかけでした。すぐに彼は「別冊をつくるよ」と朗らかに答え「大変じゃないの?」という私の心配をしり目に、いつのまに本を溜めていたのか意気揚々と作り上げてしまいました。そして2008年2月第1号挨拶でこんな風に紹介しています。

「『古本倶楽部』もなんとか2百号を数えるに致りました(中略)百号のおりには確か、百尺竿頭一歩を進む、というご挨拶をした覚えがありますが、二百となるとさて、何としましょう。二百号…。言葉巧みに相手を言いくるめてしまうことを三百代言と申しますね。古本倶楽部も百はすぎたが三百にはまだ遠い。ならば今回は間をとっての二百。「二百代言」ということで、あながち嘘ではありませんが、本についての聞きかじり読みかじりのお喋りを加え、うまくお客様を言いくるめてしまおうか(笑)。いやいや、そんな不埒な魂胆ではありませんが、古本倶楽部200号記念の別冊として『お喋りカタログ」をお届けします。余計な記述が煩いかもしれませんが、つれづれに古本屋の親父と、本についての閑話を交わすようなお心持でお目通しいただけたら幸甚です。もちろん「二百代言」に乗っていただいてのご注文、謹んでお待ち申し上げます。」

ところがこれが好評で売れ行きも良く、目録部一同の、またお客様の「ぜひ2号を作って」の要請にこたえ、ずっと作り続けていくことになりました。「月刊に加えてなので苦労をかけるなあ」と思っていたのですが、2011年に千代田図書館で展示された折に古書店主の「目録に込めた思い」で彼はこう語っています。

「『お喋りカタログ』は『古本倶楽部』の反動です。「墨を惜しむこと金の如く」というのが古書目録の本道。解説はなるべく簡略に、要点と事実のみお客様に伝えて注文をいただく。よけいなことは言わない。(中略)それでも長い間この世界に居りますと、溜まってくるのですね。鬱勃としたものが。ムズムズしたものが。そうした古本の垢のようなムズムズを材料に、目録を使ってお客様とお喋りするというのが『お喋りカタログ』の本旨です。手間はかかるのですが、半分ぐらい自らの愉しみのようなもので、内容も刊行時期も溜まり次第という具合です。」
なるほど、そうだったのか…と安堵して、それからは「そろそろ作ってね。」と容赦なく(笑)言えるようになりました。この目録は本人も楽しみながら、1号ゝゝ大切に出していました。一回目の「二百代言」に込められた思いはそのまま挨拶文の常套文句となりました。

「余分な口上はいずれ古本屋のくどき文句。時代も分野もあっちへ飛びこっちへ飛び、誤記誤解、勘違い聞き違い、言葉足らずも多々ございますが、くさぐさご容赦下さいませ。誘い文句に興味をもたれ、ついついくどかれてやろうかとのご注文謹んでお待ち申し上げます。」

こうして、面白そうとか、あっ見つけた、等など、独りぶつぶつつぶやきながら蒐めた品を、ランダムに掲載していきました。でも目録にはどうしても字数制限があります。書き足りなかったものを補足して満足いくまで仕上げさせて頂いたのが「お喋りカタログ番外編」です。「お別れの会」(2015年3月18日東京古書会館地下ホールで開催)では古書通信社の皆様のご厚意で「古本はこんなに面白い」という冊子になり、読んで下さった皆様からも暖かい評価を多々頂きました。この場を借りて深くお礼申し上げます。
内々の仕事や目録作業だけに従事していると彼の仕事がどういうものなのかよくわかっていなかったところがありますが、ご同業また関連職種の多くの方が他誌に掲載して下さった文章やお寄せ下さった手紙などから知らなかった彼の一面を感じることができました。

その内の一つ石神井書林内堀弘様の「図書新聞」掲載の一部を抜粋させて頂きます。
「40頁ほどの、まるで抜き刷りのような冊子に32編の古書エッセイがある。どれも本当に勉強をしていてそれが嫌らしいものではない。八百屋さんが年月のうちに野菜を見る眼を持つように、古本屋という職業を通じて得た馥郁とした豊かさだ。(中略)しばらくすると神保町の東京堂書店で週間ベストテンの七位に入った。ひっそりと遺された一冊に、古本屋の矜恃も含羞もしっかり刻まれている。ここはつくづく本の街だ。そういう本を決しておろそかにしない」



katarog

『古本はこんなに面白い「お喋りカタログ」番外編』中野智之 著
日本古書通信刊 本体1,500+税 好評発売中!

http://www.kosho.co.jp/kotsu/

 

