『美術館の舞台裏』

『美術館の舞台裏』

高橋明也 三菱一号館美術館館長

この本の「あとがき」にも書いたが、私と美術館の世界の関わりは既に50年以上に及ぶ。といっても、最初は、早大で仏文を講じていた父が交換教授でパリに赴くこととなったため、家族ではるばる横浜から船に乗ってマルセイユに着いた1965年に遡る。

小学6年生だったが、すっかり彼の地の「美術」文化の豊かさに衝撃を受けた私は、当時未だ日本人学校もないのをいいことに、ルーヴル美術館やヴェルサイユ宮、シャルトル大聖堂をはじめ、文化施設や旧跡を毎日のように訪れた。中でも、ポンピドゥー・センターもオルセー美術館も未だ姿を見せていない時代、ルーヴル美術館の週に一度の無料日には必ず足を運んで日がな一日過ごしていた。さすがに世界的観光名所ではあったが、今ほどごった返すこともなく、お決まりのコースをちょっと外せば、それまでの喧騒が嘘のように静かな展示室が広がっていた。メソポタミアやエジプトの作品群が私のお気に入りだった。

 やがて、東京芸大で美術史を学んだ後、1980年から学芸員として上野の国立西洋美術館に勤めてからは、見る側ではなく見せる側に身を置くようになった。文部省の在外研究員として開館準備中だったオルセー美術館に1年半あまり勤務した他は、26年以上を上野で過ごし、2006年以降は丸の内の三菱一号館美術館の立ち上げに従事した。

 日本の美術館に身を置いて身に染みたことは、「文化」、とりわけ「美術」というものに対する社会的な無関心である。日本人一般は大変に深い文化的感性を持っているにも拘らず、こと社会レベルとなると極めて冷淡で、とりわけ、元来西洋から輸入された言わばお仕着せのシステムである「美術館・博物館(ミュージアム)」に対する認知度・共感度はきわめて低いといわざるを得なかった。1980年前後はまだ、「美術館に勤めています」というと「展示室にずっと座っているのは大変ですよねぇ」とか「入り口で切符を切っていらっしゃるのですか?」というのが大方の反応であった。

 昨今は展覧会も増え、人々の知識や関心もずっと上がっているとはいえ、それでも、美術館というものが果たす社会的な意義や目的、そして楽しさや使い勝手に関して、なかなか理解が高まらないのは、私が丸の内の企業美術館に移ってからもさほど変わったようには見えない。日本のビジネス社会では依然として、休日にはゴルフに行くほうが美術館に行くよりも1000倍大事なことのようである。

 本書を書いた動機は以上のようなことに尽きる。「ミュージアム」が歴史的に担ってきた役割や、日本の美術館が置かれている現状はもちろんだが、やはり「美術館文化」を多くの人に知ってもらい、愛して欲しかったからだ。そこがどれだけ自分の感覚を解放する場であり、新しい価値観を見出せる場であり、同時に人間臭い社会の縮図であって、ただただかしこまってお墨付きの「美」を鑑賞するだけの場所でないことを知って欲しかったからだ。

 でも、昨年12月の発刊以来、驚くほど色々なメディアで取上げていただき、ごく一般の人々から「とても面白かった」、「さくさく読めて、知らないことを一杯吸収できました」、「美術は自分の好きなように見ていいんだ、ということがわかりました」と言うような感想を山のように頂いた。その多くは、SNSを通してだが、美術館の活動について、まだまだ皆さんが興味を持ってくれていることを知り、とても勇気づけられたのは事実である。

butai
『美術館の舞台裏 ─魅せる展覧会を作るには』 高橋明也 著
筑摩書房刊 定価:780円+税 好評発売中!
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「岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集」

「岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集」

古本屋ツーリスト 小山力也

写真は1827年にフランスのニエプスにより発明され、そこから急速な技術の進化を経て、今日に至っている。その進化の素晴らしい副産物とも言える、撮影した写真をテーマなどに基づき一冊の本にまとめた写真集は、早くも1841年に出されている。写真集も、自然の情景や街の風景に始まり、芸術・報道・人間・動植物・昆虫・天文・建築物・スポーツ・ヌード・アイドルなど、多岐に広がり進化して、人間の貪欲な好奇心を満たして来た。そして2016年、その細分化した好奇心は異常に極まり、一冊のニッチな写真集を生み出すこととなった。


 『古本屋写真集』。文字通り、古本屋を写した写真のみを掲載した、究極にマニアックな写真集である。始まりは去年、岡崎武志氏と共に編集し「盛林堂書房」より出版された「野呂邦暢古本屋写真集」である。夭折の芥川賞作家・野呂邦暢が、熱意を持って密かに撮りためていた古本屋の写真を一冊にまとめたものである。これが予想以上の評判を呼び、またその誌面は古本屋オンリーで、うっとりするほどの小宇宙を出現させてしまっていた。これは素晴らしい


