〈未来趣味 増刊 横田順彌追悼号〉紹介日本古典SF研究会会長 北原尚彦 |
横田順彌さんはSF作家であり、かつ明治研究家でした。そして何より、古本が大好きで古書研究家でもありました。 そんな横田さんが、2019年1月に亡くなりました。横田さんを中心に活動してきた日本古典SF研究会の会長をわたくし北原尚彦が務めていた関係で、蔵書の整理や追悼行事を全て率いることになりました。 追悼行事は、10月11日(金)に偲ぶ会を、同日から19日(土)まで東京古書会館で追悼展示を行なうことに決定。そして偲ぶ会当日に配布するために、追悼冊子を製作することも決まりました。それが〈未来趣味 増刊 横田順彌追悼号〉です。 まず、何はなくとも横田さんと交流のあった方々から、追悼のお言葉を頂かねばなりません。ちょっと無理かな、と思われるような方にも、一通りお願いしました。結果的に、予想以上にたくさんの方々から原稿を頂くことができました。これはやはり、横田さんの人徳でしょう。 後半は古典SF研関係の部として、まずは会員からの追悼の言葉を集めました。身近にいた者たちとして、多方面から横田さんの人となりについて証言することができたと思います。 最後に資料として、横田さんが日本SF大賞や日本推理作家協会賞を受賞した際の言葉や選評など。そして追悼冊子には欠かせない、著作目録。最初は全著作の書影と目録のどちらかをという話だったのに、結局は両方になってしまいました。しかも書影はせっかくだから巻頭にカラーで載せよう、それなら横田さんのアルバムから色々な写真も載せよう……と、てんこ盛りになっていきました。 しかも編集作業の末期になって、横田さんの『近代日本奇想小説史 明治篇』を編集した川村伸秀氏から、横田さんが自作について語ったインタビューがあることを聞き、それも急遽収録させてもらうことにしました。 そのおかげで、270ページの「冊子」と呼んでいいのか分からない、(自分たちで言うのもなんですが)立派なものができあがりました。「こんなことがやりたいよね」「あんなことができたらいいよね」ということは、ほぼ全てやり尽くしました。
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