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『古本乙女の日々是口実』について

『古本乙女の日々是口実』について

カラサキ・アユミ


 学生時代から今日まで、私のスマホのホーム画面には『日本の古本屋』のサイトが長らく鎮座している。遠出や旅行に行くとなったらまず真っ先に開くのはこのサイトの“古本まつりに行こう”のコーナーだ。即売会の情報含め古本の情報を我が身に惜しみなく注入させてくれるこのサイトにどれだけ助けられてきたことだろう。そんな古本者の心優しき隣人である『日本の古本屋』に自分の書いた記事が、おまけに著書が掲載されるなんて、ごくごく平凡な古本好きな一般人であった自分には全く予想だにしない出来事だった。

さて、自著について語るというテーマなのだからどっぷり本についてのセールスポイントや熱い思いをここに述べねばならない。
この度刊行した『古本乙女の日々是口実』は古本が大好きな乙女(もう乙女と言う年でもないが…)が大好物の古本を手に入れる為に時に四苦八苦しつつ、時に歓喜や感動に包まれるという実体験の出来事を四コマ漫画と文章で紹介している本である。

ペンと紙を使った拙い画力と走り書きの文字によるアナログ手法の漫画にも関わらず、古本とのやり取りのなかで生じた私の喜怒哀楽の感情を混じりけ無しに感じ取ってくれた方々の存在があったからこそ、この一冊が生まれたといっても過言ではない
もともとは、完全なる自己満足感覚のもとSNSに投稿していた絵日記的な古本四コマ漫画、思いもかけず多くの古本好きの方々から反応や感想をいただいたのであった。

これだけ己の熱量や沢山の方々への感謝の思いが詰め込まれた本にも関わらず、悔しいかな、自分には人様をハッとさせるような文才を持ち合わせていない。素直さだけが唯一の売り、ゆえにこの自著の紹介も「あぁ古本って最高!ん?貴方もそう感じる?ならばこの本、是非読んでいただきたい!」という超ド直球の言葉しか浮かばないのだ。
自分の狂おしいまでの古本愛と書物蔵氏が奏でる知識とユーモア溢れる解説が合わさった唯一無二の味を楽しめる古本オードブル、この『古本乙女の日々是口実』が沢山の古本者の皆々様にご賞味いただけたら…想像するだけでワクワクと嬉しさの鼓動が止まらない!

そして、この度の著書では書ききれなかった過去の体験談もいつか機会があればまとめたいなぁ!と次なる欲の蕾が芽吹き始めている現在でもある。J・Jおじさん(植草甚一氏)気取りで楽しんだニューヨークでの古本行脚珍道中記、日本国内古本ボンボヤージュ記、プロの古書店さんと参加した古書即売会イベント奇譚、初めて出店した一箱古本市冒険記、古本屋さんのお手伝い奮闘記、古本屋さんとの交流備忘録etc…といった具合に、描きたい物事が尽きない我が古本道なのである。



hibi
『古本乙女の日々是口実』 カラサキ・アユミ 著
株式会社 皓星社  価格:1,000円(+税)好評発売中
http://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/furuhonotome/

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『日本文学全集の時代 ー戦後出版文化史を読む』

『日本文学全集の時代 ー戦後出版文化史を読む』

田坂憲二


 本書は、1950年代から70年代まで、戦後の出版界で大きな役割を果たした文学全集の類を、代表的な10の出版社を中心に分析したものである。世界文学全集については、特定の出版社を切り口にしたものであるが、すでに『文学全集の黄金時代 ー河出書房の1960年代』(和泉書院、2005年)で明らかにしたので、今回は、日本文学全集について、主要な出版社を網羅して、体系的に考察したものである。記述の方法は、個別の出版社ごとの通時的記述を骨格とした。この方法を採ることによって、出版社ごとの伝統や特徴、出版戦略を浮き彫りにした。これに適宜、他社の全集を共時的・同時代的に見ることにより、出版界全体の動きを視野に納めることができたのではないかと思う。

