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323件

戸籍からみた朝鮮の周縁 17-19世紀の社会変動と僧・白丁

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
4,950
山内 民博 著、知泉書館、2021、276p、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。
本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。
初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。
従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。
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4,950
山内 民博 著 、知泉書館 、2021 、276p 、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。 本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。 初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。 従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。

聖歌隊の誕生 カンブレー大聖堂の音楽組織

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
山本 成生 著、知泉書館、2013/02/25、618p、A5
本書は「音楽拠点」研究という視点より,中世からルネサンスにかけての「音楽家」の社会的身分のあり方と彼らが属していた組織の解明を試みる。考察対象である15-16世紀は「ポリフォニー(多声音楽)」とよばれる複雑な音楽様式が開花した変革の時代でもあった。「音楽拠点」とは,貴族の私的礼拝堂や教会,都市といった前近代社会において音楽の生産,流通,消費を担っていた機関を指し,本書が扱うカンブレー大聖堂には膨大な史料が残されている。
大聖堂では参事会が日々の霊的・世俗的運営を担い,その下で彼らの代わりに聖務を行う「代理」と呼ばれる下級聖職者,そして数名の少年とその教師からなる「少年聖歌隊」が音楽活動を行っていた。「聖歌隊」の構成員は「聖職者」である一方,中世後期になると音楽に関する専門的な能力が求められるようになる。
著者は未刊行の「参事会審議録」を駆使して,参事会の施策や音楽に造詣が深い「音楽家参事会員」の経歴,「代理」たちの活動と人的構成,聖歌隊教師の音楽家としてのキャリアや雇用に関わる参事会との駆け引きなど多角的な分析を通して,聖職者と音楽家が未分離な状態のなかで多様な生命力に満ちた「聖歌隊」が形成されていく姿を解明する。
音楽史研究では音楽様式や大作曲家の作品・生涯を偏重し,多声音楽の発達と大作曲家の活躍によりクラシック音楽の芸術様式が形成されたと言われるが,実際は複雑で様々な可能性と限界のなかで生成されたことが明らかにされる。

納入までに3週間ほどかかります。
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9,900
山本 成生 著 、知泉書館 、2013/02/25 、618p 、A5
本書は「音楽拠点」研究という視点より,中世からルネサンスにかけての「音楽家」の社会的身分のあり方と彼らが属していた組織の解明を試みる。考察対象である15-16世紀は「ポリフォニー(多声音楽)」とよばれる複雑な音楽様式が開花した変革の時代でもあった。「音楽拠点」とは,貴族の私的礼拝堂や教会,都市といった前近代社会において音楽の生産,流通,消費を担っていた機関を指し,本書が扱うカンブレー大聖堂には膨大な史料が残されている。 大聖堂では参事会が日々の霊的・世俗的運営を担い,その下で彼らの代わりに聖務を行う「代理」と呼ばれる下級聖職者,そして数名の少年とその教師からなる「少年聖歌隊」が音楽活動を行っていた。「聖歌隊」の構成員は「聖職者」である一方,中世後期になると音楽に関する専門的な能力が求められるようになる。 著者は未刊行の「参事会審議録」を駆使して,参事会の施策や音楽に造詣が深い「音楽家参事会員」の経歴,「代理」たちの活動と人的構成,聖歌隊教師の音楽家としてのキャリアや雇用に関わる参事会との駆け引きなど多角的な分析を通して,聖職者と音楽家が未分離な状態のなかで多様な生命力に満ちた「聖歌隊」が形成されていく姿を解明する。 音楽史研究では音楽様式や大作曲家の作品・生涯を偏重し,多声音楽の発達と大作曲家の活躍によりクラシック音楽の芸術様式が形成されたと言われるが,実際は複雑で様々な可能性と限界のなかで生成されたことが明らかにされる。 納入までに3週間ほどかかります。

古典の挑戦 第2版 古代ギリシア・ローマ研究ナビ

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
5,830
葛西康徳(編), ヴァネッサ・カッツァート(編), 吉川斉(編), 末吉未来(編)、知泉書館、202・・・
21世紀の今,古代ギリシア・ローマを学ぶ意義とは何か。様々な社会的・地理的・人種的背景を持つ人々が交流した多様な古代社会,その姿を描き出した豊富な作品群。古典とは,人間と社会の困難な状況を示すことで,私たちにヒントを与えてくれる強力な〈武器〉なのである。
本書は,オックスフォード大学やケンブリッジ大学で古典学の教育を受け,国際的に第一線で活躍する研究者が,日本人の夏期短期留学生に向けて行う西洋古典学への招待である。古典の最前線の問題に,それぞれ独特の発想とナラティヴで斬り込み,聴衆を魅了する。

第1部「記憶と再現」は,古代ギリシアが影響を受け,近年進展の目覚ましい近東文学を紹介した後,ホメロス,抒情詩,悲劇,喜劇,ヘレニズム文学,ラテン詩文など基本的テーマを丁寧に説明する。セカンド・ソフィスティックの紹介は日本で初めてとなるだろう。

第2部「素材と受容」では,20世紀に急速に発展したパピルス研究や,美術,壺絵,神話,文献学など最先端の業績を踏まえて解説する。そして日本の古典劇とギリシア演劇との比較,およびイソップ寓話の受容を見ていく。

第3部「思想と人間」は,哲学,弁論術,歴史,宗教,法などヘレニズム文化の中核的テーマを説明し,ギリシア人とは何かを考える。ギリシア・ローマの法と裁判は,近代の政治・法制度を理解する上でも必須の教養である。さらには現在注目される合唱隊の紹介,および人類学の視点から古典学の再解釈を試みる。

人文学の基礎である西洋古典学の森に学習者を導く最良の道案内。好評を博した初版に,新たに7章分のテーマを大幅増補して,最新の改訂を施した充実の決定版である。

納入までに3週間ほどかかります。 和本
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5,830
葛西康徳(編), ヴァネッサ・カッツァート(編), 吉川斉(編), 末吉未来(編) 、知泉書館 、2025年04月 、748p 、菊判
21世紀の今,古代ギリシア・ローマを学ぶ意義とは何か。様々な社会的・地理的・人種的背景を持つ人々が交流した多様な古代社会,その姿を描き出した豊富な作品群。古典とは,人間と社会の困難な状況を示すことで,私たちにヒントを与えてくれる強力な〈武器〉なのである。 本書は,オックスフォード大学やケンブリッジ大学で古典学の教育を受け,国際的に第一線で活躍する研究者が,日本人の夏期短期留学生に向けて行う西洋古典学への招待である。古典の最前線の問題に,それぞれ独特の発想とナラティヴで斬り込み,聴衆を魅了する。 第1部「記憶と再現」は,古代ギリシアが影響を受け,近年進展の目覚ましい近東文学を紹介した後,ホメロス,抒情詩,悲劇,喜劇,ヘレニズム文学,ラテン詩文など基本的テーマを丁寧に説明する。セカンド・ソフィスティックの紹介は日本で初めてとなるだろう。 第2部「素材と受容」では,20世紀に急速に発展したパピルス研究や,美術,壺絵,神話,文献学など最先端の業績を踏まえて解説する。そして日本の古典劇とギリシア演劇との比較,およびイソップ寓話の受容を見ていく。 第3部「思想と人間」は,哲学,弁論術,歴史,宗教,法などヘレニズム文化の中核的テーマを説明し,ギリシア人とは何かを考える。ギリシア・ローマの法と裁判は,近代の政治・法制度を理解する上でも必須の教養である。さらには現在注目される合唱隊の紹介,および人類学の視点から古典学の再解釈を試みる。 人文学の基礎である西洋古典学の森に学習者を導く最良の道案内。好評を博した初版に,新たに7章分のテーマを大幅増補して,最新の改訂を施した充実の決定版である。 納入までに3週間ほどかかります。 和本

ことばが紡ぎ出されるとき 声とテクストのあいだ

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
岩波 敦子 編、知泉書館、2026年02月、284p、菊判
「ことば」とは何か。「ことば」は単なる情報伝達の手段ではなく,身体に根ざし,時間の中で生成・消滅し,記憶と集団的連帯を形づくる。語られる声の刹那性と,テクストによる固定化・反復可能性との緊張関係をはらみ,我々の意識に刻まれ,魂の在り方に深く関わる。
本書は,哲学,神学,文学,歴史学,言語学,美術史など分野横断的な知を結集し,古典古代から現代に至るヨーロッパ,イスラーム,ビザンツ世界を中心に,ことばが文化の諸形態において果たしてきた創造的営為を,多角的な視座から検討する共同研究の成果である。
第Ⅰ部では,聖霊論や言語思想を通じて,声が時間的世界に刻印される在り方と,神的なものを伝達する思想的可能性を探究する。第Ⅱ部では,神の語りかけと応答をめぐる聖書解釈やイスラーム美術の銘文を扱い,神と人をつなぐメディアについて論じる。第Ⅲ部では,説教や教化文学を取り上げ,声とテクストが錯綜しながら人々を教え導く言語行為の歴史的展開を描き出す。第Ⅳ部では,儀礼や誓いにおける身体化されたことばが,社会的秩序と紐帯を現前化する力を有していたことを明らかにし,ことばの呪縛力をも考察する。
テクスト論,認識論,表象論,思想史,文化史など多元的なアプローチによる10章の論稿は,有機的に連関し,互いに響き合いながら,ことばの身体性・社会性・歴史性を解き明かしていく。言語文化研究に新たな地平を拓く,刺激に満ちた一冊である。

