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「中国 知泉書館」の検索結果
61件

中国古典社会における仏教の諸相

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
西脇 常記、知泉書館、2009、568p、A5判
仏教は随唐時代に中国人の宗教として新しい仏教を生み出した。それは当然儒教と道教に多くの影響を与え,また仏教もこれら二教から強い影響を受けた。中国思想の中で仏教はどのように受容され,どのような影響を与え,いかなる相互作用が展開したのか。
国家イデオロギーとして君臨する儒教の下では異国の教えである仏教は破棄すべきものであったため,仏教と儒教の関連資料も少なく充分な考察がなされてこなかった。士大夫が取り組むべきは儒教だけであるが,それは社会の表の姿であった。裏では仏教や道教と常に強く結びついていた。とくに外来の組織である仏教にとっては,漢字を基盤として確立していた儒教文化の下に受容されるには,その基盤の上に立って社会的な地位を固め,教えを広め,定着を図らねば,その存続すらできなかった。
著者は中国思想史の観点から仏教書と仏教徒の作品を通して儒教との関連を解明する。「Ⅰ 仏教史書」では天台宗史の成立を検討して,仏教と世俗権力との関係を考察し,「Ⅱ 仏教徒・仏教信者」では唐宋期の仏教徒の遺言や墓誌銘を手がかりに個人の側から仏教の受容を検討する。「Ⅲ 中央アジア出土の漢語文献」はヨーロッパのトルファン文書研究の状況を伝え,その文化的意義を明らかにする。
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9,900
西脇 常記 、知泉書館 、2009 、568p 、A5判
仏教は随唐時代に中国人の宗教として新しい仏教を生み出した。それは当然儒教と道教に多くの影響を与え,また仏教もこれら二教から強い影響を受けた。中国思想の中で仏教はどのように受容され,どのような影響を与え,いかなる相互作用が展開したのか。 国家イデオロギーとして君臨する儒教の下では異国の教えである仏教は破棄すべきものであったため,仏教と儒教の関連資料も少なく充分な考察がなされてこなかった。士大夫が取り組むべきは儒教だけであるが,それは社会の表の姿であった。裏では仏教や道教と常に強く結びついていた。とくに外来の組織である仏教にとっては,漢字を基盤として確立していた儒教文化の下に受容されるには,その基盤の上に立って社会的な地位を固め,教えを広め,定着を図らねば,その存続すらできなかった。 著者は中国思想史の観点から仏教書と仏教徒の作品を通して儒教との関連を解明する。「Ⅰ 仏教史書」では天台宗史の成立を検討して,仏教と世俗権力との関係を考察し,「Ⅱ 仏教徒・仏教信者」では唐宋期の仏教徒の遺言や墓誌銘を手がかりに個人の側から仏教の受容を検討する。「Ⅲ 中央アジア出土の漢語文献」はヨーロッパのトルファン文書研究の状況を伝え,その文化的意義を明らかにする。

