古本屋の休日―東北古本屋バイク部ツーリング(秋田編) 【古本屋でつなぐ東北(みちのく)3】(青森県・古書思い出の歴史)今村拓志 |
当店「古書 思い出の歴史」があるのは、本州最北端青森市です。現在の人口は約二七万人、個人経営の古本屋は三店舗(内組合加入店は誠信堂と当店)。売上げの大部分を占めるのは、ネット販売となります。毎日の業務はパソコンを使っての入力作業がメインとなり、気がつくと丸一日ほぼ会話が無いなんて日も少なくありません。
そんな引きこもり古本屋の唯一の楽しみが、休日のバイクツーリングとなります。ただ雨や強風の日、それと雪国の宿命で一年の半分は降雪の為乗れないので、年間の乗車率は少なめです。そんな中、二~三年前に宮城県のジェイルハウスブックさんがバイクを購入したとの噂を聞き、顔を合わせる度、いつか一緒にツーリングに行きましょうと話をしており、昨年は新型コロナ禍もあり断念したのですが、今年は二人のスケジュールが合ったので、お互いの中間地点と思われる秋田県への旅をする事となりました。 一日目、当方は、東北自動車道~秋田自動車を使用。東北自動車道は前日の大雨で一部不通でしたが、手前で降りても大差はないようなので碇ヶ関ICで降り、再度大館北ICから秋田道を利用。 待ち合わせ場所は「横手市増田まんが美術館」です。漫画原画の保存・展示に力を入れている美術館で、初代名誉館長は「釣りキチ三平」の矢口高雄氏。当方が到着後しばらくしてジェイルハウスさんと合流、ジェイルさんに漫画家の事などを色々聞いていたらあっという間に時間が過ぎついつい長居になり、この後とんでもない目に遭うとは想像もしていませんでした。 この日は秋田市宿泊のため移動。雨が降ってきました。この時点では小雨のため、ジェイルハウスさんは下半身のみ雨具、当方は雨の日は乗らないので元から用意無し、着の身着のままです(若干厚着)。 予定では一時間位で到着すると思い一般道(下道)経由・出羽グリーンロードを通って秋田市に向かったのですが、まんが美術館を出発後すぐ本降りの雨になり、少し進んだら大雨、そこから止むこと無く滝のような大雨、道路は川のようになり、全身ずぶ濡れ下着までグッショリでした。途中少し休憩したのですが、とても写真を撮るような状況ではありませんでした。何とか無事に到着、少しだけ 服を乾かし、夜は秋田市・板澤書房の若旦那と一献傾けさせて頂きました。板澤さんの店の周りの様相が変わった話や、再開発で移転しなければならない、毎日仕入れで忙しいことなど伺いました。 二日目、予定では一緒に角館町に寄る予定でしたが、昨日に続き本日も朝から雨の為、ホテルで解散となりました。朝の天気予報では青森市・雨、仙台市・晴れ予報。 出発、昨日より幾分マシでしたが、それでも上小阿仁村付近は道路に水が溜まる位の本降りでした。途中止むこと無く降っていたので走り続け、少し雨が弱まった大館市のコンビニで小休憩し青森市に向かいました。青森県に入ると雨もだいぶ弱まり、時折晴れ間も覗くようになり、弘前市に入った頃には雨は止んでいました。無事到着、青森市は少し風がありましたが、雨は完全に上がっていました。後ほどジェイルハウスさんに 聞いたら秋田~宮城(仙台)は強風と大雨だったそうです。 非常に大変な旅でしたが、こ んな経験もバイクならでは。無事終わってみると良い思い出かも!?来年は大船渡を予定しております。部員も随時募集中ですのでよろしくお願いします。
(※写真は上から東北道津軽SAで背景は岩木山、横手市増田まんが美術館、ずぶ濡れになった二台) ![]() 『増補新版 東北の古本屋』 折付桂子著 文学通信刊 ISBN978-4-909658-88-3 四六判・並製・312頁(フルカラー) 定価:本体1,800円(税別)好評発売中! https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-88-3.html |
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