目次

はじめに
第Ⅰ部 声の刻印とことば
第Ⅱ部 神の語りかけとテクスト/表象
第Ⅲ部 教え導くことばとテクスト
第Ⅳ部 響き合うことばと儀礼
あとがき

納入までに3週間ほどかかります。
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3,850
岩波 敦子 編 、知泉書館 、2026年02月 、284p 、菊判
「ことば」とは何か。「ことば」は単なる情報伝達の手段ではなく,身体に根ざし,時間の中で生成・消滅し,記憶と集団的連帯を形づくる。語られる声の刹那性と,テクストによる固定化・反復可能性との緊張関係をはらみ,我々の意識に刻まれ,魂の在り方に深く関わる。 本書は,哲学,神学,文学,歴史学,言語学,美術史など分野横断的な知を結集し,古典古代から現代に至るヨーロッパ,イスラーム,ビザンツ世界を中心に,ことばが文化の諸形態において果たしてきた創造的営為を,多角的な視座から検討する共同研究の成果である。 第Ⅰ部では,聖霊論や言語思想を通じて,声が時間的世界に刻印される在り方と,神的なものを伝達する思想的可能性を探究する。第Ⅱ部では,神の語りかけと応答をめぐる聖書解釈やイスラーム美術の銘文を扱い,神と人をつなぐメディアについて論じる。第Ⅲ部では,説教や教化文学を取り上げ,声とテクストが錯綜しながら人々を教え導く言語行為の歴史的展開を描き出す。第Ⅳ部では,儀礼や誓いにおける身体化されたことばが,社会的秩序と紐帯を現前化する力を有していたことを明らかにし,ことばの呪縛力をも考察する。 テクスト論,認識論,表象論,思想史,文化史など多元的なアプローチによる10章の論稿は,有機的に連関し,互いに響き合いながら,ことばの身体性・社会性・歴史性を解き明かしていく。言語文化研究に新たな地平を拓く,刺激に満ちた一冊である。 目次 はじめに 第Ⅰ部 声の刻印とことば 第Ⅱ部 神の語りかけとテクスト/表象 第Ⅲ部 教え導くことばとテクスト 第Ⅳ部 響き合うことばと儀礼 あとがき 納入までに3週間ほどかかります。

イギリス新教育運動の生起と展開 教師の自律性と専門職化の歴史

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
山﨑 洋子 著、知泉書館、2022/02/28、644p、菊判
イギリスの国民教育制度が成立した19世紀末から1930年代を通して展開された新教育運動では,自由,個性,創造性を包摂する宗教的・政治的・社会的カテゴリーの多様性に応じた2つの組織に多くの人々が学内外から参画し,教育の根本原理が探究された。
「子どもの自由」「教育の自由」のために教育の内容や方法の開発を担った教育者や研究者らの運動は,教師の自律性と専門職化を促した。多様な思想や社会的要請に応えた組織や制度とそれに関わる人々,さらには出版メディアの働きに賛同した世論によって教育政策や教育制度は多大な影響を受け,その運動は大きな潮流となった。
しかしこのようなほぼ50年にわたるイギリス新教育運動の全容はいまだ解明されていない。そこには多数の参画者や共鳴者の存在と複雑な事象,さらには運動が多様に展開・拡大したことにより,学校の現場で生じた混乱など,多くの要因が存在した。
著者は長年にわたり膨大な一次史料を収集・整理するとともに,日本における大正期の新教育運動に影響を与えたイギリスの研究をも視野に収めて,イギリス新教育運動の教育学的,社会的意義を解明する。複雑で多様なネットワークや特徴ある数々の改革を通史としてまとめた本書は,内外に類書のない画期的な業績である。
わが国でも教育に対する考え方やあり方の転換,そして教育と福祉の統合,専門家の間の連携などが要請されている。本書の「子ども中心の思想」や改革事例は,教育問題を考えるためにも豊かな知見を与えてくれるであろう。

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9,900
山﨑 洋子 著 、知泉書館 、2022/02/28 、644p 、菊判
イギリスの国民教育制度が成立した19世紀末から1930年代を通して展開された新教育運動では,自由,個性,創造性を包摂する宗教的・政治的・社会的カテゴリーの多様性に応じた2つの組織に多くの人々が学内外から参画し,教育の根本原理が探究された。 「子どもの自由」「教育の自由」のために教育の内容や方法の開発を担った教育者や研究者らの運動は,教師の自律性と専門職化を促した。多様な思想や社会的要請に応えた組織や制度とそれに関わる人々,さらには出版メディアの働きに賛同した世論によって教育政策や教育制度は多大な影響を受け,その運動は大きな潮流となった。 しかしこのようなほぼ50年にわたるイギリス新教育運動の全容はいまだ解明されていない。そこには多数の参画者や共鳴者の存在と複雑な事象,さらには運動が多様に展開・拡大したことにより,学校の現場で生じた混乱など,多くの要因が存在した。 著者は長年にわたり膨大な一次史料を収集・整理するとともに,日本における大正期の新教育運動に影響を与えたイギリスの研究をも視野に収めて,イギリス新教育運動の教育学的,社会的意義を解明する。複雑で多様なネットワークや特徴ある数々の改革を通史としてまとめた本書は,内外に類書のない画期的な業績である。 わが国でも教育に対する考え方やあり方の転換,そして教育と福祉の統合,専門家の間の連携などが要請されている。本書の「子ども中心の思想」や改革事例は,教育問題を考えるためにも豊かな知見を与えてくれるであろう。 納入までに3週間ほどかかります。

戴震と中国近代哲学 漢学から哲学へ

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
7,480
石井 剛、知泉書館、2014、464p、A5判
清代考証学の集大成者戴震はカントと同じ1724年に生まれた。20世紀に入り西洋の影響を受けて中国固有の知の体系は急速に再編され,戴震は中国近代哲学の萌芽的存在として注目される。彼は経学者でとりわけ算学や音韻訓詁学に長じていた。当時は文献学的実証研究の考証学が学術史上で最も隆盛な時代であった。そこでなぜ〈戴震の哲学〉が強い影響力を持ち得たのか。そこには中国における哲学をどう理解し構想するかという実践的課題が凝縮していた。
清代末期から民国初期に〈戴震の哲学〉が中国の近代哲学を語る上で最も哲学的なテキストであり中心的トピックになったのはなぜか。さらには〈戴震の哲学〉構築のプロセスで捨象された様々な知の中にこそ,開かれた可能性の種子があったのではないか。ここに著者の主要な関心がある。
Ⅰ部では1900年前後の王国維や梁啓超の哲学観と,民族革命の理論的支柱である章炳麟と劉師培の戴震像を通して,〈戴震の哲学〉の確立以前の戴震論を考察する。
Ⅱ部では梁啓超と胡適が新文化運動を背景に確立した〈戴震の哲学〉像の特徴を分析し,同時に彼の哲学の内在的論理を抽出して,戴震の思想が西洋の影響なしにはあり得なかったことを明らかにする。
Ⅲ部では劉師培の歴史哲学構想と章炳麟の政治哲学・言語哲学が,戴震をはじめ清代漢学からの栄養により形成されたことが示される。ここに中国近代哲学の実相を解明する。
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7,480
石井 剛 、知泉書館 、2014 、464p 、A5判
清代考証学の集大成者戴震はカントと同じ1724年に生まれた。20世紀に入り西洋の影響を受けて中国固有の知の体系は急速に再編され,戴震は中国近代哲学の萌芽的存在として注目される。彼は経学者でとりわけ算学や音韻訓詁学に長じていた。当時は文献学的実証研究の考証学が学術史上で最も隆盛な時代であった。そこでなぜ〈戴震の哲学〉が強い影響力を持ち得たのか。そこには中国における哲学をどう理解し構想するかという実践的課題が凝縮していた。 清代末期から民国初期に〈戴震の哲学〉が中国の近代哲学を語る上で最も哲学的なテキストであり中心的トピックになったのはなぜか。さらには〈戴震の哲学〉構築のプロセスで捨象された様々な知の中にこそ,開かれた可能性の種子があったのではないか。ここに著者の主要な関心がある。 Ⅰ部では1900年前後の王国維や梁啓超の哲学観と,民族革命の理論的支柱である章炳麟と劉師培の戴震像を通して,〈戴震の哲学〉の確立以前の戴震論を考察する。 Ⅱ部では梁啓超と胡適が新文化運動を背景に確立した〈戴震の哲学〉像の特徴を分析し,同時に彼の哲学の内在的論理を抽出して,戴震の思想が西洋の影響なしにはあり得なかったことを明らかにする。 Ⅲ部では劉師培の歴史哲学構想と章炳麟の政治哲学・言語哲学が,戴震をはじめ清代漢学からの栄養により形成されたことが示される。ここに中国近代哲学の実相を解明する。

15世紀ブルゴーニュの財政 財政基盤・通貨政策・管理機構

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
金尾 健美 著、知泉書館、2017/07/31、558p、菊判
従来の研究はブルゴーニュ公の北方政策で獲得した低地地方が主流だったが,本書ではフィリップ・ル・ボンによる1420年頃から四半世紀に至る領地の経営と財政を考察し,宮廷や戦争を支えていた財務基盤を明らかにする。

租税については,地代と間接税収入は1420年代後半をピークに下落していくが,それを補うために御用金や借入金がたびたび課せられた。それらの徴税業務を担った勘定役は世帯調査や実態を把握して住民の不満に対応した。かれらが税の収奪者ではなく,資金融資ネットワークの主体的運営者として機能したことを明らかにする。

