『多摩のあゆみ』「創刊五〇周年記念」特集(第200号~第203号)の刊行(公財)たましん地域文化財団 歴史資料室 坂田宏之
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東京近郊・多摩地域の歴史・文化を記す私どもの季刊・無料の郷土誌『多摩のあゆみ』は、昭和50(1975)年11月に創刊いたしました。創刊以来、年に4回発行する「茶の間の郷土誌」として皆さまに親しまれ、令和7(2025)年11月発行の第200号をもって、創刊50周年を迎えました。
はじまりは昭和48(1973)年に多摩中央信用金庫(当時)が刊行した40周年記念誌『多摩の歩みとともに』に遡ります。多摩地域の中小企業の皆さまとのお取引の中で発展してきた「信用金庫」、だからこそ地域の歴史とともに記されたこの金庫史は、地域自治体の教育委員会からさまざまな資料を集め、郷土史家の方々のご協力を得て、編纂されました。この本は「日本の古本屋」webでもちらほら出回っています。 この記念誌を編纂する上で集まった資料を死蔵することなく郷土誌を作ろう。その思いから本誌『多摩のあゆみ』は創刊されました。以来、毎号特集形式で、歴史だけでなく、地理、民俗、文学、郷土芸能、自然など多岐にわたるテーマで、一般市民の研究者の方々、大学の研究者、各自治体の資料館の学芸員の方々にご執筆いただきました。その数は1160名あまりにのぼります。公立図書館に多摩地域の歴史を調べに来られたお客さまに、最初にご案内する基礎文献としても本誌は重宝されているようです。 創刊以来の半世紀で、多摩地域を対象とする歴史学や考古学、地理学と民俗学などでも新しい知見が深められてきました。それを支えてきたのは、様々な史料や資料の調査と公開、分析が進んできたことです。また、技術の進歩によって、研究の手法が変わってきたことも重要です。そこで創刊50周年を迎えるにあたり、第200号から第203号までの4号を記念号としました。第200号は「歴史編」(令和7年11月30日刊行)、第201号は「地理・民俗編」(令和8年2月28日刊行)、第202号は「アーカイブ編」(令和8年5月31日刊行)、第203号は「美術編」(令和8年8月31日刊行)としてお届けします。 第200号特集「創刊五〇周年記念 歴史編」の執筆者、論考タイトルは下記です。 坂誥秀一氏(立正大学特別栄誉教授)「多摩考古学の展開」 深澤靖幸氏(府中市郷土の森博物館館長)「多摩中世史研究の「あゆみ」 沖川伸夫氏(中央大学法学部兼任講師)「自治体史ことはじめ─多摩市史と相模原市史をふりかえる─」 酒井哲氏(建築家、日野市文化財保護審議会委員)「多摩地域の歴史的建造物を見守って二〇年」 佐藤政則氏(麗澤大学名誉教授)「多摩金融史の魅力」 多摩の考古学史を通じての古代史研究の歩み、多摩の中世史研究の中で本誌がどのような役割を果たしたか、自治体史執筆の舞台裏、本誌連載「建物雑想記」「多摩の金融史」を振り返る、こうした執筆者の事績の記録のなかに、各分野の具体的な研究状況が現れています。第202号には、昨年12月13日に開催した創刊50周年記念シンポジウムの記録を掲載します。このシンポジウムではパネラーやお客さまに図書館、博物館、自治体史の実務担当者にお集まりいただいて、論議を深めました。第203号では、新たな試みとして多摩地域の美術関係の活動について述べていただきます。 本誌バックナンバーの目次は「たましん地域文化財団ホームページ」(下記URL)でご覧いただけます。 https://x.gd/Uw19c また創刊号から160号は「たましん地域文化財団デジタルアーカイブ」(下記URL)で閲覧できます。 https://adeac.jp/tamashin/top/topg/tamanoayumi/index.html#ayumi-backnumber 「雑誌は読んだら捨てられるもの」ともいえます。しかし本誌はお年を召した読者さまから「捨てるに忍びない」と当財団にお返しいただくことがしばしばあります。返ってきたバックナンバーは問い合わせを受け、また新たな読者さまの本棚へと旅立ってゆく。多摩・東京の古書店や「日本の古本屋」webでもよく出回る本誌ですが、そんなリサイクルをする「極めて幸せな雑誌」でもあります。 創刊号の巻頭言で謳った「茶の間の郷土誌」という基本的な姿勢をくずさぬよう、これからも内容を充実させる努力を続けてまいります。 (公財)たましん地域文化財団 ホームページ https://www.tamashin.or.jp/ (公財)たましん地域文化財団 デジタルアーカイブ https://adeac.jp/tamashin/top/
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