『本屋って何?』を著したわけ
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本屋さん好きは非常に多いようです。でも、そういう人たちにとっても、次のようなことは、意外と知られていないのではないでしょうか。 ・2008年1月にイギリスの『ガーディアン』紙に「世界の本屋さんトップ10」として京都の恵文社一乗寺店が紹介されたこと。 ・明治時代創業の本屋さんのうち、最古が明治2年の丸善で、次が5年の鳥取県米子市の今井書店。同店では、ドイツにある書店員のための学校をモデルにして「本の学校今井ブックセンター」を設立し、現在も書店員対象の研修などをおこなっていること。 ・岩波書店は、創業当初は古本屋さんだったこと。 ・そもそも「本屋」というと、かつては、小売店だけでなく、出版社、印刷所も含まれていたこと。 等々 『本屋って何?』が発売された後、送られて来た読者ハガキには、 mook=magazine+bookであることや、ポップ、ISBNなどの意味がわかってよかったという感想が多く書かれていました。 ですが、私はこの本で、こうしたトリビアを披瀝するつもりはありません。 また、日本はもちろん、世界の本屋さんについても、紙面の許す限りきれいな写真を多く掲載しましたが、本屋さんの写真集にしたつもりもありません。 古代から現代までの本屋さん(出版、印刷)の歴史を、第1章で世界、第2章で日本について、それぞれ体系的に紹介し、第3章で、本の並べ方や棚づくりなど、本屋さんの仕事を俯瞰し、そして第4章では、本屋さんは、「教育のネタの宝庫」であるといった私感を述べました。 もちろん、私がいちばん言いたいのは、第4章! 私はこの本で、より多くの方に本屋さんの知られざる魅力を再確認してもらい、 もっともっと本屋さんを訪れてほしいと思っています。とくに、子どもたちを本屋さん に連れて行ってほしいと。このため、小学生から読めるように、漢字はなるべくひらき、ルビをふりました。 ![]() 『本屋って何?』秋田 喜代美 監修 稲葉 茂勝著 ミネルヴァ書房刊 定価:1,800円+税 好評発売中 https://www.minervashobo.co.jp/book/b202073.html 『もっと知りたい! 本が読者にとどくまで』 |
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