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☆INDEX☆
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1. 特別連載企画-平井功「PoeのAcrostic」1
2. 新鋭評論(2) 『矢野目源一のまなざし』(前編)小野塚 力
3. 即売展情報
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━━━━━━━━━━【特別連載企画】━━━━━━━━━━━━
平井功という詩人をご存知でしょうか。昭和7年、26歳で夭折し
た詩人で、生前に残した著作は、大正11年、16歳の時に出した『孟
夏飛霜』のみ。いわば、マイナー・ポエットの一人。しかし、その
早世の輝くべき才能は、師匠だった日夏耿之介からも<天稟の才>と
高く評価され、現在でもその信奉者が多く存在しています。彼はま
た、詩人として同様、書誌学研究家、造本家としても後世に資する
功績を残しており、その面目躍如たるものが、全5号4冊の私家版豪
華雑誌『遊牧記』です。その造本へのこだわりぶりは、関川左木夫
『本の美しさを求めて』(昭和54年・昭和出版)に詳しいので、ぜひ
参照してみてください。生前に彼が残した仕事は、ことほど左様に
多いものではないが、死後(昭和16年)、父の平井成によって、『爐
邊子残稾』という遺稿詩集が編まれ、また2006年には、先に挙げた
若き信奉者たちの手によって『平井功訳詩集』という本も刊行され
ています。「興味ある方は、目を通されては」と言いたいところで
すが、これらすべての本、いずれも極めつけの稀覯本なので、容易
に手にできる本ではない。それがちょっと心苦しいのですが、今回、
単行本に未集録の採録原稿が寄稿されたので、掲載してみようと思
います。昭和4年、「英語と英文学」誌(英文學社)に5回に分けて
発表された「PoeのAcrostic」という詩論がそれ。連載途中で中絶
した原稿のようだし、メルマガに掲載するにはかなりの分量なので、
困惑される方もいるかもしれませんが、とにかく珍しい原稿だと思
いますので、こういう場こそ、日の目を当てるにふさわしい場では
ないかと、ご紹介させていただきます。
なお、参考までに、平井功については、日夏耿之介の『輓近三代文
学品題』(昭和16年・実業之日本社)、須永朝彦『硝子の繭』(昭和52
年・コーベブックス)で、その横顔に触れることができます。これ
らは、先の関川氏の著書ともども、入手もさほど難しくはない(日
本の古本屋でも購入できます)ので、「興味ある方は、目を通され
ては」とお勧めしておきます。
POEのACTROSTICS二章
附、Poe夫人の夫に献げたるValentine詩
平井 功
I.はしがき
世にacrosticと云ふ詩體がある。詩體と云ふと些か語弊があるが、
さう云う種類の詩がある。これは、横に読めば普通の詩であるがそ
の中に、その詩を献げた人の名前だとか、或は何かの文句などが織
り込んであるのである。各のlineの最初の文字を織り込んで合せる
と、相手の名前が出て来るなどと云ふのは一番普通である。詩と云
ふよりは「文学遊戯」に近く、日本で云へば地口のたぐゐと見れば
間違ひはない。
ところでEdgar Allan Poe(1809-1849)の詩にも、そのacrostic
が二篇遣つてゐる
勿論、Poeがacrosticを書いたなどと云ふことは、Poeの詩家として
の、本質的な評価には亳厘も光輝を添へる所以ではない。むしろ、
そんな戯作を後代に遺したことは、詩家としての彼、
“With me poetry has been not a purpose,but a passion.”