通貨政策では,国王貨幣の委託製造で莫大な利益を得るとともに,金銀の含有量を操作するインフレやデフレの政策を通して貨幣は高品位で安定したが,その反面,財政の弾力性は低下した。

首都を持たず連邦制を構成していた統治機構については財務管理の観点から検討される。公領に設置された諮問会と会計院の高い信頼を基に,それらを核として各領邦間の対等で領邦の特性を活かした自立的相互協力ネットワークにより情報と資金が提供されたことを解明する。

本書は会計史料や法史料500点2万枚を体系的に整理・分析し,公家の財政と金融政策の関連を解明して,初めて領邦経営の実態に迫った画期的業績である。

納入までに3週間ほどかかります。
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9,900
金尾 健美 著 、知泉書館 、2017/07/31 、558p 、菊判
従来の研究はブルゴーニュ公の北方政策で獲得した低地地方が主流だったが,本書ではフィリップ・ル・ボンによる1420年頃から四半世紀に至る領地の経営と財政を考察し,宮廷や戦争を支えていた財務基盤を明らかにする。 租税については,地代と間接税収入は1420年代後半をピークに下落していくが,それを補うために御用金や借入金がたびたび課せられた。それらの徴税業務を担った勘定役は世帯調査や実態を把握して住民の不満に対応した。かれらが税の収奪者ではなく,資金融資ネットワークの主体的運営者として機能したことを明らかにする。 通貨政策では,国王貨幣の委託製造で莫大な利益を得るとともに,金銀の含有量を操作するインフレやデフレの政策を通して貨幣は高品位で安定したが,その反面,財政の弾力性は低下した。 首都を持たず連邦制を構成していた統治機構については財務管理の観点から検討される。公領に設置された諮問会と会計院の高い信頼を基に,それらを核として各領邦間の対等で領邦の特性を活かした自立的相互協力ネットワークにより情報と資金が提供されたことを解明する。 本書は会計史料や法史料500点2万枚を体系的に整理・分析し,公家の財政と金融政策の関連を解明して,初めて領邦経営の実態に迫った画期的業績である。 納入までに3週間ほどかかります。

シリアの悲嘆―キリスト教徒虐殺事件 一八六〇年

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
15,400
若林 啓史 著、知泉書館、2019/08/30、944p、A5
1860年,オスマン帝国統治下にあったシリアの中心都市ダマスクスで発生した宗派抗争事件は,多くの犠牲者と広範囲にわたる商店や家屋,宗教施設の破壊という甚大な被害を出した。この事件は,これまで必ずしも正面から扱われてこなかったが,本書は,事件関係者の回想や記録文書など多くの一次史料を収集し,事件の政治的・外交的側面だけでなく,宗教的・社会的側面にも光を当てる意欲的な研究成果である。

中東におけるキリスト教徒共同体の歴史と性格,イスラーム支配下におけるキリスト教徒の境遇,さらにはオスマン帝国の近代化政策や,欧州列強の角逐と諸教会の関係など,広範な視点から時代背景を解説。その上で著者は,事件に直面した3人のキリスト教徒と3人のイスラーム教徒を選び,人物像や一族の歴史,事件に際してのそれぞれの思考や行動を詳細に分析し,1860年事件の多角的で包括的な解明を試みる。終わりに,事件発生後の顚末をたどり,後世に及ぼした影響をも指摘する。

付録として,未だ写本しかないアラビア語史料の中から重要な二作品を初めて校訂・翻訳し,収録する。

わが国でも知られていないこの事件の全貌を通して,現代の中東をより深く知るためにも,歴史的背景や多くの知見を提供する,示唆に富む書物である。

納入までに3週間ほどかかります。
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15,400
若林 啓史 著 、知泉書館 、2019/08/30 、944p 、A5
1860年,オスマン帝国統治下にあったシリアの中心都市ダマスクスで発生した宗派抗争事件は,多くの犠牲者と広範囲にわたる商店や家屋,宗教施設の破壊という甚大な被害を出した。この事件は,これまで必ずしも正面から扱われてこなかったが,本書は,事件関係者の回想や記録文書など多くの一次史料を収集し,事件の政治的・外交的側面だけでなく,宗教的・社会的側面にも光を当てる意欲的な研究成果である。 中東におけるキリスト教徒共同体の歴史と性格,イスラーム支配下におけるキリスト教徒の境遇,さらにはオスマン帝国の近代化政策や,欧州列強の角逐と諸教会の関係など,広範な視点から時代背景を解説。その上で著者は,事件に直面した3人のキリスト教徒と3人のイスラーム教徒を選び,人物像や一族の歴史,事件に際してのそれぞれの思考や行動を詳細に分析し,1860年事件の多角的で包括的な解明を試みる。終わりに,事件発生後の顚末をたどり,後世に及ぼした影響をも指摘する。 付録として,未だ写本しかないアラビア語史料の中から重要な二作品を初めて校訂・翻訳し,収録する。 わが国でも知られていないこの事件の全貌を通して,現代の中東をより深く知るためにも,歴史的背景や多くの知見を提供する,示唆に富む書物である。 納入までに3週間ほどかかります。

オットー朝年代記

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
12,100
メールゼブルクのティートマル 著 三佐川 亮宏 訳注、知泉書館、2021、840p、A5判
EUの歴史的原型として位置づけられる10世紀のヨーロッパ。しかしそれを今に伝える史料は乏しい。本書は,ドイツ,オットー朝期(919-1024)の四大叙述史料の一つを詳細な訳注とともに提供する。
包括的に描かれるのは,著者ティートマルが自ら管轄するメールゼブルク司教教会の歴史と,オットー朝の5代にわたる歴代国王・皇帝の歴史である。特に10世紀末オットー3世から11世紀初頭ハインリヒ2世の統治に関する記述は唯一無二の同時代史料として価値が高い。東方のスラヴ系諸民族のキリスト教化を任務として設置された司教座ゆえに,ポーランド大公ボレスワフとの15年に及ぶ戦役を詳述,またスラヴ人のアニミズム信仰や社会構成に関して克明にかつ冷静に叙述される。奇蹟,予言,幻視,悪霊,亡霊など,キリスト教と異教との間の宗教史・文化史的証言や,決闘裁判など社会制度の一端をも垣間見せる。
さらに本書は,ティートマル個人の親族や友人および自分自身の救済への願いと,後世への教訓を込めた記録でもある。折々に表明される彼の敬虔な信仰心,家族や友人への情愛,生と死に苦悶する感情の発露,そして厳しい自己批判の言葉は,千年の時空を越え今日のわれわれにも深い共感を呼び起こす。
明快な訳文と丁寧な注,解説や索引により,読者は個々にテーマを発見し,関心を深められるであろう。西洋中世史研究の基礎を築く意義深い業績である。
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12,100
メールゼブルクのティートマル 著 三佐川 亮宏 訳注 、知泉書館 、2021 、840p 、A5判
EUの歴史的原型として位置づけられる10世紀のヨーロッパ。しかしそれを今に伝える史料は乏しい。本書は,ドイツ,オットー朝期(919-1024)の四大叙述史料の一つを詳細な訳注とともに提供する。 包括的に描かれるのは,著者ティートマルが自ら管轄するメールゼブルク司教教会の歴史と,オットー朝の5代にわたる歴代国王・皇帝の歴史である。特に10世紀末オットー3世から11世紀初頭ハインリヒ2世の統治に関する記述は唯一無二の同時代史料として価値が高い。東方のスラヴ系諸民族のキリスト教化を任務として設置された司教座ゆえに,ポーランド大公ボレスワフとの15年に及ぶ戦役を詳述,またスラヴ人のアニミズム信仰や社会構成に関して克明にかつ冷静に叙述される。奇蹟,予言,幻視,悪霊,亡霊など,キリスト教と異教との間の宗教史・文化史的証言や,決闘裁判など社会制度の一端をも垣間見せる。 さらに本書は,ティートマル個人の親族や友人および自分自身の救済への願いと,後世への教訓を込めた記録でもある。折々に表明される彼の敬虔な信仰心,家族や友人への情愛,生と死に苦悶する感情の発露,そして厳しい自己批判の言葉は,千年の時空を越え今日のわれわれにも深い共感を呼び起こす。 明快な訳文と丁寧な注,解説や索引により,読者は個々にテーマを発見し,関心を深められるであろう。西洋中世史研究の基礎を築く意義深い業績である。

情報の世界史: 外国との事業情報の伝達 1815-1875

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
セイヤ-リータ・ラークソ著 玉木俊明訳、知泉書館、2014/05/15、576p、菊判
19世紀の事業通信はいかなる経緯で時間を短縮できたのか。本書は大西洋からカリブ海,アジアやオーストラリアにまで広がる世界的な規模にわたって,封筒の消印や海上保険のロイズが発行する「ロイズリスト」など,膨大な資料を駆使しながら,郵便を中心とする19世紀の情報伝達の発展を詳細に考察した画期的な業績である。
著者は「連続する情報の循環」を基本概念として分析する。それは大西洋においてヨーロッパとアメリカ間の往復航海を1回の情報の循環と見なす。この循環を短縮するために,船から船への積み替え期間の短縮をはじめ,不規則な航海ではなく「時間通りに運行する」という理念が,事業情報の伝達の発展にとって最も重要な条件であった。地域間通信は,船舶の技術的発展と商業的なニーズに依存しつつ,19世紀の世界は縮小していった。
19世紀ヨーロッパは帝国主義の時代であり,対外拡張の時代であった。ヨーロッパは工業製品だけでなく,海運業の発達によっても世界を制覇し,その中心にイギリス帝国があった。本書は経済史の分野に限らず,イギリス帝国史やヨーロッパの帝国主義研究にとっても必読文献となろう。
世界がネットワークとして結ばれはじめる19世紀の海運と電信の発達は,情報化時代を生きるわれわれにも,多くの知見と示唆を与えよう。

