連載(三) 古書目録第15号『越境特集』発行予告記風船舎 赤見悟 |
何とか連載の最終回を迎えることができ安堵している。今回は目下作成中の古書目録第15号『越境特集』について書く。特集タイトルは今のところ『混ざりあう世界-移民・植民・留学・旅行・冒険・戦争・外交 etc.』でいく予定だ。他の候補としては『越境する人々』『他を知り、我を知る-越境するということ』『異郷をめぐりて』『越境者群像』等がある。
今回もあるお客さんからお売り頂いたいくつかの品々をきっかけに特集を決意した。昨今の世界状勢から鑑みてなかなかタイムリーな特集かもしれないが、あくまでも自分が楽しめ、そして商略ありきの特集であり、大それた事は考えていない。しかし、作成中の目録の事について書くのは非常に難しい。何せまだ完成していないのだから下手なことは書けない。基本的に「単に商売としてやっているだけ」なので、知的な事は書けないし、ここで披露するような作成中の面白いエピソードも特に無い。 そこで、目録の宣伝を兼ね、掲載予定の極一部の品を勝手ながら紹介したい。本来営利目的のような原稿はご法度なのかもしれないが、今回この原稿はやむを得ず引受けているので、そのくらいの我がままは許して頂きたい。 まず、今号は「日本から海外へ」「海外から日本へ」という全二部構成から成っている。前者は「ブラジル」「アメリカ」「ハワイ」「ドイツ」「イギリス」「満州」「朝鮮」「台湾」「南洋」等々の項目を立て、商品およそ1500~2000点を掲載予定。以下、そのほんの一部。 ・在ブラジル日本人移民「S.T氏」の自筆書簡一括 1933~1939年 後者は「在日外国人」「内地へ」「来日音楽家」「基督教がやってきた」「米軍/進駐軍」「引揚者」「帰国者群像」等の項目を立て、商品およそ1000点を掲載予定。以下、そのほんの一部。 ・音楽家「Jachimek,Franz Karl」1869年来日時に横浜より送った独語書簡 巻末に「付録」として、特集には入らない以下の品々も掲載予定。 ・添田唖蝉坊作「新流行歌集」第一編/第二編揃 大正12年10月 むむむ…、これは頗る面白そうな目録ではないか(笑)。発行は11月中を予定しているので、ご興味をお持ちの方は800円分の切手を同封の上弊舎宛(〒158-0081東京都世田谷区深沢4-17-2-101)に郵送でお申込みください。尚、現金でのご購入はお断りさせて頂いておりますので予めご了承ください。 赤見 悟(あかみ さとる) |
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