まもなく発売開始!『大阪古書組合百年史』
『大阪古書組合百年史』編纂委員会
坂本卓也(一冊堂)
2年半にわたる編纂活動となりました。大阪古書組合としては、創立以来初めて完成させる
組合史となります。
21名の編纂委員、そして6名の編集部員。また、40名を超える組合員に原稿の執筆、
座談会への出席をお願いしました。さらに多くの方々から資料の提供を受け、それらがすべて
合わさって今回の『大阪古書組合百年史』へと実を結びました。
大阪古書組合の創立は1924(大正13)年7月26日でした。発会式を行った場所は大阪
中之島の中央公会堂。この度百周年を記念して行う講演会、式典の会場も、百年前と同じ中央
公会堂を選びました。
大阪古書組合の創立と同時に創刊された「大阪古書月報」には、発会式の模様が次のように
記述されています。
「幾多の波乱重畳を経来りしも、遂に其の発会式を今日大正十三年七月二六日大阪中央公会堂に於て挙行するに至れり。当日は炎天下将に華氏九十五度を突破するにも拘はらず、熱誠なる
組合員は正午頃より陸続と会場に詰め懸け、さしも曠々とした場も釜中に在る如く蒸暑く、
何となく緊張の気分は漲り、来会者は開会前既に百を以て数えられた。午後一時を過ぐる頃、
満場の拍手に迎へられて会員森谷清松氏先づ壇に登り開会を宣し、茲に始めて大阪古書組合
発会式の幕は切って落された。」
発会式当日に報告された組合加入者総数195名。ちなみに当時の記録では、東京組合の
加入者は580、京都組合120、神戸組合80だったそうです。
大阪古本界の推移」(高尾彦四郎)に次のように書かれています。「明治初年以降本屋の
最も多く集まって居たのは心斎橋筋でありました。私が業界に入った頃はその数が余程少なく成っておりまして凋落を見せておった頃であります。寧ろ中心は北区の福島界限であった様です。即ち教育の普及に依る学校の新設などの関係で、当時は主として重点は北方面にあったからでもあり、福島より浄正橋筋にわたって古本屋が集団の形態をとっておりまして、大阪に
於ける中心の観がありました。
(略)さて時勢の変遷と共に大正十年前後頃より古本屋の中心は北より南へと移って参りまして、日本橋筋に古本屋が多く成ったのも主として南方面に多数の新設学校が増設又は移転の
結果、交通上からも地理的に見ても当然の事でありまして、松葉書店、杉山書店は共に北より
移住せられたのであります。」(昭和11年5月)
大正、昭和、平成、そして令和へと続く大阪古書組合の歴史。その百年の歩みを一望した
『大阪古書組合百年史』は、大きく5つの編に分かれ、さらに資料編、年表、組合員名簿などが掲載されます。
本書の柱となる第1編は、創立以来の通史である「大阪古書組合史」。この他、第2編の
大阪の交換会の歴史、第3編即売会の歴史、第4編古書目録の歴史が続きます。第5編では、
現役組合員の寄稿文、座談会の他、過去の「大阪古書月報」から、選りすぐりの文章と座談会を収録しています。
先ほども申し上げた通り、大阪古書組合は創立と同時に、組合機関誌である「大阪古書月報」を創刊しました(創刊号のタイトルは「大阪古書組合月報」)。その後現在に至るまで通算で
550に近い号数の「月報」を発行し続けています。
また重要なことは、これまで発行された「月報」は、ほぼ100%に近い形で組合に保存されていることです。
『大阪古書組合百年史』は、この「月報」を基礎資料とし、最大の拠り所にして作成されました。百年にわたる営々たる努力で「月報」をつくり続けた先人の熱意、そして欠号を執念深く探しだし、大切に保管しつづけてきた尽力がなければ、今回の組合史はこのような形で完成させることはできませんでした。「月報」編集に携わった先輩諸氏に、この場をお借りして心からの
敬意を表するものです。
大阪の古本屋、そして大阪古書組合の苦闘の歴史をぎっしりと詰め込んだ『大阪古書組合百年史』。古書をこよなく愛し、古書に憑りつかれた古本屋たちの物語です。
多くの皆様方のお手元に届くことを願ってやみません。
書名:『大阪古書組合百年史』 創立百周年記念誌
発行元:大阪府古書籍商業協同組合
判型/ページ数:A5判/746頁※限定1,000部
販売価格:8,000円(税込)
予約限定価格7,200円(税込)送料600円
予約期間:令和7年1月1日~1月31日まで
令和7年1月1日より予約受付中!
https://www.osaka-kosho.net/news/2027/
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