本とエハガキ① エハガキを買って集める歴史小林昌樹 |
エハガキを集める趣味 それまでヤフーオークション(以下、ヤフオク)でちらほら見かけていたのだが、2006年ごろ、本についてのエハガキを集めたら面白いだろうと気付いた。 写真の戦前エハガキは自由に使える ちなみにエハガキは、絵画のはがきと、写真のはがきに分けられるが、私の場合、史料としてのエハガキに興味があるので写真エハガキを中心に話したい。写真エハガキの場合、1956(昭和31)年までに公表された写真の著作権は現在、すべて消滅しているので、ネットでの 買って集める 本のエハガキを紹介する前に、エハガキ自体の歴史、それもエハガキを買って集める趣味のことを極く簡単にエハガキで説明する。
エハガキを「読む」 せっかくなのでこのエハガキを細かく読んでみよう。 エハガキの発行年は印字されないが 日本のエハガキは発行年がわからないことになっている。 絵葉書屋という業種 【図1-1】は官製エハガキの発売風景だったので郵便局でそれが買えたことが一目瞭然である。それに対して私製エハガキは、もちろん小間物屋でも買えたろうが、戦前は「絵葉書屋」という専門店が成立していた。 年代はにわかには判らない。自転車が映り込んでいることから大正期のような気がするが、こういう場合には裏(正式には表面)を見ることになっている。 【図1-2b】は「横浜伊勢崎町通」表面だ。残念ながら消印の年月が読めない。また貼付された切手、一銭五厘は1899年から1932年のはがき料金だったので年代が広すぎる。そこで
絵葉書屋とは 適宜写真を取り、エハガキに仕立て売り出す「絵葉書屋」という職種があった。各種百科 【図1-3】は仙台名所エハガキの一枚「東一番町の賑ひ」だが、左に大きく絵葉書屋が映り込んでいる。看板を読むと、こんな感じだ。「人物並景色/出張撮影御依頼ニ応ス/佐藤絵葉書店/写真部」「陸軍御用/仙台写真版印刷所/佐藤絵葉書店」。 表面の形式はパターンcで、1918〜1933年のエハガキだが、往来の人物の服装や傘の形から、なんとなく、大正期のように思われる。佐藤絵葉書店は明治末から佐藤徹二によって経営されていたようだ(『仙台市案内』大内励三、1911)。 様々なところで売られたエハガキ しかし、絵葉書店でだけエハガキは売られたわけでもなかった。もう二枚ほど紹介する。
スキャンしたものを拡大してみると【図1-4b】、縦5枚、横7枚で並べられているエハガキ掛けを立ち見している人がいるのがわかる。 【図1-5】は川越で「エハガキとレターペーパー」を売っていた「早川アサヒ堂」が真ん中に映り込んでいる。表面の形式はパターンcだが、キャプションから川越に市制が施行された1922(大正11)年に発行されたことが判る。このエハガキは「(早川アサヒ堂発行)」と
エハガキの本 エハガキの歴史について、いくつか文献を紹介する。 日本の写真エハガキについては、あまり有名でないが、次の展覧会図録がいちばん視野が 次の本はコレクターによる絵のエハガキを含めた全体のカタログ的解説。 エハガキ収集の超略史 本の収集史に興味がある延長線上で、エハガキ収集史にも興味がある。最初の大ブームが 戦前は絵葉書屋があってエハガキを買えたし、明治期には『ハガキ文学』『絵葉書世界』といった専門雑誌があって、それで連絡をとりコレクターが交換をしていたようだ(『巷の目撃者』参照)。この時代のことは残された専門雑誌などをこれから総覧すれば追々わかることだろう。その後は「趣味誌」をたどらねばならないが、これもまた散逸が激しい。 エハガキ収集趣味が途絶えたのは戦中期のことと思われる。これはあらゆる趣味が中断したからと考えてよいが、戦後途絶えてしまったようだ。戦前エハガキの主題の広さ――ほぼありとあらゆる事柄が絵になり写真になりしている――は戦後、復活しなかった。大正期から写真画報類が流通しはじめ、ビジュアル資料のニーズがそちらへ奪われたからかもしれない。 実は戦中期、明治新聞雑誌文庫を創った宮武外骨が膨大な枚数のエハガキを集め、それから選りすぐった2万8千枚を230冊のアルバムに編成したが(金丸弘美編『宮武外骨絵葉書コレクション』無明舎出版、1997)、これも氷山の一角ということになる。 小森孝之『絵葉書:明治・大正・昭和』(国書刊行会、1978)といった先駆例はあるが、おそらく1970年代が古エハガキがいちばん価値が落ちていた時代と思われる。箱一つ分でもさして古書価が付かなかったとどこかで読んだ憶えがある。これは絵画エハガキを中心にしたものだが、フランス人のフィリップ・バロスによるエハガキ展覧会が1992年にそごう美術館で開催され、エハガキの再評価につながったようだ(そごう美術館編『絵はがき芸術の愉しみ展:忘れられていた小さな絵 フィリップ・バロスコレクション』朝日新聞社、1992)。 趣味団体、日本絵葉書会ができたのが2002年のことだった。 |
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破棄する前に2
色川大吉氏と『宮澤賢治名作選』
福島県立図書館
たゆまぬ収集と情報発信の歩み【書庫拝見32】
福島県立図書館 たゆまぬ収集と情報発信の歩み南陀楼綾繁 |
暑さがやっと和らいだ2024年10月3日の朝、福島市に着いた。
まず訪れたのは、〈本と喫茶 コトウ〉だ。店主の小島雄次さんとは開業前からの知り合いである。 2017年に別の場所に店舗を開いたが、今年9月末に県庁通りに移転した。老舗眼鏡店、 レコード店、ギャラリー、食堂などが入るビルの2階で、元は花屋だった場所。開店から1週間も経っていないのに、もう何年もこの場にあったようになじんでいた。 そこからバスに乗り、「県立美術館入口」という停留所で降りる。2分ほど歩くと、左手に福島県立美術館、右手に福島県立図書館が見えてくる。遠目にもかなり大きな建物なのが判る。
福島県立図書館では2011年3月11日の地震で壁面の強化ガラスが崩壊し、利用者と職員が避難した。その後、復旧作業を行いながら、移動図書館専用の図書を県内の自治体に提供した。また、ライフラインや避難所の情報をサイトにアップした。 翌月には震災関連の資料を集める方針を立てて収集を始め、2012年4月に「東日本大震災 福島県復興ライブラリー」として「地震・津波」、「福島第一原発事故」、「メディア・ 福島第一原発の事故により全町避難した浜通り(沿岸部)にあった図書館4館のうち、 あづま号が地域をつなぐ 同館にはこれまで2度ほど訪れているが、郷土資料の充実ぶりには驚かされてきた。 最新号の第64号(2024年3月)では、前号に続き、「福島県関係書誌の紹介 主題編 距離の遠さをカバーするために生まれたのが、移動図書館「あづま号」だ。1954年から また、地域行政資料も積極的に収集する。 朝河貫一と図書館 同館の歴史については、あとで触れるが、現在の館は1984年7月に、福島大学経済学部の では、いよいよ書庫に入っていこう。 朝河貫一は1873年(明治6)、二本松市に生まれた歴史学者。福島尋常中学校では特待生となった。 東京専門学校(現・早稲田大学)卒業後、アメリカのダートマス大学に留学。のちイェール大学の歴史学講師となる。それとともに、同大学の東アジア図書館部長となり、日本における日本関係図書の収集に尽力する。日本に帰国していた1年半の間に、イェール大学図書館と 「歴史・文学・経済方面では、東大史料編纂所・国書刊行会・吉川弘文館発行の叢書類は必ずこれを買い求め、その他、古書店や所有者から求めた資料・図書も多く、また筆写を依頼して作った写本も少なくなかった。さらに幾度か関西方面への収集旅行を重ね、すでに絶版になった稀覯本や未刊資料などを入手するため、かなりの苦心を払ったということだった」(『最後の「日本人」』) このように、朝河はアメリカの図書館で日本学の資料を充実させた恩人だった。 記録魔だった朝河は、自筆かタイプで作成された書簡の控えを残していた。なかでも重要なのが、「天皇宛大統領親書案」の控えだ。 朝河は1941年(昭和16)の日米開戦に際して、ルーズベルト大統領から天皇に送る親書の案を書いた。実際に親書は送られたが、その文章は朝河の案から大きく変えられており、日米はもう戦争状態に入っていた。 同館では、1984年の移転開館時に「朝河貫一博士展 福島と二つの祖国」を開催。 会津暦と養蚕 次に、メインの書庫に案内していただく。1フロアなので、とにかく広い。同じサイズの 窓際に並ぶファイルケースには地域資料のうち、古文書などが収まっている。そのなかにあったのが「会津暦」だ。江戸時代、会津若松にある諏訪神社で発行した暦が、北関東や
