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第7回 神保町のオタさん 「本のすき間」を探るひと(前篇)

第7回 神保町のオタさん 「本のすき間」を探るひと(前篇)

南陀楼綾繁

 この連載をはじめる前、もしこの人に出てもらえたら……と最初に思い浮かべたのが、「神保町のオタ」さんだった。まったく知らない人なのに、ブログやツイッター上では10年以上前からやり取りがある。以前は「ジュンク堂書店日記」、現在は「神保町系オタオタ日記」と題するブログでは、初めて聞く人名や書名のオンパレード。著名な作家についても、古本屋や即売会で拾った思いもかけない資料を持ち出して、新鮮な角度で攻めてくる。
 これだけ活発に発信しているのに、この人の個人的なことは一切判らない。関西在住らしいが、頻繁に東京に来ているようでもある。あまりに謎なので、私は一時「オタさん架空説」を唱えていた。オタさんは実在せず、彼と最もネット上でやりとりのある書物蔵さん(本連載の2回目に登場)の変名だという見解だ。そのやり取りも自作自演……。「なんでそんなこと、わざわざするんですか?」という知人のもっともな疑問にも、「あの人(書物蔵さん)ならやりかねないから」と答えた失礼な私だ。

 神保町のオタさん、その人についに対面したのは、2016年の大阪だった。森之宮で開催された一箱古本市に出店したとき、同じ敷地でやっていた古書即売会でばったり書物蔵さんに会った。そのとき、「この人がオタさんです」と紹介されたのだ。二人並んでいたことで、私の妄想は粉砕された。ただ、二人の風貌にはかなり共通するものがあった(まだ云うか)。

「じつは、書物蔵さんにはじめて会ったのもその1年前なんです。千代田図書館で『古書目録のココが好き』という展示がありましたよね。その関連の、かわじもとたかさん(1回目に登場)、国会図書館の鈴木宏宗さんと南陀楼さんが出るトークを見に行ったんです。このとき、会場で書物蔵さんにある本を渡す約束をしていたんですが、なんだか会う勇気がなくて黙って帰りました。その翌日、あらためて高円寺の西部古書会館で待ち合わせて、会ったんです」とオタさんは云う。
オタさんの住む京都でも面が割れていなかったらしく、〈古書善行堂〉のブログでは「桂のKさん」として登場しながら、店主の山本善行さんがその人がオタさんだと気づいたのは、だいぶ後だったらしい。
 だから、オタさんが謎の存在だと思っていたのは、私だけではなかったのだ。

 神保町のオタさんは1959年、福島県只見町に生まれた。父はダムの建築に携わっていた。2歳で、父の転勤により静岡県清水市(現・静岡市清水区)に住み、ここで18歳まで暮らす。4つ上の兄がいたため、家には子ども向けの世界文学全集があった。小学生になるとそれを引っ張り出して読んだ。
「『小公子』がとくにお気に入りでした。主人公のセドリックは寡黙で上品さがあり、『こういう人になりたい』と思いました。私の最初の憧れの人です」
 その一方、テレビっ子であり、『スーパージェッター』『宇宙少年ソラン』『怪奇大作戦』などを観まくった。クリスマスに、枕元に『鉄人28号』のアニメ絵本が置かれていたときは嬉しかったという。

 小学校では学校の図書室で、講談社や小峰書店のSFシリーズ、ポプラ社の江戸川乱歩、ルパン、ホームズを読んだ。「講談社から出た『見えない生物バイトン』(エリック・F・ラッセル)が好きでした」。また、当時は清水市に貸本屋が何軒かあり、父が時代小説や推理小説を借りるのに、一緒に行っていた。
「古本屋にも父に連れられて行きました。〈山一書店〉といって、雑誌やエロ本の多い店でした。大人になってから、ここで知切光歳の『天狗考』上巻を買いました。下巻が刊行されなかったものです」
 また、静岡市の浅間神社の参道にある〈駿河書房〉は、正月から店を開けるので、ここでマンガを買うのが楽しみだった。のちに、じつはこの店に幻想文学がよく揃っていることを知る。

 新刊書店では〈戸田書店〉に通った。のちに全国展開するが、発祥は清水なのだ。2階建てで、ギャラリーを併設し、清水の文化の発信地だった。オタさんはここで、運命的な出会いをする。
「創元推理文庫で出た、エドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』を買ったんです。武部本一郎の表紙イラストに惹かれました。ヒロインのデジャー・ソリスが、私の初恋の人です。それで一気にスペース・オペラにハマりました。中学生の頃には、『宇宙英雄ペリー・ローダン』シリーズのファンクラブの創設メンバーになったほどです。当時は『マルペ』と呼ばれて、いまのオタク的な存在でしたね。会報も出ていました」
 また、中学3年で半村良のファンクラブ(半村良のお客になる会)に入り、機関誌に投稿が載ったことも。
「『SFマガジン』は中学から読んでいたし、『奇想天外』も新人賞に投稿しようとしたことがあります(笑)。新刊書店の〈谷島屋書店〉にはハヤカワSFシリーズが並んでいて、よく買いました。あの銀背が新刊なのに古本っぽくて好きでした」
 そうやって、中学、高校とSFにまみれて過ごすのであった。

