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☆INDEX☆
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1. 『書肆紅屋の本』 空想書店 書肆紅屋
2. 映画「森崎書店の日々」について 映画監督 日向朝子
3. ニッポン洋行御支度史(5) ガイドブック4 西出勇志
4. 東京古書会館で豆本三昧 田中栞
5. 『そのまま豆本』(河出書房新社) 赤井都
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━━━━━━━━━━━【自著を語る(43)】━━━━━━━━━━
『書肆紅屋の本―2007年8月~2009年12月』(論創社)
空想書店 書肆紅屋
「空想書店 書肆紅屋」とは、2007年8月6日に開始したブログ名で
ある。本屋の屋号をブログ名にしたいと思って考えついたのが
「書肆紅屋」になる。「紅屋」は、祖父が創業した和菓子屋の屋号
である。実在する書店ではないことに示すために「空想書店」と前
に入れることにした。
とにかく小さいころから本が好きでよく読んではいたが、高校、
大学時代に約6年間、書店でアルバイトをするようになってから一
気に加速した。取次の日本出版販売に就職をして社会人となってブ
レーキが効かなくなった。3年ほどしてから出版社に転職して営業
に5年、編集に9年ほど在籍した。最後は雑誌のモバイルサイトの
運営までこなした。しかも小学生の時から近所の古書店の店頭均一
を漁り、大学に入ってから古書展にも行くようになっていた。こと
本については、新刊、古本とも精通していると自負していた。
ところが、外から客観的に出版業界を眺めるようになってみると、
今までとはまたちがった、もどかしいような気持ちが湧いてきた。
だから、読者の視点に立って本についての情報発信をしようとブロ
グを始めたのだが、今回、書籍化する話をいただいて振り返ってみ
ると、昨年12月末までに800日以上更新していた。あまりにも膨大な
量になっていたので自分でも茫然としたものがある。書籍にまとめ
るにあたっては、好きな書き手のトークショーの詳細なレポート、
古本フリマとも言うべき一箱古本市やみちくさ市での古本の販売、
古本を求めて年に数度訪れた京都遠征を三本柱にした。
合わせて出版業界の動きが伝わってくるようなものをセレクション
した。330ページあまりにぎっちりと詰め込みました。
本を買って、読んで、売る。その生活を記録したものだが、これ
は多分、死ぬまで治らない、全治一生だろう。
『書肆紅屋の本―2007年8月~2009年12月』(論創社)
http://www.ronso.co.jp/
━━━━━━━━━━━【森崎書店の日々】━━━━━━━━━━
映画「森崎書店の日々」について
映画監督 日向朝子
昨年の秋、神田神保町の古書店街で映画を撮りました。
題名は「森崎書店の日々」。夏から冬へと移り変わる神田神保町と、
その街にある古書店”森崎書店” を舞台に、一人の女の子のささ
やかな成長を描いた作品です。森崎書店は主人公(女の子)の叔父
さんが開いているお店。すずらん通りの一本裏の通りに佇む、 小
さな、近代文学が専門の古書店です。主人公はしばらくお店の二階
に身を寄せ、時を過ごします。そしてお店を手伝いながら、世界中
を旅して神保町に帰って きた叔父さんや、お話好きの常連さん、
三十年続く喫茶店のマスター、本好きの大学院生といった神保町の
人々に出会っていきます。
この作品は、神保町を撮りたいと思って始めた作品でした。懐か
しさが漂う風景と、そこに少しずつ入ってきている新しい風。ふた
つが混在している今の神保 町を、どうしてか映画の中に残しておき
たいと思いました。それはそこに、常に変化の中にある”東京”を
感じたからだと思います。自分が育った東京という所 の、失われる
もの、新しく芽吹くもの、その変化そのものを、神保町という街を
通して写すことで、忘れないでおきたかったのだと思います。
主人公は街の人々にも出会いますが、本にも出会います。埋もれ
ていた本の中からふと一冊選び、開いてみたことで、読書の愉しみ
を知り、世界もだんだんと 広がっていきます。そして彼女自身も
少しずつ変化していきます。何かのきっかけというのは、ごく身近
なところにあったりするものだと思います。自分で思ってもみなか
った小さなことだったり、本をぱらりと開いてみるくらいのことだ
ったり。この映画も、何か小さなきっかけにでもなってくれたらと
思います。
公開は今年の秋。ちょうど神田古本まつりの頃です。見て頂けた
ら嬉しいです。
映画「森崎書店の日々」
10月23日(土)より神保町シアター、シネセゾン渋谷他にて
全国順次公開
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/morisakishoten.html
公式サイト:http://www.morisaki-syoten.com/
━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(5)】━━━━━━━━
「ニッポン洋行御支度史」ガイドブック4
西出勇志
ガイドブックは海外旅行の必携品。観光名所からホテル、レストラ
ン、交通機関まで幅広い情報をカバーし、現地語の簡単な会話集も
ついている。詳細な歴史解説など、その国・地域の総合案内と呼べ
るほどの旅行ガイドもある。一つの趣味に絞り込んだものも数多く
出回るようになったが、特化したガイドブックとして意外に昔から
あるのが男と女をめぐる案内書。今回は、戦前の洋行ブームと呼ば
れた昭和初期に刊行されたこの種の旅行ガイドをみてみよう。
1929(昭和四)年に出た「夜の倫敦巴里紐育」(欧米旅行案内
社)は、ずばり、欧米でのナイトライフに焦点を絞った本である。
冒頭に「倫敦巴里紐育は刺激の三大都市である」とあり、「甘かる
べき筈の刺激を辛く錯覚して、宝の山に入り宝珠を拾いながら我が
物とし得ない不感性の間抜(け)洋行者が少なくない」と意味深に
言う。その上で「世界刺激の三大都に於ける夜の刺激と昼の刺激と