戦争文献の佐藤文庫 さらに奥に行くと、特殊文庫が並ぶ一角がある。 佐藤が少年の頃、乃木希典大将が陸軍大演習のために来県し、佐藤家に宿泊したことが このコレクションが同館に寄託されたのは1961年で、当時館長だった桑原善作からの 佐藤文庫には、源平合戦からベトナム戦争までに関する国内の刊行物だけでなく、英・独・仏・露などの書籍、雑誌があり、新聞、号外、錦絵、写真帖、画帖などと幅広い。 佐藤文庫の名前が知られるようになったのは、日清戦争100周年に当たる1994年だった。同文庫所蔵の旧陸軍参謀本部編纂の『明治二十七八年日清戦史』の稿本を調べた歴史学者の
詩人が遺したもの 特殊文庫で最近受け入れられたのが、「長田弘文庫」だ。 海外文学の棚には、カフカ、ブレヒト、ベンヤミンなど、影響を受けたであろう作家の 詩人と云えば、同館には「福島県詩人文庫」もある。 乱歩が通った図書館 書庫の見学と資料の閲覧に時間がかかり、同館を出た頃にはすっかり暗くなっていた。 『駱駝の瘤 通信』という雑誌に掲載された菅野俊之「螺旋階梯の図書館と乱歩」という 同文によれば、江戸川乱歩は1945年(昭和20)6月に、縁故を頼り、福島県の伊達郡 「乱歩は体調を崩していたが少し落ち着くと、近世の同性愛伝説として有名な湘南江の島
福島市に最初に図書館ができたのは、1908年(明治41)開館の福島市立図書館だった。 同館は1958年、松木町の現在、福島市立図書館がある場所に移転・開館。鉄筋コンクリート造3階建てで、書庫は5層あった。『福島県立図書館50年誌』は、「当時としては東北一の図書館と誇れるものであった」と記している。 東京に戻ってからも、菅野さんからはメールや手紙で多くのことを教わった。同館退職後も、『ふくしまと文豪たち』(歴史春秋出版)や編著『福島県関係書誌の書誌』(工房ポチ&アプリコット)を刊行し、地元の歴史や文学を探究している。 菅野さんら過去の、そして現在の職員が地道に郷土資料を集め、整理し、発信することで、いまの福島県立図書館はある。 1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。 X(旧Twitter) |
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2025年1月10日 第410号
。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
古書市&古本まつり 第144号
。.☆.:* 通巻410・1月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。
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━━━━【大阪の古本屋 百年の歴史を探る
『大阪古書組合百年史』発行のお知らせ】━━━━━━━
大阪府古書籍商業協同組合は、1924年7月26日に大阪市中央公会堂
にて発足式を行い、昨年7月26日に創立100周年を迎えました。
100周年記念事業の一環として2025年2月1日に『大阪古書組合
百年史』を刊行いたします。ただ今予約販売を承っておりますので、
ぜひ多くの皆さまに覧いただければ幸いです。
詳細は大阪古書組合のホームページをご確認ください。
書名:『大阪古書組合百年史』 創立百周年記念誌
発行元:大阪府古書籍商業協同組合
判型/ページ数:A5判/746頁※限定1,000部
販売価格:8,000円(税込)
予約限定価格7,200円(税込)送料600円
予約期間:令和7年1月1日~1月31日まで
令和7年1月1日より予約受付開始
https://www.osaka-kosho.net/news/2027/
━━━━━━━━━━【新シリーズ 本とエハガキ】━━━━━━━━━━
本とエハガキ(1)
エハガキを買って集める歴史
小林昌樹
■エハガキを集める趣味
それまでヤフーオークション(以下、ヤフオク)でちらほら見かけていたのだが、
2006年ごろ、本についてのエハガキを集めたら面白いだろうと気付いた。
ちょうどその頃にヤフオクで「簡単決済」というヤフオクが代行で支払いを
済ませてくれるシステムが導入され、お金のやりとりが簡単になったことも
大きなきっかけである。
本自体を写したエハガキ、本屋開店の記念エハガキ、図書館開館記念エハガキ、
ただ本を読んでいるだけの姿を写したエハガキなどなど、数千枚集まったので
何回かにわけてちょっとみなさんに紹介しようと思う。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18994
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━━━━━━━━━━【シリーズ書庫拝見32】━━━━━━━━━━
福島県立図書館 たゆまぬ収集と情報発信の歩み
南陀楼綾繁
暑さがやっと和らいだ2024年10月3日の朝、福島市に着いた。
まず訪れたのは、〈本と喫茶 コトウ〉だ。店主の小島雄次さんとは
開業前からの知り合いである。
2017年に別の場所に店舗を開いたが、今年9月末に県庁通りに移転した。
老舗眼鏡店、レコード店、ギャラリー、食堂などが入るビルの2階で、元は
花屋だった場所。開店から1週間も経っていないのに、もう何年もこの場に
あったようになじんでいた。
そこからバスに乗り、「県立美術館入口」という停留所で降りる。2分ほど
歩くと、左手に福島県立美術館、右手に福島県立図書館が見えてくる。
遠目にもかなり大きな建物なのが判る。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18839
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」
の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、
編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。
X(旧Twitter)
https://twitter.com/kawasusu
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━━━━【『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』(皓星社)
刊行記念トークイベント 開催のお知らせ】━━━━━━━
「日本の古本屋メールマガジン」連載をまとめた『書庫をあるく』の刊行を
記念して、著者の南陀楼綾繁さんと、日本近代文学館で2024年秋の特別展
「編集者かく戦へり」の編集委員をつとめた評論家の武藤康史さんが、図書館・
文学館・資料館の「書庫」に潜る楽しさや、文庫・コレクションなど特殊な
蔵書の魅力を語り合います。
古本好きの方々も図書館に駆け付けたくなるはず!