 執筆に当たって留意したことは、同じ文学全集というジャンルを取り上げるのだから、出版社ごとの記述が重複しないように、異なった角度から論じることである。筑摩書房の章では文学全集を通史的に概観し、角川書店の章では一つの叢書がどのように成長していくのかを跡づけ、新潮社の章ではベストセラーがどのように改編され生き延びていくかを析出し、講談社の章では大衆文学の全集の歴史に目配りをし、河出書房の章では古典文学と近代文学とのコラボレーションの問題に着目し、中央公論社と文藝春秋の章では挿絵や「文学館」という独自の体系を論じた。旺文社と学習研究社の章では好敵手のこの二つの出版社(筆者に村松梢風のような筆力があれば名勝負物語を書きたいところ)では文学全集だけではなく学年別雑誌の消長も併せて記述した。したがってそれぞれの章は個別に楽しむことができ、同時に文学全集の断面から切り取った各出版社の社史ともなっている。個別的記述の独立性が高まれば、一方で全体を統一する力が弱まるから、各所で同時代の他社の状況を意識的に加えるとともに、巻末に各社の文学全集を一覧できる年表を附載した。

 本書の基礎資料を集めるに際しては、とにかく古本屋さんのお世話になった。一通りの全集を函や帯や月報が附いた形のまま蒐集できたのはそのお蔭であり、無数にある異装版や後刷りをほとんど100円で求めることもできた。内容見本の類に至っては、もうこれは古本屋さんや古書展を抜きにしては蒐集できなかったものである。あとがきに古本屋さんの名前を列挙してお礼を申し上げたかったほどであるが、あまりに膨大になるので断念した次第である。この場を借りて御礼申し上げる。

 最後にクイズを。次のキー・ワードと関係の深い出版社を組み合わせなさい。王道、拡大、教養、現代、差異、新進、先駆、定番。筑摩書房、角川書店、新潮社、講談社、集英社、中央公論社と文藝春秋、河出書房、学習研究社と旺文社。正解は本屋さんで!



bungaku
『日本文学全集の時代―戦後出版文化史を読む』 田坂 憲二 著
慶応大学出版会 税込価格:2,592円 好評発売中!
http://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=3821

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『出版状況クロニクルⅤ』

『出版状況クロニクルⅤ』

小田光雄


 これで『出版状況クロニクル』も5冊目となった。論創社の森下紀夫氏の誘いにより、2007年から始められた出版業界の定点観測は10年間に及んでいる。それゆえに本クロニクルは紛れもないひとつの現代出版史を形成しているし、リアルな出版社、取次、書店のドキュメントとなっている。その事実からすれば、本書は他の業界では見ることができない、臨場感を伴う同時代レポートと称してもかまわないだろう。

 本クロニクルは近代出版流通システムの歴史と構造、出版社、取次、書店という三者の関係をふまえ、さらに古書業界も視野に入れ、書き継がれてきた。しかし今世紀に入って、あからさまに露呈し始めていた出版物インフラをめぐる危機状況は、出版社や書店だけでなく、その流通と金融を担う取次にも及び、それが2016年から17年にかけての『出版状況クロニクルⅤ』に鮮明に記録されることになったのである。

 16年は太洋社の自主廃業発表から自己破産、実質的な大阪屋と栗田出版販売の破綻から生じた大阪屋栗田の発足、神田村の東邦書籍の破産から始まり、17年には専門取次の日本地図共販の自己破産が起きている。それに伴い、取次の根幹を占める実際の出版輸送の危機にも見舞われ、さらにまた大型店を全国的に展開してきた丸善ジュンク堂の経営者たちの辞任問題へともリンクしていったことになる。

 このような『出版状況クロニクルⅤ』に示された取次と書店のバブル書店の危機を背景として、18年に入って大阪屋栗田をめぐる問題、日販の「非常事態発言」などが続いている。それにはアマゾンや電子書籍も絡んでいるけれど、根本的にいうならば、取次が流通業の原則を弁えず、結果として生命線に他ならない中小書店を壊滅させてしまったことにある。それが雑誌の凋落を招いた最大の要因である。1960年代に2万6千店を数えた書店は、2018年に入り、1万2千店と半分以下になってしまっている。それは出版物売上高も同様である。その一方で、まだバブル的大型店出店の清算はなされていない。
 そうした取次をめぐる危機的状況はこれからさらに加速していくはずで、そこに至る取次とナショナルチェーンの書店の関係は、今回の『出版状況クロニクルⅤ』に詳細に記録されている。これから起きるであろう出版業界の突発的事態にしても、予測と手がかりはレポートしているつもりなので、ぜひ本書を参照してほしいと思う。