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kutibue

『口笛を吹きながら本を売る 柴田信、最終授業』

『口笛を吹きながら本を売る 柴田信、最終授業』

石橋毅史

 20××年某月某日。
 昼食をすませて職場へ戻る途中、ふと目の前の古本屋に足が向いた。なぜそうしたのかはわからない。まさに出来心としかいいようがなかった。
 すこし久しぶりの古本屋は、新鮮だった。焦げ茶に変色した古めかしい本はどれも神々しく、昔の雑誌のバックナンバーの表紙を見ていると、しばしタイムスリップした気分になった。一冊一冊が、何かを呼びかけているようだった。

こんな時は何冊か買うに限る。本の背文字を真剣に追った。読んでみたいと思いながら忘れていた本、インタビュー記事をよんで興味をもった作家のデビュー作、学生時代に友人に貸したきりの小説……目についたものを抜きだしてみる。ある本は棚へ戻し、ある本は手元に残して次の棚へ移る。

せっかくだから、タイトルも著者名も知らない本も、選んでみよう。
すると、一冊が目にとまった。薄クリーム色のカバー、わずかに掠れさせた版画風の印刷。棚から抜きだしてみると、かすかにざらついた紙質が手に心地よく、軽い。
カバーのデザインも軽妙だ。中央に赤い本が立ち、飛び出した栞に乗った小鳥がくちばしを開いている。そのイラストを、黒字の本タイトルと赤字のサブタイトルが囲んでいる。いちばん下に《本屋は「普通」であればいい。》と書いてある。
なぜ、「普通」をカギカッコで括っているのだろう?

開いてみる。目次の後の「序」の章扉にも、カバーの小鳥がいる。章題は《いつだって会える名翁》、一文目は《東京の神保町に、岩波ブックセンターという書店がある》。知らない店だ。いまもあるのだろうか。主人公はそこの店主で、かなりの高齢らしい。
てきとうに頁を繰ると、今度はこんな文が出てきた。

《大衆の中にいて、際立って凄くもないし、頭もさほど良くはない。》
 俺のことじゃないか。だからこの後も、山積みの仕事が待っている。
《そういう人間だからこそ、やっていけないはずがないと思ってる。だからこそやっていけるのが、この世の中であるに決まってるんです。》
 たぶん、主人公が自分の信念を言っているのだろう。

全体は対話形式になっていて、合間に主人公の生い立ちが挟まれている。《ダザイ、オダサク、アンゴ……ヒロセ》という見出しが出てきた。ダザイ、オダサク、アンゴはなんとなく見当がつくが、ヒロセって誰だ? さらに頁をパラパラとやってみる。目についた単語は労務管理……単品管理……サブカルチャー……ストリッパー……快感? なんだか統一性がない。
《思ったことは、思っただけのこと。言ったことは、言っただけのこと。やったことだけが、やったことなんですよ。》

なかなか良いことを言うジイサンじゃないか、と思ったら、いまは《やった、とはいえない》状態にあるらしい。
よくわからないが、手元に残した。気が向いたときにでも、読んでみよう。
――あくまで一例ですが、こんなふうに誰かが手にしてくれたら、それが長年にわたって続いたら、著者としてはとても嬉しい。



kutibue

『口笛を吹きながら本を売る 柴田信、最終授業』石橋毅史 著
晶文社刊 定価1,600 円+税 好評発売中!
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dokusyo

『「週刊読書人」と戦後知識人』のこと

『「週刊読書人」と戦後知識人』のこと

植田康夫

 出版評論家の小田光雄さんのインタービュー・構成による「出版人に聞く」というシリーズが論創社から刊行されるようになって数年になり、巻数を重ねてきたが、最新巻の17巻目に私が登場することになった。昨年、半日ぐらいかけて小田さんのインタビューを受け、テープに録音したものを文字化した原稿を小田さんが整理され、ゲラになったものに私が手を入れて本は完成した。

 これまで、何冊かの著書を出しているが、今度の本は著者名が私になっていても、小田さんとの共著だと言ってよい。というのは、この本のために、小田さんはいろいろと資料を集められ、私の記憶が定かでないことも、丹念に聞かれ、私の過去が明確になったからである。

 この本は『「週刊読書人」と戦後知識人』という題名になっているように、私が大学を卒業して入社した「週刊読書人」という書評新聞の編集を通して体験したことや、編集の仕事で出会った人たちのことを語ったものであるが、それは私の人生を語ることでもあった。