《出 演》南陀楼綾繁:ライター・編集者
武藤康史:評論家
《日 時》2025年2月8日(土)14〜16時
《会 場》東京古書会館7階会議室 千代田区神田小川町3-22
《参加費》参加無料
《定 員》60名※定員に達し次第、締め切りさせていただきます
《お申し込み》https://forms.gle/hNiCFBCxCYJSmgJt7
《お問合せ》皓星社お問合せフォームよりお送りください
《主 催》株式会社 皓星社
詳細はこちら https://libro-koseisha.co.jp/info/20241225/
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━━━━━━━━━━【シリーズ古書の世界】━━━━━━━━━━
破棄する前に2
色川大吉氏と『宮澤賢治名作選』
三昧堂(古本愛好家)
前回取り上げた恩田逸夫と小沢俊郎氏に続き、同じく戦場・軍隊から大学に
復学した研究者の宮沢賢治との関りについて続けたい。
日本近代史・思想史研究者色川大吉氏の『わだつみの友へ』(同時代ライブ
ラリー164、1993)は、学徒出陣から復学した当時の若者・研究者の心情を伝える
名著である。しかも宮澤賢治が当時彼らにどう読まれていたかもわかって興味深い。
色川氏は昭和19年夏、大学に籍をおいたまま海軍に入隊し、土浦航空隊に配属に
なる。その入隊前に読んでいた本について、同書の「汚辱の時代」に書いている。
「入隊の直前まで、私たちがどんな本を読んでいたか。日記から拾ってゆくと慄然とする。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18389
※シリーズ古書の世界「破棄する前に」は随時掲載いたします。
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━━━━━━━━━【書影から探せる書籍リスト】━━━━━━━━━
「日本の古本屋」で販売している書籍を、テーマを深掘りして書影から
探せるページをリリースしました。「日本の古本屋」には他のWebサイト
には無い書籍がたくさんあります。ぜひ気になるテーマから書籍を探して
みてください。
「日本の古本屋」書影から探せる書籍リスト
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13964
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━━━━━【1月10日~2月15日までの全国即売展情報】━━━━━
⇒https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
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TOKYO BOOK PARK 吉祥寺(1階エントランス)
期間:2024/12/28~2025/01/26
場所:吉祥寺パルコ1階エントランス 武蔵野市吉祥寺本町1-5-1
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TOKYO BOOK PARK 吉祥寺(2階会場)
期間:2024/12/28~2025/01/13
場所:吉祥寺パルコ2階 武蔵野市吉祥寺本町1-5-1
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立川フロム古書市
期間:2025/01/05~2025/01/16
場所:フロム中武 3階バッシュルーム(北階段際)
立川駅北口徒歩5分 ビッグカメラ隣
URL:https://mineruba.bookmarks.jp/saiji.htm
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第53回 古本浪漫洲 Part.1
期間:2025/01/09~2025/01/11
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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東京愛書会
期間:2025/01/10~2025/01/11
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/
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イービーンズ 古本まつり
期間:2025/01/10~2025/02/16
場所:イービーンズ 9F杜のイベントホール
URL:https://www.e-beans.jp/event/event-14922/
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オールデイズクラブ古書即売会
期間:2025/01/10~2025/01/12
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12
URL:https://hon-ya.net/
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アクロスモール新鎌ヶ谷古本市
期間:2025/01/10~2025/01/26
場所:アクロスモール新鎌ヶ谷
1F中央エレベーター前&中央エスカレーター前
千葉県鎌ケ谷市新鎌ヶ谷2-12-1
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大均一祭
期間:2025/01/11~2025/01/13
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=622
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第8回ジュンク堂新春古書展
期間:2025/01/11~2025/02/11
場所:ジュンク堂書店那覇店1F レジカウンター横
沖縄県那覇市牧志1-19-29
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第10回 昆陽古本まつり
期間:2025/01/11~2025/01/19
場所:イズミヤショッピングセンター昆陽 2階催事場
兵庫県伊丹市池尻1-1
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第53回 古本浪漫洲 Part.2
期間:2025/01/12~2025/01/14
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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第53回 古本浪漫洲 Part.3
期間:2025/01/15~2025/01/17
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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さんちか古書大即売会
期間:2025/01/16~2025/01/21
場所:神戸三宮 3番街さんちかホール
URL:https://hyogo-kosho.com/
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フジサワ古書フェア
期間:2025/01/16~2025/02/12
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場 JR藤沢駅南口・フジサワ名店ビル4階
URL:https://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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フルホンニュー天神西通り古本まつり
期間:2025/01/16~2025/01/27
場所:ジュンク堂書店福岡店 2階 MARUZENギャラリー
福岡県福岡市中央区大名1丁目15-1 天神西通りスクエア
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趣味の古書展
期間:2025/01/17~2025/01/18
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:https://www.kosho.tokyo
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萬書百景市 in 高円寺
期間:2025/01/17~2025/01/19
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=1179
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第53回 古本浪漫洲 Part.4
期間:2025/01/18~2025/01/20
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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第53回 古本浪漫洲 Part.5(300円均一)
期間:2025/01/21~2025/01/22
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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浦和宿古本いち