これを見ながらつまみにしていくらでも酒が飲める! 本になった古本屋写真群を改めて見て、岡崎氏とニンマリ顔を見合わせる。新世界の扉が開かれた予感…だが、野呂氏の写真は残念ながら数少なく、新発見されない限り、これきりで終りである。せっかく見つけた新世界を、おいそれと手放したくはない。どうにかして続きを作りたい。ならばそれは、常に古本屋を求めてさまよっている、我々の撮りためた写真を使えば、実現するのではないだろうか? 勝手にそんな手応えを二人で感じ取り、この新たな古本屋好きによる古本屋好きのための『古本屋写真集』の制作がスタートしたのである。


二人の書庫やパソコン内に埋もれた写真を救出厳選し、有名店から無名店まで全119軒を掲載。元々写真集を作るために撮られた写真ではなく、しかも野呂の時と同様、すべて素人の撮ったものである。しかし全118ページにまとめあげると、それらは立派にいけしゃあしゃあと写真集の体裁を成してくれた。写真の腕に関係なく、各店舗の異様な魅力と力強さがページから立ち上がり、その奇跡を可能にしたのである。ひとつとして同じ表情はなく、古本という名の小宇宙を内包した、カオスの箱庭的大宇宙として、すべてのお店は堂々屹立している。そして、岡崎氏の私小説的古本屋写真と、私のフィールドワーク的古本屋写真が、がっぷり四つに組み、B6版の紙の中で火花を散らしている(ちなみにお互いのベスト1をあえて挙げるならば、岡崎氏は「天牛書店」創業者・天牛新一郎氏とのツーショット写真。私は横須賀の路地裏の闇市的古本屋「堀川書店」の一枚である)。懐かしい景色・失われた景色・見逃した光景・掠れ行く昭和・取り残された切なさ・現代をしぶとく生き抜く昭和が、期せずして全ページに横溢している。


この本を見かけたら、ページを開き、かつて自分も見たことがある光景を探し出して欲しい。入れなかったお店や、見たこともないお店を、悔しがりながら楽しみ味わって欲しい。こんな愉快な光景がかつて存在し、また今も街の片隅で存続していることを、喜んで欲しい。出来れば家に持ち帰っていただき、夜にしんみりお酒を飲みながら、ページをゆっくり繰って、精神的肴にして欲しい。


そんな風に写真集としても充分楽しめるのだが、二人の著書『古本さんぽ』&『古本屋ツアー』シリーズの副読本としてもお薦めの一冊である。すべての古本屋さんと、古本屋好きと古本好きに、この本を捧げます。



huruhon
「岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン 古本屋写真集」
B6版 118ページ オールカラー 定価1500円(税込)3月26日発売
発売:盛林堂書房
古ツア ちょっと変態的かもしれないけど、古本屋さんて非常にフォトジェニックだと思うんですよ。 岡崎 絵になるよな。そう思うのは僕たちだけか(笑)。
「野呂邦暢古本屋写真集」に続く、前代未聞の古本屋オンリー写真集第二弾。 二人の古本屋ウォッチャーが悩み選び抜いた、古本屋好き必見の全国119軒を掲載。 ただの店舗写真であるはずなのに、そこには昭和と異界と懐かしさと過剰な知性とだらしなさと人生とカオスと掠れ行く光景が、間違いなく写り込んでいる! 写真集解説となる充実の語り下ろし「古本屋写真対談」も収録。
「盛林堂書房」
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/
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2016年2月25日 第199号

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☆INDEX☆
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1.月の輪書林古書目録を一考す      かわじもとたか
2.鶴見俊輔著『「思想の科学」私史』(編集グループSURE)のこと
                      黒川 創
3.『名画座手帳2016』(トマソン社)     のむみち

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━━━━━━━━━━【自著を語る(153)】━━━━━━━━━━━

 月の輪書林古書目録を一考す

                    かわじもとたか

 月の輪さん。お元気でしょうか。
今回、あなたの古書目録について書かせて貰いました。と、云って
もあの「ぶ厚い」古書目録だと、目録一冊につき一冊の本を用意し
なくてはいけない量と内容です。それで今回は展示会(趣味の古書
展、本の散歩展、五反田古書展、五反田遊古展)の手持ちの131冊と
「本の散歩」(目録販売のみの4冊)の135冊分を対象にしました。


続きはこちら
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『月の輪書林古書目録を一考す。』 かわじもとたか 著
杉並けやき出版 定価:1,400円+税  好評発売中!
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━━━━━━━━━━━【自著を語る 番外編】━━━━━━━━━

 鶴見俊輔著『「思想の科学」私史』(編集グループSURE)のこと

                       黒川 創

 昨年7月、哲学者の鶴見俊輔さんが、93歳で亡くなった。
 鶴見さんは、敗戦直後から半世紀間、みずから編集と運営の中核
を担って、雑誌「思想の科学」の刊行に力を傾けつづけた。その動
機と歴史を綴る本書が、文字通り、この人の遺稿となった。
 本書の初稿にあたる原稿を鶴見さんが書き上げたのは、たしか、
2010年の春だったと記憶する。京都・岩倉のお宅に伺ったおり、
奥の居間(その部屋で書き仕事をすることが多かった)に導かれ、
いつもの悪筆で多くの訂正の跡などもある、200字詰め原稿用紙
の厚い束を示されたのだった。


