阿部光俊 編著、南江堂、1978.7、218p、27cm
編著
阿部光俊 帝京大学整形外科教授
共著
牛込新一郎 聖マリアンナ医科大学病理学助教授
初山泰弘 国立身体障害センター医務課長
荻野幹夫 国立医療センター整形外科部長
立石昭夫 東京大学整形外科助教授
序
1972年1月に雑誌 「整形外科」にカラーの頁が新設され、私が最初にカラーセクション 「整
形外科疾患の定型的組織像」 というタイトルでお引受けすることになった. それから 48回にわ
たり,牛込新一郎助教授,初山泰弘博士, 荻野幹夫博士,立石昭夫助教授ら本書の共著者のご協
力のもとに、毎月掲載し続けた訳であるが、この企画が終りに近づいた頃, 東大の津山直一教授
から、これをまとめて単行本にしたらどうかというお勧めがあり、私もそれが可能ならまとめた
いと思って,南江堂にご相談したところ、快く引受けてくれることになった.
最初は雑誌に掲載したものはそのまま利用して、不足分を補充するつもりだったが準備をして
いるうちに次第に欲がでて、結局はほとんどすべての写真を取り替えることになった.さらに日
常遭遇する疾患を追加して 67 疾患とし、骨、軟骨,筋,神経などの正常像も加えて, 3年越し
にようやく完成した次第である.
臨床家でも組織像が理解できることは,正確な診断をつけるうえで大いに必要なことである
が,従来,整形外科疾患だけを網羅して、初心者でも容易に理解できるカラー図説はなかった。
さらに実際,自分で顕微鏡をみて診断をつけるうえに参考になる本としては定型的な特徴像だけ
ではなく、非定型的な症例や変性,出血などでデフォルメされた像も図示することが必要と考
え,このような意図を満足させるよう心がけた次第である. 一つ残念なことは,骨系統疾患の資
料が集まらずこれを省いたことで,将来もし改訂の機会があれば,このディフェクトを埋めたい
と考えている.
最後に本書の出版に絶大なご援助を戴いた津山直一教授,慈恵医大病理・石川栄世教授,日本
医大老研・金子仁教授,南江堂に感謝するとともに、貴重な資料を提供して戴いた諸施設に深
甚の謝意を表する.
1978年4月6日
帝京大学整形外科教授 阿部 光俊
初版 ビニールカバー 函少ヤケ