 それと同時にあらためて実感されるのは、ほぼ一世紀前に誕生した近代的雑誌や書籍という出版物、それを生産し、流通させ、販売するという出版社、取次、書店からなる近代出版業界のパラダイムが、もはや崩壊から解体へと向かっている事実である。その行方がどのようなところにたどりつくのかは断言できないけれど、私たちがこの時代において、大げさではなく、ミシェル・フーコーのいうところのエピステーメーの変動に立ち合っていることは確かであろう。そのような記録として、『出版状況クロニクルⅤ』が読まれることを願って止まない。



kuronikuru
『出版クロニクル5』小田光雄 著
論創社 4月下旬発売予定
http://ronso.co.jp/


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2018年4月10日 第248号

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 古書市&古本まつり 第62号
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なお、1月から「シリーズ古書の世界」を連載しております。



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━━━━━━━━━【シリーズ古書の世界 第4回】━━━━━━━


江戸から伝わる古書用語 1 セドリ


                 橋口 侯之介(誠心堂書店)


セドリは、各地の本屋を回って本を仕入れ、それを古書市場や専門
店に持っていって利ざやを稼ぐことをいう。これを「背取り」と書
いて、本の背を見ながら抜いていくことからきているという解釈が
まかり通っている。しかし、これは誤っており、一種の都市伝説で
ある。この用語は江戸時代からあり、当時の本は和本であり、背中
なるものは見えないのだから。



続きはこちら
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誠心堂書店
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━━━━━━━【メールマガジン4月25日号追加予告】━━━━━━

『古本乙女の日々是口実』 カラサキ・アユミ 著
株式会社 皓星社  価格:1,000円(+税)2018年4月24日発売
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━━━━━【4月10日~5月15日までの全国即売展情報】━━━━━


https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init


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柏古本まつり(千葉県)

期間:2018/04/03~2018/04/15
場所:モディ柏店 3F 千葉県柏市柏1-2-26 


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小江戸川越 ペペ古本まつり(埼玉県)

期間:2018/04/05~2018/04/16
場所:ペペ広場(西武新宿線 本川越駅前)


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第33回 古本浪漫洲 Part1

期間:2018/04/10~2018/04/12
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
   新宿区歌舞伎町1-2-2


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第33回 古本浪漫洲 Part2

期間:2018/04/13~2018/04/15
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
   新宿区歌舞伎町1-2-2


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立川フロム古書市

期間:2018/04/13~2018/04/29
場所:立川駅北口徒歩5分フロム中武(ビッグカメラ隣) 
   3階バッシュルーム(北階段際)


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大均一祭

期間:2018/04/14~2018/04/15
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9


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第33回 古本浪漫洲 Part3

期間:2018/04/16~2018/04/19
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
   新宿区歌舞伎町1-2-2


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第27回 池袋西口公園古本まつり

期間:2018/04/18~2018/04/26
場所:池袋西口公園
   豊島区西池袋1-8-26 東京芸術劇場横


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下町書友会

期間:2018/04/20~2018/04/21
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22


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本の散歩展

期間:2018/04/20~2018/04/21
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4 


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第33回 古本浪漫洲 Part4

期間:2018/04/20~2018/04/23
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
   新宿区歌舞伎町1-2-


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第33回 古本浪漫洲 Part5(300円均一)

期間:2018/04/24~2018/04/26
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)
   新宿区歌舞伎町1-2-


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春の古本掘り出し市(岡山県)

期間:2018/04/25~2018/04/30
場所:岡山シンフォニービル1F 自由空間ガレリア


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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2018/04/26~2018/04/29
場所:JR浦和駅西口徒歩5分 マツモトキヨシ前


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ぐろりや会

期間:2018/04/27~2018/04/28
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22


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オールデイズ

期間:2018/04/27~2018/04/29
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12 


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第16回 四天王寺 春の大古本祭り(大阪府)

