『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』宇田智子 |
はじめまして。沖縄にあります「市場の古本屋ウララ」と申します。開店してまだ1年9ヶ月、古書組合には加入しているものの「日本の古本屋」には出品していなくて、沖縄県外の市に参加したのは一度だけ、店にはレジも固定電話もなく、狭いので均一本もなく、もちろん稀覯書もない、このメールマガジンを読んでいる方には怒られそうな古本屋です。
このたび、『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』という本を出版しました。いかにも古本屋の本らしい薀蓄やエスプリはないかわりに、多少は変わった話を書いているかもしれません。 ひとつは、沖縄の出版事情について。 もうひとつは、「那覇の市場」の話です。 市場中央通りはアーケードの下にあり、みんな店の前の道路に棚と椅子を出して路上で店番しています。通行人ともまわりの店の人とも距離が近くて、いろいろなやりとりが生まれます。また、特に沖縄の本を見たお客さまから「それ、うちの父が書いた本だ」「この写真に写っているのは私なの」と声をかけられ、そこから思いがけないお話を聞かせてもらえることもあります。ほんの数分の立ち話からその人だけの言葉や歴史がうかがえるようで、切れぎれのままに書きとめました。 ほかに中国の古書イベント「広州書墟」に参加した話や30年前の市場の写真、那覇の本屋のイラストマップなどのおまけもついています。こんなへんな古本屋もあるのかと、本棚の片隅に差していただけたら、幸いです。
市場の古本屋ウララ http://urarabooks.ti-da.net/ |
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