松浦武四郎記念館 旅と蒐集に生きた奇人【書庫拝見25】南陀楼綾繁 |
2月29日。朝、東京から新幹線に乗り、名古屋で在来線に乗り換えて、松阪駅に着いた。 大学3年生のとき、民俗学研究会の調査で三重県と和歌山県の県境にある集落に何度か滞在した。その際、名松線の乗り換えで松阪は通っているが、町なかを歩いた記憶はあまりない。一度だけ、ひとりで松阪の商人宿みたいなところに泊まったことがあるが、10時過ぎると玄関を閉められて外に出ることはできなかった。それから、もう35年が経つ。 松阪駅では山﨑範子さんが出迎えてくれる。『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』を発行した谷根千工房のメンバーだが、昨年この地に移住した。いまは松坂城の近くに並ぶ〈御城番屋敷〉という重要文化財の武家屋敷の一区画にお住まいで、私も泊めてもらう。ここを拠点に、松阪の3つの資料館の書庫を取材するのだ。 荷物を置かせてもらって、松阪駅から近鉄で伊勢中川駅へ。ロータリーで待っていると、 電車の中で、山本さんの『幕末の探検家 松浦武四郎入門』(月兎舎)を読みながら来たと話すと、「この記念館で働くまで、武四郎のことはほとんど知らなかったんです」という、 【蝦夷地探検とコレクター】館の入り口には、武四郎の歌碑が建つ。「陸奥(みちのく)の蝦夷の千島を開けとて 神もや我を作り出しけむ」という和歌で、蝦夷地探検は自分の使命だという気持ちが込められている。その後ろには、白い玉石で北海道の形が描かれている。
【武四郎の魅力を伝える】 ここで、記念館と収蔵資料について見ておこう(『松浦武四郎記念館(小野江コミュニティセンター)20年のあゆみ』を参照)。 一方、東京松浦家にも、資料保存をめぐるドラマがある。 終戦後、東京松浦家の一部の資料は文部省史料館(現・国文学研究資料館)に寄託され、 【収蔵庫の中で】 山本さんの案内で、いよいよ収蔵庫へと向かう。 棚には地震対策用のネットが掛かっているので、外からはどんな資料があるか判らない。
【「武四郎涅槃図」の奥深さ】 2か月後の4月21日。今度は東京で松浦武四郎に出会った。 1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。 X(旧Twitter) |
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懐かしき古書店主たちの談話 第6回
懐かしき古書店主たちの談話 第6回日本古書通信社 樽見博 |
昭和60年10月に、東京都古書籍商業協同組合東部支部二十周年を記念した『下町古本屋の生活と歴史』(発行者・鈴木明弘・荒川区鈴木書店)が刊行された。編集は青木正美、小林 執筆者は基本古書店主で三橋猛雄、出久根達郎、中川賢典、花井敏夫、飯田淳次、反町茂雄、山田朝一、中山信行、藤井正、尾上政太郎、奥平晃一、相川章太郎、斎藤孝夫、夏目順、永島富士雄、山岡吉松、八鍬光晴、森井健一、品川力、杉野宏、井上昭直、小梛精以知、後藤憲二、岩森亀一、蝦名則、田中正人、吉田文夫、小野敏之、森川忠信、八木福次郎、川野寿一。 『古本屋』創刊号が完成したとき、小林さんが八木福次郎、私、折付桂子を誘って八木の行きつけの居酒屋赤柿で小さなお祝いを開いた。小林さんは茨城県筑波山麓の出身で、同じく筑波山西麓の下館在住の私を何かと目にかけてくれた。雑誌が完成し高揚した小林さんは「樽見、これを読んでどう思った」と聞いてきた。私はその日もらったばかりで殆ど読んでいなかったが「古本屋自身が古本屋の生活を記録する雑誌で貴重だと思います」と当たり障りのない返事をしたら「違うんだ」と言って後は何も言わなかった。 その後も小林さんは酒席の時など「樽見、お前に話したいことがあるんだ」と何度も言うのだが結局何も語らなかった。恐らく「古通も継続が難しくなって年齢的にも八木さんも辛い。続けているのはお前たちの生活を考えてだろう。お前から終刊にしようと言うべきではないか」ということではなかったかと思う。小林さんと八木は『東京古書組合五十年史』編纂を通して親しくなり、ことに八木の晩年十年間ほどは明治古典会のある金曜日には必ず、会館即売会に来る内藤健二さんと三人で喫茶店に行きおしゃべりすることが習いになっていた。ただ、私も八木の苦悩は痛いほど分かっていたが、私がそう言って終刊が決まるほど簡単なものではない。小林さんが言い淀む訳もその辺に理由があったのだろう。小林さんは本当に晩年の八木に尽くしてくれた方で有り難かった。 『古本屋』発行人の一人石尾光之祐さんの屋号は江東文庫で、私が入社した昭和50年代の古書目録掲載店の常連の一軒だった。古書会館で出会うと、座っていた席から立ってニコニコしながら若造の私にも丁寧な挨拶をされた。表面極めて慇懃丁寧だけれど心に何か顰めた方であることはすぐに分かる。石尾さんの文才を青木、小林両氏は高く買っていた。青木さんの初期の本は石尾さんの徹底的な指導を受けたらしい。石尾さんは創刊号以来、「日の丸堂・その他」「麒麟の会のこと」「捕物帳の周囲」「古本屋の客」「なみだの通販」「はりかい・しうりいたし〼」「夜明けのラーメン」「ひとそれぞれ」「デパート古本市(顚)「訛伝・小沢行二」を書いている。大学時代に文学同人誌に参加していたが、晩年執筆熱が再燃したようだった。 昭和63年に『無邪気な季節』という青春記を青木、小林両氏の勧めで刊行したが、限定30部だった。私は青木さんから一冊頂いたが、残念ながらどこかに埋もれて出てこない。学生時代の作品だろうか。「なみだの通販」は「日本古書通信」にも関する内容で「掲載料が三万となりやめた」とある。当時は古書目録掲載希望店が多く、足元を見たわけではないが、壁を少し高くして固定化した掲載店を制限し新しい古書店の掲載を呼び込めるかなと考えていた。