納入までに3週間ほどかかります。
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セイヤ-リータ・ラークソ著 玉木俊明訳 、知泉書館 、2014/05/15 、576p 、菊判
19世紀の事業通信はいかなる経緯で時間を短縮できたのか。本書は大西洋からカリブ海,アジアやオーストラリアにまで広がる世界的な規模にわたって,封筒の消印や海上保険のロイズが発行する「ロイズリスト」など,膨大な資料を駆使しながら,郵便を中心とする19世紀の情報伝達の発展を詳細に考察した画期的な業績である。 著者は「連続する情報の循環」を基本概念として分析する。それは大西洋においてヨーロッパとアメリカ間の往復航海を1回の情報の循環と見なす。この循環を短縮するために,船から船への積み替え期間の短縮をはじめ,不規則な航海ではなく「時間通りに運行する」という理念が,事業情報の伝達の発展にとって最も重要な条件であった。地域間通信は,船舶の技術的発展と商業的なニーズに依存しつつ,19世紀の世界は縮小していった。 19世紀ヨーロッパは帝国主義の時代であり,対外拡張の時代であった。ヨーロッパは工業製品だけでなく,海運業の発達によっても世界を制覇し,その中心にイギリス帝国があった。本書は経済史の分野に限らず,イギリス帝国史やヨーロッパの帝国主義研究にとっても必読文献となろう。 世界がネットワークとして結ばれはじめる19世紀の海運と電信の発達は,情報化時代を生きるわれわれにも,多くの知見と示唆を与えよう。 納入までに3週間ほどかかります。

極値問題の理論

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
A.D.イオッフェ(著), V.M.ティコミロフ(著), 細矢祐誉(訳), 虞朝聞(訳)、知泉書館、・・・
大学院生や最適化問題に関心をもつ研究者に対し,極値問題を三つの観点から統一的に概説した定評の教科書。即ち極値理論の数学的基礎の問題,極値の必要条件,そして解の存在問題を扱う。本書全体を完全に理解するには関数解析の知識が必要だが,多くの内容はより広範囲の読者を対象にしており,最重要な多数の定理は,証明に必要な理解に比べてはるかに少ない数学的素養でその形式を使いこなせるよう教育的に配慮されている。

本書は,バナッハ空間における微分法と凸解析を基礎に,最適性の必要条件の一般原理であるラグランジュの原理を定式化する。最初の六つの章と第10章は極値理論の基礎と最適性の必要条件を扱い,ことに10章では自然科学,工学,経済学,幾何学,解析学,近似理論に登場する異なる極値問題を統一的な手法で考察する。残りの章では,最適性の十分条件と解の存在,凸解析の展開を考察する。

特に17世紀にベルヌーイが開発した変分法は物理学や力学などに貢献したが,第二次世界大戦直前から経済学や工学により提起された問題から,フォン・ノイマンやカントロビッチらにより数理経済学の基礎が作られ,ゲーム理論,数理計画法,ORなどが誕生し,さらに産業・技術活動を制御する最適制御理論へと展開した。今後,数理科学の主要な分析手法の基礎文献として必読書となろう。

納入までに3週間ほどかかります。
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9,900
A.D.イオッフェ(著), V.M.ティコミロフ(著), 細矢祐誉(訳), 虞朝聞(訳) 、知泉書館 、2017/03/15 、632p 、菊判
大学院生や最適化問題に関心をもつ研究者に対し,極値問題を三つの観点から統一的に概説した定評の教科書。即ち極値理論の数学的基礎の問題,極値の必要条件,そして解の存在問題を扱う。本書全体を完全に理解するには関数解析の知識が必要だが,多くの内容はより広範囲の読者を対象にしており,最重要な多数の定理は,証明に必要な理解に比べてはるかに少ない数学的素養でその形式を使いこなせるよう教育的に配慮されている。 本書は,バナッハ空間における微分法と凸解析を基礎に,最適性の必要条件の一般原理であるラグランジュの原理を定式化する。最初の六つの章と第10章は極値理論の基礎と最適性の必要条件を扱い,ことに10章では自然科学,工学,経済学,幾何学,解析学,近似理論に登場する異なる極値問題を統一的な手法で考察する。残りの章では,最適性の十分条件と解の存在,凸解析の展開を考察する。 特に17世紀にベルヌーイが開発した変分法は物理学や力学などに貢献したが,第二次世界大戦直前から経済学や工学により提起された問題から,フォン・ノイマンやカントロビッチらにより数理経済学の基礎が作られ,ゲーム理論,数理計画法,ORなどが誕生し,さらに産業・技術活動を制御する最適制御理論へと展開した。今後,数理科学の主要な分析手法の基礎文献として必読書となろう。 納入までに3週間ほどかかります。

クザーヌスの思索のプリズム 中世末期の現実を超克する試み

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
八巻 和彦 著、知泉書館、2019/11/20、744p、菊判
クザーヌス(1401-64)は,生涯カトリック教会の枢機卿や司教,さらには教皇代理として活動しつつ,旅の最中に多くの著作を残した。彼の著作は写本から印刷本としてヨーロッパに広まり,その影響はブルーノをはじめコペルニクス,ケプラー,ライプニッツ,カント,ヤコービ,ハーマン,ダン,レッシングなど思想家から文学者まで多くの人びとに及んだ。

Ⅰ部で著者は,クザーヌスを中世末期の人物として捉え,その多面的な活動について考察する。

Ⅱ部では,クザーヌスの主体性論と近代の主体性概念との違いを検討し,彼の主体性が二重構造をもち,彼が人間精神の能力を高く評価していることを解明する。

Ⅲ部では,彼の認識論は神をいかに把握されうるかにあり,人間の認識能力は本質的に限界があり,絶対的存在からの助力を必要とする。さらに認識対象への接近方法として,表象力,比喩,象徴が強調される。

Ⅳ部では,世界はいかなる根拠で存在するかが問われ,「世界とは神の現れである」ことが明らかにされる。

Ⅴ部では,クザーヌスが教会のあり方をも相対化して他の宗教に対する寛容を説いた事情を明らかにする。

Ⅵ部では,愚者とか無学者を意味するイディオータが弁論家や哲学者との対話により,立場が逆転する姿を通して思想家クザーヌスの本質を見出す。

世界的にクザーヌスへの関心が広がる中,本書は半世紀に及ぶ研究の集大成であり必読の基本文献となろう。

納入までに3週間ほどかかります。
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9,900
八巻 和彦 著 、知泉書館 、2019/11/20 、744p 、菊判
クザーヌス(1401-64)は,生涯カトリック教会の枢機卿や司教,さらには教皇代理として活動しつつ,旅の最中に多くの著作を残した。彼の著作は写本から印刷本としてヨーロッパに広まり,その影響はブルーノをはじめコペルニクス,ケプラー,ライプニッツ,カント,ヤコービ,ハーマン,ダン,レッシングなど思想家から文学者まで多くの人びとに及んだ。 Ⅰ部で著者は,クザーヌスを中世末期の人物として捉え,その多面的な活動について考察する。 Ⅱ部では,クザーヌスの主体性論と近代の主体性概念との違いを検討し,彼の主体性が二重構造をもち,彼が人間精神の能力を高く評価していることを解明する。 Ⅲ部では,彼の認識論は神をいかに把握されうるかにあり,人間の認識能力は本質的に限界があり,絶対的存在からの助力を必要とする。さらに認識対象への接近方法として,表象力,比喩,象徴が強調される。 Ⅳ部では,世界はいかなる根拠で存在するかが問われ,「世界とは神の現れである」ことが明らかにされる。 Ⅴ部では,クザーヌスが教会のあり方をも相対化して他の宗教に対する寛容を説いた事情を明らかにする。 Ⅵ部では,愚者とか無学者を意味するイディオータが弁論家や哲学者との対話により,立場が逆転する姿を通して思想家クザーヌスの本質を見出す。 世界的にクザーヌスへの関心が広がる中,本書は半世紀に及ぶ研究の集大成であり必読の基本文献となろう。 納入までに3週間ほどかかります。

ヘーゲルハンドブック: 生涯・作品・学派

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16,940
ヴァルター・イェシュケ 著/神山伸弘・久保陽一・座小田豊・島崎隆・高山守・山口誠一 監訳、知泉書館、・・・
ヘーゲル哲学の現代性とは何か? それは形而上学を批判して論理学に置き換え,「自然哲学」を構想し,人間学や法と国家の理解,また歴史の思想や芸術,宗教の哲学,そして哲学史を思想そのものの発展と見なす考え方に現れている。ヘーゲルの思想は過去のものではなく,現代思想の一つの重要な基準点である。

しかし今日の思想がヘーゲルと切り離されているのは,ヘーゲルの時代を歴史化し,19世紀半ばの「ドイツ観念論の崩壊」以来,「現代的」思想による実証主義的な簡略化と精神的な力の消滅による。思考を経験科学に限定する「現代的」なやり方にとり,精神や理性は古臭く,効用と機能への現代的関心の障害となる。だがヘーゲル哲学は,現代を理解するためだけでなく,時代を象徴する独断的な簡略化と硬直化を理解するのにも役立つ。