 全体は5部で構成され、第1部は私が1968年、文研出版から刊行した書下ろしの処女作である『現代マスコミ・スター』の話から始まる。というのは、この本を小田さんが高校生時代に読んでおられたので、この本をイントロダクションにしようと思われたからである。

 私は1962年に読書人に入社しており、本を書いたのは入社して6年後のことで、私がまだ二十代の頃であった。この本は副題が「時代に挑戦する6人の男」となっており、当時、マスコミで売出し中の野坂昭如・五木寛之・永六輔・いずみたく・梶山季之・草柳大蔵氏らがどのようにして世に出て、どういう仕事をしてきたのかを追跡した人物ドキュメントであった。この本を書くきっかけとなったのは、私が67年に読書人に勤めながら「大宅壮一東京マスコミ塾」に通ったことである。この塾を通してノンフィクションに関心を持つようになり、大宅氏の仕事に学びながら、マスコミの世界に生きる人たちのことを紹介するようになった。そして「週刊読書人」では三島由紀夫氏などにもインタビューしたが、『「週刊読書人」と戦後知識人』では、それらの経緯を詳しく語っているので、お読みいただきたい。



dokusyo

『「週刊読書人」と戦後知識人』 植田康夫 著
 論創社 本体2,000円+税 好評発売中
http://www.ronso.co.jp/index.html
週刊読書人http://www.dokushojin.co.jp/
 

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samayoeru

『さまよえる古本屋』について

 

『さまよえる古本屋』について

須賀章雅

 二年半前、奇特な編集者さんが現れて、『貧乏暇あり 札幌古本屋日記』という本を出してくれました。「印税生活はどう?」などと訊く同業者もおりましたが、むろんその後、我が境遇もフトコロ具合にも変わりなし。


 まったく運命の好転も見られず、悲嘆に明け暮れ、相変わらず素饂飩ばかり食していたところに、また別な編集者さんが現れ、その橋渡しによりこの度、昔気質の(と勝手に私が想像する)大阪の出版社さんから二冊目となる本、『さまよえる古本屋』が刊行されました。
 前著が2005年から2011年に亘る七年間のブログ日記を圧縮した本であったのに対し(回想と妄想で筆はさらに遠い過去へも及びましたが)、今回は主にこの十年ほどの間に、今はなき『彷書月刊』や地元札幌の新聞、タウン誌等に発表した文章を集めたモノになりました。


 たとえば日記形式の文章が四つ入っておりますが、それぞれ成り立ちや性格が異なっております。古本業界入りした二十五歳の年のプライベートな日記抜粋(1982)、店仕舞いのドキュメントエッセイ(1996)、新聞連載したコラムエッセイ(2011)、さらに小説(2009)を意図して書かれた作品という風に様々。
 このように、日記、エッセイ、小説に加えて、漫画原作と漫画まで収録という、バラエティブックというか、とにかく具沢山な寄せ鍋風の中身となっております。ただし漫画含めて、大半が古本や古本屋に関するモノ。


 はるか昔、室蘭の高校生だった頃から、昭和の終盤に店を開き、馬齢を重ね、平成の今日まで生き延びてきた或る古本屋が見聞きした事柄や、すれ違った本、出会った人たち、そしてとりわけ凡夫自身の姿が飛び飛びに描かれております。前著『貧乏暇あり』は2000年代の七年間を記録した本でしたが、出来上がってみると新著は、80年代から現在まで(あくまで片隅の最底辺にいる一古本屋が過ごした)三十年間の古本業界が垣間見える書にもなっているのではないか、と考えております。


 なお正式には、『さまよえる古本屋もしくは古本屋症候群』というシツコイ表題です。今年二月のある日突然、送稿以来一度も話をしないで来た版元社長さんから電話がありました。惰眠を切断されて聞いたのは、カバー装幀の相談と、『さまよえる古本屋――古本屋症候群』と副題を付けたいとのご提案。副題の方も私がタイトル候補としていくつか元原稿に示しておいたモノ。「じゃあ、棒はやめて〈もしくは〉にしてもらえませんか?」と応じましたが、「そんなん、なおさら訳のわからん題名になってしまいまんがな」とあえなくボツに。最終校正原稿を返送する際、中井英夫に『黒鳥の旅もしくは幻想庭園』という本がある旨書き添えましたが、私案は諦めておりました。その後特に連絡はなしでしたが、四月に届いた本の題名は私の希望どおりになっており、二十歳頃の夢想の中で形に成った、実に数少ない事柄のひとつとなったのでした。



samayoeru

ブログ「須雅屋の古本暗黒世界」
http://d.hatena.ne.jp/nekomatagi/ 


『さまよえる古本屋―もしくは古本屋症候群―』須賀章雅 著
燃焼社刊 本体1,800円+税 好評発売中!