掲載希望者が殆どいなくなった今、忸怩たる思いである。(平成9年没・75歳) 『古本屋』の執筆者の内、「日本古書通信」でも取り上げるとよいだろうと青木さんが世田谷の由縁堂書店相川章太郎さんを紹介してくれた。相川さんは第三号に「想えば「こんぺうる」」という12頁に及ぶいわば青春記を寄稿している。古本屋を始めた経緯も書かれているが、主に好きだった歌舞伎や寄席との関わりが詳しく回想され、中でも芸術祭男と称された湯浅喜久治というプロデュサーとのかかわりを描いて秀逸な内容の回想記である。趣味などという域ではなく、相川さんはそのまま芸能の世界でも生きてゆけたのではないだろうか。それとも、悲劇的な結末に至ってしまった湯浅喜久治のようにならずに済み、生涯歌舞伎や寄席を趣味に出来たことは、古本屋として堅実な人生を送られたからだろうか。 『古本屋』第三号に、相川さんが『古書月報』に書かれた「演劇映画ちょっと本の話」と それと生まれは船橋だが小学校は四谷第五小学校で東京人らしい歯切れの良い話し方、それと、よく東京の水で洗ったようなというが、色白で肌や白髪に艶があり、いかにも江戸っ子の風情である。本郷の木内書店の木内民夫さんや、戦後、銀座近藤書店内に秦川堂を開いた永森慶二さん(後に大塚,下谷、神保町に移転。故秦川堂永森譲さんの父上)など、以前はきれいな容姿でべらんめー口調の古本屋さんを見かけたが、相川さんは「べらんめー」ではなかったが、そんな東京の粋な古本屋のお一人だったと思う。 「歌舞伎が好きで」の前半は『古本屋』の回想記をなぞるものだが、後半は古本屋、特に戦後の古書市場再興や即売会の運営、南部支部創設、南部古書会館の建設について話されている。 (「全古書連ニュース」2024年3月10日 第499号より転載) ※当連載は隔月連載です 日本古書通信社 |
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2024年4月25日号 第393号
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☆INDEX☆
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1.『百花繚乱の美人画ポスター』
田島奈都子(青梅市立美術館 学芸員)
2.『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』
石浜みかる(ノンフィクション作家)
3.『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家-青柳秀雄の生涯とその業績』
北見継仁
4.『親子福祉法の比較法的研究Ⅱ―里親の法的地位に関する日独比較研究―』
鈴木博人(中央大学法学部教授)
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━━━━━━━━━【自著を語る(324)】━━━━━━━━━━━
『百花繚乱の美人画ポスター』
田島奈都子(青梅市立美術館 学芸員)
2024年3月に芸術新聞社より出版された拙著『百花繚乱の美人画
ポスター』は、1900~30年代に製作された日本製ポスターの中
から、眉目秀麗な着飾った女性を主題とした「美人画ポスター」を
約100点、「画家の競演」、「図案家の活躍」、「妍を競う懸賞募集」、
「銀幕の美女」、「誘惑のエロティシズム」、「写真の活用」の6つの
章に分けて紹介するものである。
筆者はこれまでも、この種の作品を既刊本の中で取り上げてきた。
ただし、これは戦前期の日本製ポスターには、女性が主題としたものが
多いという現実に即した結果であり、「美人画」という視点に立って
作品と対峙することは、筆者にとっても久々のことであった。そして
この背景には、「鑑賞性」が強い美人画ポスターは、広告としての
役割を十分に果たしておらず、したがって学問的に研究するに値しない
とする認識が、従来のポスター研究の間で支配的であったことが関係
している。
続きはこちら
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『百花繚乱の美人画ポスター』
田島奈都子 著
芸術新聞社 刊
税込価格:3,630円
ISBNコード:978-4-87586-696-1
好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784875866961
━━━━━━━━━【自著を語る(325)】━━━━━━━━━━━
『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』
石浜みかる(ノンフィクション作家)
1868年の明治維新以降、日本は西欧にならって帝国主義国家路線を
採りました。韓国を併合すると、さらなる領土拡張の欲望やみ難く、
日本海を渡り、1931年の、奉天(今の瀋陽)近くの鉄道爆破を契機と
して、満州全土(現在の中国東北部)を日本の「生命線」化していき、
翌年、傀儡国家「満州国」を建国しました。そして占領地全体に、国策
として、日本本土から開拓団を次々に送り込みました。移民です。
その中に、2つのキリスト教開拓団がありました。キリスト教界も
国策に迎合したのです。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13490
『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』
日本キリスト教団出版局 刊
石浜みかる 著
税込価格:3,300 円
ISBN:9784818411548
好評発売中!