期間:2018/04/27~2018/05/02
場所:四天王寺 大阪市天王寺区四天王寺1-11-18


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好書会

期間:2018/04/28~2018/04/29
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9


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第36回春の古書大即売会(京都府)

期間:2018/05/01~2018/05/05
場所:京都市勧業館「みやこめっせ」1F第二展示場
   京都市左京区岡崎成勝寺町9-1

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第18回 八王子古本まつり

期間:2018/05/02~2018/05/06
場所: 八王子駅北口ユーロード


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早稲田大学青空古本祭

期間:2018/05/07~2018/05/12
場所:早稲田大学10号館前(大隈重信候そば)


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新橋古本まつり

期間:2018/05/14~2018/05/19
場所:新橋駅前SL広場


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日本の古本屋メールマガジンその248 2018.4.10

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:小野祥之


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江戸から伝わる古書用語 1 セドリ     (シリーズ古書の世界第4回)

江戸から伝わる古書用語 1 セドリ

橋口 侯之介(誠心堂書店)

セドリは、各地の本屋を回って本を仕入れ、それを古書市場や専門店に持っていって利ざやを稼ぐことをいう。これを「背取り」と書いて、本の背を見ながら抜いていくことからきているという解釈がまかり通っている。しかし、これは誤っており、一種の都市伝説である。この用語は江戸時代からあり、当時の本は和本であり、背中なるものは見えないのだから。

このセドリがいつから始まったかは定かではないが、少なくとも18世紀には確認できる商慣習である。曲亭馬琴の書いた『近世物之本江戸作者部類』によれば人情本の人気作家・為永春水は、「柳原土手下小柳町の辺に処れり。旧本の瀬捉といふことを生活にす。且軍書読みの手に属て、夜講の前座を勤ることも折々ありといふ」とあり、小柳町(現在の神田須田町あたり)にいて、若い頃は古本の「せとり」をしていたという。別の本にも為永春水は講釈師をしながら、糴取の担商をしていたと出てくる。担商とは西行法師が包みを背に載せて旅をした故事からきており、いつも背中に風呂敷包みを放さず江戸中を巡り歩いていた人たちである。この瀬捉あるいは糶取とも表記されるのがセドリである。

最近、某国が海上で船を横付けして原油などを手に入れる行為を「瀬取り」というそうだが、古本屋からすれば気持ちの良い話ではない。
江戸の本屋・和泉屋庄次郎も本屋の息子として生まれたが、初代の没したのがまだ13歳だったため、すぐには店を継げず、紙漉きをして十七歳まで働いて銭を貯めて、それを元手にセドリを始め、刻苦精励して寛政初年頃(1790年前後)、浅草新寺町に本屋を再興したと伝えられている。セドリだけで店を持つまで稼げたのだ。その日記『堂前隠宅記』によれば晩年になっても江戸中の店を巡り歩いて本を探すことは続けていた。本屋にとってそれは「楽しい」ことでもあったのだろう。

当時、出版もするような書物問屋に対して、本屋仲間に属さずに本を売買する者を世利子(せりこ)とか売子(うりこ)と呼んで区別してきた。このフリーランスの層の主な仕事はセドリだった。当時の貸本屋もそうだが、店をもたずに本の商いをする者の商売道具は風呂敷だった。明治初期を描いた次の一文には、
「この一団には仁義があつて下駄は履かず泥鰌草履(どじょうぞうり)ばきで風呂敷を背負ひ……店先へは腰を下さずかゞんで商ひをした。この糶取のことを俗に風呂敷と云つた」(『日本出版文化史』とある。

明治期の古本屋は江戸の流れで店をかまえて本を売っていた者と、このセドリ商からスタートして次第に店を出すようになった者たちとで成り立った。昭和期になってもセドリを商売にしていた者はけっこういた。
和泉屋庄次郎と同じように私も若い頃は各地の本屋を訪ね回るのが好きだった。古本屋の甲斐性でもあるのだ。