http://www.nenshosha.co.jp/book/syuppanbunka/detail/samayoerufuruhonya.html

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2015年4月24日 第180号

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     。.☆.:* その180・4月24日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.「正月用引札公式ガイドブック」      熊倉 一紗
2.『出版とは闘争である』         西谷 能英
3. 特集「いま古本屋が熱い!」 週刊エコノミスト
            金山隆一(週刊エコノミスト編集長)
4.『新天理図書館善本叢書』について
             天理図書館貴重書室 岡嶌偉久子 

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(131)】━━━━━━━━━━

「正月用引札公式ガイドブック」

                       熊倉一紗

「日本の古本屋」データベースで試しに検索してみると、そのヒッ
ト数は約900件にのぼった。詳細検索の「書名」に「引札」と入力し
て、在庫数を調べた結果である(2015年4月16日現在)。これらのな
かには書籍や正月用に限らないものがあるため一概には言えないが、
現在、少なくない数の正月用引札が、全国各地の古書店で取り扱わ
れ、販売されていることがわかる。現存している数から、正月用引
札がかつて大流行していたことが伺えるのであるが、それは明治半
ばから大正初期にかけてというごくわずかな期間だった。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2168

『明治・大正の広告メディア 正月用引札が語るもの』
  熊倉 一紗 著 吉川弘文館 本体2,400円+税 好評発売中!
 http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b190513.html

━━━━━━━━━━━【自著を語る(132)】━━━━━━━━━━

書物という挑戦

                         西谷能英

 つい最近、論創社のはからいで『出版とは闘争である』という
少々挑発的な名をもつ書物を刊行することができた。この本の
「はじめに」で書いたように、本書は前著『出版文化再生――
あらためて本の力を考える』(未來社, 1991年)刊行後に
「http://www.miraisha.co.jp/shuppan_bunka_saisei/”>出版文化
再生ブログ」ブログ(未來社ホームページおよびココログに掲載中)
で書きつづけている出版にかんする文章をセレクトし、テーマ別に
再編集したものである。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2151

『出版とは闘争である』 西谷 能英 著
 論創社 本体2,000円+税 好評発売中!
 http://www.ronso.co.jp/index.html

━━━━━━━━━━━【編集長登場 (15)】━━━━━━━━━

 特集「いま古本屋が熱い!」
  週刊エコノミスト5月5・12日合併号(4月27日発売)

             金山隆一(週刊エコノミスト編集長)

「最近の古本屋ってどうよ」「ネットや活字離れで大変でしょう」--。
そんな素人の素朴な疑問から、「古本特集」を企画した。
 いろいろ取材してみると、なかなかどうして、元気な古本屋がた
くさんあることが分かった。かび臭く、ほこりまみれで、気難しそ
うなおじさんが店の奥に座っている、というイメージは過去のもの。
おしゃれでくつろげる店があちこちにあるらしい。
 そこで、いま話題の古本スポットをルポ。まず東京の清澄白河と
JR中央線沿線を歩いてみた。確かに個性的な店が目を引く。古本
だけでなく、新刊も一緒に扱うところがあるのは新鮮だった。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2179

『週刊エコノミスト』 4月27日(月)発売!
毎日新聞出版株式会社 定価720円(税込)
http://www.weekly-economist.com/

━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━

『新天理図書館善本叢書』について

             天理図書館貴重書室 岡嶌偉久子            
【はじめに】
 この度、天理図書館では高精細オールカラー版の影印複製叢書
『新天理図書館善本叢書』(全5期36巻・製作発売八木書店)刊行
の事業を開始することとなりました。
 各期の編成は次のようになります。

第1期 国史古記録 全6巻
第2期 古辞書 全6巻
第3期 源氏物語 全10巻
第4期 奈良絵本 全8巻
第5期 連歌俳諧 全6巻

 本館はこれまで、所蔵する稀覯書の更なる利用・活用を願って、
同時に、後世に原本を永く伝えるための「保存」ということを意図
して、種々の影印複製事業を進めてまいりました。
この度の『新善本叢書』もそうした事業に続くものですが、先に、
昭和46年から刊行を開始した旧『善本叢書』既収書目のうちの幾ら
かを含んでの編成となっております。この、再収録書目とその意図
について、また、多くの新収録書目類について、更に、この度の最
新の製版印刷仕様について、以下に概略します。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2154