https://bp-uccj.jp/book/b639573.html
━━━━━━━━━【自著を語る(326)】━━━━━━━━━━━
『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家-青柳秀雄の生涯とその業績』
北見継仁
私が青柳秀雄の名前を初めて知るのは、2019年に自費出版した『佐渡
郷土資料目録』作成のための調査時であった。青柳秀雄(以下、青柳)の
著作物を見ると、民俗学、なかでも方言研究家、そして資史料の蒐集家では
ないかと考えていた。しかし、佐渡島内で刊行された郷土史誌・名鑑の類いに
青柳の名前をなかなか見出せないでいた。
2008年に、「港や書店」(中村一也さん)発行の古書目録№38が恵贈
されてきた。この目録には佐渡関係232点の青柳コレクションが掲載され
ており、調査を進める際には大変有益であった。佐渡島内の図書館や個人
コレクションでも青柳の著作物があまり所蔵されておらず、「港や書店」
古書目録№38をテキストにして、Webサイト「日本の古本屋」を大いに利用
した。
今迄に私は「日本の古本屋」を通じて、およそ380冊の古本を購入している。
今回の資料購入では『特選蒐集家名簿』・『古本年鑑』・『図書週報』等の
古典社刊行のものや民俗学に関する古書等を、予算のゆるす限り購入した。
なかでも金沢文圃閣さんのラインナップは現在でも欲しいものばかりであるが、
購入できなかったものもある。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13909
『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家――青柳秀雄の生涯とその業績』
北見 継仁 著
皓星社 刊
税込価格:4,950円
ISBN:978-4-7744-0818-7
好評発売中!
https://www.libro-koseisha.co.jp/history_culture/9784774408187/
━━━━━━━━━━━【大学出版へのいざない17】━━━━━━━━━━━
『親子福祉法の比較法的研究Ⅱ―里親の法的地位に関する日独比較研究―』
鈴木博人(中央大学法学部教授)
本書(副題は「里親の法的地位に関する日独比較研究」)は、里親里子関係を
私法(民法)上位置づける必要があることを、日本法とドイツ法を比較法の対象
として検討するものである。
要保護児童、いわゆる社会的養護を受けている子の養育は、養育者とのアタッチ
メントを築くために里親養育が推奨され、里親委託の数値目標が掲げられ、政府
広報も盛んに行われている。ところが、近年、里子の委託措置解除をめぐり里親が
都道府県(児相)を提訴するケースが全国で相次いでいる。里親の主張が裁判で
認められることはほばないにもかかわらずである。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13935
『親子福祉法の比較法的研究Ⅱ
―里親の法的地位に関する日独比較研究―』
鈴木博人 著
中央大学出版部 刊
判型/製本形式/ページ数:A5判/上製/148ページ
税込価格:1,870円
ISBNコード:978-4-8057-0739-5
Cコード:3332
好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784805708330
━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━━
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書名:「印象派の道」
出版社:三省堂書店/創英社
著者名:リオネッロ・ヴェントゥーリ
訳者名:長峯朗(渡内書店)訳
価格:5,500円(税込)
ISBN:978-4-87923-222-9
好評発売中!
https://www.books-sanseido.co.jp/soeisha_books/2414111
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書名:『近代出版研究 第3号』
著者:近代出版研究所
出版社:皓星社
ページ数:320 ページ
税込価格:2,530円
判型:A5判並製
装幀・造本:藤巻亮一
ISBN:978-4-7744-0820-0
好評発売中!
https://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/9784774408200/
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「大学出版へのいざない」シリーズ 第18回
書名:『三浦按針の謎に迫る 家康を支えたイギリス人臣下の実像』
著者名:森 良和・フレデリック・クレインス・小川 秀樹 編著
出版社名:玉川大学出版部
判型/製本形式/ページ数:四六判・並装・340ページ
税込価格:2,860円
ISBNコード:978-4-472-30314-2
Cコード:C0021
https://www.tamagawa-up.jp/book/b607092.html
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日本の古本屋メールマガジン その393・4月25日
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【発行者】
広報部・編集長:藤原栄志郎
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『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』
『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』石浜みかる(ノンフィクション作家) |
1868年の明治維新以降、日本は西欧にならって帝国主義国家路線を採りました。韓国を併合すると、さらなる領土拡張の欲望やみ難く、日本海を渡り、1931年の、奉天(今の瀋陽)近くの鉄道爆破を契機として、満州全土(現在の中国東北部)を日本の「生命線」化していき、
