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クラシック音楽と日本の歴史「ミハイル・グリゴーリエフの物語」2022夏公演

クラシック音楽と日本の歴史「ミハイル・グリゴーリエフの物語」2022夏公演

李めぐみ(Alacrity Inc. CEO)

 

「新発掘100年!」
~埋もれていた歴史のStoryが今よみがえる~
クラシック音楽と日本の歴史「ミハイル・グリゴーリエフの物語」2022夏公演

Classical Musicと
Human Storyから
日本の歴史が見えてくる

本コンサートは、1920年にロシアから日本へ亡命し、西洋音楽が縁で日本人女性と結ばれたロシア人「ミハイル・グリゴーリエフの物語」をこの時代からラジオの普及により日本でポピュラーミュージックとなっていったクラシック音楽とともに演奏家が「語り、奏でる。」

コンサート概要

新たなグローバル文化の波 —「大正モダン」(大正~昭和初期)
 西洋化が急速に推し進められた明治の日本において、西洋クラシック音楽の役割は極めて大きかった。近代音楽教育が始まり、日本の音楽家養成を担う「外国人教師」たちが、ドイツ、オーストリアを中心とした欧米諸国から次々に招かれ、一気に西洋音楽への門戸は開かれた。とはいえ、初めは一般の日本の人々にとって、それは縁遠いもので、時折行われるようになった演奏会も、外国人教師ら一部の専門家のみを対象としていた。ところが、徐々に日本人演奏家が増えるとともに、西洋音楽は観客の裾野を広げ、やがて人々の生活の一部として定着していく。それにともない、もっぱらドイツ音楽が中心となっていた日本の音楽文化にも、新たな「グローバル文化の波」がやってくる。・・・

 明治末期から大正にかけての日本では、ドイツ、オーストリアだけでなく、フランスやロシアなど、ヨーロッパ各国の音楽が広く聴かれるようになっていった。それは、大正に入ると日本でもレコード制作が始まり、ラジオ放送もスタートしたことで、より多くの人々が、より手軽に幅広い音楽に触れることができるようになったからである。これにともない、ハイフェッツ、クライスラー、エルマン、ルービンシュタインといった、欧米のトップレベルの演奏家たちがわざわざ来日し演奏会を行った。やがて時代が進むにつれ、日本からもより多くの学生たちが、西洋音楽を学ぶべくヨーロッパやアメリカへと渡るようになったが、この時期に数多く育った日本を代表する作曲家たちは、西洋的なものを積極的に取り入れ、和洋折衷文化が花開いた大正モダン・昭和モダンの時代を象徴する存在となっていった。

 本コンサートシリーズ「クラシック音楽と日本の歴史」第1回目の公演では、このような大正から昭和初期の「新たなグローバル文化の波」の中で、当時の人々が日々のくらしの中で親しんだ作品、欧米から来日した演奏家たちがレコード制作や演奏会で披露した作品、そしてこの時代の日本を代表するバイオリニストであり女性作曲家である幸田 延の作品の演奏と共に、同時代にロシアから日本へ亡命し、西洋音楽が縁で日本人女性と結ばれたロシア人「ミハイル・グリゴーリエフの物語」を語る。 李めぐみ

歴史概要

 100年前革命期のロシアで、⽇本陸軍のための通訳として活躍した若き将校ミハイル・グリゴーリエフは、その任務の特殊性ゆえに国を追われ日本へと渡った。時は1920年。かつて学んだ「音楽」を生活の糧とし、懸命に毎日を生きた彼は、その音楽が縁で、日本人女性・荒川綾と出会い結ばれる。華やかな西洋文化があふれ始めた東京で不自由なく青春を謳歌し、初めて触れる西洋音楽に胸をときめかせていた綾との結婚は、グリゴーリエフの人生を大きく動かすこととなった。裕福な実力者であった綾の父親の芸術への深い理解と支援を得て、グリゴーリエフは、自らの文学への情熱と学問の喜びを臆することなく深めた。さらに、綾の義兄で詩人の川路柳虹との出会いは、やがてグリゴーリエフを東京の文化芸術人サークルの中心へと導いたのである。そのなかにあって、彼にとっての音楽は、やがて生活の糧から、故郷ロシアへの強い思いを癒す薬のような存在となったが、その活動は、日本の人々の生活に小さいながらも着実な足跡を残していった—たとえば、政治思想家丸⼭眞男が、少年時代に通った映画館「新宿武蔵野館」で、グリゴーリエフ指揮による生オーケストラ演奏に親しんだのがきっかけで、⽣涯クラシック⾳楽を愛好するようになったように・・・

 時代はやがて大きくうねり、穏やかだった二人の生活もまた一変する。日本社会に根ざしてきたグリゴーリエフの心は、より故郷ロシアを追い求める一方、急激に進む国際化の波にのまれた綾は、生まれて初めて、日本人としての自分を深く意識せざるを得ない状況に直面する。すれ違いながらも、離れることができなかった彼らの“かすがい“は、西洋と東洋両方の文化を背負った二人の娘たちだったが、今にも崩れそうな夫婦の関係が、かろうじて娘たちに気取られることがなかったのは、グリゴーリエフが娘たちとともに、音楽を日々の生活にあふれさせていたからかもしれない。

 異国人同士の結婚はまだそれほど多くはなかった時代に、それでも“ごく普通の”夫婦として生きたロシア人青年と日本人女性。そんな二人の生活に寄り添い続けた「西洋クラシック音楽」と、日本のグローバル文化の発展に影響を与えた文化人たちの物語から、日本に西洋文化が取り入れられてきた歴史をたどる。 歴史研究家 榊原小葉子

 
 
 
新たな「体験」と「体感」を創造する
ニューヨーク、ベルリン、サンフランシスコ、東京を拠点に活躍する「音楽家」と「歴史家」、「脚本家」がコラボレーション!クラシック音楽と日本の歴史を新たなアプローチとコンセプトでお届けします。

GLOBAL COLLABORATORS
芸術監督: マリ・リー (New York)
音楽アドバイザー: 薗田奈緒子(Berlin)
歴史家: 榊原小葉子 (San Francisco)
脚本家: 神里雄大(Tokyo)
語り指導: 葉月のりこ(Tokyo)
企画/制作/構成: Alacrity Inc.

出演
Violin: マリ・リー
Piano: 薗田奈緒子
Narration: マリ・リー(綾) / 薗田奈緒子(グリゴーリエフ)

【公演情報】
「クラシック音楽と日本の歴史」Vol. 1 – The Russians
Violin & Piano Duo ~ 歴史‟Story”
「ミハイル・グリゴーリエフの物語」
ロシア人‟グリゴーリエフ”と日本人‟綾”
───異国の地で気づいた互いの「Identity」と「愛」との葛藤

YouTube/アーカイブ動画(2021/07/22)
https://youtu.be/z1UzBeVpJ18

YouTube/告知動画#3
https://youtu.be/O1RXEStREWU

 

日時: 2022/07/30(土) 19:00(18:30開場)
会場: MUSICASA 東京/代々木上原

日時: 2022/07/31(日) 15:30(15:00開場)
会場: やなか音楽ホール 東京/西日暮里

日時: 2022/08/03(水) 19:00(18:30開場)
会場: あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール 大阪/梅田

一般販売(全席自由)
一般:/¥4,800 学生/¥2,400

【お問合せ先】Alacrity Inc.
WEB: https://alacrity.jp/
E-mail: music@alacrity.jp
TEL: 03 5408 9755

Copyright (c) 2022 東京都古書籍商業協同組合

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