本書はヘーゲルの著作の発展史の概観と,ヘーゲルが提示し解決しようとした体系的な諸問題の概観を与え,最近の研究を位置づける試みである。著者は批判版ヘーゲル全集の編集を主導し,その研究はドイツ古典哲学全般に及ぶ。本書は文献学的歴史的研究の立場からテキスト・クリティーク,発展史,概念史,背景事情,影響史など最新の研究成果に基づいて,バランスの取れた斬新な解釈を展開する。確かなテキストに拠って,難解な内容を読み解くとともに,概念史から発展史,研究史に関する該博な知識を駆使,膨大な研究蓄積をも見渡して書かれた驚嘆すべき画期的な手引書である。ヘーゲル研究のみならず近代哲学の研究者にとっても本書は無視することができない基本文献となろう。

内容は生涯,作品,学派からなり,主要部である〈作品〉は,最初に記録された草稿や著作から最後の刊行物に至るまでを発展史的に叙述した前半部と,「エンツュクロペディー」の順序である論理学―自然哲学―精神哲学に従い,後期の講義において素描された「体系」を叙述した後半部より成る。また〈学派〉では1815-48年の三月革命期のヘーゲル学派の論争過程に焦点を絞って「影響の最初の決定的な局面」を考察し,その影響史の射程を定める。

納入までに3週間ほどかかります。
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16,940
ヴァルター・イェシュケ 著/神山伸弘・久保陽一・座小田豊・島崎隆・高山守・山口誠一 監訳 、知泉書館 、2016/06/20 、750p 、B5
ヘーゲル哲学の現代性とは何か? それは形而上学を批判して論理学に置き換え,「自然哲学」を構想し,人間学や法と国家の理解,また歴史の思想や芸術,宗教の哲学,そして哲学史を思想そのものの発展と見なす考え方に現れている。ヘーゲルの思想は過去のものではなく,現代思想の一つの重要な基準点である。 しかし今日の思想がヘーゲルと切り離されているのは,ヘーゲルの時代を歴史化し,19世紀半ばの「ドイツ観念論の崩壊」以来,「現代的」思想による実証主義的な簡略化と精神的な力の消滅による。思考を経験科学に限定する「現代的」なやり方にとり,精神や理性は古臭く,効用と機能への現代的関心の障害となる。だがヘーゲル哲学は,現代を理解するためだけでなく,時代を象徴する独断的な簡略化と硬直化を理解するのにも役立つ。 本書はヘーゲルの著作の発展史の概観と,ヘーゲルが提示し解決しようとした体系的な諸問題の概観を与え,最近の研究を位置づける試みである。著者は批判版ヘーゲル全集の編集を主導し,その研究はドイツ古典哲学全般に及ぶ。本書は文献学的歴史的研究の立場からテキスト・クリティーク,発展史,概念史,背景事情,影響史など最新の研究成果に基づいて,バランスの取れた斬新な解釈を展開する。確かなテキストに拠って,難解な内容を読み解くとともに,概念史から発展史,研究史に関する該博な知識を駆使,膨大な研究蓄積をも見渡して書かれた驚嘆すべき画期的な手引書である。ヘーゲル研究のみならず近代哲学の研究者にとっても本書は無視することができない基本文献となろう。 内容は生涯,作品,学派からなり,主要部である〈作品〉は,最初に記録された草稿や著作から最後の刊行物に至るまでを発展史的に叙述した前半部と,「エンツュクロペディー」の順序である論理学―自然哲学―精神哲学に従い,後期の講義において素描された「体系」を叙述した後半部より成る。また〈学派〉では1815-48年の三月革命期のヘーゲル学派の論争過程に焦点を絞って「影響の最初の決定的な局面」を考察し,その影響史の射程を定める。 納入までに3週間ほどかかります。

中国思想史論攷  宗教のある風景

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
4,950
西脇 常記 著、知泉書館、2022、280ページ、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。
第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。
第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。
第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。
<目次>
序文
第一部 吐魯番漢語文書研究補遺
第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描
第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

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西脇 常記 著 、知泉書館 、2022 、280ページ 、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。 第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。 第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。 第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。 <目次> 序文 第一部 吐魯番漢語文書研究補遺 第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描 第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

中世における信仰と知

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
上智大学中世思想研究所 編、知泉書館、2013/03/30、482p、A5
本書はキリスト教古代から近世にいたる「信仰と知」をめぐる思索を代表的な思想家を通して解明する。古典古代で形成された知の探究構造はいかに聖書理解に受け継がれたか,信仰における問題意識に理性はいかに迫り,それ自体としては表現できない超越的な事態を理性はいかに理解へともたらすのかなど,多様な問題に光をあてる。
キリスト教がギリシア・ローマの思想と対峙した2世紀,教父たちは古代の知恵を信仰理解と信仰生活に生かすために,ヘレニズム的テキスト解釈を聖書解釈へ導入し,中期プラトン主義による救済史的神学体系の構築に挑んだ。
11世紀のラテン中世では,信仰内容を「理性のみによって」探究する初期スコラ学がアンセルムスにより形成され,「信仰と知」は自らに目覚めた理性と聖書理解および教会の伝統との関係を問う「理性と権威」として主題化された。
アリストテレス哲学がイスラム世界から受容された13世紀の盛期スコラ学では,「知」は経験的認識に基づいた「学知」となり,信仰理解は「大全」にまとめ上げられ,「信仰と知」は大学において「神学と哲学」として提起された。
14世紀の後期スコラ学になると哲学と神学の密接な関係が神学の優位性とともに解体し,経験と個体を重視するスコトゥスとオッカムの思惟の展開,また思弁的知性論を軸としたエックハルトからクザーヌスへの潮流が,イギリス経験論と大陸合理論,ドイツ観念論へと展開していった。
「信仰と知」から見た中世思想史としても格好の基本文献。

納入までに3週間ほどかかります。
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上智大学中世思想研究所 編 、知泉書館 、2013/03/30 、482p 、A5
本書はキリスト教古代から近世にいたる「信仰と知」をめぐる思索を代表的な思想家を通して解明する。古典古代で形成された知の探究構造はいかに聖書理解に受け継がれたか,信仰における問題意識に理性はいかに迫り,それ自体としては表現できない超越的な事態を理性はいかに理解へともたらすのかなど,多様な問題に光をあてる。 キリスト教がギリシア・ローマの思想と対峙した2世紀,教父たちは古代の知恵を信仰理解と信仰生活に生かすために,ヘレニズム的テキスト解釈を聖書解釈へ導入し,中期プラトン主義による救済史的神学体系の構築に挑んだ。 11世紀のラテン中世では,信仰内容を「理性のみによって」探究する初期スコラ学がアンセルムスにより形成され,「信仰と知」は自らに目覚めた理性と聖書理解および教会の伝統との関係を問う「理性と権威」として主題化された。 アリストテレス哲学がイスラム世界から受容された13世紀の盛期スコラ学では,「知」は経験的認識に基づいた「学知」となり,信仰理解は「大全」にまとめ上げられ,「信仰と知」は大学において「神学と哲学」として提起された。 14世紀の後期スコラ学になると哲学と神学の密接な関係が神学の優位性とともに解体し,経験と個体を重視するスコトゥスとオッカムの思惟の展開,また思弁的知性論を軸としたエックハルトからクザーヌスへの潮流が,イギリス経験論と大陸合理論,ドイツ観念論へと展開していった。 「信仰と知」から見た中世思想史としても格好の基本文献。 納入までに3週間ほどかかります。

ハイデッガー=リッカート往復書簡 1912-1933 知泉学術叢書35

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3,960
アルフレート・デンカー(編), 渡辺和典(訳)、知泉書館、2025年1月、232p、新書
若きハイデッガーの師弟関係というと現象学の祖フッサールとの関係が語られることが多い。しかし,それ以前より始まる新カント派のリッカートとの師弟関係はどれほど知られているだろうか。
この関係を抜きにして『存在と時間』(1927年)へ至る初期ハイデッガーの思想形成を紐解くことはできない。本書はハイデッガーとリッカートとの約20年間にわたる43通の往復書簡を収録。
この書簡集ではハイデッガーの修学期,1900年代初頭に隆盛を極めていた新カント派の研究と批判により自らの思索を練り上げていった姿を垣間見ることができる。
またハイデッガーのカトリック教会との関係や就職問題,フィンケ,E. ラスク,フッサール,そしてヤスパースとの関係など,実存的な状況も綴られており,「大哲学者」というだけではない側面もうかがい知れる。
さらにハイデッガーの研究発表の資料や講演「問いと判断」,さらに学位論文への主査A. シュナイダーの論評など貴重な「文書資料」も収録。
本書は,かつて日本で多くの翻訳・研究が出されていた新カント派の視点からハイデッガーの思索の現場を照らし,これまで見過ごされてきた思想的鉱脈を見つけるきっかけとなろう。さらに新カント派が時代を担った意味を再考するための有意義な資料である。

目次

凡例

書簡
 ハイデッガーからリッカートへ(31通)
 リッカートからハイデッガーへ(12通)

文書資料
 ハイデッガー「自然科学的概念形成の諸限界を超えるための試み」
   (1913/14冬学期)
 ハイデッガー「問いと判断」
   (1915年7月10日)
 ハイデッガー 学位申請書
   (1913年6月30日)
 ハイデッガー 履歴書と宣誓書
   (1913年6月30日)
 シュナイダー「ハイデッガー氏の学位論文に関する所見」
   (1913年7月10日)
 ハイデッガー 教授資格志願者
   (1915年7月2日)
 リッカート「ハイデッガー博士の教授資格論文に関する所見」
   (1915年7月19日)