『新天理図書館善本叢書』 第1期 国史古記録 全6巻
八木書店 4月刊行開始
http://www.books-yagi.co.jp/pub/index.htm

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『「週刊読書人」と戦後知識人』 植田康夫 著
 論創社 本体2,000円+税 好評発売中
 http://www.ronso.co.jp/index.html

 週刊読書人
  http://www.dokushojin.co.jp/

『さまよえる古本屋―もしくは古本屋症候群―』須賀彰雅 著
燃焼社刊 本体1,800円+税 好評発売中!
http://www.nenshosha.co.jp/book/syuppanbunka/detail/samayoerufuruhonya.html

『古本はこんなに面白い「お喋りカタログ」番外編』中野智之 著
日本古書通信刊 本体1,500+税 好評発売中!
http://www.kosho.co.jp/kotsu/

『口笛を吹きながら本を売る 柴田信、最終授業』石橋毅史 著
晶文社刊 定価1,600 円+税 好評発売中!
http://www.shobunsha.co.jp/?p=3547

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

4月~5月の即売展情報

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日本の古本屋メールマガジンその180 2015.4.24

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:殿木祐介
編集長:藤原栄志郎

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2015年4月13日 第179号

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   古書市&古本まつり 第30号
     。.☆.:* 通巻179・4月13日号 *:.☆. 。
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イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
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次回メールマガジンは4月下旬に発行です。

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━━━━━【4月10日~5月15日までの全国即売展情報】━━━━━

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第16回 小樽古本まつり(北海道)

期間:2015/03/18~2015/04/30
場所:長崎屋小樽店2階 北海道小樽市稲穂2-20-1
    
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伊勢原とうきゅう即売会(神奈川県)

期間:2015/04/02~2015/05/05
場所:伊勢原とうきゅう3F催事場
最寄駅:小田急小田原線 伊勢原駅

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有隣堂藤沢店・古書フェア(神奈川県)

期間:2015/04/09~2015/04/22
場所:有隣堂藤沢店4階催事場

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春の古本掘り出し市(岡山県)

期間:2015/04/15~2015/04/20
場所:岡山シンフォニービル1F 自由空間ガレリア
  
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立川フロム古書市

期間:2015/04/16~2015/04/29
場所:立川駅北口3分 フロム中武(ビッグカメラ隣) 4階催事場

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ぐろりや会

期間:2015/04/17~2015/04/18
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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本の散歩展

期間:2015/04/17~2015/04/18
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
  
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たにまち月いち古書即売会(大阪府)

期間:2015/04/17~2015/04/19
場所:大阪古書会館 中央区粉川町4-1(谷四と谷六のちょうど中間)

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新宿古書展

期間:2015/04/19~2015/04/20
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
※初日19日(日)は11時開場です。
  
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第2回 カジル横川古本まつり(広島県)

期間:2015/04/20~2015/04/26
場所:フレスタモール カジル横川1F
   広島市西区横川町3-2-36(JR横川駅隣接)

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第21回 池袋西口公園古本まつり

期間:2015/04/22~2015/04/30
場所:池袋西口公園(東京芸術劇場前)

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古本浪漫洲 Part 1

期間:2015/04/22~2015/04/25
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2

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第17回フジサワ湘南古書まつり(神奈川県)

期間:2015/04/23~2015/04/26
場所:有隣堂藤沢店イベントホール (フジサワ名店ビル6階)

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第13回 四天王寺春の大古本祭り(大阪府)

期間:2015/04/24~2015/04/29
場所:四天王寺 境内
   大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18 

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フリーダム展

期間:2015/04/24~2015/04/25
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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五反田アートブックバザール

期間:2015/04/24~2015/04/25
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4 

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好書会

期間:2015/04/25~2015/04/26
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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BOOK DAY とやま 古本まつり(富山県)

期間:2015/04/26
場所:富山市総曲輪・グランドプラザ
   富山県富山市総曲輪三丁目8番39号

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古本浪漫洲 Part 2

期間:2015/04/26~2015/04/29
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 
新宿区歌舞伎町1-2-2

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第13回 紙屋町シャレオ古本まつり(広島県)

期間:2015/04/27~2015/05/01
場所:紙屋町地下街シャレオ 中央広場
   広島市中区基町地下街100号

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有隣堂イセザキ本店・古書ワゴンセール(神奈川県)

期間:2015/04/28~2015/05/16
場所:有隣堂伊勢佐木町本店 横浜市中区伊勢佐木町1-4-1

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古本浪漫洲 Part 3

期間:2015/04/30~2015/05/03
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 
新宿区歌舞伎町1-2-2