唐代小説「板橋三娘子」考 西と東の変驢変馬譚のなかで

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,020
岡田 充博、知泉書館、2012、704p、A5判
河南省の板橋店で小さな宿屋を営む女将の三娘子は客に焼餅を食べさせ驢馬に変える妖術を使っていた。それを知った旅人が女将を騙し驢馬に変えて酷使するという唐代の怪異譚「板橋三娘子」について,その原話から成立の背景,伝播と変遷の実態を,広範な資料を渉猟し総合的に考察した画期的な業績である。
物語の原話をヨーロッパから西アジア,インドに求め,インドの古代説話にその源を見出す。それは西に伝わって『アラビアン・ナイト』へと流れ込み,東ではソグド商人の東西貿易を介して中国にもたらされた。
原話の中国への伝来と翻案による怪異譚としての成立の背景を,関連資料の収集,舞台となった土地の歴史,物語と当時の風俗との関わり,人形を用いる幻術の特異性,さらに小説としての完成度など多面的に考察するとともに,中国の変身術が古代の自然観にもとづく「気」一元論に依拠することを明らかにする。
わが国では「三娘子」がいかに受容され,翻案や類話が生み出されたかをはじめ,近世には動物から人への変身譚が顕著になるなど,中国の影響を受けつつも独自の展開が見られたことを明らかにする。
インド・中近東・中国から日本に伝わり多くの説話,小説,戯曲を生んだこの作品に対する本書の比較文学的アプローチは多くの読者にとって刺激となろう。
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9,020
岡田 充博 、知泉書館 、2012 、704p 、A5判
河南省の板橋店で小さな宿屋を営む女将の三娘子は客に焼餅を食べさせ驢馬に変える妖術を使っていた。それを知った旅人が女将を騙し驢馬に変えて酷使するという唐代の怪異譚「板橋三娘子」について,その原話から成立の背景,伝播と変遷の実態を,広範な資料を渉猟し総合的に考察した画期的な業績である。 物語の原話をヨーロッパから西アジア,インドに求め,インドの古代説話にその源を見出す。それは西に伝わって『アラビアン・ナイト』へと流れ込み,東ではソグド商人の東西貿易を介して中国にもたらされた。 原話の中国への伝来と翻案による怪異譚としての成立の背景を,関連資料の収集,舞台となった土地の歴史,物語と当時の風俗との関わり,人形を用いる幻術の特異性,さらに小説としての完成度など多面的に考察するとともに,中国の変身術が古代の自然観にもとづく「気」一元論に依拠することを明らかにする。 わが国では「三娘子」がいかに受容され,翻案や類話が生み出されたかをはじめ,近世には動物から人への変身譚が顕著になるなど,中国の影響を受けつつも独自の展開が見られたことを明らかにする。 インド・中近東・中国から日本に伝わり多くの説話,小説,戯曲を生んだこの作品に対する本書の比較文学的アプローチは多くの読者にとって刺激となろう。

書のひととき 中国書道史漫歩

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
2,970
辻井京雲 著、知泉書館、2025、524p、46判
かたちと意味を合わせて表現する造形芸術である書道は,どのように生まれ,移り変わり,発展してきたのか。
本書は,書道家であり研究者でもある著者が,中国学の幅広い教養を背景に,出土資料や伝世作品を取り上げて,中国書道史を軽妙な語り口で描く150の物語である。
殷時代の甲骨や青銅器に刻まれた記号から始まり,秦の始皇帝による文字統一と標準書体の制定,木簡・竹簡・帛書から画期的な紙の登場に至る用具と書体の変遷,書聖と謳われた王羲之の名品の数々,北方騎馬民族の石碑に残る漢字への憧れの痕跡など,唐代までを対象に,新たな知見を書道史に吹き込む。
大英博物館や故宮博物院など各地において出土資料の実見や簡牘資料の研究を行いつつ,時にゴビ砂漠や敦煌へ直接パジェロを飛ばし,楼蘭に想いを馳せて,著者は文字を残した人物の経歴や書かれた歴史的経緯をも俎上に載せる。手本を写した肉筆文字の様相,筆の形状までをも見すえた論述には,書家としての鑑賞眼がきらりと光る。
漢字の成り立ち,文字の歴史を繙き,人間にとり記録とは何かを問いかける,刺激に満ちた中国書道史への招待。
今では貴重となった現地調査の図版資料も多く収録する。
目次
凡例
序(辻井 樹)
第一章 先秦
第二章 秦漢
第三章 三国・晋・五胡十六国
第四章 南北朝
第五章 隋唐
解題(下田章平)
  図版出典一覧
  索引