期間:2025/01/23~2025/01/26
場所:さくら草通り(JR浦和駅西口 徒歩5分 マツモトキヨシ前)
URL:https://twitter.com/urawajuku
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和洋会古書展
期間:2025/01/24~2025/01/25
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=562
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中央線古書展
期間:2025/01/25~2025/01/26
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=574
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第34回紙屋町シャレオ古本まつり
期間:2025/01/25~2025/02/02
場所:広島市中区紙屋町シャレオ中央広場
URL:https://twitter.com/koshohiroshima
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西部古書展書心会
期間:2025/01/31~2025/02/02
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=563
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港北古書フェア
期間:2025/02/01~2025/02/15
場所:有隣堂センター南駅店店頭(ワゴン販売)
横浜市営地下鉄 センター南駅より徒歩1分
URL:https://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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フィールズ南柏 古本市
期間:2025/02/07~2025/02/27
場所:フィールズ南柏 モール2 2階催事場
柏市南柏中央6-7(JR南柏駅東口すぐ)
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杉並書友会
期間:2025/02/08~2025/02/09
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=619
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2024年12月25日 第409号
。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
。.☆.:* その409 12月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.『蔵書になる喜びと責任』
(「書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力」)
南陀楼綾繁
2.『張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説』
山際明利(苫小牧工業高等専門学校教授)
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━━━━━━━━━━【自著を語る(335)】━━━━━━━━━━
『蔵書になる喜びと責任』
(「書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力」)
南陀楼綾繁
今月半ばに『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』(皓星社)を刊行した。
「日本の古本屋メールマガジン」で現在も連載中の「書庫拝見」より、その
前半に掲載した記事を収録したものだ。
本書では、15の図書館・文学館・資料館を取材している。全体を3章に分けた。
《地域の知を育てる》には、県立長野図書館、伊那市創造館、宮城県図書館、
長岡市立中央図書館・文書資料室、釧路市中央図書館・釧路文学館が登場。
《遺された本を受け継ぐ》には、東洋文庫、国立映画アーカイブ、草森紳一蔵書、
大宅壮一文庫、遅筆堂文庫が登場。
《本を未来へ》国立ハンセン病資料館、長島愛生園神谷書庫、大島青松園、
新潮社資料室、日本近代文学館が登場する。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18740
『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』
南陀楼綾繁 著
皓星社 刊
2,530円(税込)
ISBN:978-4-7744-0840-8
好評発売中!
https://libro-koseisha.co.jp/history_culture/978-4-7744-0840-8/
━━━━━━━━【大学出版へのいざない25 最終回】━━━━━━━
『張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説』
山際明利(苫小牧工業高等専門学校教授)
張載(横渠先生)は北宋の儒者。日本人にとっては終戦の詔勅に使われた
「万世の為に太平を開く」という言葉(『張子語録』)によって親しい思想家です。
先ごろ(2020年)生誕一千年を迎えました。本書は張載の人物、思想、影響に
ついて探求した、史上初の日本語の専著です。
張載は一般に朱子学の先駆者として知られますが、その思想内容について
仔細に検討すると、単に「朱子に影響を与えた人」というだけでは済まない、
独特な個性が明らかになってきます。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18509
張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説
山際明利 著
北海道大学出版会 刊
11,000円(税込)
ISBN:978-4-8329-6899-8(Cコード:3010)
好評発売中!
https://www.hup.gr.jp/items/92342089
※「大学出版へのいざない」は今回が最終回です。
ご愛読ありがとうございました。
━━━━【『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』(皓星社)
刊行記念トークイベント 開催のお知らせ】━━━━━━━
「日本の古本屋メールマガジン」連載をまとめた『書庫をあるく』の刊行を
記念して、著者の南陀楼綾繁さんと、日本近代文学館で2024年秋の特別展
「編集者かく戦へり」の編集委員をつとめた評論家の武藤康史さんが、図書館・
文学館・資料館の「書庫」に潜る楽しさや、文庫・コレクションなど特殊な
蔵書の魅力を語り合います。
古本好きの方々も図書館に駆け付けたくなるはず!
《出 演》南陀楼綾繁:ライター・編集者
武藤康史:評論家
《日 時》2025年2月8日(土)14〜16時
《会 場》東京古書会館7階会議室 千代田区神田小川町3-22
《参加費》参加無料
《定 員》60名※定員に達し次第、締め切りさせていただきます
《お申し込み》https://forms.gle/hNiCFBCxCYJSmgJt7
《お問合せ》皓星社お問合せフォームよりお送りください
《主 催》株式会社 皓星社
詳細はこちら https://libro-koseisha.co.jp/info/20241225/
━━━━━━━━━【書影から探せる書籍リスト】━━━━━━━━━
「日本の古本屋」で販売している書籍を、テーマを深掘りして書影から
探せるページをリリースしました。「日本の古本屋」には他のWebサイト
には無い書籍がたくさんあります。ぜひ気になるテーマから書籍を探して
みてください。
「日本の古本屋」書影から探せる書籍リスト
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13964
━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━━
書名:『大阪古書組合百年史』 創立百周年記念誌
発行元:大阪府古書籍商業協同組合
判型/ページ数:A5判/746頁※限定1,000部
販売価格:8,000円(税込)
予約限定価格7,200円(税込)送料600円
予約期間:令和7年1月1日~1月31日まで
令和7年1月1日より予約受付開始
https://www.osaka-kosho.net/news/2027/
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「古本屋ツアー・イン・ジャパン 2024年総決算報告(仮題)」
古本屋ツアーインジャパン 小山力也
http://furuhonya-tour.seesaa.net/
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━━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━━
2024年12月~2025年1月の即売展情報
⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
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次回は2025年1月中旬頃発行です。お楽しみに!