編者あとがき
書簡で言及された著作

訳者解説
訳者あとがき
人名索引

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クレジットカード使用可 銀行振込可 代引き不可 公費可 海外発送不可 適格請求
3,960
アルフレート・デンカー(編), 渡辺和典(訳) 、知泉書館 、2025年1月 、232p 、新書
若きハイデッガーの師弟関係というと現象学の祖フッサールとの関係が語られることが多い。しかし,それ以前より始まる新カント派のリッカートとの師弟関係はどれほど知られているだろうか。 この関係を抜きにして『存在と時間』(1927年)へ至る初期ハイデッガーの思想形成を紐解くことはできない。本書はハイデッガーとリッカートとの約20年間にわたる43通の往復書簡を収録。 この書簡集ではハイデッガーの修学期,1900年代初頭に隆盛を極めていた新カント派の研究と批判により自らの思索を練り上げていった姿を垣間見ることができる。 またハイデッガーのカトリック教会との関係や就職問題,フィンケ,E. ラスク,フッサール,そしてヤスパースとの関係など,実存的な状況も綴られており,「大哲学者」というだけではない側面もうかがい知れる。 さらにハイデッガーの研究発表の資料や講演「問いと判断」,さらに学位論文への主査A. シュナイダーの論評など貴重な「文書資料」も収録。 本書は,かつて日本で多くの翻訳・研究が出されていた新カント派の視点からハイデッガーの思索の現場を照らし,これまで見過ごされてきた思想的鉱脈を見つけるきっかけとなろう。さらに新カント派が時代を担った意味を再考するための有意義な資料である。 目次 凡例 書簡  ハイデッガーからリッカートへ(31通)  リッカートからハイデッガーへ(12通) 文書資料  ハイデッガー「自然科学的概念形成の諸限界を超えるための試み」    (1913/14冬学期)  ハイデッガー「問いと判断」    (1915年7月10日)  ハイデッガー 学位申請書    (1913年6月30日)  ハイデッガー 履歴書と宣誓書    (1913年6月30日)  シュナイダー「ハイデッガー氏の学位論文に関する所見」    (1913年7月10日)  ハイデッガー 教授資格志願者    (1915年7月2日)  リッカート「ハイデッガー博士の教授資格論文に関する所見」    (1915年7月19日) 編者あとがき 書簡で言及された著作 訳者解説 訳者あとがき 人名索引 納入までに3週間ほどかかります。

意味と時間 フッサールにおける意味の最根源への遡行

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
高野 孝 著、知泉書館、2025、622p、菊判
意味は『論理学研究』において最も重要な課題であり,フッサールは意味を現象学研究における根本的な主題の一つと考え,その探求は現象学研究の歩みと共にあった。
特に意味を時間という問題領域の中に捉えることにより,意味の最根源に至る道が開かれた。意味を時間との密接な関係,意味の様々な時間性を探求することにより,深化の道を辿ったのである。
意味探求の独自性は,言語活動で遂行される意味作用と意味志向を充実させる直観作用との関連を通して,直観的意味と言語的意味の発生を捉えることにある。
言語的意味の理解にとって重要なのは意味付与作用の相関者としての言語的意味という意味概念の導入と,名辞的作用に対し述定的作用の優位性の解明である。
それでは意味は時間との関係のなかで如何に発生するのか。時間は意識によって構成される。ここでは能動的次元ではなく自我の関与しない受動的次元において,時間構成との関わりの中で意味の発生について考察され,言語的意味の生成が明らかにされる。
次に時間的意味がどのように生成され,言語的意味はどのように遍時間的になるのかが問われる。直観的意味と言語的意味が発生する過程を経て,能動的な直観的意味や言語的な意味も受動的意味を根源として発生することが解明される。
著者による厳密で周到な分析により,複雑な様相を呈する意味と時間の関係を明らかにした貴重な業績である。
目次
凡例
はじめに
序論
第一部 静態的探究
第一章 スペチエスとしての意義
第二章 相関者としての意義――新たな意義概念の導入
第三章 相関者としての意味の時間性
第二部 発生的探究
第一編 受動的次元を土台とする能動的次元における探究
第一章 意味の根源への遡行
第二章 直観的意味から言語的意味へ
第三章 意味の遍時間性は如何にして成立するか
第二編 受動的次元における探究
第一章 共時間的意味の発生――意味と生き生きした現在
第二章 意味の背景としての類型――音素を具体例とした探究
第三章 意味と類型――意味と過去―現在―未来
第四章 先時間的意味と本能――フッサールにおける意味の最根源
結語
あとがき
参考文献
索引
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9,900
高野 孝 著 、知泉書館 、2025 、622p 、菊判
意味は『論理学研究』において最も重要な課題であり,フッサールは意味を現象学研究における根本的な主題の一つと考え,その探求は現象学研究の歩みと共にあった。 特に意味を時間という問題領域の中に捉えることにより,意味の最根源に至る道が開かれた。意味を時間との密接な関係,意味の様々な時間性を探求することにより,深化の道を辿ったのである。 意味探求の独自性は,言語活動で遂行される意味作用と意味志向を充実させる直観作用との関連を通して,直観的意味と言語的意味の発生を捉えることにある。 言語的意味の理解にとって重要なのは意味付与作用の相関者としての言語的意味という意味概念の導入と,名辞的作用に対し述定的作用の優位性の解明である。 それでは意味は時間との関係のなかで如何に発生するのか。時間は意識によって構成される。ここでは能動的次元ではなく自我の関与しない受動的次元において,時間構成との関わりの中で意味の発生について考察され,言語的意味の生成が明らかにされる。 次に時間的意味がどのように生成され,言語的意味はどのように遍時間的になるのかが問われる。直観的意味と言語的意味が発生する過程を経て,能動的な直観的意味や言語的な意味も受動的意味を根源として発生することが解明される。 著者による厳密で周到な分析により,複雑な様相を呈する意味と時間の関係を明らかにした貴重な業績である。 目次 凡例 はじめに 序論 第一部 静態的探究 第一章 スペチエスとしての意義 第二章 相関者としての意義――新たな意義概念の導入 第三章 相関者としての意味の時間性 第二部 発生的探究 第一編 受動的次元を土台とする能動的次元における探究 第一章 意味の根源への遡行 第二章 直観的意味から言語的意味へ 第三章 意味の遍時間性は如何にして成立するか 第二編 受動的次元における探究 第一章 共時間的意味の発生――意味と生き生きした現在 第二章 意味の背景としての類型――音素を具体例とした探究 第三章 意味と類型――意味と過去―現在―未来 第四章 先時間的意味と本能――フッサールにおける意味の最根源 結語 あとがき 参考文献 索引

倫理学講義 第二巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年05月、418p、46判
著者は1985年に京都大学を定年退職後,南山大学に移り,自由なテーマによる教養科目の講義を要請された。専門科目しか教授してこなかった著者が,若い人たちも興味をもち,理解できるように分かり易く工夫したのが本シリーズである。哲学・倫理学の深い学識と豊かな知識に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても学問と人生を知るうえで,示唆に富む有益な名講義である。
名古屋での13年,授業で話した主要なテーマは「愛」の問題であった。本巻では愛の諸相について語られる。
「愛とは何か。問われないと私は知っている。問われると,分からなくなる。」愛することは知っている。しかし愛とは何かを知らない。愛の自明性と多義性という両面性と愛の意味を知るために愛の諸形態について考える。
愛については三つの見方がある。プラトン『饗宴』の「エロス」,アリストテレス『ニコマコス倫理学』の「ピリア」,そして『新約聖書』の「アガペー」である。
本書では『饗宴』の論客たちの愛に対する思いを見ながら,エロスの持つ多様で深い意味が紹介される。
さらにキリスト教の「あなたの父なる神」と「キリストと群衆」を通して,神とイエスと群衆が相互に交わりながら,人々の中で息づく愛と,キリスト教の真実を見つめる。
人には好きと嫌いがあり,エロスの愛は反面として「憎しみ」を伴う。それらの根底には「自愛」がある。「自愛」と「他愛」の深刻な抗いにいかに応えるかを考える。
次回の第三巻では「ピリア」と「アガペー」について語られ,「エロス」を含め愛の統合的な理解が明らかにされる。
目次
凡例
まえがき

第Ⅰ部 愛の諸形態――エロス愛について
第Ⅱ部 愛の経験
第Ⅲ部 好きと嫌い
第Ⅳ部 プラトンのエロス論
第Ⅴ部 「あなた方の父」なる神
(一)「あなた方の父」なる神
(二) イエスと群衆
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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年05月 、418p 、46判
著者は1985年に京都大学を定年退職後,南山大学に移り,自由なテーマによる教養科目の講義を要請された。専門科目しか教授してこなかった著者が,若い人たちも興味をもち,理解できるように分かり易く工夫したのが本シリーズである。哲学・倫理学の深い学識と豊かな知識に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても学問と人生を知るうえで,示唆に富む有益な名講義である。 名古屋での13年,授業で話した主要なテーマは「愛」の問題であった。本巻では愛の諸相について語られる。 「愛とは何か。問われないと私は知っている。問われると,分からなくなる。」愛することは知っている。しかし愛とは何かを知らない。愛の自明性と多義性という両面性と愛の意味を知るために愛の諸形態について考える。 愛については三つの見方がある。プラトン『饗宴』の「エロス」,アリストテレス『ニコマコス倫理学』の「ピリア」,そして『新約聖書』の「アガペー」である。 本書では『饗宴』の論客たちの愛に対する思いを見ながら,エロスの持つ多様で深い意味が紹介される。 さらにキリスト教の「あなたの父なる神」と「キリストと群衆」を通して,神とイエスと群衆が相互に交わりながら,人々の中で息づく愛と,キリスト教の真実を見つめる。 人には好きと嫌いがあり,エロスの愛は反面として「憎しみ」を伴う。それらの根底には「自愛」がある。「自愛」と「他愛」の深刻な抗いにいかに応えるかを考える。 次回の第三巻では「ピリア」と「アガペー」について語られ,「エロス」を含め愛の統合的な理解が明らかにされる。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 愛の諸形態――エロス愛について 第Ⅱ部 愛の経験 第Ⅲ部 好きと嫌い 第Ⅳ部 プラトンのエロス論 第Ⅴ部 「あなた方の父」なる神 (一)「あなた方の父」なる神 (二) イエスと群衆 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第四巻 倫理学講義(全5巻)

