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『書店経営指標2018年版』について

『書店経営指標2018年版』について

日本出版販売株式会社 柳 春城

新刊書と古書の違いはありますが、私たちは同じく本(の価値)を広めようと、日々、営業活動を続けています。本書『書店経営指標』は主に新刊書を扱う書店の協力をいただき、本をはじめとする主な取扱商品の販売動向、そして利益を出している店舗の収益性、生産性、効率性などを分析している数少ない業界統計資料の一つです。今年の2018年版は、昨年1年間に決算を迎えた企業のアンケート実績から作成しています。

実はこの統計資料は1963年から毎年発行しており、今年でなんと55歳となりました。当時の売上総利益率は15.38%、人件費率は7.40%、地代家賃費率は0.71%、営業利益率は2.28%でした。その後、幾たびかの正味改訂や配送費用を分担するなど検討が重ねられ、今年の本専業企業の売上総利益率では23.72%に。かつて主流だった自宅営業から、人が集まる場所に店舗を賃借する形態に変化して運営コストが増加した結果、営業利益率は当時から2.57ポイント減少のマイナス0.29%と、4年連続のマイナスとなってしまいました。数値だけを見るともはや本だけのビジネスは疲弊している感がありますが、書店空間の内側ではいろいろな変化が起きています。例えば、おしゃれな書棚やこだわりの内装・照明を施したり、人が喜ぶイベントなどにも工夫を凝らしています。様々な商品を本と一緒に面陳展開することで、利益を出している書店もあります。
「本のある場所」の変化に合わせて、書店を利益の出る事業として成立させるために、そして新しく書店を始める人のための経営指南書にしていきたいと思っています。

また、『出版物販売額の実態』も発行しました。本書については、昨年12月25日のメールマガジン(https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=3576)でご紹介しているので割愛しますが、2018年版の傾向としては、書店ルートの推定販売額は1兆250億円で、1996年以来の減少が依然として続いています。対して、インターネットルートの推定販売額は1,988億円となり、CVSルートの推定販売額1,576億円を初めて上回りました。また電子出版物市場も2,424億円となり、書店ルートに次ぐ市場規模として増加を続けています。

インターネットルートの調査を開始したのは2007年度、電子出版物市場に至っては2015年度からです。どちらもわずか10年足らずで急成長を遂げたことになります。こうした出版業界を大きく変える“波”は、今後も次々と生まれてくることでしょう。こういった冊子をまとめた編集者としては、静かに何より正確に、新たな“波”が生み出す揺らぎも含めて、業界の今を広く伝えていくのが責務だと思っています。

jittai
『書店経営指標2018年版』
B5判52頁 価格 :本体1,500円+税

keiei
『出版物販売額の実態2018』
B5判46頁 価格 :本体1,400円+税

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