続きはこちら
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『「思想の科学」私史』 鶴見俊輔 著 編集グループ〈SURE〉刊
 送料込 2699円 直接販売のみ。
 郵便振込用紙に郵便番号、住所、氏名、電話番号、
 書名、注文冊数を明記して
 00910-1-93863 編集グループSURE へ。

 ホームページ  http://www.groupsure.net/
 詳細な購入方法 http://www.groupsure.net/purchase.php


━━━━━━━━━━━【自著を語る(154)】━━━━━━━━━

『名画座手帳2016』

         企画・監修/のむみち(古書往来座・店員)
        (聞き手……『名画座手帳2016』編集/朝倉史明)

―まず、『名画座手帳』を出そうと思ったきっかけから話してくだ
さい。

のむ 私はもともと文房具が好きで毎年手帳もチェックしてて……。
手帳って、それぞれ特長があるけど、何を使っても、いつもどこか
が引っ掛ってたんだよね。つまり、ポイントが何個もあって。たと
えば触りごこちとか。あと、横組みなのか縦組み(=バーチカル方
式)なのか。メモページも無地なのか罫線が入っているのか方眼な
のか。だからこの『名画座手帳2016』は、「自分にとって手帳はこ
うあってほしい!」という要素をできるだけ詰めたものなのよ。


続きはこちら
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『名画座手帳2016』 企画・監修 のむみち
トマソン社刊 本体1500円+税 好評発売中
http://tomasonsha.com/?mode=f10


のむみちtwitter
https://twitter.com/conomumichi

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『美術館の舞台裏 ─魅せる展覧会を作るには』 高橋明也 著
 筑摩書房刊 定価:780円+税 好評発売中!
 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480068613/



『円山町瀬戸際日誌-名画座シネマヴェーラ渋谷の10年』
 内藤 篤 著 羽鳥書店刊 定価:2400円+税 好評発売中!
 http://www.hatorishoten.co.jp/76_131.html

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

2月~3月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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日本の古本屋メールマガジンその199 2016.2.25

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:殿木祐介
編集長:藤原栄志郎


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2016年2月12日 第198号

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   古書市&古本まつり 第39号
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━━━━━【2月10日~年3月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

三省堂書店池袋本店 第一回古本まつり

期間:2016/02/09~2016/02/15
場所:西武池袋本店別館2階・西武ギャラリー
   東京都豊島区南池袋1-28-1

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有隣堂イセザキ本店古書ワゴンセール(神奈川県)

期間:2016/02/11~2016/02/28
場所:有隣堂伊勢佐木町本店
   横浜市中区伊勢佐木町1-4-1

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第2回古書会館de古本まつり

期間:2016/02/12~2016/02/14
場所:京都古書会館3階
   京都市中京区高倉通夷川上る 京都府古書籍商業協同組合内
URL:http://koshoken.seesaa.net/

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下町書友会

期間:2016/02/12~2016/02/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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杉並書友会

期間:2016/02/13~2016/02/14
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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有隣堂センター南駅店古書フェア(神奈川県)

期間:2016/02/13~2016/02/22
場所:有隣堂センター南駅店 店頭ワゴン販売
最寄駅:横浜市営地下鉄 センター南駅
市営地下鉄センター南駅の改札を出て直進、右前方。※駅構内

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六甲道駅売り情報(兵庫県)

期間:2016/02/24~2016/02/27
場所:JR六甲道駅構内 プリコ六甲道前 

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2016/02/25~2016/02/28
場所:JR浦和駅西口下車 徒歩5分 
   さくら草通りマツモトキヨシ前
  
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ぐろりや会

期間:2016/02/26~2016/02/27
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 
URL:http://www.gloriakai.jp/

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オールデイズ(名古屋)

期間:2016/02/26~2016/02/28
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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好書会

期間:2016/02/27~2016/02/28
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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新宿古書展

期間:2016/02/28~2016/02/29
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 
   ※初日28日(日)は11時開場です。

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第7回 水の都の古本展(大阪府)

期間:2016/03/02~2016/03/06
場所:大阪市中央公会堂(2Fの第6・7・8会議室)
   大阪市北区中之島1丁目1番27号

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城南古書展

期間:2016/03/04~2016/03/05
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22  

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西部展古書展

期間:2016/03/04~2016/03/06
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9 

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反町古書会館展(神奈川県)

期間:2016/03/05~2016/03/06
場所:神奈川古書会館1階特設会場 

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東京愛書会

期間:2016/03/11~2016/03/12
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22  
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/

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古書愛好会

期間:2016/03/12~2016/03/13
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9  

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日本の古本屋メールマガジンその198 2016.2.12

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
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月の輪書林古書目録を一考す

月の輪書林古書目録を一考す

かわじもとたか

  月の輪さん。お元気でしょうか。
今回、あなたの古書目録について書かせて貰いました。と、云ってもあの「ぶ厚い」古書目録だと、目録一冊につき一冊の本を用意しなくてはいけない量と内容です。それで今回は展示会(趣味の古書展、本の散歩展、五反田古書展、五反田遊古展)の手持ちの131冊と「本の散歩」(目録販売のみの4冊)の135冊分を対象にしました。