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『和本への招待 日本人と書物の歴史』 著者 橋口 侯之介
角川選書 (角川学芸出版・角川グループ)
定価 1,728円(本体1,600円+税)好評発売中!
https://www.kadokawa.co.jp/product/201001000449/

誠心堂書店
http://seishindo.jimbou.net/catalog/index.php
 

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2018年3月23日 第247号

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☆INDEX☆
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1.沙羅書房 創業50周年記念誌『古書の道』
                    沙羅書房 初谷康夫
2.『人と会う力』について     岡崎武志
3.『保守と立憲』について          中島岳志
4.フローとストック    月刊「望星」編集長・石井靖彦

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(202)】━━━━━━━━━━

沙羅書房 創業50周年記念誌 『古書の道』


                   沙羅書房 初谷康夫


 私ども沙羅書房は、江戸、明治期に出版または書き写された和本
や古地図が専門の古書店です。歴史、地誌、伝記、書誌、民俗学な
どの学術書も取り扱っており、とくにアイヌや北方、琉球関係資料
を充実させています。



続きはこちら
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沙羅書房 創業50周年記念誌 『古書の道』
1冊 2,500円 送料込
http://www.sara-shobo.com/news/20170623.html


━━━━━━━━━━━【自著を語る(203)】━━━━━━━━━━

『人と会う力』について

                       岡崎武志



昨年(二〇一七年)に出したのが『人生散歩術』(芸術新聞社)で、
年が変わって今年初めて出た本が『人と会う力』(新講社)である。
これまで、本、読書、古本に関する著作が多かったが、還暦を迎え
た去年から、出た本のどちらのタイトルにも「人」がついている
これは意識せずにそうなったのた。そういうお年頃、ということで
あろうか。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=3748

『人と会う力』 岡崎武志 著 
新講社 価格1,600円+税 好評発売中!
http://www.shinkosha-jp.com/details.jsp?goods_id=2775

━━━━━━━━━━━【自著を語る(204)】━━━━━━━━━━

『保守と立憲』について

                       中島岳志


 『保守と立憲』(スタンドブックス)を出版しました。この本は
主に「保守」や「立憲」、「リベラル」などの概念を整理しながら、
現実の政治を批評した内容です。「リベラルな保守」を掲げて結成
された立憲民主党の枝野幸男代表との対談も収録しました。
この本の発端は2011年の東日本大震災にあります。
 震災の直後、私は共同通信配信の連載で「死者と共に生きる」と
いう文章を書きました(『保守と立憲』に収録されています)。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=3778


『保守と立憲』 中島岳志 著
スタンド・ブックス刊 本体1,800円(税別) 好評発売中!
http://stand-books.com/



━━━━━━━━━━━【編集長登場(18)】━━━━━━━━━━

  フローとストック


               月刊「望星」編集長・石井靖彦

     

月刊「望星」3月号では「古書・品切れ・絶版に宝物あり!」と題
した特集を組みました。本屋さんに行けば、新書をはじめとした新
刊本の大洪水にめまいを起こし倒れる人がいます。アマゾンユーザ
ーや、目当ての本を即購入という効率重視派なら洪水は気にならな
いでしょうが、面白そうな本はないかな? とブラつくヒマ人にと
っても、もはやあの洪水状態は困ります。あらゆる商品はそもそも
玉石混淆なのですが、量的拡大を続ける出版の世界は、玉が見つか
りづらい代表格かもしれません。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=3765


『望星』3月号 古書・品切れ・絶版に宝物あり!
株式会社東海教育研究所 本体556円+税 好評発売中!
http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/



━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

『日本文学全集の時代―戦後出版文化史を読む』 田坂 憲二 著
慶応大学出版会 税込価格:2,592円 好評発売中!
http://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=3821


『出版クロニクル5』小田光雄 著
論創社 4月下旬発売予定
http://ronso.co.jp/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━


3月~4月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init


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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,200店加盟)の略称です


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日本の古本屋メールマガジンその247 2018.3.23