翌年、傀儡国家「満州国」を建国しました。そして占領地全体に、国策として、日本本土から開拓団を次々に送り込みました。移民です。その中に、2つのキリスト教開拓団がありました。キリスト教界も国策に迎合したのです。 本書の「証言」は、その2つの開拓団の団員であった方たちから、筆者が直にお聞きして 書き留めた言葉です。戦後沈黙してきた時間があまりにも長かったので、沈黙を破ると、 敗戦時の悲惨な記憶がほとばしり出るのでした。満州での暮らしは現代に少しも伝わって いないと確信し、筆者は夢中で書きとどめていきました。全体像をできる限り描き出すのは、 わたしの役割であると自然に感じられました。スタートしたのは30年ほど前のことでした。 当時筆者は50歳代でした。以後満州(満州国)について学び続けてきました。原稿から 書籍への道は長かったのですが、電子書籍が広がるなかで、手で触れられる造本で、 やっと読者のみなさんのお手元に届けられる時がきました。無上の喜びです。 開拓団員たちは、日本敗戦によって、本土へ引揚げました。満州で築きあげたものはすべて失いました。満州入植そのものが国家による侵略行為だったからです。現地民をその農地から追い出し、肥沃で広大な農地から大豆その他の農産物を得て本土に送りました。満州の大地 戦後の経済が、爆発的かつ安定的に成長していった日本では、戦争の責任や他国民への加害など、〈疚しさ〉を感じる過去など振り返らないでもうまくいくのだという楽勝気分が、指導者にも一般市民にも広がりました。日本の学校における歴史教育において、近代史はほぼ省略されました。近代史隠蔽です。そこに落とし穴がありました。緊張感を失ったまま、いまに しかし少なからぬ人たちが、現在の社会情勢の変化に危機の到来を感じとっています。 本書の構成は、第一章から第四章までは時代背景と前史、および満州への邦人移民の全体像の素描です。第五章がキリスト教開拓団の本論になります。第一章から第四章までの説明が 開拓団・青少年義勇隊の農場・報国農場など、日本人の村は全満州に1000近くありましたが、このキリスト教開拓団員たちの証言ほど、小さな個人がどう生きたかを自ら語った「団員たち自身の証言」は見当たりません。敗戦時の満州在住日本人は約155万人、開拓団員は約27万人、死者は約8万人。語られなかった無数の個人の物語があったのです。 本書は、ひとりの青年牧師がはじめた「探求の旅」を原型にしています。1970年代に日本キリスト教団史の作成が始まりましたが、あちこちから集められた戦時中の資料を時系列に 現代の日本は世界に先駆けて「労働人口減少社会」に突入しました。建築現場でも、工場でも、農地でも、多民族の労働者を雇っています。人間として対等に相和して働いているでしょうか。満州で現地民を使っていたのは、曾祖父母、祖父母の世代ですが、反省がなされていないなら、世代が交代しても、「多民族協和」の重要性や人権意識は、いまの労働現場で十分に意識化されていないかもしれないと危惧されます。 危惧はもうひとつあります。SNSが急速に発達し、デジタル文明の時代になりました。 彼らの「証言」を、読んでいただけることを願っています。
![]() 『証言・満州キリスト教開拓村 国策移民迎合の果てに』 日本キリスト教団出版局 刊 石浜みかる 著 3,300円(税込) ISBN:9784818411548 好評発売中! https://bp-uccj.jp/book/b639573.html |
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『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家-青柳秀雄の生涯とその業績』
知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家-青柳秀雄の生涯とその業績北見継仁 |
私が青柳秀雄の名前を初めて知るのは、2019年に自費出版した『佐渡郷土資料目録』作成のための調査時であった。青柳秀雄(以下、青柳)の著作物を見ると、民俗学、なかでも方言研究家、そして資史料の蒐集家ではないかと考えていた。しかし、佐渡島内で刊行された郷土史誌・名鑑の類いに青柳の名前をなかなか見出せないでいた。
2008年に、「港や書店」(中村一也さん)発行の古書目録№38が恵贈されてきた。この さらに2010年には佐渡市相川出身で、のちに神奈川県に移住した修験道研究家牛窪弘善の佐渡関係を中心とした資史料が、弘善の五男剛氏によって、私が勤務していた佐渡学センターへ一括寄贈された。牛窪弘善は『修験道綱要』(名著出版)をはじめとする多くの著書・ 小林昌樹(近代出版研究所所長)さんが、本書の解説「ブックコレクターとしての青柳 私には青柳が研究者と版元、古書・資料に取りつかれたコレクター等、大変魅力的な人物像として映り、次第に魅了されていった。ところが前述したように、青柳の業績が地元の佐渡では顧みられなくなっていたのである。菊地暁(京都大学人文科学研究所助教)先生は小林所長と同様に解説で、「民間伝承の会「支部」をめぐって」を書いてくださっているが、柳田國男に影響を受けたその当時の、島内の郷土史家たちによる「民間伝承の会佐渡支部」結成前後の時期から、資料採取の方針や中央集権的な姿勢、資料提供者にとめおかれること等、そのような姿勢に追従する佐渡の支部員の姿には、青柳は納得できなかったに違いない。そこからはじかれた青柳は、今まで自分自身が蓄積した業績を顧みられる機会がなくなってしまったのであろう。 この青柳に関する調査研究の成果は、自費出版で少部数の刊行を予定していた。ところが また、青柳の学歴、幼少期、青年期、郷土史研究の動機、東京時代の様子、日本中の研究者(趣味研究者・土俗・民俗研究者・蒐集家)との交流や関係性等、多くの課題も残したが、 今後、本書によって、青柳の生涯とその業績及び地方における謄写版による書籍・雑誌の
![]() 『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家-青柳秀雄の生涯とその業績』 |
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『親子福祉法の比較法的研究Ⅱ―里親の法的地位に関する日独比較研究―』【大学出版へのいざない17】