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全古書連は全国古書籍商組合連合会(約2,000店加盟)の略称です
https://www.kosho.or.jp/buyer/list.php?mode=from_banner
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日本の古本屋メールマガジン その409・12月25日
【発行】
東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋」事業部
東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
URL https://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部・編集長:藤原栄志郎
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・メールマガジンの内容に対するご意見、ご感想は
melma@kosho.ne.jp までお願い致します。
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いたします。なお、ご質問の内容によりましては、返信が大幅に
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『張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説』
『張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説』
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張載(横渠先生)は北宋の儒者。日本人にとっては終戦の詔勅に使われた「万世の為に太平を開く」という言葉(『張子語録』)によって親しい思想家です。先ごろ(2020年)生誕
一千年を迎えました。本書は張載の人物、思想、影響について探求した、史上初の日本語の 専著です。 張載は一般に朱子学の先駆者として知られますが、その思想内容について仔細に検討すると、単に「朱子に影響を与えた人」というだけでは済まない、独特な個性が明らかになってきます。島田虔次先生は一方では「張載の思想は朱子学に吸収されてしまった」(『中国革命の先駆者たち』)と述べつつ、他方では「中国に於ける最も傑出した唯物論哲学者」(「中国 近世の主観唯心論について」)と評価されました。多様な解釈を許容する単純ではない思想の真面目に迫るべく、長年継続してきた研究の成果を纏めたのが本書です。 張載はしばしば「気の思想家」と呼ばれますが、しかし張載は気の本体として太虚という 概念を唱え、修養の目的を虚と一体化することに置きました。虚の顕現が天地という世界で あり、聖人とは天人合一の境地に至った人ということになります。張載の思想はむしろ「虚の 思想」と呼ぶべきものだと言って良いでしょう。 朱子は張載の「一気の聚散による万物の生滅」という観念に大きな影響を受けましたが、 万物の本体には張載の「虚」ではなく二程子の「理」を据えて理気哲学を構築しました。換言すれば、張載の虚気渾然の哲学から虚の要素を排除して理気一貫の哲学に作りかえました。 朱子は張載思想の影響を受けつつその核心部分を排除したことになるわけですが、反面から言えば、世界を解釈するための思考の具として大々的に張載の思想を取り入れたことにもなります。 朱子に排除された虚気渾然の思想は、しかし忘れ去られることなく宋明理学思想に影響を 与え続けました。良知を説く王陽明の論理には張載の太虚説との強い類似が見られます。影響関係と見なすのは早計かもしれませんが、両者に共通する思考の基盤があったことは間違いないでしょう。 上記の論点それぞれについては既に先学の研究業績が存在します。本書は特に楠本正継 『宋明時代儒学思想の研究』(広池学園事業部、昭和37年)から大きな恩恵を受けました。 しかしこれらの論点を綜合して張載思想の全体像を描き出した日本語の著述は本書が史上初めてのものとなります。特に『大学』の「格物」に対する張載の解釈が近世儒学思想に長く影響した可能性があること、また張載および張載の門弟、呂大臨の人間観が、朱子学官学化の背後にあって儒学思想に連綿と影響し続けたことなどを明らかにしたのは本書の重要な特色です。 さらに中国共産党指導部による張載への言及を分析し、現代中国の政治思想状況を宋代の政治思想状況との相似形で捉えるという観点を提示しました。いわば一千年の時を経て「朱子学にも、陽明学にも、習政権にも影響を与え続ける哲学者」の面目を明らかにしたのは世界に先駆ける本書の特色と申されましょう。 本書は博士論文の書籍化であり、既発表の論文を用いて構成した箇所が多いのですが、纏めるに当っては全て一から見直しました。その結果、参考文献一覧に思いがけず多数の書籍名を掲出する必要が生じ、印刷物としての書籍を手許に置いておくことの重要性を再認識しました。三島復『王陽明の哲学』(大岡山書店、昭和17年版)を掲出した際には、かつて何の気なしに古書店で入手した本に今お世話になること、また三島復の父、三島中洲に関して先師松川健二の論著に『山田方谷から三島中洲へ』(明徳出版社、平成20年)があることを思い、何か書籍との奇縁といったことを感じたものです。 筆者は平成11年、文部省(当時)在外研究員に採用され、北京市清華大学に滞在しました。同年秋、張載の故地である陝西省郿県横渠鎮で開催された国際学会に出席して口頭発表を行ない、張載墓、張載祠(横渠書院)を見学しました。学会で荻生徂徠の第九代後裔、荻生茂博先生と面識を得ましたが、数年後、早すぎる逝去の報を聞いたのは誠に残念なことでした。 この時、北京への帰路を利用して洛陽南郊の関林(関羽墓)、白園(白楽天墓)、程氏墓、 邵雍墓を巡りました。平成30年、国際学会に招待されて横渠鎮を再訪し、基調講演を行なって横渠書院から名誉顧問に任ぜられました。西安からさらに西の奥にある横渠鎮を複数回訪問し、煉瓦積みの寒村が近代的な建物の並ぶ街道町に変貌するのを目撃した日本人は筆者だけではないかと思われます。本書の附録として横渠鎮訪問記録二篇を写真つきで収録しました。 一千年を経た古典哲学に新たな観点から光を当て、かつその現代的意義をも明らかにした 著作として、読書人のみなさまの御批正を賜れば幸いです。 ![]() 『張載思想研究 ― 宋明理学の中の「太虚」説』 山際明利 著 北海道大学出版会 刊 11,000円(税込) ISBN:978-4-8329-6899-8 (C3010) 好評発売中! https://www.hup.gr.jp/items/92342089 ※「大学出版へのいざない」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。 |
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『蔵書になる喜びと責任』
(「書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力」)
『蔵書になる喜びと責任』
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今月半ばに『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』(皓星社)を刊行した。
「日本の古本屋メールマガジン」で現在も連載中の「書庫拝見」より、その前半に掲載した 記事を収録したものだ。 本書では、15の図書館・文学館・資料館を取材している。全体を3章に分けた。 連載で最初に取材したのは、県立長野図書館と伊那市創造館。2021年12月はじめだったので、単行本が出るまでちょうど3年かかったことになる。 ある館の取材が別の館への関心へとつながることも多い。国立ハンセン病資料館の図書室の 連載を始めた頃は、1回があまり長いと読まれないと思い、1館を前後編に分けて書いたこともあるが、途中からは、どうせ読まない人は読まないんだからと開き直って、長くても1回で書くことにした。 決して怠けているわけではないのだが、構成が見えるまでは書きはじめられないという悪癖から、締め切りを過ぎてしまう。取材先に確認していただく時間が必要だが、そのデッドラインまで引きずって、やっと編集を担当してくれた皓星社の晴山生菜さんに原稿を送る。噂では、古書組合のメルマガ担当者の夫であるKさんは「妻を泣かす気か!」と憤慨しているという。本当にすみません。 これまでメルマガやウェブでの連載をいくつかやってきたが、紙の雑誌に比べると、ほとんど反応がなかった。そんなものだろうと思っていたが、「書庫拝見」に関しては違った。会う人から「あの図書館にあんな蔵書があったんですね」「今度は◎◎を取材してくださいよ」などと云ってもらえる。読まれているのだという手ごたえを感じた。 書籍化にあたっては、原稿に手を入れるとともに、各館にもう一度確認を取りその後の変化も加えた。その過程で、私の勘違いや思い込みを訂正することができた。また、連載時には 完成した本を各館に献本するときに感じたのは、「蔵書を取材したこの本もまた、図書館の蔵書の1冊に加わるのだな」ということだった。 メルマガでの連載は、現在も継続中。毎回必死で取材と執筆の自転車操業を続けています。 |
