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☆INDEX☆
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1. 「物である本」のインフラの危機 桂川 潤
2. 古本屋ツアー・イン・ジャパン2010を振り返って 小山力也
3. 「古本屋名簿 古通手帖2011」当選者発表
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━━━━━━━━━━━【自著を語る(46)】━━━━━━━━━━
「物である本」のインフラの危機
桂川 潤(かつらがわ・じゅん 装丁家)
書籍全文を検索対象とする「グーグル・ブックス」の始動をはじ
め、書籍電子化の動きは着々と進みつつある。iPadを愛用している
わたしは、けっして電子書籍全面否定論者ではない。しかし書籍電
子化が進めば、いずれ「物である本」が存亡の危機に瀕するという
強い危機感を抱いている。「電子書籍と紙の本が共存すればいい」
と多くの人が楽観的に考えているが、本づくりの最前線から見ると、
出版・流通という「上部構造」以上に、いま危機に直面しているの
が、薄利多売で「紙の本」を支えている「下部構造」だ。すなわち
製紙・印刷・製本といったインフラ=製造業は、おそらく「紙の本」
が半減してしまえば立ち行かなくなる。
拙著『本は物である』の第二章で詳述したように、「物である本」
は「生態系」とも形容すべき精妙な連携によって支えられている。
そんな製造業の現場では、「職人技の継承」と同時に、それを下支
えする「機械の維持」が切実な問題だ。だが、そんな本づくりのイ
ンフラすべてが、今まさに危機に瀕している。わたしが「物である
本」を強調するのは、単なる「懐古趣味」からではない。「読書」
は、人間の「歴史」と「身体性」に深く根ざす営みだ。「読書」は
本文のテクストtextを視覚的に追うだけの行為にとどまらず、自身
を鳥瞰しながらコンテクストcontext(状況・文脈・背景)を五感
で感受し、自己編集(松岡正剛)していく行為なのだ。
本書は、テクストを「物質=書物」として立ち上げていく「装丁」
というプロセスを切り口に、「物である本」をさまざまな角度から
分析し、書籍電子化を見据えた書物論、出版文化論を試みたもので
ある。「本」や「読書」の「これから」を案ずる方々に、ぜひ手に
とっていただければと願う。
ブログ
http://www.asahi-net.or.jp/~pd4j-ktrg/
『本は物である』桂川 潤 著 新曜社発行(好評発売中)
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1210-8.htm
━━━━━━━【『古本屋ツアーインジャパン2010』】━━━━━
古本屋ツアー・イン・ジャパン2010を振り返って
古本屋ツーリスト 小山力也
今年も後少しで終わりとなってしまったが、一年を改めて振り返
ってみると、やはり古本屋に始まり古本屋に終わる一年であった。
ブログ更新のために訪ねたお店(基本的に新規である)は、12/15
現在で307店、各お店で買った本は598冊。そして調査のために文庫
サイズのノートを七冊使い切った…。このように己の行動を数値化
して見てみると、常識の範囲を大きく逸脱していることが、身に染
みて良く理解出来る。そしてそのツアー先はと言えば、仕事による
出張が少なくなったため、あまり遠くまで足を延ばせなくなってし
まった。一番の遠隔地は北海道・札幌で、南は山口・岩国が限界
(これは両方とも、その少ない仕事での移動である)。その上、四国
・山陰・九州には一歩も踏み込めない体たらく。と言うわけで春先頃
から、自身の力で動くツアーへとシフトしたのだが、やはり中々遠
くには行けず、ブログ名にある“イン・ジャパン”が“イン・関東”
になりつつあったことを、自虐的に自覚しながら、脱却への道を模
索する日々を送っていた…。
ツアーは今年三年目。正確な数は把握していないが、今まででお
よそ千店は訪ねていようか。当然巡れば巡る程、訪ねるべきお店の
数は少なくなって行く。東京在住の私にとっては、その周辺のお店
が一番訪ねやすく、経済的にも負担が少ない。が、神保町・早稲田
・本郷三丁目の古本街を残し、あらかたツアーしてしまった感があ
るので、自然と足を遠くへ向けることが多くなって行くのは必然で
あった。
続きはこちら
http://www.kosho.ne.jp/melma/1012/index-1.html
古本屋ツアー・イン・ジャパン http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/
━━━━【「古本屋名簿 古通手帖2011」当選者発表】━━━━━━
日本古書通信社 『古本屋名簿 古通手帖2011』プレゼント
当選者は下記の方々です。
新潟県 小林様 千葉県 沢株様 神奈川県 尾関様
福岡県 内倉様 東京都 川本様 北海道 近藤様
静岡県 西山様 三重県 鈴木様 徳島県 木村様
大阪府 塩谷様
おめでとうございました。
━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
自著を語る(47)
中野三敏『書誌学談義 江戸の板本』岩波書店
定価 2,940円(税込み)(好評発売中)
http://www.iwanami.co.jp/
編集長登場 第一回 月刊『ちくま』編集長 青木真次
http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/
━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━
12月~1月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001
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次回は2011年1月下旬頃発行です。お楽しみに!
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日本の古本屋メールマガジンその98 2010.12.24
【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
広報部:西村康樹
編集長:藤原栄志郎
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