納入までに3週間ほどかかります。
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2,970
辻井京雲 著 、知泉書館 、2025 、524p 、46判
かたちと意味を合わせて表現する造形芸術である書道は,どのように生まれ,移り変わり,発展してきたのか。 本書は,書道家であり研究者でもある著者が,中国学の幅広い教養を背景に,出土資料や伝世作品を取り上げて,中国書道史を軽妙な語り口で描く150の物語である。 殷時代の甲骨や青銅器に刻まれた記号から始まり,秦の始皇帝による文字統一と標準書体の制定,木簡・竹簡・帛書から画期的な紙の登場に至る用具と書体の変遷,書聖と謳われた王羲之の名品の数々,北方騎馬民族の石碑に残る漢字への憧れの痕跡など,唐代までを対象に,新たな知見を書道史に吹き込む。 大英博物館や故宮博物院など各地において出土資料の実見や簡牘資料の研究を行いつつ,時にゴビ砂漠や敦煌へ直接パジェロを飛ばし,楼蘭に想いを馳せて,著者は文字を残した人物の経歴や書かれた歴史的経緯をも俎上に載せる。手本を写した肉筆文字の様相,筆の形状までをも見すえた論述には,書家としての鑑賞眼がきらりと光る。 漢字の成り立ち,文字の歴史を繙き,人間にとり記録とは何かを問いかける,刺激に満ちた中国書道史への招待。 今では貴重となった現地調査の図版資料も多く収録する。 目次 凡例 序(辻井 樹) 第一章 先秦 第二章 秦漢 第三章 三国・晋・五胡十六国 第四章 南北朝 第五章 隋唐 解題(下田章平)   図版出典一覧   索引 納入までに3週間ほどかかります。

『論語』考索

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
7,480
澤田 多喜男、知泉書館、2009、440p、A5判
『論語』の最古の形はいかなるものか。孔子の活動や孔子学団の実態はどのようであったか。それらの考察を通して二千年以上にわたり中国社会の基盤を支えてきた儒学思想の核心に迫る。
『論語』の成立に関して後世の資料や孔子の言葉自身にも信用できないものがあるなど,論語を取り巻く複雑な構造が明かされ,『孟子』については孟子思想の中心にある仁義概念の成立と漢代にかけて古代史が固定される以前の実情や抹殺された古代史について戦国中期の事情を伝える貴重な情報源であることが明らかにされる。
経学前史では左氏伝,孟子,荀子などを通し『詩』『書』が固定される以前の実情を考察,経書のはらむ問題点を指摘する。また天人相関説と陰陽配当論では災異説の実際と陰陽の対応について考察する。
さらに『漢書』に見られる〈故事〉が〈武帝故事〉にはじまり当時の官僚の行動基準に影響を与え,『春秋』とは異なる処罰の基準であることを示す。
多岐にわたる視点から古典文献の成立年代を踏まえ思想形成の実相へと迫る誠実な学的探求は読者に深い知的刺激を与えるに違いない。
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7,480
澤田 多喜男 、知泉書館 、2009 、440p 、A5判
『論語』の最古の形はいかなるものか。孔子の活動や孔子学団の実態はどのようであったか。それらの考察を通して二千年以上にわたり中国社会の基盤を支えてきた儒学思想の核心に迫る。 『論語』の成立に関して後世の資料や孔子の言葉自身にも信用できないものがあるなど,論語を取り巻く複雑な構造が明かされ,『孟子』については孟子思想の中心にある仁義概念の成立と漢代にかけて古代史が固定される以前の実情や抹殺された古代史について戦国中期の事情を伝える貴重な情報源であることが明らかにされる。 経学前史では左氏伝,孟子,荀子などを通し『詩』『書』が固定される以前の実情を考察,経書のはらむ問題点を指摘する。また天人相関説と陰陽配当論では災異説の実際と陰陽の対応について考察する。 さらに『漢書』に見られる〈故事〉が〈武帝故事〉にはじまり当時の官僚の行動基準に影響を与え,『春秋』とは異なる処罰の基準であることを示す。 多岐にわたる視点から古典文献の成立年代を踏まえ思想形成の実相へと迫る誠実な学的探求は読者に深い知的刺激を与えるに違いない。