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/


【発行者】
 広報部:小野祥之
編集長:藤原栄志郎

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沙羅書房 創業50周年記念誌 『古書の道』について

沙羅書房 創業50周年記念誌 『古書の道』について

沙羅書房 初谷康夫


 私ども沙羅書房は、江戸、明治期に出版または書き写された和本や古地図が専門の古書店です。歴史、地誌、伝記、書誌、民俗学などの学術書も取り扱っており、とくにアイヌや北方、琉球関係資料を充実させています。平成29年4月18日に創業50周年を迎えることができました。創業20周年の折には『蝦夷紀行』影印本を、30、40周年には目録の記念号を発行しましたが、50年の節目として、これまでに支えてくださった皆様方への感謝を表し、『古書の道 沙羅書房 五十年誌』を刊行しました。創業者が長年記していた手帳をもとに資料を整理し、さらに写真を織り交ぜて編集し、約4年間の準備期間をかけて刊行に至りました。

 創業者の初谷康夫は、昭和31年2月に神田神保町にある古書店・一誠堂書店へ入社し、11年間の修業を経て、昭和42年4月に沙羅書房を創業しました。本書では、「沙羅書房五十年の歩み」として、「創業者誕生~高校時代」、「一誠堂書店 店員時代」、「沙羅書房 創業」、「沙羅書房 新社屋へ」の4期にわけて年表にまとめています。各年表ごとに読み物として、「恩師の支え」、「一誠堂書店での修業」、「和本の魅力」、「作家との交流」を付し、創業者が古書業界に入るきっかけとなった高校時代の恩師とのエピソード、仕事を覚えるまでの苦労や店員同士の交流といった修業中のエピソード、和本や古地図の世界の奥深さや商売上の心構え、松本清張先生や井上靖先生をはじめとした著名な作家たちとの交流などについて書いています。また巻末には、50年間に目録に掲載した品々の中から147点を選び、解説とともに図版を収載しています。

 50年の間には、オイルショックやバブル、バブル崩壊後の不況といった時代の変化がありました。今日のインターネットの普及によっても、古書を取り巻く環境は大きな影響を受けています。こうした変化に対応しつつ、知識や経験を重ねて良古書の収集に努め、ときには稀少本との出会いといった、古書店としての醍醐味を味わう機会にも恵まれています。また、お客様や同業者から学ばせていただくことも多く、ありがたい経験となっています。一古書店の記録ではありますが、古書の世界のおもしろさを感じていただければ幸いです。



koshomiti
沙羅書房 創業50周年記念誌 『古書の道』
1冊 2,500円 送料込
http://www.sara-shobo.com/news/20170623.html

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『人と会う力』について

『人と会う力』について

岡崎武志


 昨年(二〇一七年)に出したのが『人生散歩術』(芸術新聞社)で、 年が変わって今年初めて出た本が『人と会う力』(新講社)である。こ れまで、本、読書、古本に関する著作が多かったが、還暦を迎えた去年から、出た本のどちらのタイトルにも「人」がついている。これは意識せずにそうなったのた。そういうお年頃、ということであろうか。

「まえがき」にも書いたが、今回の本は、昨年に神保町の酒場で、作家で編集者の坂崎重盛さんとお酒を飲んでいる際、いろんな話になって、「私はいろんな人と出会うことで自分を作ってきた。人と会うことで今がある」というようなことを言ったらしい。それを聞き逃さず、坂崎さんが「それで、一冊本が書けるんじゃないですか」と絶妙の振りをした。酔いにまかせて私が「このテーマなら一カ月あれば書けます」と豪語したらしい。「らしい」というのはよく覚えていないからである。覚えていた坂崎さんが担当編集者になってくれて、「一カ月」どころか「一年」かかって、どうにか書き下ろしたのである。

