「『ぴあ』の時代」 思いがけない反響掛尾良夫 |
「『ぴあ』の時代」は1950年生れの矢内廣(ぴあ代表取締役社長)が、中央大学に入学して映画研究会に所属し、大学4年の1972年に『ぴあ』を創刊し、1980年代に50万部を超える情報誌に成長させるまで――創業からの20年、昭和の最後の20年を追ったものだ。
私も矢内と同じ年に生まれ、映画雑誌『キネマ旬報』の編集者として、『ぴあ』創刊後間もないころに矢内と出会った。『ぴあ』には同世代の仲間たちが集まり、取次から相手にされなかった当初は、スタッフがリュックに雑誌を詰めて書店に直販に回った。やがて『ぴあ』は軌道に乗り、「ぴあフィルムフェスティバル」を立ち上げ、チケットぴあを創業することになる。 |
Copyright (c) 2012 東京都古書籍商業協同組合 |