欧陽脩: 11世紀のユマニスト  知泉学術叢書 17

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
4,620
劉子健 著、小林義廣 訳、知泉書館
唐宋八大家のひとり欧陽脩(1007-72)は,今日に至るまで,古典学(経学)者,歴史家,考古学者,政治家,政治理論家,とりわけ古文の文筆家,詩人として多くの名高い業績を残してきた。
中国では唐代(618-907)の半ばから宋代(960-1279)にかけて中国史上で大きな転換期を迎える。貨幣経済の深化,交易の展開,印刷術の発達をはじめ,貴族支配から官僚統治への発展により,大きな社会的影響が波及した。それに伴い学術(経学)から文芸に至る広い分野で革新が生じ,その運動の一翼を担ったのが欧陽脩であった。科挙で活用される定型的な文体から古文の復興を主唱し,伝統的な儒学を一新して新儒学の構想を展開しつつ,新たな政治改革「慶暦の新政」を試みたが失敗し左遷された。後に宮廷に復帰し,着実な改革を生涯にわたり実践し,王安石の新法や朱熹による道学・理学への道を開いた。
本書は,戦後アメリカで活躍した代表的歴史家である著者が,欧陽脩の人生と著作活動の全体像を西洋の読者に分かりやすく提示した定評の概説書である。宋代以降,一千年の長きにわたり中国史に脈々と流れる伝統の源泉として,唐宋変革期の実相に迫る上で,本書の叙述は読者に新たな示唆を与えよう。英語から日本語に訳される詩文も相まって,傑出した文人・ユマニストの活き活きとした全貌が開かれる。

お届けまで2~3週間ほどお時間を頂戴いたします。
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4,620
劉子健 著、小林義廣 訳 、知泉書館
唐宋八大家のひとり欧陽脩(1007-72)は,今日に至るまで,古典学(経学)者,歴史家,考古学者,政治家,政治理論家,とりわけ古文の文筆家,詩人として多くの名高い業績を残してきた。 中国では唐代(618-907)の半ばから宋代(960-1279)にかけて中国史上で大きな転換期を迎える。貨幣経済の深化,交易の展開,印刷術の発達をはじめ,貴族支配から官僚統治への発展により,大きな社会的影響が波及した。それに伴い学術(経学)から文芸に至る広い分野で革新が生じ,その運動の一翼を担ったのが欧陽脩であった。科挙で活用される定型的な文体から古文の復興を主唱し,伝統的な儒学を一新して新儒学の構想を展開しつつ,新たな政治改革「慶暦の新政」を試みたが失敗し左遷された。後に宮廷に復帰し,着実な改革を生涯にわたり実践し,王安石の新法や朱熹による道学・理学への道を開いた。 本書は,戦後アメリカで活躍した代表的歴史家である著者が,欧陽脩の人生と著作活動の全体像を西洋の読者に分かりやすく提示した定評の概説書である。宋代以降,一千年の長きにわたり中国史に脈々と流れる伝統の源泉として,唐宋変革期の実相に迫る上で,本書の叙述は読者に新たな示唆を与えよう。英語から日本語に訳される詩文も相まって,傑出した文人・ユマニストの活き活きとした全貌が開かれる。 お届けまで2~3週間ほどお時間を頂戴いたします。

中国思想史論攷  宗教のある風景

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
4,950
西脇 常記 著、知泉書館、2022、280ページ、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。
第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。
第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。
第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。
<目次>
序文
第一部 吐魯番漢語文書研究補遺
第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描
第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

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西脇 常記 著 、知泉書館 、2022 、280ページ 、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。 第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。 第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。 第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。 <目次> 序文 第一部 吐魯番漢語文書研究補遺 第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描 第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