『親子福祉法の比較法的研究Ⅱ―里親の法的地位に関する日独比較研究―』【大学出版へのいざない17】鈴木博人(中央大学法学部教授) |
本書(副題は「里親の法的地位に関する日独比較研究」)は、里親里子関係を私法(民法)上位置づける必要があることを、日本法とドイツ法を比較法の対象として検討するものである。 |
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『百花繚乱の美人画ポスター』
『百花繚乱の美人画ポスター』田島奈都子(青梅市立美術館 学芸員) |
2024年3月に芸術新聞社より出版された拙著『百花繚乱の美人画ポスター』は、1900~
30年代に製作された日本製ポスターの中から、眉目秀麗な着飾った女性を主題とした「美人画ポスター」を約100点、「画家の競演」、「図案家の活躍」、「妍を競う懸賞募集」、 「銀幕の美女」、「誘惑のエロティシズム」、「写真の活用」の6つの章に分けて紹介するものである。 筆者はこれまでも、この種の作品を既刊本の中で取り上げてきた。ただし、これは戦前期の日本製ポスターには、女性が主題としたものが多いという現実に即した結果であり、「美人画」という視点に立って作品と対峙することは、筆者にとっても久々のことであった。そしてこの背景には、「鑑賞性」が強い美人画ポスターは、広告としての役割を十分に果たしておらず、したがって学問的に研究するに値しないとする認識が、従来のポスター研究の間で支配的であったことが関係している。 しかし、戦前期の日本製ポスターは、確かに広告を目的として製作されたものの、依頼主となる企業にとっては、自社の財力や趣味の良さを見せつける、「ステータス・シンボル」と ましてや、高温多湿で日差しの強い日本においては、商業ポスターが欧米のように完全な屋外に掲出されることはほぼなく、ショーウインドーの中や店内の壁面に、額装されて掲出されることを常としていた。そうなると必然的に、ポスターと鑑賞者の距離は近くなり、「複製絵画的」であることや、「近くから見ても精緻で美しい」ことは、一般市民が優れたポスターと このような状況から、戦前期の日本においては、ポスターといえば美人画的な作品が主流となった。ただし、この「圧倒的に数が多い」状況は、ときとしてこうした作品全体を「取るに足らない存在」と見なし、原画製作に携わった画家や図案家を、軽んじる風潮を助長してきた。 事実、展覧会や書籍においては、どうしても「数の少ない珍しい」作品が選ばれがちであり、1911年に三越呉服店が行った第1回広告画図案懸賞募集において1等に選ばれた、橋口五葉による《三越呉服店 此美人》や、日本初のセミヌード・ポスターとされている、1922年の片岡敏郎と井上木陀による、松島栄美子をモデルにした《赤玉ポートワイン》のような、 さて、こうした中での本書は、美人画ポスターに対する正当な評価を促すべく、出版されたといっても過言ではない。ただしそのためには、誰もが「見るべき価値を有する」と思える また、それらを理解となる一助になるべく、各作品には200文字程度の個別解説を付け、 本書を出版するにあたっては、一から該当する作品を洗い出し、分類整理し、章立てを考えつつ取捨選択を繰り返したが、こうした作業は想像した以上に楽しかった。また、解説文を ![]() 『百花繚乱の美人画ポスター』 芸術新聞社 刊 田島奈都子 著 3,630円(税込) ISBN:978-4-87586-696-1 好評発売中! https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784875866961 |
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2024年4月10日号 第392号
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古書市&古本まつり 第135号
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。
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━━━━━━━━━【シリーズ書庫拝見24】━━━━━━━━━
秋田市立土崎図書館 3人の同級生が遺したもの
南陀楼綾繁
今年1月に秋田市に来た際、知人から「本のある場所」に案内された。
中心部の中通にある〈本庫 HonCo〉だ。
中に入ると、天井まで届く本棚に圧倒される。建築家の難波和彦さん
が進めてきた「箱の家」シリーズのひとつで、「本・箱の家」という
名前もあるそうだ。「本に遊ぶ」というモットーに賛同する人たちが
集まる会員制私設図書館で、メンバーには図書館や大学関係者もいる。
棚の本を眺めていると、『種蒔く人』関係の資料が並ぶ一角が目に
留まった。市販されていない目録や論文集もある。
それもそのはず、代表の天雲成津子さんは元図書館司書で、私が
翌月に取材する秋田市立土崎図書館に勤務していたこともあるという。
前回紹介した「種蒔く人」顕彰会編『『種蒔く人』の射程 一〇〇年の
時空を超えて』(秋田魁新報社)にも、論考と文献目録で関わっている。
なんという偶然、いや必然なのだろうか。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13555
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」
の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、
編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。
X(旧Twitter)
https://twitter.com/kawasusu
秋田市立土崎図書館
https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/shakai-shogai/1008469/1008847/index.html
━━━━━━━━━━━【調べる古本④】━━━━━━━━━━━
調べる古本④ 古本用語を調べる古本 ―『書物語辞典』(1939)
久源太郎『古本用語事典』(1989)など 附・古本用語集のはじめ―
書物蔵
■古本用語を知ったほうがお得で楽しい?
