映画『丘の上の本屋さん』作品紹介株式会社ミモザフィルムズ 掛川あづみ |
ユニセフ・イタリアが共同製作に参加した本作は、イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店を舞台に、年齢や国籍の違いを超え、“本”を通して紡がれる友情、読書の喜びを描いたハートウォーミングストーリー。
訪れる風変りな客たちを温かく迎え入れるリベロの店は、街のちょっとしたオアシス的な存在でもある。ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛けたリベロは、好奇心旺盛なエシエンに、コミックから児童文学、中編小説、長編大作、さらに専門書まで次々と店の本を貸し与えていく。エシエンから感想を聞きながら、様々な知識やものの見方や考え方など、リベロはジャンルを超えて叡智を授ける。そしてイタリア語で「自由(Libero)」を意味する自身の名の通り、エシエンに自由であること、誰もが幸せになる権利を持つことを伝えていくのだった。 物語の舞台となる “イタリアの最も美しい村”のひとつ、チヴィテッラ・デル・トロントの息をのむ絶景や、石造りの歴史ある街並みを味わえるのも本作の大きな魅力。不朽の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)にも通じるリベロとエシエンの心温まる物語を軸に、古書店に集まってくるユーモラスで個性あふれる人々、繰り返される日々の暮らし、小さな幸福は愛おしく観る者の心に染みこむ。そして人生を豊かに形づくるヒントが詰まったリベロの「幸せのブックリスト」には、「星の王子さま」、「ピノッキオの冒険」、「白鯨」をはじめとした名作が登場し、観客の知的好奇心を刺激する。 リベロ役のレモ・ジローネは、『フォードvsフェラーリ』(19)、『我が名はヴェンデッタ』(22)など映画や舞台、テレビなど幅広く活躍してきた大ベテラン。そのほか個性派キャストが魅力あふれるキャラクターを彩りながら、活字離れが進む今こそ、読書の素晴らしさを温かく伝えている。
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