詩人と音楽 記録された唐代の音

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
5,500
中 純子、知泉書館、2008、290p、A5判
本書は中唐の詩人白居易の詩と音楽の結びつきに焦点をあて,詩人が音楽をどのように詩に写し取り,それらの詩がいかに伝承され,唐代音楽史の重要な資料として後世に広く利用されたかを多様な視点から考察した本格的業績である。
詩人の音に対する鋭敏さとこだわりは,何よりも聴覚の快楽を生涯にわたり追求させることになった。若き日の長安にはじまり江州,忠州から杭州,蘇州,そして晩年を過ごした洛陽など各地でのさまざまな音との出合いをいかに詩作に盛り込み,独自の詩境を切り開いたか。
白居易は自ら七弦琴を奏で各地の音楽を楽しみ,さらに音楽に合わせて歌詞をつける填詞の先駆的な作者として活躍した。彼の作品は中国のみならず同時代の朝鮮・日本にも広く伝承されたが,作品が必ずしも正確に伝わらず,偽作が横行した。詩人は自分の詩を自ら編纂して序文を付し,幾つかの寺に保管をゆだね,作者の真意が後世に伝わることを期した。
著者は詩篇に表れる音楽がどのように音楽文化を語り,詩と音楽がいかに伝播して,歴史的資料として定着したかその実態を吟味し,全体像に迫る。

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中 純子 、知泉書館 、2008 、290p 、A5判
本書は中唐の詩人白居易の詩と音楽の結びつきに焦点をあて,詩人が音楽をどのように詩に写し取り,それらの詩がいかに伝承され,唐代音楽史の重要な資料として後世に広く利用されたかを多様な視点から考察した本格的業績である。 詩人の音に対する鋭敏さとこだわりは,何よりも聴覚の快楽を生涯にわたり追求させることになった。若き日の長安にはじまり江州,忠州から杭州,蘇州,そして晩年を過ごした洛陽など各地でのさまざまな音との出合いをいかに詩作に盛り込み,独自の詩境を切り開いたか。 白居易は自ら七弦琴を奏で各地の音楽を楽しみ,さらに音楽に合わせて歌詞をつける填詞の先駆的な作者として活躍した。彼の作品は中国のみならず同時代の朝鮮・日本にも広く伝承されたが,作品が必ずしも正確に伝わらず,偽作が横行した。詩人は自分の詩を自ら編纂して序文を付し,幾つかの寺に保管をゆだね,作者の真意が後世に伝わることを期した。 著者は詩篇に表れる音楽がどのように音楽文化を語り,詩と音楽がいかに伝播して,歴史的資料として定着したかその実態を吟味し,全体像に迫る。 お届けまで2~3週間ほどお時間を頂戴いたします。

戸籍からみた朝鮮の周縁 17-19世紀の社会変動と僧・白丁

中国書店
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4,950
山内 民博 著、知泉書館、2021、276p、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。
本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。
初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。
従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。
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4,950
山内 民博 著 、知泉書館 、2021 、276p 、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。 本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。 初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。 従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。