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2024年12月10日 第408号
。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
古書市&古本まつり 第143号
。.☆.:* 通巻408・12月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。
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━━━━━━━━━━【シリーズ古書の世界】━━━━━━━━━━
破棄する前に1
恩田逸夫『宮沢賢治論』と『小沢俊郎 宮沢賢治論集』
三昧堂(古本愛好家)
古本好きの常で、買うほどには読まない。私もその典型的な一人である。
勿論本はかなり読むほうだが、少しでも興味がわけば買ってしまい、ついで
にその関連の本まで手を伸ばし、積ん読山は高い山脈と化していく。
幸い田舎住まいで子供たちは独立して家を出ており、家内と二人だけだから
本を置くスペースは十分にある。妻の時々口にする苦情と、お父さん死ぬ
までにはこの本なんとしてよね、という気の強い娘の説教さえ聞き流せば
問題はいまのところない。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18332
※シリーズ古書の世界「破棄する前に」は随時掲載いたします。
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━━━━━━━━━━【シリーズ書庫拝見31】━━━━━━━━━━
市立小樽文学館 逝ったものと残されたものの思いが出会う場所
南陀楼綾繁
9月23日朝、札幌からJR函館本線に乗って小樽に着いた。
昨夜泊まったゲストハウスで5時頃に目覚めてしまい、時間の潰しようが
なく、予定より早く小樽に向かったのだ。
小樽は石狩湾に面した港湾都市で、ニシン漁で栄えた。いまは小樽運河を
はじめ見所の多い町として、観光の拠点となっている。この日も朝から駅通り
を多くの観光客が歩いていた。
駅前のレンタサイクル屋が開くのを待って借りる。今朝は快晴。運河に
沿って走ると、海から吹いてくる風が心地よい。
最初に向かったのは、〈小樽市総合博物館本館〉。駅から北へ、自転車で
15分ぐらいかかる。ここで観たのが、「ストーリーマップでめぐる伊藤整の
『幽鬼の街』」展だ。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=18285
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」
の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、
編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。
X(旧Twitter)
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━━━━【『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』】━━━━
全国各地の図書館・資料館の、利用者が普段は入ることができない
閉架書庫に足を踏み入れ、そこで出会った本や資料を紹介するとともに、
書庫内を知り尽くす「ヌシ」のような館員の皆さんに、資料の管理や
活用について取材してきました。全国各地にある15館の図書館・資料館の
魅力の源泉に迫ります!
毎月10日配信号で好評連載中・南陀楼綾繁氏「シリーズ書庫拝見」が
本になります!『書庫をあるく アーカイブのかくれた魅力』は
2024年12月13日発行予定です。乞うご期待!
『書庫をあるく アーカイブのかくれた魅力』
南陀楼綾繁 著/皓星社 刊/2,530円(税込)/2024年12月13日
https://libro-koseisha.co.jp/history_culture/978-4-7744-0840-8/
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━━━━━━━━━【書影から探せる書籍リスト】━━━━━━━━━
「日本の古本屋」で販売している書籍を、テーマを深掘りして書影から
探せるページをリリースしました。「日本の古本屋」には他のWebサイト
には無い書籍がたくさんあります。ぜひ気になるテーマから書籍を探して
みてください。
「日本の古本屋」書影から探せる書籍リスト
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13964
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━━━━━【12月10日~2025年1月15日までの全国即売展情報】━━━━━
⇒https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
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第一回イオンタウン仙台泉大沢蚤の市
古本、古着、骨董・アンティーク雑貨、中古レコード・CD
期間:2024/11/23~2024/12/22
場所:イオンタウン仙台泉大沢 1Fモール南側特設会場
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第112回 彩の国所沢古本まつり
期間:2024/12/04~2024/12/10
場所:くすのきホール
西武線所沢駅東口前 西武第二ビル8階 総合大会場
URL:https://tokorozawahuruhon.com/
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第3回古本通り@アルデ新大阪
期間:2024/12/06~2024/12/16
場所:アルデ新大阪 新大阪駅2階
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港北古書フェア(12月)
期間:2024/12/11~2024/12/25
場所:有隣堂センター南駅店店頭ワゴン販売
最寄駅:横浜市営地下鉄 センター南駅
改札を出て直進、右前方。※駅構内
URL:https://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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BOOK DAY とやま駅
期間:2024/12/12
場所:富山駅南北自由通路(あいの風とやま鉄道中央口改札前)
URL:https://bookdaytoyama.net/
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BOOK & A(ブック&エー)
期間:2024/12/12~2024/12/15
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=843
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新興古書大即売展
期間:2024/12/13~2024/12/14
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=569
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第24回 つちうら古書倶楽部 師走の古本市
期間:2024/12/14~2024/12/22
場所:茨城県土浦市大和町2-1 パティオビル1F
URL:https://x.com/tsuchiura5401
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反町古書会館展(12月)