 貴方の出す自家目録の評価は私が書くまでもなく定まっています。古書価が付いている事がまさしくソノことを意味しています。合同目録では一店が3~6頁ほどで22年間分でも拾い出せる量でした。
それでも、私の関心事が15ケほど、それ以外で20数項目を拾っても150頁程になりました。
 月の輪さんの出品するものは古書古本の世界のなかではさほど高価なものはありません。
「桜井勉宛封書 Lダンボール一箱 戦前」と「西郷隆盛書簡」が 各150万で最高のものでした。


 月の輪さん、それでもあなたの目録の凄さの一つは、資料の出先を明記していることです(これは文中を見てください)。これは驚きです。そして、私の知らない人が多いということです。著者名及び書込んだ人を「人名索引」を挙げましたが601人です。私の知っていたのは66.5%でした。20数年、面白書誌を作っていてもこんなものでした。
 もう一つは、目録のなかへの「引用」です。これは他店にないものです。日記、手紙、文中からのもので「その長さ」です。自家目録13号では、石川利光の日記から何と33頁も引用しています。合同目録では度の越したものはありませんが、面白いものがありました。私も『古書目録にみた~』という本を出してきましたがこれ程のものは出来ませんでした。


 さらに、私の興味を持つ装丁家名を挙げていることや追悼号や個人名のついた雑誌を載せてくれることなどで、これは嬉しい。
 古書目録を読み記録する、です。読むに値する目録を出す貴方には感謝する次第です。あと一、二号くらいは生きていて受け取れそうですよ。また送って下さい。でわでは。


今回、一文を載せますからと一報下さったメルマガの藤原さん。有難うございます。また読んで下さった読者の方々。この本をぜひ一読下さい。少しは古書目録に興味を持っていただけると思います。
 そして、千代田図書館には古い目録が9000冊以上あります。ギネスに登録できる数です。一度行って見て下さい。本の歴史が残されているかどうかが、その国の文化の尺度と云えるからです。



tukinowa
『月の輪書林古書目録を一考す。』 かわじもとたか 著
杉並けやき出版 定価:1,400円+税  好評発売中!
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鶴見俊輔著『「思想の科学」私史』(編集グループSURE)のこと

鶴見俊輔著『「思想の科学」私史』(編集グループSURE)のこと

黒川 創

 昨年7月、哲学者の鶴見俊輔さんが、93歳で亡くなった。
 鶴見さんは、敗戦直後から半世紀間、みずから編集と運営の中核を担って、雑誌「思想の科学」の刊行に力を傾けつづけた。その動機と歴史を綴る本書が、文字通り、この人の遺稿となった。


 本書の初稿にあたる原稿を鶴見さんが書き上げたのは、たしか、2010年の春だったと記憶する。京都・岩倉のお宅に伺ったおり、奥の居間(その部屋で書き仕事をすることが多かった)に導かれ、いつもの悪筆で多くの訂正の跡などもある、200字詰め原稿用紙の厚い束を示されたのだった。
 「これ、書いたよ、あなたに見せておこう」
 と、それだけ言われた。かねて構想があった「倒叙『思想の科学』私史」の草稿なのだと、すぐにわかった。


 ──今後、自分はこれを「思想の科学」の後継誌の一つ、ミニコミ誌「活字以前」に連載する約束になっている。ただし、年3回刊行の同誌で、毎回1章ずつ、計二十数章を連載するのだから、完結までには10年近い歳月を要する。たぶん、それまで生きることはないだろう。だから、そのときには、この原稿を使って、1冊の本としてまとめてくれればよい。──
 およそ、そうした気持ちで、これを示されているのだろうと私は受けとり、原稿に目を通した。


 その後も、鶴見さんは、おりおり、この原稿に加筆したり、章の順序を並べ替えたり、何度もしておられたようである。「倒叙」という、時代をじょじょに遡っていく叙述の形式は、大正期の歴史家、吉田東伍の『倒叙日本史』にならったもので、「思想の科学」の初心を検証したいという鶴見さんの意図からしても、“章の順序”は重要なカギだったのだろう。だから、「活字以前」誌の毎号の締め切りごとに、該当する1章分ずつ、夫人にパソコンで浄書してもらって、編集部に届けておられた。


 昨年の逝去後、夫人の横山貞子さんに相談すると、これを編集グループSUREから刊行するのだという意向は、生前、鶴見さんご自身から重ねて聞いているとのことだった。


 本書は、その「倒叙『思想の科学』私史」全24章を中心に置き、背景にある経緯を詳しく鶴見さんにうかがったロングインタビュー「『もやい』としての『思想の科学』」、同誌の編集に参加していた私からの補足的な解説「いつでも編集を考えていた」を加えたものである。



turu2
『「思想の科学」私史』 鶴見俊輔 著 編集グループ〈SURE〉刊
 送料込 2699円 直接販売のみ。
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 書名、注文冊数を明記して
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turu1

『悼詞』 鶴見俊輔 著 編集グループ〈SURE〉刊
 定価3,564円(本体3,300円+税)+送料215円 直接販売のみ。
 

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techo

自著を語る 『名画座手帳2016』(トマソン社) 

『名画座手帳2016』

企画・監修/のむみち(古書往来座・店員)
(聞き手……『名画座手帳2016』編集/朝倉史明)