東アジア祭祀芸能比較論

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,270
田仲 一成 著、知泉書館、2023、514p、菊判
中国、朝鮮、日本に共通にみられる神事芸能について、それぞれの歴史的な沿革と現状を略述した上で、二国間、あるいは三国間の芸能の交流/影響関係などを考察。東アジアの芸能全体の発生・展開・伝播の状況を明らかにする。
目次
前言
第1章 中国の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能
第3節 鎮魂系の祭祀芸能
第4節 小結
第2章 朝鮮の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能Ⅰ――宮廷儺戯・雑戯
第3節 攘災系の祭祀芸能Ⅱ
第4節 鎮魂系の祭祀芸能
第5節 小結
第3章 日本の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能
第3節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅰ
第4節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅱ
第5節 小結
第4章 中朝祭祀芸能の比較
第1節 祈福系祭祀芸能の比較
第2節 攘災系祭祀の比較
第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較
第4節 小結――儒教儀礼の共有
第5章 朝日祭祀芸能の比較
第1節 祈福系祭祀芸能の比較
第2節 攘災系祭祀芸能の比較
第3節 鎮魂儀礼の比較
第4節 小結――民俗の共通性
補論 朝日仮面劇をめぐる論争
第6章 中日祭祀芸能の比較
第1節 祈福系儀礼の比較
第2節 攘災系祭祀芸能の比較
第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較
第4節 小結
第7章 三国祭祀芸能の対照
第1節 豊饒儀礼(農耕儀礼)の対照
第2節 攘災儀礼(発散儀礼)の対照
第3節 鎮魂儀礼(地獄儀礼)の対照
第4節 小結――朝鮮における演劇未発
第8章 劇文学の比較
第1節 逐疫の呪文
第2節 爛熟期の中国戯曲と日本近世戯曲の比較
第3節 西洋と東洋の劇文学の異同――悲劇の比重
第4節 総結
附録Ⅰ 黒川能歴年上演演目表(1839-2010)
附録Ⅱ 黒川狂言歴年上演演目表(1974-2010)
附録Ⅲ 大野舞台猿楽図誌(天保7年〔1841〕序刊,東洋文庫蔵)
参考文献目録
あとがき
索引
英文目次
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6,270
田仲 一成 著 、知泉書館 、2023 、514p 、菊判
中国、朝鮮、日本に共通にみられる神事芸能について、それぞれの歴史的な沿革と現状を略述した上で、二国間、あるいは三国間の芸能の交流/影響関係などを考察。東アジアの芸能全体の発生・展開・伝播の状況を明らかにする。 目次 前言 第1章 中国の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能 第3節 鎮魂系の祭祀芸能 第4節 小結 第2章 朝鮮の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能Ⅰ――宮廷儺戯・雑戯 第3節 攘災系の祭祀芸能Ⅱ 第4節 鎮魂系の祭祀芸能 第5節 小結 第3章 日本の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能 第3節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅰ 第4節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅱ 第5節 小結 第4章 中朝祭祀芸能の比較 第1節 祈福系祭祀芸能の比較 第2節 攘災系祭祀の比較 第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較 第4節 小結――儒教儀礼の共有 第5章 朝日祭祀芸能の比較 第1節 祈福系祭祀芸能の比較 第2節 攘災系祭祀芸能の比較 第3節 鎮魂儀礼の比較 第4節 小結――民俗の共通性 補論 朝日仮面劇をめぐる論争 第6章 中日祭祀芸能の比較 第1節 祈福系儀礼の比較 第2節 攘災系祭祀芸能の比較 第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較 第4節 小結 第7章 三国祭祀芸能の対照 第1節 豊饒儀礼(農耕儀礼)の対照 第2節 攘災儀礼(発散儀礼)の対照 第3節 鎮魂儀礼(地獄儀礼)の対照 第4節 小結――朝鮮における演劇未発 第8章 劇文学の比較 第1節 逐疫の呪文 第2節 爛熟期の中国戯曲と日本近世戯曲の比較 第3節 西洋と東洋の劇文学の異同――悲劇の比重 第4節 総結 附録Ⅰ 黒川能歴年上演演目表(1839-2010) 附録Ⅱ 黒川狂言歴年上演演目表(1974-2010) 附録Ⅲ 大野舞台猿楽図誌(天保7年〔1841〕序刊,東洋文庫蔵) 参考文献目録 あとがき 索引 英文目次

中国の秘密結社と演劇

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,490
田仲 一成、知泉書館、2024年11月、456p、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。
上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。
下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。
さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。
演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。

目次

(カラー口絵4頁)

前言

上篇 青幇と演劇の関係
第1章 「青幇」の沿革と組織
第2章 民国期上海の青幇
第3章 青幇人物小伝
第3節 俳優
上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景

下篇 紅幇と劇界
第1章 南洋における天地会会党
第2章 シンガポールに残る天地会の遺風
第3章 香港に残る天地会の遺風
第4章 天地会会党と演劇

総結 中国の秘密結社と皇帝権力

附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料
附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻
参考文献目録
あとがき
索引
英文目次


納入までに3週間ほどかかります。
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6,490
田仲 一成 、知泉書館 、2024年11月 、456p 、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。 上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。 下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。 さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。 演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。 目次 (カラー口絵4頁) 前言 上篇 青幇と演劇の関係 第1章 「青幇」の沿革と組織 第2章 民国期上海の青幇 第3章 青幇人物小伝 第3節 俳優 上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景 下篇 紅幇と劇界 第1章 南洋における天地会会党 第2章 シンガポールに残る天地会の遺風 第3章 香港に残る天地会の遺風 第4章 天地会会党と演劇 総結 中国の秘密結社と皇帝権力 附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料 附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻 参考文献目録 あとがき 索引 英文目次 納入までに3週間ほどかかります。