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年09月、430p、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く,興味深い講義録の集大成である。
哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にも有益な講義である。
第四巻では,マルタとマリアの物語と,生と死というすべての人にとって避けられない問題,謎について考察する。
第Ⅰ部は福音書にある「マルタとマリアの問題」で,受難への道を歩むイエスがマルタとマリアの姉妹の家に迎えられる。マルタはイエスの食事や接待に立ち働き,マリアはイエスの足もとに座り話に聞き入った。マルタはイエスにそれについて不満を述べたが,イエスはマリアを褒めた。この物語は,マリアを観想的生活,マルタを行動的生活として伝統的に理解されていた。しかし著者はイエスは姉妹を差別せずに,それぞれが自分を見つめて振る舞ったものとして,姉妹に等しい愛を注いだと考えたのである。
第Ⅱ部の「生と死の問題」では,人生において「死の経験」だけは経験できないため,神話で多くの物語が語られ,儀式や祭として今日まで引き継がれてきた。
そこでは身体は滅びるが,魂は不死であり永遠に生きると考えられた。身体が滅びた後には何も残らないという唯物論者による見方と,魂は存続するという見方を著者は丹念に追究する。残るのは普遍的な一つの魂か,それとも個人のための多数の魂かが焦点となった。カントの普遍的な魂を紹介するとともに,キリスト教における神の創造を基盤とする個人の存在に根差した個人の魂が残ることを明らかにする。「死の経験」とは何か,重要なテーマが問われた。

目次

凡例
まえがき
第Ⅰ部 マルタとマリアの問題
 第一編 マルタとマリア
 第二編 マルタとマリア
第Ⅱ部 生と死の問題
第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察
 第一編 二つの恵み,生と死
 第二編 生と死
 第三編 魂の不死と人間の尊厳
 第四編 生死の問題――死んだらどうなるか

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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年09月 、430p 、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く,興味深い講義録の集大成である。 哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にも有益な講義である。 第四巻では,マルタとマリアの物語と,生と死というすべての人にとって避けられない問題,謎について考察する。 第Ⅰ部は福音書にある「マルタとマリアの問題」で,受難への道を歩むイエスがマルタとマリアの姉妹の家に迎えられる。マルタはイエスの食事や接待に立ち働き,マリアはイエスの足もとに座り話に聞き入った。マルタはイエスにそれについて不満を述べたが,イエスはマリアを褒めた。この物語は,マリアを観想的生活,マルタを行動的生活として伝統的に理解されていた。しかし著者はイエスは姉妹を差別せずに,それぞれが自分を見つめて振る舞ったものとして,姉妹に等しい愛を注いだと考えたのである。 第Ⅱ部の「生と死の問題」では,人生において「死の経験」だけは経験できないため,神話で多くの物語が語られ,儀式や祭として今日まで引き継がれてきた。 そこでは身体は滅びるが,魂は不死であり永遠に生きると考えられた。身体が滅びた後には何も残らないという唯物論者による見方と,魂は存続するという見方を著者は丹念に追究する。残るのは普遍的な一つの魂か,それとも個人のための多数の魂かが焦点となった。カントの普遍的な魂を紹介するとともに,キリスト教における神の創造を基盤とする個人の存在に根差した個人の魂が残ることを明らかにする。「死の経験」とは何か,重要なテーマが問われた。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 マルタとマリアの問題  第一編 マルタとマリア  第二編 マルタとマリア 第Ⅱ部 生と死の問題 第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察  第一編 二つの恵み,生と死  第二編 生と死  第三編 魂の不死と人間の尊厳  第四編 生死の問題――死んだらどうなるか 納入までに3週間ほどかかります。

中国の秘密結社と演劇

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,490
田仲 一成、知泉書館、2024年11月、456p、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。
上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。
下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。
さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。
演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。

目次

(カラー口絵4頁)

前言

上篇 青幇と演劇の関係
第1章 「青幇」の沿革と組織
第2章 民国期上海の青幇
第3章 青幇人物小伝
第3節 俳優
上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景

下篇 紅幇と劇界
第1章 南洋における天地会会党
第2章 シンガポールに残る天地会の遺風
第3章 香港に残る天地会の遺風
第4章 天地会会党と演劇

総結 中国の秘密結社と皇帝権力

附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料
附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻
参考文献目録
あとがき
索引
英文目次


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田仲 一成 、知泉書館 、2024年11月 、456p 、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。 上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。 下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。 さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。 演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。 目次 (カラー口絵4頁) 前言 上篇 青幇と演劇の関係 第1章 「青幇」の沿革と組織 第2章 民国期上海の青幇 第3章 青幇人物小伝 第3節 俳優 上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景 下篇 紅幇と劇界 第1章 南洋における天地会会党 第2章 シンガポールに残る天地会の遺風 第3章 香港に残る天地会の遺風 第4章 天地会会党と演劇 総結 中国の秘密結社と皇帝権力 附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料 附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻 参考文献目録 あとがき 索引 英文目次 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第三巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
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山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年07月、488p、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く語った興味深い講義録の集大成。
哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても有益な講義である。
第二巻では愛の自明性と曖昧性という二面性を語ったうえで「愛とは何か」を問い,愛の三形態であるエロス,ピリア,アガペーのうち,エロスを中心に考察された。
本巻ではこれら三つの愛の特徴と相互関係を総合的に論じた上で,キリスト教の「アガペー」を中心に語られる。
イエスは律法学者から最も重要な律法とは何かを問われ,第一に「心を尽くし,精神を尽くし,思いを尽くして神を愛しなさい」,第二に「隣人を自分のように愛しなさい」と答えた。イエスがこれら二つの掟の深い意味と関係について説くと,律法学者はイエスに反感を抱いた。
エルサレムへの途上の村で,皮膚病を患っている十人がイエスを迎えて癒しを乞うた。病が癒され彼らは喜んで去って行った。ところがその中から異邦人のサマリア人が,神を賛美しながら戻ってきて,イエスの足もとにひれ伏して感謝した。他の人は戻らず,イエスはその人に「あなたの信仰があなたを救った」と言って立ち去らせた。
ある人がエルサレムから下ってくる時に追剝ぎに襲われ,半殺しにされた。祭司やレビ人は知らぬ顔で通りすぎたが,一人のサマリア人がこれを見て憐れに思い介抱した。イエスはこの話を律法学者に話し,隣人とは何かを問うた。
著者はこれらの話から三つの愛とは「自愛」「他愛」とそれらを介した「交流愛」であることを明らかにし,律法と福音の違い,そして神への愛について丁寧に深く考察する。

目次

凡例
まえがき
第Ⅰ部 アガペーとエロス
第Ⅱ部 キリスト教的愛について――自分のように人を愛するとは? 三つの愛,エロス,アガペー,愛の交わり
第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察
第Ⅳ部 律法における倫理
第Ⅴ部 キリスト教と愛
第Ⅵ部 自分のように人を愛するとはいかなることか
第Ⅶ部 二つの掟と新しい掟