――まず、『名画座手帳』を出そうと思ったきっかけから話してください。
のむ 私はもともと文房具が好きで毎年手帳もチェックしてて……。手帳って、それぞれ特長があるけど、何を使っても、いつもどこかが引っ掛ってたんだよね。つまり、ポイントが何個もあって。たとえば触りごこちとか。あと、横組みなのか縦組み(=バーチカル方式)なのか。メモページも無地なのか罫線が入っているのか方眼なのか。だからこの『名画座手帳2016』は、「自分にとって手帳はこうあってほしい!」という要素をできるだけ詰めたものなのよ。

――手帳としての理想形があったと。
のむ うん。加えて私は、2009年に“旧作邦画”という文化に出会って名画座に行くようになって、好きが昂じて2012年から「名画座かんぺ」という月刊のフリーペーパーを作っているんです。「かんぺ」を作るようになってから、「私みたいな“旧作邦画好きのための手帳”があったらいいのにな」と思うようになって。これが直接のきっかけかな。

――旧作邦画好きのための手帳を作るうえで入れ込みたかった要素は?
のむ 映画絡みの手帳、って人が聞いた時に、まず頭に思い浮かべるポイントというと、映画人の誕生日と命日かなと。あとその日になにがあったかというトリビア的なものだと思うんだけど。最初はこれらを両方、週間スケジュールのページに入れようかなと考えてて。でもそれによって手帳としての機能を損なってしまうのは違うよな、と。

――情報が重くなりすぎると書き込みやすさが犠牲になっちゃう。
のむ そう。だから今年は誕生日と命日のみにしてみた。そしてそれらを、予定が書きづらくならないように週ごとの欄外に羅列する形を取ったわけ。

――取り上げているのは800人以上。濃いです。他にもいろいろと特長があります。
のむ あるのよー(笑)。週間スケジュールをシンプルな構成にした分、巻末に特長を盛り込もうと思って。イチオシなのは、日本映画黄金期の監督がそれぞれどの時代に映画を撮っていたのかがパッと見てわかるチャート。「この監督は映画史の中でどの位置にいる人なのか」がすぐにわかる、というスグレモノ★。141歳からの年齢早見表もついてます。

――役立ちそうです。さらに「かんぺ」で取り上げている都内の主要名画座5館の劇場情報もあって。これも一風変わってます。
のむ 基本的な情報に加えて、スクリーンサイズ、座席表も入れてる。座席表に関しては強い思いがあって。映画館の座席表って映画ファンにとって一番劇場のイメージが湧く情報だと思うんだよ。

――どうしても入れたかった。
のむ 手帳目あてでこの商品を買ってくれた旧作邦画ファンじゃない人がいつの間にか新文芸坐に通ってた、というような大きな目論見も実はあったりして(笑)。そういう意味もあって、手帳としての機能についても妥協はしなかったつもりです。

――私はのむみちさんを15年ぐらい前から知ってますが、最初期はよく活字の話をしましたね。改造社文庫や、ある時期の新潮文庫の活字が好きだ、とか。そんなのむみちさんの活字に対するこだわりも入ってます。
のむ 文字の色はブルーブラック!

――色校正を何度も出してもらいました。
のむ 最終的に理想的な色になってうれしい。予算があれば赤も好みの赤にしたかったけど、版元の松田さんがダメと(笑)。残念~。

――製本も手帳的です。
のむ 糸綴じ製本。無線綴じだとちゃんと開かずページが閉じちゃうんです。あとポケット。「かんぺ」が挟めるようにと思って付けたもので、かつそれ以外にも半券なども挟めるようにスリットを入れてて。さらにポケットのなかにはお楽しみの付録。昭和37年の都電路線図と、2年分(2014年、2015年)の主要名画座の特集タイトルを入れてます。

――手書き文字の帯もずいぶん豪華なかたがたにお願いしました。
のむ そう!(得意げ) これは「かんぺ」があったからこそ協力をお願いできて、実現したんだと思います。

――小西康陽さん、太田和彦さん、ともに「かんぺ」のディープなユーザーですからね。
のむ 特に小西さんはほとんど「かんぺ」の広報部長のようなかたで、もう足を向けては寝られません!いっぽう、太田さんは昔、ご自分でも映画関連のフリーペーパーを作られていて、私のことを「新聞仲間」と思ってくださっているようで(笑)。

――初動の遅れもあって4月始まりの手帳になってしまいましたが(笑)。
のむ (笑)でも月間カレンダーは今年の1月から入れてます。ですので、買ってすぐにお使いいただけます!



techo
●リンク
販売店、仕様など → 発行元・トマソン社詳細ページ 
http://tomasonsha.com/?mode=f10 
のむみちtwitter
https://twitter.com/conomumichi 


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2016年1月25日 第197号

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     。.☆.:* その197・1月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.古本屋ツアー・イン・ジャパンの2015年総決算報告
            古本屋ツアーインジャパン 小山力也
2.『『図書』のメディア史―「教養主義」の広報戦略』について
              佐藤卓己(京都大学大学院教授)
3.『心に太陽をくちびるに詩を』 Pippo(ぴっぽ)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━【古本屋ツアー・イン・ジャパン】━━━━━━━