(Preface to the Poems,1845)
「わたくしにとつては詩は目的ではない、実に情熱である。」と、
確信した彼の為に、惜しむべきであるとさへ思はれる。
続きはこちら↓
http://www.kosho.ne.jp/melma/0905/index-2.html
━━━━━━━━━━【新鋭評論(2)】━━━━━━━━━━━━
矢野目源一のまなざし(前編)
小野塚 力
川端康成は「末期の眼」において、芥川の遺書にあった「末期の
眼にうつる自然は美しい」という一文から藝術の本質はこの「末期
の眼」の獲得に他ならない。〈死〉の世界から捉えた世界像の固定
こそがその本筋であると記している。その可否はいったん保留する
として、このエッセイから私が連想するのは、三島由紀夫「豊饒の
海」に登場する認識者本多の運命である。三島ほど「認識と行為」
という主題にとりつかれた作家も稀だと思うが、この作家のいささ
か極端な変身願望は、「豊饒の海」四部作においてはっきりとえが
きだされているようだ。この四部作において、認識者たる本多は自
らを〈死〉の極から〈生〉の世界を眺めることを許された者として
自己規定をおこなっていることを忘れてはならない。こうした意図
的な極限状況から世界を睥睨すること。そうしたところに文学とい
う営為の本質が露になるということを彼等文学者達は述べているの
だろうか。このような極限状況の果てに、救いがまつのか、はたま
た虚無がまつのか。それは私のあずかりしらぬところである。すく
なくとも今の私は安易な絶対性に寄りかかることができない。極限
状況。日本においてそれを考えるならば、大正においては関東大震
災、昭和においては二度の戦争ということがあげられるだろう。い
ずれもそれまでの世界観、価値観を決定的なまでにくつがえし、非
人間的な力ですべてを変化させてしまう。破壊そのものが具体的な
相を伴ってやってきたとでもいうべきだろうか。こうした戦前から
戦後にかけての極限状況は、〈個〉そのものへの懐疑を、ある作家
の内面に醸成したようだ。戦後において極端な歩みをおこなった詩
人、矢野目源一である。
続きはこちら↓
http://www.kosho.ne.jp/melma/0905/index-1.html
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日本の古本屋 リニューアルについてのアンケート
「日本の古本屋」は、デザイン面の統一や、ソート機能などを追加
して、より使いやすいサイトを目指しています。
リニューアルした「日本の古本屋」をお使いになってのご意見、ご
要望などがございましたら、今後の更なる改良の参考にさせていた
だきますので、下記フォームよりぜひお声をお聞かせください。
受付は終了致しました。たくさんのご意見ありがとうございました。
http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/questionnaire2009.htm
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東京古書組合オフィシャルホームページの紹介
東京古書組合の公式ホームページ、「東京の古本屋」を公開してい
ます。
東京古書組合発の新着情報や、東京古書組合に加盟している古書店
からの新着情報の掲載や、各古書店のホームページへのリンクも随
時追加しております。
ぜひご覧下さい。
東京古書組合ホームページ 「東京の古本屋」
http://www.kosho.ne.jp
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第1回 アンサンブル・セドラー演奏会
ほんのちっちゃな コンサート
*終了いたしました*ご来場、誠にありがとうございました*
日時: 2009年6月2日(火)
開場: 18時30分 開演19時
会場: 東京古書会館 地下ホール
入場料: 無料
古本屋による手作りコンサート
会場は本棚に囲まれています。
本棚には古書が展示され、お客様が自由に手に取れます。
開演前に眺めても、開演中に読んでいても一向に構わない自由な
雰囲気です。
古書とクラシック音楽のコラボレーションこれがテーマです。
http://www.kosho.ne.jp/news/news_090420.html
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国立情報学研究所 オープンハウスにて「日本の古本屋」紹介
国立情報学研究所では毎年オープンハウス(一般公開)を開催して
おり、東京古書組合も出展、「日本の古本屋」を紹介しております。
日時:2009年6月11日(木)・12日(金)
会場:学術総合センター (東京都千代田区)
後援:千代田区、国立公文書館
協力:東京都古書籍商業協同組合、明治大学
詳しくは国立情報学研究所のホームページををご覧下さい。
http://www.nii.ac.jp/openhouse/
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━
5月~6月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001
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次回は2009年6月下旬頃発行です。お楽しみに!
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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です
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日本の古本屋メールマガジンその79 2009.5.25
【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
URL http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:早川多摩雄
TKI:河野高孝
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