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城北古書展

期間:2015/05/01~2015/05/02
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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西部展

期間:2015/05/01~2015/05/03
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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第33回 春の古書大即売会(京都府)
期間:2015/05/01~2015/05/05
場所:京都市勧業館「みやこめっせ」 1F第二展示場
   京都市左京区岡崎成勝寺町9-1

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オールデイズ(名古屋)

期間:2015/05/01~2015/05/03
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12  

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反町古書会館展(神奈川県)

期間:2015/05/02~2015/05/03
場所:神奈川古書会館1階特設会場

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第12回八王子古本まつり

期間:2015/05/02~2015/05/06
場所:JR八王子駅北口 ユーロード 

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古本浪漫洲 Part 4

期間:2015/05/04~2015/05/08
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 
新宿区歌舞伎町1-2-2

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第365回 東京愛書会

期間:2015/05/08~2015/05/09
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22  

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杉並書友会

期間:2015/05/09~2015/05/10
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9  

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第19回 早稲田青空古本掘出市

期間:2015/05/11~2015/05/16
場所:早稲田大学 10号館前2  

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古本浪漫洲 Part 5

期間:2015/05/09~2015/05/11
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 
新宿区歌舞伎町1-2-2 

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五反田遊古会

期間:2015/05/15~2015/05/16
場所:南部古書会館  品川区東五反田1-4-4 

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下町書友会

期間:2015/05/15~2015/05/16
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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日本の古本屋メールマガジンその179 2015.4.13

【発行】
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毎日新聞出版_表紙(特大号)

特集「いま古本屋が熱い!」 週刊エコノミスト5月5・12日合併号(4月27日発売)

特集「いま古本屋が熱い!」 週刊エコノミスト5月5・12日合併号(4月27日発売)

金山隆一(週刊エコノミスト編集長)

「最近の古本屋ってどうよ」「ネットや活字離れで大変でしょう」--。そんな素人の素朴な疑問から、「古本特集」を企画した。
 いろいろ取材してみると、なかなかどうして、元気な古本屋がたくさんあることが分かった。かび臭く、ほこりまみれで、気難しそうなおじさんが店の奥に座っている、というイメージは過去のもの。おしゃれでくつろげる店があちこちにあるらしい。

 そこで、いま話題の古本スポットをルポ。まず東京の清澄白河とJR中央線沿線を歩いてみた。確かに個性的な店が目を引く。古本だけでなく、新刊も一緒に扱うところがあるのは新鮮だった。今では新刊の版元も古本屋の店頭が宣伝に役立つと目をつけている。
 神保町にも新しい風が吹いている。なかでも澤口書店は業界の話題だ。短期間に神保町周辺に4店を展開。ギャラリーも開設している。古書の“聖地”で新参者がここまで成功できたのはなぜだろうか。
 古書店主にも集まってもらい、座談会を開いた。なるほど、古本屋の醍醐味は売ることよりも仕入れにあるらしい。お宝本を見つける喜び、「宅買い」にからむエピソードは実に面白い。

 週刊エコノミストは1923年(大正12年)創刊の伝統ある経済誌だ。普段はマクロ経済の動向など堅い話が多いが、ゴールデンウィークぐらいは、肩の力を抜いて楽しく読んでほしい。本好きが多い弊誌の読者に、古本はまさにうってつけのテーマだということが、取材を進めるうちに分かってきた。
 でも経済誌ならではの視点も大切なはず。そこで古本屋の経営についても解説した。古本屋を開くなら、サラリーマン並の収入、せめて年収400万円ぐらいないと家族を養っていけない。そのためにはどんな店で何冊本を売ればいいのか。自ら実践する店主が教えてくれた。

 「せどり」という言葉も今回の特集のキーワード。このメルマガの読者にはおなじみの言葉かもしれないが、せどりで月収50万円、これ専業で生活しています、と聞けば、ちょっと驚くだろう。しかも東大卒。この続きはぜひ本誌でお読みください。



毎日新聞出版_表紙(特大号)

『週刊エコノミスト』 4月27日(月)発売
毎日新聞出版株式会社 定価720円(税込)
http://www.weekly-economist.com/

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koukoku

「正月用引札公式ガイドブック」

「正月用引札公式ガイドブック」

熊倉一紗

「日本の古本屋」データベースで試しに検索してみると、そのヒット数は約900件にのぼった。詳細検索の「書名」に「引札」と入力して、在庫数を調べた結果である(2015年4月16日現在)。これらのなかには書籍や正月用に限らないものがあるため一概には言えないが、現在、少なくない数の正月用引札が、全国各地の古書店で取り扱われ、販売されていることがわかる。現存している数から、正月用引札がかつて大流行していたことが伺えるのであるが、それは明治半ばから大正初期にかけてというごくわずかな期間だった。このように、一世を風靡しながらも、儚く消えていった正月用引札の諸相を、できるかぎり明らかにしようと試みたのが、拙著『明治・大正の広告メディア――〈正月用引札〉が語るもの』である。