 古本屋ツアー・イン・ジャパンの2015年総決算報告

               古本屋ツーリスト 小山力也



 2015年もたくさんの古本屋を巡ってしまった。そしてたくさんの
古本を買ってしまった。
およそ八年前に突如始まった、あくまで自主的な全国の古本屋調査
は、未だ途切れることなく慌ただしく続いている。その道のりは決
して平坦ではなく、行く手も予想以上にその姿を刻々と変化させて
いる。振り返れば、歩いて来た道も変貌している有り様なので、改
めてもう一度たどってみたりと、現在と最新の古本屋情報を捕捉す
るのに、汲々としている。


続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2603


 『古本屋ツアー・イン・ジャパン』 2008年5月からスタートした、
日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す
無謀なブログ。「フォニャルフ」の屋号で古本販売に従事すること
も。ブログ記事を厳選しまとめた『古本屋ツアー・イン・ジャパン
(原書房)』と、神保町についてまとめた『古本屋ツアー・イン・
神保町』さらには首都圏沿線の古本屋約700軒をガイドした『古本屋
ツアー・イン・首都圏沿線』(共に本の雑誌社)、さらにさらに「
古本屋ツアー・イン・ジャパン それから(原書房)」が発売中。
共編に『野呂邦暢古本屋写真集(盛林堂書房)』があり、とにかく
派手にどこまでも古本屋にまみれて生きている。

http://furuhonya-tour.seesaa.net/


━━━━━━━━━━━【自著を語る(151)】━━━━━━━━━━


『『図書』のメディア史―「教養主義」の広報戦略』について

                佐藤卓己(京都大学大学院教授)


 本書の刊行で、なんだか肩の荷を下ろした気分になっている。と
もかくも、岩波書店のフラッグシップ・マガジンを使って「岩波文
化」通史を書いてみたわけだ。
 岩波書店の創業100年企画の『物語 岩波書店百年史2 教育の時
代』(岩波書店・2013年)を上梓してから、すでに2年が経過してた。
この「社史」企画の打診をうけたのは2008年秋だった。もう7年も
前のことだ。その発端は『思想』第1000号記念号(2007年8月号)の
鼎談、米谷匡史・苅部直・佐藤卓己「思想の100年をたどる①」だろう。
この座談会は現在では『思想』編集部編『「思想」の軌跡―1921-2011』
(岩波書店・2012年)に収められているが、このとき私は体系的な
「岩波書店社史」の不在を痛感した。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2601


 『『図書』のメディア史』 佐藤卓己著
  岩波書店 定価:2100円+税 好評発売中
  https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/06/0/0610740.html

━━━━━━━━━━━【自著を語る(152)】━━━━━━━━━

『心に太陽を くちびるに詩を』について

                    Pippo(ぴっぽ)

 はじめまして! のかたも、そうでないかたも、こんにちは。200
8年頃より、詩の伝道活動をつづけておりますPippo と申します。
古本界隈では、古本屋探訪「古本ざしきわらしが行く」というウェ
ブコーナーをかつてやっていた者といえば、もしかして思い出して
くださるかたもいらっしゃるかなぁ、などと妄想します。

 自著を語る――。なんと光栄かつ嬉しい話でしょうか。けれど、
いざ原稿へと向かってみると、武者震いして、何をどこから書いた
らよいのやら。とはいえ、せっかく本と古本屋さん界隈の皆さんへ
お伝えできるのですから、どーんと胸をあずけるような気持ちで、
まいります。どうかつかの間、おつきあいくださいませ。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=2610

『心に太陽をくちびるに詩を』Pippo(ぴっぽ)著
新日本出版社刊 定価1600円+税 好評発売中
https://www.shinnihon-net.co.jp/

ブログ
http://blog.livedoor.jp/pipponpippon/archives/52049002.html


━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『「思想の科学」私史』 鶴見俊輔 著 編集グループ〈SURE〉刊
 送料込 2699円 直接販売のみ。
 郵便振込用紙に郵便番号、住所、氏名、電話番号、
 書名、注文冊数を明記して
 00910-1-93863 編集グループSURE へ。

 ホームページ  http://www.groupsure.net/
 詳細な購入方法 http://www.groupsure.net/purchase.php


━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

1月~2月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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日本の古本屋メールマガジンその197 2016.1.25

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:殿木祐介
編集長:藤原栄志郎

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2016年1月13日 第196号

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   古書市&古本まつり 第38号
     。.☆.:* 通巻196・1月13日号 *:.☆. 。
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初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛けください。
次回メールマガジンは12月下旬に発行です。

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━━━━━【1月13日~年2月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

第26回 古本浪漫洲 Part2

期間:2016/01/12~2016/01/16
場所:新宿サブナード2丁目広場

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我楽多市(がらくたいち)

期間:2016/01/15~2016/01/16
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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京橋ツイン21 古本フェア(大阪府)

