東京国立博物館 ほか編、日本経済新聞社、1981、183p、21.5x25.5cm
このたび、中華人民共和国政府と中国出土文物展覧工作委員会の格別の御好意により,「中国戦国時代の
雄 中山王国文物展」を開催することになりました。
中華人民共和国では,近年全国各地で重要な古文物の発見が相次いでおりますが,とくに内外の注目を集
めているのが,今回世界にさきがけて日本で初公開されることになった,この戦国時代中山国王墓からの出
土品であります。
本展出品物は,今からおおよそ2,300年前、戦国七雄に伍して約200年にわたり栄えた中山国の, 高度な文
明の存在を証明するに足る学術的, 芸術的資料約19,000点のなかから選りすぐった92件146点であります。
中山国は中国の史書にその名を留めているものの、実態はこれまでほとんど不明でありました。 東アジア
において最も早く文明世界を形成した中国の古代史にもなお空白部分があり、今回中山国王墓の発掘調査に
よってその解明に重要な手がかりが得られたことは、まさに画期的なことであります。
このような特別な展観が実現できますことは, 日中文化交流史上まことに意義深いことであり,われわれ
の深いよろこびとするところであります。
ここに貴重な文化財を日本で初めて公開することを決定された中国側関係各位に深甚な謝意を表し, あわ
せて本展が日中両国の友好促進と学術研究の交流に大きく寄与することを希望してやみません。
1981年3月
東京国立博物館
ほぼ良好 グラシン紙包装にてお届け致します。