 街を歩いていても、駅前のカフェへ入っても、多くの人がスマホに向い、あるいはイヤホンをしたまま小型端末に没頭している姿をよく見かける。「公」の場に出ても、閉じられた「個」の空間で、周囲とバリアを張っているようだ。人と会う、接する、話すことが苦手な若者が増えている、とも聞いた。もちろん、人と会うことは、基本おっくうであり、いいことばかりとは限らない。不快な目に遭ったり、うまく話が通じず困ったなんてこともある。しかし、それは例外で、私の経験に照らし合わせれば、会って話せてよかったし、そこから人間関係が広がったり、また仕事につながったこともあった。
 まず、会うことからすべてが始まるのである。そんな体験を、自伝風に気が弱かった幼少期から、転校が多い学生時代、夜間大学で出会った友人たちの話を中心に前半は書いた。夏目漱石『坊っちゃん』の主人公は、「人と会う力」のない人間であると批判した文章は、書く過程で思い付いたことである。
 自分の体験だけでも一冊書く分ぐらいはあったが、なにしろ私が成功者とは言えない。「人と出会う力」を発揮して、なんだそれだけのことかと言われても困るので、さまざまな先人の例も引いた。「男はつらいよ」の寅さん、ディック・フランシス「競馬シリーズ」の主人公たち、苦労人の井伏鱒二による交遊術などは、おそらく参考になるはずだ。北山修、澁澤龍彦、鮎川信夫と田村隆一、花森安治と大橋鎮子なども登場させたのは、ある程度、私の読者なら好みそうな話題も必要かと思ったからである。

 一例を挙げれば、のち「フォーク・クルセダーズ」で世を席巻することになる北山修と加藤和彦が、雑誌の投稿で知り合い、初対面の時「互いのその大きさが気に入った」という。二人とも当時の成人男子の平均より、とびぬけて身長が高かった。そんなことでも、情報のない初対面の場合、距離を縮める要因となるのだ。

 六〇年代末から七〇年代初頭、まだ情報誌もネット環境も、独り者の個人宅の電話も整わない中、見知らぬ若者同士が出会う場として、町の喫茶店が大いに機能した、という話も書いた。大阪・ナンバにあった小さな喫茶店「ディラン」など、関西フォークのほとんどの主要人物がここで顔を合わせ、友だちになって行った。大阪名物の野外フェスティバル「春一番」も、この喫茶店での交遊関係から組織されていった。

 現在でも、地方の古民家カフェや、音楽バーなどが、情報発信と人が出会う広場的役割を果している同様の例はたくさんあると思われる。最初はちょっと顔を出しにくい。しかし友人に連れられて行ったり、何かのイベントに参加したり、きっかけがあれば、人は「人と出会う」ことはできる。出会うべきなのである。

 最後の方に、トークショーなどでよく披露して受ける、鉄板ネタの「小沢昭一さんに会えてよかった」も、今回文字化した。これを読めば、全員、小沢昭一さんを尊敬し、好きになるはずだ。

 もし、万が一、この本がベストセラーとなり、第二弾という運びになってもぜんぜんだいじょうぶ。書き終わって気づいたのは、あの話、この人について書き漏らしたことがたくさんあったことだ。なんなら「人と会う」評論家になってもいい。そう思っている。



hitotoau
『人と会う力』 岡崎武志 著 
新講社 価格1,600円+税 好評発売中!
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『保守と立憲』ついて

『保守と立憲』ついて

中島岳志


 『保守と立憲』(スタンドブックス)を出版しました。この本は主に「保守」や「立憲」、「リベラル」などの概念を整理しながら、現実の政治を批評した内容です。「リベラルな保守」を掲げて結成された立憲民主党の枝野幸男代表との対談も収録しました。

 この本の発端は2011年の東日本大震災にあります。
 震災の直後、私は共同通信配信の連載で「死者と共に生きる」という文章を書きました(『保守と立憲』に収録されています)。大切な人の死(2人称の死)に直面した被災地に向けて、死者との出会い直しの重要性を論じました。
 大切な人が死ぬと、私たちは喪失感を味わいます。いつも「その人」がいた場所の空白に落ち込み、呆然と立ち尽くしてしまいます。
しかし、一定の期間が過ぎると、私たちは死者と出会いなおします。生きているときには言えなかったことが墓前で言えたり、ふと死者のまなざしを感じたりしながら、生きるようになっていきます。
死者はいなくなったのではありません。死者となって存在しているのです。

私たちは死者の存在を思い、死者から照らされて生きることで、倫理や規範を獲得します。大切なのは、死者と共に前向きに生きることである。そう考えて、被災地に向けた文章を書きました。
それから、死者について考えることが多くなり、自分が専門とする政治学の分野でも、死者という問題が重要な意味を持つのではないかと考えるようになりました。