 明治・大正の広告といえば、ふつうは新聞広告や雑誌広告、ポスターが思い浮かぶ。実際、広告史やデザイン史研究では、それらが主に取り上げられ、語られてきた。引札といえば、平賀源内や山東京伝といった江戸の戯作者たちによる文字主体の一枚摺が、広告のプリミティブな形態として言及されるのが常であった。正月用引札はといえば、図像が画面の大半を占め、なおかつポスターに取って代わられたため、その「前座」としてわずかに取り上げられるに過ぎなかったのである。もちろん、正月用引札の研究が皆無だったわけではない。しかしながら、あったとしても図像の種類、系譜、役割などを部分的に説明することが多かったのだった。

 本書は、これまで充分な先行研究のなかった正月用引札を、はじめて体系的に論じたものである。下絵を描いていた絵師ごとにおける画風の特徴を指摘し、正月用引札がどのように生産、流通、消費されたのか、あるいは図像を画題ごとに分類して特定のモチーフがいつ出現・増加したのか、さらに正月用引札がどのように広告として独特な機能を果たしたのかについて考察している。これまでになく正月用引札を様々な角度から包括的に論じたものになっていると思う。

 また、画題ごとに何がどのように描かれ、何を意味しているのか詳細な記述を試みた。正月用引札は、当時のいきいきとした世相・風俗・文化が映しだされた、まさに図像集とでもいうべきもの。当時の地方の商業活動の様子も窺い知れるだろう。明治・大正の文化、商業、広告、デザインに興味がある方々、あるいは正月用引札を扱う古書店や所蔵している資料館・博物館、さらにコレクターの方々が、正月用引札に関する基礎的な情報を知るための「ガイドブック」として本書を活用していただければ幸いである。



koukoku

『明治・大正の広告メディア 正月用引札が語るもの』
  熊倉 一紗 著 吉川弘文館 本体2,400円+税 好評発売中!
 
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b190513.html

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『新天理図書館善本叢書』について

『新天理図書館善本叢書』について

天理図書館貴重書室 岡嶌偉久子

【はじめに】 
 この度、天理図書館では高精細オールカラー版の影印複製叢書『新天理図書館善本叢書』(全5期36巻・製作発売八木書店)刊行の事業を開始することとなりました。
 各期の編成は次のようになります。

第1期 国史古記録 全6巻
第2期 古辞書 全6巻
第3期 源氏物語 全10巻
第4期 奈良絵本 全8巻
第5期 連歌俳諧 全6巻

 本館はこれまで、所蔵する稀覯書の更なる利用・活用を願って、同時に、後世に原本を永く伝えるための「保存」ということを意図して、種々の影印複製事業を進めてまいりました。
この度の『新善本叢書』もそうした事業に続くものですが、先に、昭和46年から刊行を開始した旧『善本叢書』既収書目のうちの幾らかを含んでの編成となっております。この、再収録書目とその意図について、また、多くの新収録書目類について、更に、この度の最新の製版印刷仕様について、以下に概略します。

【旧『善本叢書』からの再収録書目について】
先の旧『善本叢書』は、今から40数年以前、古典籍の影印複製出版がまだ一般的ではなかった時代に、オフセット網目版印刷による正確な影印を実現した出版でした。その後、古典籍影印出版はオフセット印刷による時代となって現在に至っています。
しかし、近年、この度採用の高精細フルカラーによる影印複製が購買可能なものとなってきました。やはり、いかに精緻とはいえ白・黒で表現された紙面と、フルカラー印刷による紙面とでは、その情報量の差異・多寡はいうまでもないことです。

旧『善本叢書』では、当時における最新のオフセット印刷技術を開発して印刷を行ってきましたが、しかし、白・黒ではいかにしても再現できない原本の情報というものが、やはりありました。それがことに顕著に認められたものが、この度の、旧『善本』書目から再収録した国宝『類聚名義抄』・重文『和名類聚抄』を始めとする古辞書類であり、国宝『日本書紀乾元本』等の史籍類です。これらの本文には、朱墨両用による訓点・傍訓・句読点・声点等があり、細字による行間注記においても同様です。こうした分野の、しかも最も貴重な典籍については、朱墨の各濃淡・墨色や筆致の差異が一目瞭然となるフルカラー影印をやはり出版しておかなくてはならないという判断がありました。また同時に、既収の古辞書・史籍類の多くは、すでに品切れとなっており、復刊を求められてもおりました。