を説いて洋行者の実用便宜に供する」と頼もしく宣言する。さらに
同書は「無責任な漫談式のもので無く、洋行者が必ず経験する刺激
に就いての有りのままの予備的説明」とも述べている。
続きはこちら
http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-1.html
雑誌「ホテルジャンキーズ」78号・79号(2010年2月・4
月刊)に加筆
【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)に出向。
バッグや衣類、ガイドブックなど携行品を通した日本人の海外旅行
史「モノ語り ニッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」
誌に連載中。
共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギフト”の問題」など
━━━━━━━━━【東京古書会館で豆本三昧】━━━━━━━━
東京古書会館で豆本三昧 田中栞
昭和の時代、豆本といえば全国各地に版元があり、蒐集家はそれぞ
れに会員登録をしてコレクションに励んだものでした。
豆本コレクターとしても名高い今井田勲さんの『私の稀覯本』(丸
の内出版、昭和51年)を見ると、みちのく豆本、かながわ豆本、九
州豆本、胡蝶豆本、緑の笛豆本など、シリーズで発刊されていたも
ののほかに、単発でそれぞれに趣向を凝らした豆本が多数作られて
いたことがわかります。
愛書家が豆本蒐集の道に入るのは、普通サイズの本を買いすぎて置
き場所に困り、「小さな本なら、たいして場所を取らないだろう」
と、家人への負い目から始めることが多いようです。もっとも、豆
本も油断すると数が増え、収納場所が際限なく必要になります。私
は何人もの豆本コレクターの家を訪れ、コレクションを見せてもら
っていますが、豆本を買いすぎて、自宅の他に、収蔵のためのマン
ションを借りている人を知っています。
続きはこちら
http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-2.html
古書の日2010イベント
豆本カーニバル
http://mame-carnival.net/
日時 2010年10月11日(月・祝)10:30~17:00
会場 東京古書会館・地下1階大ホール
*入場の際、カラー・パンフレット(500円)をご購入いただき
ます。
*先着50名様に「とじ郎倶楽部」特製豆本キット・田中栞『豆本
づくり七転八倒』をプレゼント!
主催 豆本カーニバル事務局(代表・田中栞)
後援 東京古書組合、本の手帳社
協賛 日本古書通信社、とじ郎倶楽部、きらら舎
*ワークショップ予約など問合せ
田中栞
koubaido@cam.hi-ho.ne.jp
電話045-431-1260
━━━━━━━━━━━【そのまま豆本】━━━━━━━━━━━
『そのまま豆本』(河出書房新社)
赤井都
小説家をめざす建築学生だった。『すばる』で最終候補になった
頃、友人がSFの絶版文庫を貸してくれた。光瀬龍、川又千秋、半村
良など。それからスタージョン、ルグヴィン、ダンセイニ、稲垣足
穂など読み進め、新人文学賞募集にある「現代の混迷をえぐる」方
向から外れていった。
幻想的な超短編小説を書き溜めて、一冊400円の個人誌にしてみた。
紙の本になったら、インターネット上に作品を置いて「全世界に公
開」していた時よりむしろ読者が増えた。増刷をしたり、一行詩を
載せた「ミニ掛け軸」栞を作ったり、手を広げた。SFを貸してくれ
た友人は「赤井さんが傘はり浪人のようになって」と心配をした。
その頃、小さな虫籠を手に入れて、中に小さな本を入れた。羽の折
れた鳥族の女性の話で、読者の一人から、木口木版の挿画が届いた。
その版画につりあうよう、本を独学でハードカバーに仕立て直し、
2006年、アメリカを本拠地とするミニチュアブック協会の国際的な
豆本コンテストに応募した。中村高之との共同制作である、この
『籠込鳥 Caged』は、日本人初受賞のグランプリとなり、限定20部
は一年以内に完売した。個人活版印刷家との出会いなどで、翌2007年
制作の『雲捕獲記録 Dancing on the Cloud』で再びグランプリを
連続受賞した。この道に呼ばれていると感じた。小さいものに私は
必要とされている。自分の才能が、まさか豆本にあるとは思いもよ
らなかった。
続きはこちら
http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-3.html
『そのまま豆本』2010年9月16日発売
ISBN 978-4-309-27206-1 本体価格1400円
河出書房新社 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309272061
赤井都 http://miyako.cool.ne.jp/kototsubo/
━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
今泉正光著『「今泉棚」とリブロの時代』(論創社・好評発売中)
論創社: http://www.ronso.co.jp/
黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』
講談社 10月7日刊行予定
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/
━━━━━━━━━━━【11月予告】━━━━━━━━━━━━
幻の名著復刊、伝説の古書店「山王書房」
『昔日の客』関口良雄著(夏葉社刊、定価2310円、9月30日発売)
解説:関口直人
http://natsuhasha.com/
━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━
9月~10月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001
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