期間:2016/01/16~2016/01/23
場所:ツイン21 アトリウム 大阪市中央区城見2丁目1-61

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第26回 古本浪漫洲 Part3

期間:2016/01/17~2016/01/20
場所:新宿サブナード2丁目広場

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第32回 銀座古書の市

期間:2016/01/20~2016/01/25
場所:松屋銀座8階イベントスクエア
URL:http://ginzakosho.hatenablog.com/

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第26回 古本浪漫洲 Part4

期間:2016/01/21~2016/01/25
場所:新宿サブナード2丁目広場

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趣味の古書展

期間:2016/01/22~2016/01/23
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22  

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さんちか古書大即売会(兵庫県)

期間:2016/01/21~2016/01/26
場所:神戸三宮・さんちかホール
   神戸市三宮町1丁目10番1号 各線三宮駅よりすぐ

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中央線古書展

期間:2016/01/23~2016/01/24
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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第26回 古本浪漫洲 Part5

期間:2016/01/26~2016/01/28
場所:新宿サブナード2丁目広場

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六甲道駅売り(兵庫県)

期間:2016/01/28~2016/01/31
場所:六甲道駅

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浦和宿古本いち

期間:2016/01/28~2016/01/31
場所:JR浦和駅西口下車 徒歩5分 さくら草通りマツモトキヨシ前

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倉庫会(名古屋)

期間:2016/01/29~2016/01/31
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12 

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たにまち月いち即売会(大阪府)

期間:2016/01/29~2016/01/31
場所:大阪古書会館1F  大阪市中央区粉川町4-1

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和洋会古書展

期間:2016/01/29~2016/01/30
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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五反田遊古会

期間:2016/01/29~2016/01/30
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4 

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大均一祭

期間:2016/01/30~2016/01/31
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9  

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第22回 BOOK & A(ブック&エー)

期間:2016/02/04~2016/02/07
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9  

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書窓展(マド展)

期間:2016/02/05~2016/02/06
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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三省堂書店池袋本店 第一回古本まつり

期間:2016/02/09~2016/02/15
場所:西武池袋本店別館2階・西武ギャラリー
   東京都豊島区南池袋1-28-1

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第2回古書会館de古本まつり

期間:2016/02/12~2016/02/14
場所:京都古書会館3階 京都市中京区高倉通夷川上る

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下町書友会

期間:2016/02/12~2016/02/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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杉並書友会

期間:2016/02/13~2016/02/14
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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日本の古本屋メールマガジンその196 2016.1.13

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:殿木祐介

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古本屋ツアー・イン・ジャパンの2015年総決算報告

古本屋ツアー・イン・ジャパンの2015年総決算報告

古本屋ツーリスト 小山力也

 2015年もたくさんの古本屋を巡ってしまった。そしてたくさんの古本を買ってしまった。

およそ八年前に突如始まった、あくまで自主的な全国の古本屋調査は、未だ途切れることなく慌ただしく続いている。その道のりは決して平坦ではなく、行く手も予想以上にその姿を刻々と変化させている。振り返れば、歩いて来た道も変貌している有り様なので、改めてもう一度たどってみたりと、現在と最新の古本屋情報を捕捉するのに、汲々としている。そのせいか、もはや人生は古本屋に遠慮呵責なく喰い尽くされたが、日々は刺激的で無闇やたらと楽しい。常識という神経はすでにだらしなく麻酔され、古本屋に向かう足を、古本を買う手を、止めることはない。時に掘り出し物に喜び、いつの間にか家の中に蔓延る古本の山に、深夜愕然とする。天国のようでもあり、地獄のようでもある、古い世界と未知の本を求める唯物的暮らし。やがては限界を迎えるであろう生活空間と、古本の魅惑的な堆積の拮抗。買うべきか買わざるべきか、売るべきか売らざるべきか、それが問題だ…。  

そんな風に悩みつつ楽しみつつ、この年は奇跡的に四冊の古本屋本に関わることが出来た、一介の古本修羅としては上出来な首尾である。「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」と「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」は自著だが、芥川賞作家・野呂邦暢が撮りためた情熱あふれる古本屋写真を一冊に編んだ「野呂邦暢古本屋写真集」では、編集(写真の継承者である岡崎武志氏と共編)とデザインを担当。岡崎武志氏の「気まぐれ古本さんぽ」では、僭越ながら古本屋関連の校正を担当させていただいた。この中では「首都圏沿線」の制作が、今までのツアーに異なる光を当てる役目を担うこととなった。首都圏の古本屋さんをあまねく掲載し、ガイドブックとして使えるよう意図したことから、今まで訪ねたお店の最新情報やその去就を確認する必要に迫られたのである。その過程で目にしたのは、予想以上に逞しい古本屋の姿であった。もちろんすでに表舞台から姿を消しているお店も多かったが、数年前のツアー時にも風前の灯火と勝手に思っていたお店が、多少くたびれながらも大都市の片隅で健気に営業している姿は、驚きとともに拍手したいほどの賞賛の気持ちを、湧き上がらせてくれた。またこの再ツアーは、以前とまったく違う成長した眼で棚を見ることになり、店側の変化+己の変化が化学融合し『このお店、こんなに良かったっけ?』という思いを抱いたことは数知れない。古本屋は一度で見切らずに、何度でもしつこく訪ねることで、新たな価値を生み出すことがある。そんな新しい古本屋ツアー経験則を身につけられた、貴重な調査となったのである。

