¥2,800
臨時増刊号 (vol.15)
病理学キーワード '97
1991年4月に,“病理学キーワード”を病理と臨床第9巻臨時増刊号として刊行
してから早くも6年が経過しました。 好評を得ましたが、 臓器によるばらつきが
あり、いずれ改訂を要すると考えておりました。 その間に病理学を取りまく環境
は大きく変化しました。 特に分子生物学の発展は目覚ましく, 新しい疾患概念の
提唱がなされました。それと同時に昔からの疾患も,その成り立ちや、概念の変
化が起こり, 昔ながらの知識, 常識の通用しない疾患概念の整理なども進んでい
ます。 変化があまりにも急テンポで進んでいるために, 誰もがどの領域も一様に
理解できるという状況ではなくなりつつあることを感じます。
他方,感染症の世界では新しい疾患の登場以外に, あまり遭遇する機会のなか
ったふるくから存在する疾患が多発し,社会問題となるような事態も発生してい
ることは記憶に新しいところであります。
このような点を考慮し,今回第15巻臨時増刊号として“病理学キーワード '97"
を装いも新たに発刊することとなりました。 基本的には前回と同様な手法を用い
ていますが, 今回は対象項目を大きく変更し, できる限り, up-to-date な内容と
なることを試みました。 章数を増やし, 老化, 皮膚を新設し,腎臓・泌尿器と生
大殖器・婦人科を分離し,合計 16の章からなっています。採用した項目は373 項目
で, 前回に比較して30 あまり増加しています。 各章とも内容を整理して新しい項
目を中心としていますが, 逆に感染症は必要に応じて増加するなどして, 最近の
話題を取り上げるように努力しています。 1項目1ページの原則の元に、限られた
枠内での編集であり, 取り上げられなかった重要な用語や, 十分な解説のなされ
ない項目もあるかと思います。
本書が皆様の座右にあって, 馴染みのない領域の疾患や新しい概念の理解に役
立つことを期待しています。
お忙しいなかご執筆いただきました先生方, 各領域の編集をしていただいた先
生方に感謝申し上げます。
『病理と臨床』 編集室常任編集委員会
臨時増刊号 「病理学キーワード '97」 編集委員
表紙折れスジ