書物評論家・紀田順一郎先生が若い頃、「揃い」と「大揃い」の
違いがわからなくて、古本買いで損をした話を読んだことがある。
揃いはだいたい揃っている、あるいはある巻からある巻まで続いて
いる、といった意味で、完全揃いが「大揃い」。
そこまではさすがにわからずとも、古本屋用語がわかったほうが、
我々古本愛好家にも便利なことは確かだろう。「これ、12冊で〈
大揃い〉なんだけれど、11巻目が新装版からの〈足し本〉なんだ
よね」などと、古本仲間うちで話せると効率もよいというわけだ。
第一、楽しい。
続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=13447
※当連載は隔月連載です
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「コショなひと」始めました
YouTubeチャンネル「東京古書組合」
https://www.youtube.com/@Nihon-no-Furuhon-ya
※今月の新コンテンツはありません。
━━━━━【4月11日~5月15日までの全国即売展情報】━━━━━
⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init
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フジサワ古書フェア(神奈川県)
期間:2024/03/21~2024/04/17
場所:フジサワ名店ビル 有隣堂藤沢店4階ミニ催事場
URL:http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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西武本川越PePeのペペ古本まつり
期間:2024/04/04~2024/04/16
場所:西武鉄道新宿線 本川越駅前ペペ広場
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♭立川フロム古書市ご案内♭
期間:2024/04/05~2024/04/16
場所:立川駅北口徒歩5分フロム中武3階バッシュルーム(北階段際)
(ビッグカメラ隣)
URL:https://mineruba.bookmarks.jp/saiji.htm
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第9回南大沢古本まつり
期間:2024/04/12~2024/04/18
場所:京王相模原線南大沢駅前~ペデストリアンデッキ~
三井アウトレット前特設テント
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好書会
期間:2024/04/13~2024/04/14
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=620
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本の散歩展
期間:2024/04/19~2024/04/20
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=609
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おやまるしぇBOOKS古本市
期間:2024/04/20~2024/04/21
場所:イオンモール小山2階 未来屋書店横 特設会場
栃木県小山市中久喜1467-1
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鬼子母神通りみちくさ市 2024春(古本フリマ)
期間:2024/04/21~2024/04/21
場所:雑司が谷鬼子母神通り
URL:https://kmstreet.exblog.jp/
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フィールズ南柏 古本市※会期修正しました2/21
期間:2024/04/21~2024/04/30
場所:フィールズ南柏 モール2 2階催事場
柏市南柏中央6-7
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第12回 小倉駅ナカ本の市
期間:2024/04/23~2024/04/29
場所:小倉駅ビル内・JAM広場
URL:https://twitter.com/zCnICZeIhI67GSi
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春の古本掘り出し市
期間:2024/04/24~2024/04/29
場所:岡山シンフォニービル1F 自由空間ガレリア
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浦和宿古本いち
期間:2024/04/25~2024/04/28
場所:さくら草通り(JR浦和駅西口 徒歩5分 マツモトキヨシ前)
URL:https://twitter.com/urawajuku
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西部古書展書心会
期間:2024/04/26~2024/04/28
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=563
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ぐろりや会
期間:2024/04/26~2024/04/27
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://www.gloriakai.jp/
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第21回 四天王寺 春の大古本祭り
期間:2024/04/26~2024/05/05
場所:大阪 四天王寺 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
URL:https://kankoken.main.jp/
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第66回 名鯱会 古書即売会
期間:2024/04/26~2024/04/28
場所:名古屋古書会館 2階 名古屋市中区千代田5-1-12
URL:https://hon-ya.net/
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第19回境内アート×苗市@小布施 玄照寺
期間:2024/04/28~2024/04/28
場所:玄照寺 長野県上高井郡小布施町大島90
URL:https://obuse.keidai-art.com/
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港北古書フェア
期間:2024/04/30~2024/05/14
場所:有隣堂センター南駅店店頭ワゴン販売
最寄駅:横浜市営地下鉄 センター南駅※駅構内