例えば、立憲主義です。
立憲主義とは、過去の様々な失敗を繰り返さないよう、そこで得られた経験知や教訓をルール化し、憲法によって国家権力を制約するものです。立憲主義は、国民が権力を縛るためのルールと言われたりしますが、その「国民」は現在の国民だけではありません。むしろ主役は、死者たちです。死者たちが過去に蓄積してきた苦難の歴史の産物が憲法であり、死者の経験の総体が、現在の権力を縛っているのです。
立憲主義の重要なポイントは「死者の立憲主義」であることです。この死者からの拘束を嫌い、憲法を足蹴にしているのが、安倍内閣です。安倍首相は自ら「保守」であることを掲げながら、死者に対する謙虚さを著しく欠いています。

 憲法は条文だけでなく、付随する不文律の慣習や解釈によって成立しています。しかし、安倍内閣は、「書かれていないもの」は存在しないものとして扱い、勝手な解釈によって憲法をめぐる常識を破壊しています。
 私は、このような政権を「保守」とみなすことはできないと考えています。
 『保守と立憲』では、保守の原点を確認することで、「立憲」や「リベラル」という概念との有機的な関係性の再生を目指しています。
 森友問題や加計問題など、安倍内閣の手法が問題視される中、政治の在り方を再考するために読んでいただければ幸いです。



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『保守と立憲』 中島岳志 著
スタンド・ブックス刊 本体1,800円(税別) 好評発売中!
http://stand-books.com/

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フローとストック

フローとストック

月刊「望星」編集長・石井靖彦


月刊「望星」3月号では「古書・品切れ・絶版に宝物あり!」と題した特集を組みました。本屋さんに行けば、新書をはじめとした新刊本の大洪水にめまいを起こし倒れる人がいます。アマゾンユーザーや、目当ての本を即購入という効率重視派なら洪水は気にならないでしょうが、面白そうな本はないかな? とブラつくヒマ人にとっても、もはやあの洪水状態は困ります。あらゆる商品はそもそも玉石混淆なのですが、量的拡大を続ける出版の世界は、玉が見つかりづらい代表格かもしれません。

いい本は常に新しく生み出されていますが(何をもっていい本というかはさておき)、一方で、編集者たちの時代の空気を読む力で過去の本が掘り起こされ、装いも新たにして、多くの読者を獲得することもあります。『蟹工船』『思考の整理学』『君たちはどう生きるか』などなど。多くのストックの中に、いまの人にも受ける魅力ある本が潜んでいたわけです。そもそもフローにつき従うのはもう疲れたという気分もあります。

――と、そんなことを考えて特集を組んだといいたいところですが、実はそんなわけではなく、特集のいつもの路線にすぎないといえばすぎない。「ガリ版」「四畳半」「紙の地図」「銭湯」「辞書」「墓めぐり」「句読点」「歌謡曲」といった、スマホ万能時代にあってはどうでもいいテーマばかりをやっているわけで、図書館で1回も貸し出しされていない本の特集も考えたりもしました。フローにつき従うのはもう疲れたという気分が横溢した特集が基本コンセプトというか、スタッフの気質が自然とそうさせているのかもしれません。

古書・品切れ・絶版などは出版界の裏道に存在するストックの王道、フローの対極でしょう。ここに潜行すると楽しいのでは? 絶版の復刻を望む人たちの声とは? 人気のある絶版にはどんな本があるのか? といった要素でと思っていましたが、さして実現せず。でも素晴らしい復刊を手がける夏葉社の島田潤一郎さんの本への愛情、「出版ニュース」清田義昭編集長が指摘する、戦後の新刊総点数約276万の3分の1はいまでも手に入るといったオドロキの事実、名うての文芸編集者である石井紀男さんと、随文家・坂崎重盛さんの古書店と古書をめぐる話などを紹介することができました。古書店の世界が想像以上に忙しいこともお伝えしています。

                         (雑誌の発売元は東海大学出版部)



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『望星』3月号 古書・品切れ・絶版に宝物あり!
株式会社東海教育研究所 本体556円+税 好評発売中!
http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/

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