 また、現在の研究水準からは、フルカラー影印でなくてはならないものに奈良絵本類があります。旧『善本』に収めた奈良絵本類は、この分野で最も初期にあたる室町時代後期のものが大半でした。淡彩の、あるいは極彩色の美しい紙面の数々は、この機会に是非、フルカラーで再収録しておきたいものでした。
以上が、再収録書目の概略です。

【新収録書目について】
 新収録書目についても、選択の基準は、各分野における最も重要な伝本の一つであると共に、高精細フルカラー印刷ということが極めて重要な意味を持つ資料であること。すなわち彩色があってそれが原本情報として不可欠であるもの、また摺消し・重ね書き・墨色の差違までが問題となるもの、名家の自筆、といった類いのものです。
以下、全5期の各新収書目のいくらかをご紹介します。

 第1期国史古記録篇全6巻には、新たに重文『古事記道果本』を加え、また、藤原定家自筆の日記『明月記』、同自筆の古記録類6点に『定家小本』『古今名所』『藤原定家消息』等を加えて編成しています。

第2期古辞書篇全6巻は、すべて旧『善本叢書』既収のもの。


第3期源氏物語篇全10巻には、新たに『源氏物語伝二条為明筆本』(池田本)を収録しています。源氏物語の伝本は鎌倉期のものを最古写としますが、鎌倉期成立当初のままの54巻揃いのものはなく、当初の巻々が大部にまとまった形で残されている伝本も極めて稀少です。本池田本は48巻が鎌倉期成立当初の揃い本で、同時に、本文はすべて青表紙本、巻によっては巻末に「奥入」があり、鎌倉期当初の巻々が最も大部に揃った青表紙伝本として収録するものです。

第4期奈良絵本篇全8巻には、旧『善本叢書』既収14点に、新たに11点の奈良絵本『八幡大菩薩御縁起』『舟のゐとく』『常盤の嫗』『あま物語』『大古久まい』『磯崎物語』『さゝやき竹』『しやうるり』『宝月童子』『虫妹背物語』『山海異形』を収録しています。いずれも既収分に同じく室町後期から江戸初期までのもので、各作品中、最も古い奈良絵本の一つです。

第5期連歌俳諧篇は全6巻。内、2巻は『連歌巻子本集』一・二として、能阿・三条西実隆・紹巴・昌叱等の、いずれも自筆の連歌百韻15点に初学用捨抄(紹巴筆)を加えています。また『西鶴自筆本集』としては、『西鶴独吟百韻自注絵巻』他、画賛・短冊・書簡類等25点を収録。『芭蕉集』には、芭蕉真蹟として確かな地位を占める鯉屋伝来物35点すべてに、『奥の細道行脚之図』『幻住庵記』『梅雀桐蹊両吟歌僊俳諧』また書簡3点を加えました。西鶴・芭蕉両者の確かな真筆は稀少であり、この機会に館蔵品を網羅しておくものです。また『蕪村集』一・二として、蕪村社中の句会記録原本『夏より 三菓社中句集』『高徳院発句会』『月並発句帖』、及び、約200首の蕪村新出句を含む『夜半亭蕪村句集』を収めています。

【製版印刷仕様について】

この度の製版は、高精度デジタル撮影によるRAWデータから、ハイブリッドスクリーニング(AGFAスブリマ240 線)という仕様で行います。最終校正では全頁について色校正をとり、原本と照合の上、厳密な色合わせを行います。

印刷は、本館担当者および八木書店担当者が立会い、速乾性のUVインキ対応の最新印刷機で行います。この印刷システムによって、印刷時の抜き取り検査と濃度調整も極めて効率化し、瞬時に最終的な仕上がりを確認することができます。

これらの最新技術の導入、及び、本館の旧『善本叢書』以来、製版印刷を担当している天理時報社が長年培ったノウハウを駆使して、最高度の再現性を目指しています。
今月刊行の第1回配本「日本書紀乾元本一」で、その仕上がりをご覧いただければと思います。



tenri

『新天理図書館善本叢書』 第1期 国史古記録 全6巻
八木書店 4月刊行開始
http://www.books-yagi.co.jp/pub/index.htm

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