URL:http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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第30回八王子古本まつり
期間:2024/05/02~2024/05/06
会場:JR八王子駅北口ユーロード特設テント
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城北古書展
期間:2024/05/03~2024/05/04
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=573
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東武日光線新大平下駅前で古本市(プラッツおおひら古本市)
期間:2024/05/04~2024/05/05
場所:まちづくり交流センター プラッツおおひら
栃木県栃木市大平町富田558-11)
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反町古書会館展
期間:2024/05/04~2024/05/05
場所:神奈川古書会館1階 横浜市神奈川区反町2-16-10
URL:http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm
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杉並書友会
期間:2024/05/04~2024/05/05
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=619
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第51回 古本浪漫洲 Part.1
期間:2024/05/09~2024/05/11
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2 TEL03-3354-6111
URL:https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/
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東京愛書会
期間:2024/05/10~2024/05/11
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/
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中央線古書展
期間:2024/05/11~2024/05/12
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
URL:https://www.kosho.ne.jp/?p=574
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第51回 古本浪漫洲 Part.2
期間:2024/05/12~2024/05/14
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/
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新橋古本まつり
期間:2024/05/13~2024/05/18
場所:新橋駅前SL広場
URL:https://twitter.com/slbookfair
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第51回 古本浪漫洲 Part.3
期間:2024/05/15~2024/05/17
場所:新宿サブナードジャングルスカイ広場(催事場)
新宿区歌舞伎町1-2-2
URL:https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/
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調べる古本④古本用語を調べる古本 『書物語辞典』(1939) 久源太郎『古本用語事典』(1989)など 附・古本用語集のはじめ
調べる古本④ 古本用語を調べる古本 ―『書物語辞典』(1939)
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古本用語を知ったほうがお得で楽しい?書物評論家・紀田順一郎先生が若い頃、「揃い」と「大揃い」の違いがわからなくて、古本買いで損をした話を読んだことがある。揃いはだいたい揃っている、あるいはある巻からある巻まで続いている、といった意味で、完全揃いが「大揃い」。 そこまではさすがにわからずとも、古本屋用語がわかったほうが、我々古本愛好家にも便利なことは確かだろう。「これ、12冊で〈大揃い〉なんだけれど、11巻目が新装版からの〈足し本〉なんだよね」などと、古本仲間うちで話せると効率もよいというわけだ。第一、楽しい。
久源太郎『古本用語事典』有精堂出版、1989 正面から古本の用語を標榜する本は意外とない。これと、あと一冊、2013年に高円寺で この『古本用語事典』は、語の採録の幅や語釈にやや難があり、また、語の読みから検索する索引がないなど、辞典としての作りもいま一つなのだが、比較的――古本マニアにとっては、ですよ――近年の出版であるのと、その評価のせいか、1990年代後半に「ゾッキ」に 本体は、1. 古本業界・市・展覧会、2. 古本屋用語、3. 出版業(版元)・文庫(コレクション)、4. 書物―その形式、の4部構成になっており、便利なようでいて、1と2のどちらで古本用語が出るか分からない。約500語を収録。「東京移動図書館」といった、図書館学からも 古典社編『書物語辞典 3版』古典社、1939 戦前に出たこの辞典が実は今回のイチオシ。最近、国会図書館のデジタルコレクションで まず他の辞書では出ない言葉が拾われていること。「おまんじゆうしつ(ママ)ぱん(お饅頭出版)」 【図2】などというジャーゴンはなかなか立項されない(「まんじゅう本」の起源については最近『近代出版研究2024』に報告があるので参照されたい)。
本がらみでは他にも「ないけんえつ(内検閲)」などという項目もあって「内閲とも云ふ。大正八年頃から同15年頃まで内務省の図書課に検閲係を置き、出版物の下検閲をして発売禁止による損害予防の相談相手となつた」とある。牧義之「伏字の文化史:検閲・文学・出版」(森話社、2014)で内閲の実施時期が問題になっていたが、ここに同時代的な答えが書いてあったというわけである。渡辺は沼津に本拠を置いていたが、東京の古本業者と密に連絡を 渡辺の書物語辞典の良さはこういった採録語彙の豊富さだけではない。巻末にある「分類索引」がまた良いのだ【図3】。端的に言ってシソーラス(類語辞典)的に使えるのである。