だが長期間を首都圏にかまけていたため、地方のお店を訪ねる機会が、例年に比べて極端に少なかったことは否めない。かろうじて静岡・京都・長岡・新潟・名古屋・郡山・上田・西尾などに足を延ばせた程度である。そんな中で強く印象に残っているのは、島根県にトークで招かれ「だんだん書房」「本町堂」「ダルマ堂書店」「冬營舎」と、出雲と松江のお店を一気に回れたのは僥倖であった。また福島県の、ようやく原発事故の避難指示が解かれた町に舞い戻り、速攻で古本屋を開店させた「岡田書店」は、未だ困難な状況が続く東北に、明るく暖かい火を灯す偉業であった。絶版漫画に強い大衆的な店内は、町に戻って来る人を信じて、今日もお客を待っているはずである。今後の発展を切に願う次第である。  もちろん首都圏にも新しいお店は着々と出現している。高円寺「古書サンカクヤマ」「七星堂古書店」下北沢「メンヨウブックス」学芸大学「BOOK&SONS」中野「古本案内処」神保町「夢野書店」吉祥寺「Main Tent」行徳「古書肆スクラム」西横浜「三田商店」西荻窪「古本バル 月よみ堂」「忘日舎」曳舟「右左見堂」海老名「さがみ国分辻書房」などが主だったところであろうか。それにしてもこの店名の連続を見るだけで、古本屋という職業の個性と多様性が、やたらにヒシヒシと伝わって来るではないか。

だが惜しまれながら閉店するお店も誠に多かった(事務所店に移行したお店も含む)。巣鴨「林書店」立川「明誠書房」昭島「さわやか文庫」祖師ケ谷大蔵「ツヅキ堂書店」江古田「銀のさじ書店」市ヶ谷「麗文堂書店」早稲田「岸書店」反町「ひだ書店」綱島「FEEVER BUG」小田原「お壕端古書店」新小岩「オールドブックゼウス」京都「水明洞」沼津「十字堂書店」黄金町「たけうま書房」など。さらに本の街・神保町でも、近来稀に見る激動の閉店ラッシュが続いた感がある。「スーパー源氏神保町店」「文省堂書店」「ブックダイバー」「風光書房」「蒐堂」が姿を消し、この2016年にも鉄道関連古書で名を馳せた「篠村書店」の一月閉店が大きく報道されたりしている。やはりお店は、いずれではなく、今この瞬間に訪ねておくべき場所であることを痛感する出来事たちである…。  粘り強く移転開店するお店も多く記憶される。「中野書店」は神保町から西荻窪へ、「文紀堂書店」は池ノ上から仙川へ、「古書てんとうふ」は郡山から柴宮へ、「トップ書房」は同じ恵比寿内で、「渥美書房」は同じ早稲田内で、「まどそら堂」は同じ国分寺内で、「Tweed Books」は同じ白楽内で、小田急相模原「二ノ橋書店」はすぐ隣りの物件へ、「古書いろどり」は神保町から九段下へ移転し事務所店が店舗をプラス、赤羽「紅谷書店」吉祥寺「バサラブックス」はリニューアルして同じ場所に復活を果たした。たとえ姿形や場所は変わろうとも、古本屋ツーリストとしては、店舗という形態を維持してくれるのは、誠にありがたいものである。

かように2015年は、自分にとっても、その目が見て来た古本屋界にしても、激動の年であったと言えよう。そしてその激動は、自分に関して言えば終息など迎えず、すでに始まった2016年はより激動と化し、さらに高いハードルが待ち構えていることが決定されている。それはまるで、ゲーム『ドラゴンクエスト』でレベルの高いモンスターが出現する、未知のフィールドに足を踏み入れる、緊張感に満ち満ちている。果たしてこの一年を、無事にヒイコラ走り抜けて、その成果を残すことが出来るだろうか…結果は秋口には出ているはずなので、くじけずに古本屋にまみれ、今年も奮闘する所存である。全国の古本屋の皆様、今年も何とぞよろしくお願いいたします!



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『古本屋ツアー・イン・ジャパンそれから』 小山力也 著
原書房刊 定価:2,400円+税  好評発売中!
http://www.harashobo.co.jp/new/shinkan.cgi?mode=1&isbn=05253-0


syutoken
『古本屋ツアー・イン・首都圏沿線』 小山力也 著
本の雑誌社刊 定価:2,200円+税  好評発売中!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112776.html


 『古本屋ツアー・イン・ジャパン』 2008年5月からスタートした、日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す無謀なブログ。「フォニャルフ」の屋号で古本販売に従事することも。ブログ記事を厳選しまとめた『古本屋ツアー・イン・ジャパン(原書房)』と、神保町についてまとめた『古本屋ツアー・イン・神保町』さらには首都圏沿線の古本屋約700軒をガイドした『古本屋ツアー・イン・首都圏沿線』(共に本の雑誌社)、さらにさらに「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから(原書房)」が発売中。共編に『野呂邦暢古本屋写真集(盛林堂書房)』があり、とにかく派手にどこまでも古本屋にまみれて生きている。
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