ブリュッセルの南東にあるアルデンヌ地方の小村がルデュ村である。農林業を主産業にしていたが、農業改革によって農家は減少し、若者は都会に流出し、小売商店も次々に閉店していった。
◯ルデュ村の風景
◯ルデュ村全図
ルデュ村が「本の村」となったのは一人の好事家によるものであった。釣りと古本蒐集を趣味とするベルギーの事業家ノエル・アンスロー氏が、イギリス・ウェールズの古書店街で知られる“ヘイ・オン・ワイ”に出会い、こんな村を作りたいという思いから1984年に第一回古本まつりを開催したのがスタートであった。空き家になっていた農家や馬小屋、学校等が改造され本屋になった。書店の数も五十以上になり、週末にはブックマニアや観光客が訪れる様になった。中心地にはレストランが出来るほどであった。
◯村内の本屋
◯店内の様子1
筆者が最初に訪問した店は紙漉きの実演を見せてくれた書店であった。土産用の手漉き紙も売られていた。次いでグーテンベルク時代の印刷機を所蔵している書店を訪問、勿論印刷実演もあった。村には独立した店舗が各所にある。楽譜の店、海洋の本専門店、アンティーク本、天文学、歴史、芸術、旅行、宗教等の専門書店である。都市部では見つけられない本が所蔵されているので、ヨーロッパ諸国の好事家が集まるのである。
◯紙漉き工場
ルデュ村訪問には前段がある。コロナ以前のフランクフルトBF視察団(団長・中央経済社・山本会長、副団長・本の学校主宰者永井伸和氏)が訪問したことである。主目的は村視察であったが、もう一つは米子市と提携姉妹都市になることであった。日本側では、すでに永井氏の計らいで米子市議会で承認のお墨付きであった。つまりルデュ村村議会に図っていただきたいことであった。永井氏は立派な日本人形を用意していた。
訪問当日、山本会長、永井伸和氏が通訳を伴って村議会を訪れ、村長さんに「姉妹都市提携懇願書」を手渡した。回答は、村議会にかけられてから、永井氏に連絡があることになっていた。後日、回答があった。結果はNOであった。その理由は市と村で行政単位が異なることと、大国?日本と不釣り合いと謙遜したものであった。申し訳ない、親交だけは継続したいという回答であった。永井氏はすぐに礼状を出した。
◯店内の様子2
◯店内の様子3
小生にもこの村には思い出が多い。ヘブライ語の本が60ユーロ(8,000円位)もしていた。レアな本が多いことをヨーロッパ諸国の好事家は知っているのである。小生も文藝春秋昭和35年新年号を買った。どんな人が売りに来たのであろう。芥川賞を読みたかったのかな?日本の明治時代の新聞も売っていた。日露戦争の記事が出ていた。
ベルギー北部のアントワープのメール通りに新古書店があった。この種の書店はベルギーとオランダに多い。バーゲン専門の書店である。最初からバーゲン用に作られた本で、新古書である。書店名はデ・スレグテである。二層の大書店で、利用者が多く、繁盛店である。店内のフロアーガイドによれば、49の商品別陳列の書店であった。
◯デ・スレグテ新古書店1
◯デ・スレグテ新古書店2