ちなみに家蔵本の見返し紙に、昭和17年に麻耶山房主人こと千田という人物が城戸なる畏友に贈ると書き込みがある。またさらに城戸は私の前の持ち主に贈ったともある。いま『昭和前期蒐書家リスト』(私家版、2019)を見ると、城戸は城戸幡太郎(心理学者)と思われる。 長沢規矩也、八木佐吉などの辞典も良い ほかにも手頃な書物語辞典がいくつか出ている。長沢規矩也編著『図書学辞典』(三省堂、1979)は漢籍中心だが、漢学らしく類語表現を選びやすくするため本文がシソーラス的な編成で、一方で五十音順索引も備えているので便利だ。約2000語を収録する。八木佐吉編著『書物語辞典:英(独・仏・羅)-和』(丸善、1976)は丸善「本の図書館」(1954〜2009)の2代目館長が作ったもの。日本語の索引もちゃんと付いている。洋古書に興味があれば、 変わったところでは、『学術用語集:図書館学編 第7版』(文部省、1976)がある。理系学問を中心に文部省がやっていた外国語と日本語の対応リストの一つ。語釈はないが日本語からも引ける。「図書館情報学編」でなく「図書館学編」のほうが古い書物語が拾える。 以上、古書価格が手頃な古本用語辞典を紹介した。国会図書館のデジタルコレクションで見られるものも出てきたが、それゆえ入手しやすくなっている今がチャンスと思う。井上宗雄ほか編『日本古典籍書誌学辞典』(岩波書店、1999)といった、大きくて立派で高い専門辞書もあるし、渡邊正亥『図書・図書館用語集成』(近畿大学、1984)といった、図書館学系の辞書に書物語を立項するものもあるが、そういったものは学者先生たちに買ってもらうのがよいだろう。 附・古本用語集のはじめ 本ではないが本の付録や雑誌記事として書物用語集が編まれることがある。我々古本者に
X(旧Twitter) ※当連載は隔月連載です |
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秋田市立土崎図書館 3人の同級生が遺したもの【書庫拝見24】
秋田市立土崎図書館 3人の同級生が遺したもの【書庫拝見24】南陀楼綾繁 |
今年1月に秋田市に来た際、知人から「本のある場所」に案内された。中心部の中通にある〈本庫 HonCo〉だ。
棚の本を眺めていると、『種蒔く人』関係の資料が並ぶ一角が目に留まった。市販されていない目録や論文集もある。 それもそのはず、代表の天雲成津子さんは元図書館司書で、私が翌月に取材する秋田市立 前回、あきた文学資料館名誉館長の北条常久さんの「秋田は人間関係が濃密で、『人の塊り』みたいなところなんです」という言葉を紹介したが、まさにそれが現前した感じだ。 『種蒔く人』が生まれた土地 2月19日の朝、秋田駅で編集担当のHさんと待ち合わせる。 土崎は秋田駅から北西に車で30分ほど行ったところにある港町だ。雄物川を背景に、古くから海運で栄え、江戸時代には「北前船」の寄港地だった。明治以降は油田開発にともない、製油所が多くあったという。1945年(昭和20)8月14日に起った土崎空襲の目的は、これらの製油所を狙ったものだという。 土崎図書館に着くと、建物の前に『種蒔く人』の顕彰碑がある。1964年12月に「種蒔く人」顕彰会が建てたものだ。
1923年(大正12)、郡制廃止により県立秋田図書館土崎分館に、1932年(昭和7)、県から土崎港町への移管により町立土崎図書館となる。1941年(昭和16)、土崎港町が秋田市に合併され、秋田市立土崎図書館と改称される。1954年(昭和29)には旭町琴平に移転した。先の顕彰碑はこの場所で建立された。 顕彰会の歩み「種蒔く人資料室」は2階にある。
この家は竹やぶに隣接していたので、「竹やぶの家」と云われた。「秋田出身の伊藤永之介や社会主義者の卵が集まり、梁山泊のようだったという」(「吉祥寺~西荻窪周辺 抵抗の 当時、阿佐ヶ谷から吉祥寺にかけての中央線沿線には、プロレタリア文学の関係者が多く 同会は1962年に創立。会長は県議会議員の小幡谷政吉。小幡谷は、小牧近江の叔父で土崎版『種蒔く人』に参加した近江谷友治に土崎尋常高等小学校で学び、同誌の頒布の手伝いもしたという(『種蒔く人』の射程 一〇〇年の時空を超えて』)。 1964年には、先に見た顕彰碑を建立。その後、50年、55年、60年、70年、80年、90年と、節目ごとに講演や展示を開催してきた。1971年に創刊された『種蒔く人顕彰会会報』からは、その一端が伝わる。創刊号には小牧、金子が寄稿している。ガリ版刷りであることに
創刊100周年にあたる2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大のため、顕彰会が予定していた100周年の集いを開けなかった。 今野賢三と金子洋文 顕彰会編の『「種蒔く人」七十年記念誌』には、「秋田『種蒔く人』顕彰会の歩み」という座談会が載っている。出席者の話からは、設立時の盛り上がりが感じられる。 今野は小学校を出た後、呉服屋の店員、見習い職工など、さまざまな職を転々とし、映画の活動弁士となる。『種蒔く人』の創刊時は、土崎映画劇場で弁士をしていた。その頃の日記は、秋田県立図書館に所蔵されており、『花塵録 「種蒔く人」今野賢三青春日記』(無明舎出版)として刊行された。 今野は『種蒔く人』のあと、秋田県内の労農運動に関わる一方で、小説家、郷土史家としても活動。『汽笛』『黎明に戦ふ』などの小説のほか、『土崎発達史』『土崎港町史』などを
座談会には「今野さんがたいへん生活的に困っているということを身近に知っておったもんですから、(略)今野さんにいろいろ体験を語っていただくことによって、そのお礼としてお金を差しあげるような形がいいのではないか」ということで、〈三島書店〉の二階を借りて 今野は1969年に静岡県の病院で死去した。76歳。その後、秋田社会運動研究会代表の田口勝一郎の慫慂により、1995年と翌年、遺族から今野の資料1195点が顕彰会に寄贈された。 「主人は『種蒔く人』のことをいつも誇りにしており、それに関する資料は、どんな小さな新聞の切れ端でも、大切に大切に保存しておりました。そんな姿をみて、わたしも自然に影響を受け、主人が遺した手紙や原稿、メモ書き、それに作品の掲載された古い雑誌、単行本類は、出来るだけ大事に保存して参りました」(「資料保存の思い出」『「種蒔く人」七十年記念誌』) 今野の死去を受けて、金子洋文は『秋田魁新報』に「今野賢三の思い出」を寄稿した。その原稿と掲載紙の切り抜きは、同館所蔵の「金子洋文資料」に収蔵されている。
2007年、遺族により原稿、書簡、新聞・雑誌切り抜きや写真、ノートなど約1万点にのぼる資料が、同館に寄贈された。このうち約8500点は『金子洋文資料目録』に掲載された。
2021年には、『「種蒔く人資料室」目録2』を刊行。その後、寄贈された資料を掲載している。
港に立って 藤原さんによれば、『種蒔く人』関係の資料はだいたい整理が終わっているという。 創刊100周年にあたる2021年には、「雑誌『種蒔く人』を彩った人々」という展示を行ない、リモートで講演を開催した。100周年を機に見学者は増え、資料についての問い合わせも多くなったという。 前回も触れたが、『種蒔く人』関係の資料は、県立図書館、県立博物館、あきた文学資料館、市立土崎図書館の4カ所が所蔵している。いずれもかけがえのない資料だが、このように分散していると、調べにくいことも多いのではないか。 取材を終えて、天雲さんに港に連れて行ってもらう。 先述の顕彰会の座談会では、なぜ土崎で『種蒔く人』が生まれたかが論じられている。田口勝一郎(今野の資料を守った人物だ)は、土崎は川の運輸と海上交通の接点であり、京都や大坂から新しい風俗や文化が入ってくる場所だった。そこに活気が生まれたことが、大衆的な運動につながったのだと指摘する。 1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。 X(旧Twitter) 秋田市立土崎図書館 |
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