期間:2024/12/14~2024/12/15
場所:神奈川古書会館1階特設会場 横浜市神奈川区反町2-16-10
URL:https://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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フィールズ南柏 古本市
期間:2024/12/14~2024/12/27
場所:フィールズ南柏 モール2 2階催事場
柏市南柏中央6-7(JR南柏駅東口すぐ)
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浦和宿古本いち
期間:2024/12/19~2024/12/22
場所:さくら草通り(JR浦和駅西口 徒歩5分 マツモトキヨシ前)
URL:https://twitter.com/urawajuku
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五反田古書展
期間:2024/12/20~2024/12/21
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
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ぐろりや会
期間:2024/12/20~2024/12/21
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://www.gloriakai.jp/
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第152回 倉庫会 古書即売会
期間:2024/12/20~2024/12/22
場所:名古屋古書会館 2階 名古屋市中区千代田5-1-12
URL:https://hon-ya.net/
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高円寺均一まつり
期間:2024/12/21~2024/12/22
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
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第73回東武古書の市
期間:2024/12/25~2025/01/05
場所:東武宇都宮百貨店 5Fイベントプラザ 宇都宮市宮園町5-4
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冬の阪神古書ノ市
期間:2024/12/25~2025/01/07
場所:阪神梅田本店8階 ハローカルチャー3・4・5
URL:https://web.hh-online.jp/hanshin/contents/hsst/hsst05/detail/2024/11/post_19.html
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下町書友会
期間:2024/12/27~2024/12/28
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=572
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TOKYO BOOK PARK 吉祥寺(2階会場)
期間:2024/12/28~2025/01/13
場所:吉祥寺パルコ2階 武蔵野市吉祥寺本町1-5-1
URL:https://x.com/tokyobookpark
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TOKYO BOOK PARK 吉祥寺(1階エントランス)
期間:2024/12/28~2025/01/26
場所:吉祥寺パルコ1階エントランス 武蔵野市吉祥寺本町1-5-1
URL:https://x.com/tokyobookpark
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好書会
期間:2024/12/28~2024/12/29
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=620
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東武百貨店 栃木市役所店古書の市
期間:2025/01/02~2025/01/07
場所:東武百貨店栃木市役所店 1階 栃木市万町9-25
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杉並書友会
期間:2025/01/04~2025/01/05
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=619
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立川フロム古書市
期間:2025/01/05~2025/01/16
場所:フロム中武 3階バッシュルーム(北階段際)
立川駅北口徒歩5分 ビッグカメラ隣
URL:https://mineruba.bookmarks.jp/saiji.htm
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第53回 古本浪漫洲 Part.1
期間:2025/01/09~2025/01/11
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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アクロスモール新鎌ヶ谷古本市
期間:2025/01/10~2025/01/26
場所:アクロスモール新鎌ヶ谷 1F中央エレベーター前&中央エスカレーター前
千葉県鎌ケ谷市新鎌ヶ谷2-12-1
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東京愛書会
期間:2025/01/10~2025/01/11
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/
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大均一祭
期間:2025/01/11~2025/01/13
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=622
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第53回 古本浪漫洲 Part.2
期間:2025/01/12~2025/01/14
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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第53回 古本浪漫洲 Part.3
期間:2025/01/15~2025/01/17
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://furuhonromansu.kosho.co.jp/
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日本の古本屋メールマガジンその408 2024.12.10
【発行】
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東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
広報部・編集長:藤原栄志郎
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市立小樽文学館
逝ったものと残されたものの思いが出会う場所【書庫拝見31】
市立小樽文学館 逝ったものと残されたものの思いが出会う場所南陀楼綾繁 |
9月23日朝、札幌からJR函館本線に乗って小樽に着いた。