高橋亨朝鮮儒学論集

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,350
川原 秀城 ・金 光来 編訳、知泉書館、2011、480p、A5判
高橋亨(1878-1967)は戦前戦後を通じて活躍した朝鮮思想研究の第一人者である。戦前は生活・研究の拠点を朝鮮に置き,京城帝国大学で教育と研究に従事,戦後は天理大学において朝鮮学会の創立・運営に関わった。本書は高橋の朝鮮儒学関連論文を編修校訂し,原典に翻訳を付して読者の便を図った初めての論文集である。
高橋の朝鮮儒学研究は,鋭敏かつ的確な思想分析と論理的整合性を備えた,他の追随を許さない出色の研究であり,往事の研究とは一線を画す朝鮮思想研究の嚆矢とも言うべきものである。朝鮮儒学研究においては,社会史的研究や書誌学的研究はさておき,思想の醍醐味を論じる学説史的研究では史上,高橋の研究を凌駕するものはなく,現在も依然として最良の研究の一つである。
高橋は朝鮮総督府の文教政策に深く関与し,日本帝国の高級官僚出身の朝鮮研究者として,植民地主義的な行政文書や皇国史観の宣伝文も多く残したために戦後,彼の研究が顧みられることが少なかった。編者らは高橋の朝鮮儒学研究が評価に値し,熟読すべきところがあり,植民地主義者ゆえに優れた研究成果を丸ごと抹消するのはあまりに惜しいと考え本書の編纂を企画した。
わが国の東アジア研究の質的向上には朝鮮思想研究が必須であり,良質な教材が必要である。また朝鮮思想研究の充実は他の朝鮮研究のレベルアップとともに日本研究をより深化させると考えられ,さらに東アジア学の構築のために朝鮮の事象は無視できず,中国,朝鮮,日本の文化交流の過程そのものを分析することが肝要である。本書はこれらの要請に応えることを期して刊行された。

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川原 秀城 ・金 光来 編訳 、知泉書館 、2011 、480p 、A5判
高橋亨(1878-1967)は戦前戦後を通じて活躍した朝鮮思想研究の第一人者である。戦前は生活・研究の拠点を朝鮮に置き,京城帝国大学で教育と研究に従事,戦後は天理大学において朝鮮学会の創立・運営に関わった。本書は高橋の朝鮮儒学関連論文を編修校訂し,原典に翻訳を付して読者の便を図った初めての論文集である。 高橋の朝鮮儒学研究は,鋭敏かつ的確な思想分析と論理的整合性を備えた,他の追随を許さない出色の研究であり,往事の研究とは一線を画す朝鮮思想研究の嚆矢とも言うべきものである。朝鮮儒学研究においては,社会史的研究や書誌学的研究はさておき,思想の醍醐味を論じる学説史的研究では史上,高橋の研究を凌駕するものはなく,現在も依然として最良の研究の一つである。 高橋は朝鮮総督府の文教政策に深く関与し,日本帝国の高級官僚出身の朝鮮研究者として,植民地主義的な行政文書や皇国史観の宣伝文も多く残したために戦後,彼の研究が顧みられることが少なかった。編者らは高橋の朝鮮儒学研究が評価に値し,熟読すべきところがあり,植民地主義者ゆえに優れた研究成果を丸ごと抹消するのはあまりに惜しいと考え本書の編纂を企画した。 わが国の東アジア研究の質的向上には朝鮮思想研究が必須であり,良質な教材が必要である。また朝鮮思想研究の充実は他の朝鮮研究のレベルアップとともに日本研究をより深化させると考えられ,さらに東アジア学の構築のために朝鮮の事象は無視できず,中国,朝鮮,日本の文化交流の過程そのものを分析することが肝要である。本書はこれらの要請に応えることを期して刊行された。 納入までに3週間ほどかかります。

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