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山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年07月 、488p 、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く語った興味深い講義録の集大成。 哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても有益な講義である。 第二巻では愛の自明性と曖昧性という二面性を語ったうえで「愛とは何か」を問い,愛の三形態であるエロス,ピリア,アガペーのうち,エロスを中心に考察された。 本巻ではこれら三つの愛の特徴と相互関係を総合的に論じた上で,キリスト教の「アガペー」を中心に語られる。 イエスは律法学者から最も重要な律法とは何かを問われ,第一に「心を尽くし,精神を尽くし,思いを尽くして神を愛しなさい」,第二に「隣人を自分のように愛しなさい」と答えた。イエスがこれら二つの掟の深い意味と関係について説くと,律法学者はイエスに反感を抱いた。 エルサレムへの途上の村で,皮膚病を患っている十人がイエスを迎えて癒しを乞うた。病が癒され彼らは喜んで去って行った。ところがその中から異邦人のサマリア人が,神を賛美しながら戻ってきて,イエスの足もとにひれ伏して感謝した。他の人は戻らず,イエスはその人に「あなたの信仰があなたを救った」と言って立ち去らせた。 ある人がエルサレムから下ってくる時に追剝ぎに襲われ,半殺しにされた。祭司やレビ人は知らぬ顔で通りすぎたが,一人のサマリア人がこれを見て憐れに思い介抱した。イエスはこの話を律法学者に話し,隣人とは何かを問うた。 著者はこれらの話から三つの愛とは「自愛」「他愛」とそれらを介した「交流愛」であることを明らかにし,律法と福音の違い,そして神への愛について丁寧に深く考察する。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 アガペーとエロス 第Ⅱ部 キリスト教的愛について――自分のように人を愛するとは? 三つの愛,エロス,アガペー,愛の交わり 第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察 第Ⅳ部 律法における倫理 第Ⅴ部 キリスト教と愛 第Ⅵ部 自分のように人を愛するとはいかなることか 第Ⅶ部 二つの掟と新しい掟 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第一巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年01月、496p、46判
著者は1985(昭和60)年に京都大学を定年退職した後,南山大学で教鞭を執るが,そこでテーマは自分で選び自由に語る教養科目の講義を要請された。京大では専門科目しか教えなかったので迷ったが,若い人たちに興味を与え,分かり易く語ることを熟慮して話されたのがこのシリーズである。哲学・倫理学の深い学識と膨大な知識に裏付けられた講義は,多くの学生を魅了した。学生ばかりか研究者も,学問と人生を知るために,今日でも読まれるべき名講義。
本巻では,まず「私とは何か」を問う。これは哲学の根本で,人間にとって最も大切なことである。「A子の話」と「捨八の話」ではナルシシズムと劣等感に苛まれた二人について物語風に語りながら,「真の自己」を知らないためにあやまちと不幸に見舞われる姿を鮮やかに描き出す。
次に愛をテーマに「自愛と他愛」を語る。人が最も愛しているのは自分自身で,愛の根元は「自愛」である。物や人に対する愛も所有する愛なので,いずれも自愛に還元される。そこで自分を愛することと自分を了解することが問題となる。高校生の娘が母親を殺した事件をもとに,母娘の心に生じる葛藤の推移と結末とを心理小説風に描き,「愛と了解」そして「愛と他者理解」の真相を考察する。
最後に「疎外の問題」を論じる。疎外とは,マルクスがヘーゲルの『精神現象学』から転用し,経済学の概念として労働者が「疎外」されていく実態を分析した言葉だが,疎外の現実は「仲間外れにする,される」ことである。そこで「仲間の構造」について,家族や友人・知人から様々な社会集団,国家に至る多様性を通して明らかにされる。

目次

凡例
まえがき
  序論――自分を知るとはいかなることか
  第一章 私とは何者であるか
  第二章 私に分からなくなる私
  第三章 私の探求の課題である私
第Ⅰ部 A子の話
 A子の話――ナルシスとナルシズムについて
第Ⅱ部 捨八の話
 捨八の話
第Ⅲ部 愛の諸形態
 一 愛と対象
 二 愛と了解
 三 愛と共感
第Ⅳ部 疎外の問題
 疎外の問題
あとがき
解説
総目次
索引

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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年01月 、496p 、46判
著者は1985(昭和60)年に京都大学を定年退職した後,南山大学で教鞭を執るが,そこでテーマは自分で選び自由に語る教養科目の講義を要請された。京大では専門科目しか教えなかったので迷ったが,若い人たちに興味を与え,分かり易く語ることを熟慮して話されたのがこのシリーズである。哲学・倫理学の深い学識と膨大な知識に裏付けられた講義は,多くの学生を魅了した。学生ばかりか研究者も,学問と人生を知るために,今日でも読まれるべき名講義。 本巻では,まず「私とは何か」を問う。これは哲学の根本で,人間にとって最も大切なことである。「A子の話」と「捨八の話」ではナルシシズムと劣等感に苛まれた二人について物語風に語りながら,「真の自己」を知らないためにあやまちと不幸に見舞われる姿を鮮やかに描き出す。 次に愛をテーマに「自愛と他愛」を語る。人が最も愛しているのは自分自身で,愛の根元は「自愛」である。物や人に対する愛も所有する愛なので,いずれも自愛に還元される。そこで自分を愛することと自分を了解することが問題となる。高校生の娘が母親を殺した事件をもとに,母娘の心に生じる葛藤の推移と結末とを心理小説風に描き,「愛と了解」そして「愛と他者理解」の真相を考察する。 最後に「疎外の問題」を論じる。疎外とは,マルクスがヘーゲルの『精神現象学』から転用し,経済学の概念として労働者が「疎外」されていく実態を分析した言葉だが,疎外の現実は「仲間外れにする,される」ことである。そこで「仲間の構造」について,家族や友人・知人から様々な社会集団,国家に至る多様性を通して明らかにされる。 目次 凡例 まえがき   序論――自分を知るとはいかなることか   第一章 私とは何者であるか   第二章 私に分からなくなる私   第三章 私の探求の課題である私 第Ⅰ部 A子の話  A子の話――ナルシスとナルシズムについて 第Ⅱ部 捨八の話  捨八の話 第Ⅲ部 愛の諸形態  一 愛と対象  二 愛と了解  三 愛と共感 第Ⅳ部 疎外の問題  疎外の問題 あとがき 解説 総目次 索引 納入までに3週間ほどかかります。

中世と近世のあいだ 14世紀におけるスコラ学と神秘思想

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
上智大学中世思想研究所 編、知泉書館、2007/06/30、576p、A5
中世文化は13世紀の盛期スコラ学において思想的頂点に達したのち,14世紀には危機と転換の時代を迎えた。社会的には経済危機や人口減少,市民階級の勃興と封建体制の動揺,さらにペストや東方からの脅威に加え,領邦国家が神聖ローマ帝国に対する独立性を強め,教皇権力の求心力も弱体化しつつあった。
これら社会環境の変化に伴い,学問言語であるラテン語による知的統一は俗語の成長と大学の設立により弱まり,個別科学の優勢とともに形而上学的体系が批判され,スコラ学は解体されていく。また学問と信仰,言語と実在,世界への結びつきと内面性といった問題群が時代の課題となった。
本書は吟味可能な確実性と経験可能な真理を模索しながら,普遍的知識や自己実現の新たな規範を打ち建てる精神活動が一挙に花開く14世紀の多様な思想潮流を,〈宗教・神秘思想〉〈スコラ学・自然学思想〉〈東方キリスト教思想〉の三つの視角から本格的に考察した画期的業績である。

目次

第1部 宗教・神秘思想(ダンテと哲学―『饗宴』と『神曲』を中心として;ルルスの思想と近代;フライベルクのディートリヒの知性論;マイスター・エックハルトの思想―神の荒野と一者神論;ハインリヒ・ゾイゼとドイツ神秘思潮―マクデブルクのメヒティルトからテルステーゲンへ;ザクセンのルドルフスの霊性とその近代への影響;リュースブルクにおける二面性)

第2部 スコラ学・自然学思想(ガンのヘンリクスとフォンテーヌのゴドフロワの思想;ドゥンス・スコトゥスにおける真理認識の基礎づけ;十四世紀のスコトゥス学派の思想―偽カムプザルのリカルドゥスの代示(スポジチオ)論と個体化の理論
オッカムにおける形象不要論
アダム・デ・ヴォデハムの思想
ジョン・ウィクリフの思想
十四世紀の論理学―現代論理学とどう違っているのか
中世後期の視覚理論の形成)

第3部 東方キリスト教思想(十四世紀ビザンツの哲学的・神学的状況―ヘシュカズムを中心に;十四・十五世紀西欧の学問へのビザンツの影響)

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9,900
上智大学中世思想研究所 編 、知泉書館 、2007/06/30 、576p 、A5
中世文化は13世紀の盛期スコラ学において思想的頂点に達したのち,14世紀には危機と転換の時代を迎えた。社会的には経済危機や人口減少,市民階級の勃興と封建体制の動揺,さらにペストや東方からの脅威に加え,領邦国家が神聖ローマ帝国に対する独立性を強め,教皇権力の求心力も弱体化しつつあった。 これら社会環境の変化に伴い,学問言語であるラテン語による知的統一は俗語の成長と大学の設立により弱まり,個別科学の優勢とともに形而上学的体系が批判され,スコラ学は解体されていく。また学問と信仰,言語と実在,世界への結びつきと内面性といった問題群が時代の課題となった。 本書は吟味可能な確実性と経験可能な真理を模索しながら,普遍的知識や自己実現の新たな規範を打ち建てる精神活動が一挙に花開く14世紀の多様な思想潮流を,〈宗教・神秘思想〉〈スコラ学・自然学思想〉〈東方キリスト教思想〉の三つの視角から本格的に考察した画期的業績である。 目次 第1部 宗教・神秘思想(ダンテと哲学―『饗宴』と『神曲』を中心として;ルルスの思想と近代;フライベルクのディートリヒの知性論;マイスター・エックハルトの思想―神の荒野と一者神論;ハインリヒ・ゾイゼとドイツ神秘思潮―マクデブルクのメヒティルトからテルステーゲンへ;ザクセンのルドルフスの霊性とその近代への影響;リュースブルクにおける二面性) 第2部 スコラ学・自然学思想(ガンのヘンリクスとフォンテーヌのゴドフロワの思想;ドゥンス・スコトゥスにおける真理認識の基礎づけ;十四世紀のスコトゥス学派の思想―偽カムプザルのリカルドゥスの代示(スポジチオ)論と個体化の理論 オッカムにおける形象不要論 アダム・デ・ヴォデハムの思想 ジョン・ウィクリフの思想 十四世紀の論理学―現代論理学とどう違っているのか 中世後期の視覚理論の形成) 第3部 東方キリスト教思想(十四世紀ビザンツの哲学的・神学的状況―ヘシュカズムを中心に;十四・十五世紀西欧の学問へのビザンツの影響) 納入までに3週間ほどかかります。

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