昨夜泊まったゲストハウスで5時頃に目覚めてしまい、時間の潰しようがなく、予定より早く 小樽に向かったのだ。 小樽は石狩湾に面した港湾都市で、ニシン漁で栄えた。いまは小樽運河をはじめ見所の多い町として、観光の拠点となっている。この日も朝から駅通りを多くの観光客が歩いていた。 駅前のレンタサイクル屋が開くのを待って借りる。今朝は快晴。運河に沿って走ると、海から吹いてくる風が心地よい。 最初に向かったのは、〈小樽市総合博物館本館〉。駅から北へ、自転車で15分ぐらいかかる。ここで観たのが、「ストーリーマップでめぐる伊藤整の『幽鬼の街』」展だ。 ![]() ★小樽市総合博物館本館 『幽鬼の街』と小樽の街 伊藤整は1905年(明治38)、北海道松前郡生まれ。翌年、現在の小樽市に移住し、この地で育つ。小樽高等商業学校(現・小樽商科大学)では、小林多喜二の1年下だった。この頃から詩作をはじめ、21歳で上京する。 展覧会と図録が充実小樽文学館はこの建物の2階の半分を占めている。残り半分と3階には〈市立小樽美術館〉が入っている。 入って左手には図録などのミュージアムショップと古本コーナーがあり、右には〈JJ‘s 私はかつて、〈徳島県北島町図書館・創世ホール〉でユニークな講演会を手がける小西昌幸さん、〈名張市図書館〉で江戸川乱歩の資料を収集し、書誌を刊行した中相作さん(当時)、小樽文学館の玉川さんを並べて、「日本三大公務員」の称号を奉ったことがある。お役所の まず、展示室を案内していただく。 冊子の表紙に使われた高山美香さんの絵も飾られていた。高山さんは札幌市在住のイラストレーター。館内に飾られる小樽ゆかりの作家のミニチュア人形も、高山さんの手になるものだ。『幽鬼の街』でも原作を読み込んでイラストを描いたという。 そこから常設展示に向かうところには、伊藤整の昭和30年代の書斎が再現されている。 常設展示の手前に、無料展示スペースがある。「市民なら誰でも企画を持ち込めます」と 文学館を築いた人たち『市立小樽文学館開館30周年記念誌』によれば、1976年に市民の間から文学館を求める声が上がり、それを受けて、翌年小樽グリーンライオンズクラブが中心となり、文学館設立期成会が結成される。同年8月に〈今井デパート〉小樽支店で「小樽文學展」を開催し、のべ7000人が訪れた。 「このカフェをドネーション(寄付)制にして、誰でも使えるようにしようと提案したのが 小林多喜二と古本バザー 小樽文学館の所蔵資料は、開館時には約3、4万点だったが、現在は約9万点まで増えている。近年は、医師で詩人の河邨文一郎、劇作家の八田尚之らの資料が遺族から寄贈された。「展覧会を開催することが、関係資料の寄贈につながることも多いです」と、玉川さんは説明する。 このなかには、伊藤が訳した『チャタレイ夫人の恋人』(小山書店)が「猥褻文書」か否かを問う裁判の資料が含まれる。 「池田壽夫(横山敏男)旧蔵書」と題された棚に並ぶのは。戦前日本文学の書物たち。久野豊彦、阿部知二、佐左木俊郎らの「新鋭文学叢書」(改造社)、室生犀星『弄獅子』(有光社)などが見える。池田は1920年代から30年代にかけて、プロレタリア文学運動の理論家として活躍した。 池田が遺した資料には、プロレタリア運動団体の規約や活動報告、ガリ版刷りのニュースなどもある。そのなかの『1932年3月10日発行日本プロレタリア作家同盟東京支部組織部ニュース』第4号には「国内に於ける各芸術団体の革命競走の先頭を切れ!」という見出しが躍る。 プロレタリア文学といえば、小林多喜二関係の資料も書簡、原稿、旧蔵書など多い。 「小林多喜二では、これも大きな宝物です」と、玉川さんが見せてくれたのが、小林多喜二のデスマスク石膏原型だった。 豊富なアイデアを生かす次に向かったフロアには、さらに多くの文学者の資料があった。 児童読み物作家(本人の呼び方)の山中恒は、子どもの頃、私が最初に著者として名前を そのほか、詩人の吉田一穂、郷土史研究者の小寺平吉、地質学者の井尻正二らの資料がある。 1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。 X(旧Twitter) |
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破棄する前に1
恩田逸夫『宮沢賢治論』と『小沢俊郎 宮沢賢治論集』
破棄する前に1
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古本好きの常で、買うほどには読まない。私もその典型的な一人である。勿論本はかなり読むほうだが、少しでも興味がわけば買ってしまい、ついでにその関連の本まで手を伸ばし、
積ん読山は高い山脈と化していく。幸い田舎住まいで子供たちは独立して家を出ており、家内と二人だけだから本を置くスペースは十分にある。妻の時々口にする苦情と、お父さん死ぬまでにはこの本なんとしてよね、という気の強い娘の説教さえ聞き流せば問題はいまのところない。 2年ほど前に両親を看取った八畳の和室と広い縁側を書斎に変えた。北向きの6畳間を書斎兼書庫にしていたが、この部屋は冬寒すぎて使えないし、本だらけで何も出来ない。母の残した裁ち板を机に改造して部屋の真ん中に据え周囲を書棚にした。北側は窓で南側の縁側の戸を開ければ、夏場でも涼しい。その前に1000冊ほどの蔵書を知り合いの古本屋に処分した。 すっきりした書斎を自慢したが、書店主は言ったものだ。「駄目ですよ、本を少し整理するとそれ以上に増えますから」。まことにその通り、今や書棚の前はまた積ん読山脈となってしまった。 週三日勤務になって家で過ごす時間も増え、この書斎で過ごすのは心休まる至福の時間である。積ん読山を時々整理して処分して良いものと、段ボール箱に入れて物置部屋や使っていない押し入れに仕舞うものを分類する時もある。執筆に関連する物は机の周囲に揃える。書棚は完璧ではないがテーマごとに整理してある。この数年ある執筆テーマの関連で宮沢賢治の研究書がたまってきた。近代文学研究書の中で最も数が多いのは漱石だろうが、賢治も半端ではない。私にとって賢治は中心テーマではないからさほどの量ではないが、その賢治関連書の書棚にある『宮沢賢治論・1・人と芸術 恩田逸夫』(東京書籍)という、いつ買ったか記憶にない本が目にとまった。 様々な研究者の賢治論を集めた本だろうし、端本だから必要ないかなと開いてみた。するとこの本は恩田逸夫の没後に出された初めての賢治関連の単著で三冊からなるものと分かった。編者の原子朗と小沢俊郎は知っていたが恩田のことは全く知らなかった。私が賢治関連書で最初に読み通したのは、堀尾青史氏の『年譜宮澤賢治伝』(中公文庫・1991)だったが、書棚に並んでいるのは中村稔、天沢退二郎、入沢康夫、古いところでは佐藤勝治や小田邦雄の本である。最初に書いたように本を買うばかりで未読の本が多いから、賢治研究書を読んでいれば当然恩田の名も知っていたのだろう。ただ、手元にある草野心平編『宮澤賢治研究』(昭和33・筑摩書房)にも、宮澤賢治全集別巻『宮澤賢治研究』(昭和44・筑摩書房)にも恩田の論考はなく、河出書房新社の『文芸読本 宮澤賢治』(昭和52)にも収録されていない。 『新文芸読本 宮澤賢治』(1990)に唯一、「詩篇「春と修羅」の主題と構成」という10頁の論考が収録されていた。その執筆者紹介は「一九一六年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒業。明治薬科大学教授。跡見学園短大・武蔵野女子大学講師。著書に『宮沢賢治論』全三冊(東京書籍)、『北原白秋』(清水書院)。七九年児童文学会賞受賞。七九年八月歿」とある。『北原白秋』は生前唯一の単著ということになろう。賢治研究者としては知る人ぞ知るといった感じの方であったのかもしれない。 しかし、この『宮沢賢治論1』巻末に収められた小沢俊郎氏の「回想 恩田逸夫と宮沢賢治」を読んで衝撃的ともいえる感動を覚えた。この回想は小沢の病床での執筆で、恩田の『宮沢賢治論』全三冊同時刊行が1981年10月27日であるが、翌年3月14日に61歳で亡くなっており、絶筆に近いものであったのだ。それによれば、恩田と小沢は東大で昭和21年5月入学の同期、恩田は最年長で30歳、水戸高校を経て京大文学部哲学科在学中に陸軍入営、大陸で転戦し昭和21年復員、陸軍では中隊長だった。京大には戻らず、東大国文学科に専攻を変えて入学。恩田の卒論は「年少文学論攷」であった。児童文学はまだ研究の対象ではない時代であったが、その論攷の中で宮沢賢治を取り上げた。卒業半年後に「宮沢賢治友の会」が発足、ここから小沢も共に賢治研究の道を進むことになった。 「宮沢賢治友の会」は当初『宮沢賢治全集』を出していた十字屋書店をバックに研究誌「四次元」を発行していたが、十字屋が手を引き、佐藤寛が発行人となった。恩田は実質的なプロモーターとなり編集を主導した。友の会を「宮沢賢治研究会」に変更、賢治を近代文学の研究対象に据える方向に導いた。恩田は戦後賢治が広く読まれるようになる中で間違いなく賢治研究の先駆者であったのだ。 |
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