特集「いま古本屋が熱い!」 週刊エコノミスト5月5・12日合併号(4月27日発売)金山隆一(週刊エコノミスト編集長) |
「最近の古本屋ってどうよ」「ネットや活字離れで大変でしょう」--。そんな素人の素朴な疑問から、「古本特集」を企画した。 いろいろ取材してみると、なかなかどうして、元気な古本屋がたくさんあることが分かった。かび臭く、ほこりまみれで、気難しそうなおじさんが店の奥に座っている、というイメージは過去のもの。おしゃれでくつろげる店があちこちにあるらしい。 そこで、いま話題の古本スポットをルポ。まず東京の清澄白河とJR中央線沿線を歩いてみた。確かに個性的な店が目を引く。古本だけでなく、新刊も一緒に扱うところがあるのは新鮮だった。今では新刊の版元も古本屋の店頭が宣伝に役立つと目をつけている。 神保町にも新しい風が吹いている。なかでも澤口書店は業界の話題だ。短期間に神保町周辺に4店を展開。ギャラリーも開設している。古書の“聖地”で新参者がここまで成功できたのはなぜだろうか。 古書店主にも集まってもらい、座談会を開いた。なるほど、古本屋の醍醐味は売ることよりも仕入れにあるらしい。お宝本を見つける喜び、「宅買い」にからむエピソードは実に面白い。 週刊エコノミストは1923年(大正12年)創刊の伝統ある経済誌だ。普段はマクロ経済の動向など堅い話が多いが、ゴールデンウィークぐらいは、肩の力を抜いて楽しく読んでほしい。本好きが多い弊誌の読者に、古本はまさにうってつけのテーマだということが、取材を進めるうちに分かってきた。 でも経済誌ならではの視点も大切なはず。そこで古本屋の経営についても解説した。古本屋を開くなら、サラリーマン並の収入、せめて年収400万円ぐらいないと家族を養っていけない。そのためにはどんな店で何冊本を売ればいいのか。自ら実践する店主が教えてくれた。 「せどり」という言葉も今回の特集のキーワード。このメルマガの読者にはおなじみの言葉かもしれないが、せどりで月収50万円、これ専業で生活しています、と聞けば、ちょっと驚くだろう。しかも東大卒。この続きはぜひ本誌でお読みください。
『週刊エコノミスト』 4月27日(月)発売 |
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