 1978年、オタさんは京都大学に入り、京都で下宿生活をはじめる。
「入学してすぐに、UFO(ユーエフオー)超心理研究会に入りました。小学生の頃は考古学者になりたくて、デニケンの古代史ものを読みました。大学の頃に『ムー』が創刊されましたが、最初は子どもっぽい誌面だったので無視していましたね。この研究会にいた、のちに宗教学者になる吉永進一さんが高校の先輩で、いろいろ教えてもらいました。大阪の〈天牛書店〉やデパートの即売会にも連れていかれました。あれが、古本屋への本格的な目覚めでした」
 UFO(ユーエフオー)超心理研究会は、大文字山でUFOの観測会も行った。また、『宇宙波動』という機関誌を出しており、オタさんはそこに人類学者の鳥居龍蔵以降の異端考古学の系譜をたどる記事を書いた。
 一方で、SF熱も続いていた。当時は筒井康隆が唱えた「SFの浸透と拡散」にあたる時期で、映画『スター・ウォーズ』やアニメ『機動戦士ガンダム』があり、少女マンガでは萩尾望都らがSF的作品を描いた。サンリオSF文庫で次々に未訳の作品が出たこともあり、「新刊を追いかけるだけでも忙しかった」とオタさんは笑う。この辺の感じは、まだ中学生だった私にもよく判る。
「京大のSF研究会にも入って、機関誌もつくっていました。ぼくたちがつくったのは『よい子の宇宙人』というタイトルです。SF大会にも参加しましたよ。もっとも、1年で退会しましたが。また、幻想文学研究会に入り、そこでのちに英文学者になる横山茂雄さんと読書会をやったりした。横山さんは稲生平太郎として幻想小説も書いています」
 さらに、吉永さん、横山さんとオタさんでオカルト研究団体「近代ピラミッド協会」を結成。機関誌『ピラミッドの友』を発行し、オタさんは日本における巨石遺跡研究史を書いている。この頃から、研究史や学者の系譜に関心を向けているところは、オタさんらしい。

 
「授業よりもサークル活動に熱心でしたね」とオタさんは笑うが、ゼミで教わったマックス・ヴェーバー研究者の教授もオカルトへの理解が深かったというから、もはや、すべてがオカルト尽くしなのだ。なんと怪しくも豊饒な大学生活なことか!
オタさんはなぜ、そこまでオカルトにのめり込んだのだろうか?
「考古学もそうですが、失われたものや不思議なものを再生・復元したいという願望があったからです。タイトルに『謎』とか『不思議』とか『秘密』が付く本ばかり読んで、父に『もっと現実的な本を読んだらどうだ』とよく怒られました」

 そして、ここまでのオタさんの探究心が、古本屋通いと結びつくことで、別の方向に大きく展開するのだが、とても1回では書ききれないので、次回に続きます。

神保町系オタオタ日記
https://jyunku.hatenablog.com/

南陀楼綾繁
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。
「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。本と町と人をつなぐ雑誌『ヒトハコ』(書肆ヒトハコ)編集発行人。著書に
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)などがある。

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『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』 南陀楼綾繁 著
皓星社 価格:1,600円(+税) 好評発売中!
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連載(一)古書目録第10号『青春狂詩曲-近代教育の諸相』回想記

連載(一) 古書目録第10号『青春狂詩曲-近代教育の諸相』回想記

風船舎 赤見悟

 原稿の依頼を断りきれなかったため、僭越ながら自店の古書目録のことについて書かせて頂く。文責は私を推した月の輪書林さんにある。
 これまでに弊店は古書目録を14冊(号)発行してきた。第1号を発行したのは2009年。既にインターネット全盛で、「日本の古本屋」や「Amazon」「ヤフオク」も勿論存在した。言わば本を売る手法はいくらでもあった。そんな時代に何ゆえ手間も経費も大きくかかる古書目録なんぞの発行を思い立ったか、その理由については既に『日本近代文学館』第274号に駄文を書いた(これも断りきれなった)のでここでは省きたい。ご興味をお持ちの奇特な方は同号をお読み頂きたい。いや、別に読まなくても結構です。単なる行きがかり上仕方なくというのが最大の理由である(前述の通り私は押しに弱く流されやすい性質なのだ)。

 10年で14冊なので発行ペースとしては随分と遅い。しかし、その2009年は三回も目録を発行している。それがいつしか年に二回の発行となり、ここ最近は年に一回と徐々にペースダウン。「年一でよく食えるね」と言われることもあるが、それを補ってくれるのがこの「日本の古本屋」である。ありがたや。

 弊店は取扱ジャンルとしては一応「音楽と暮らし」を掲げている。ただ、飽きっぽい性格ゆえ頻繁によそ見をして他分野をつまみ食いしてしまう。10号は「教育(青春)」特集だし、12号は「占領期」特集といった具合だ。まあ一応両者ともに広義な「暮らし」という意味で問題ないのかもしれない(「音楽」も混ぜ込んでいるし)。というわけで今回は2014年に発行の弊店にとっては初の総特集を組んだ10号について書こうと思う。

 特集タイトルは『青春狂詩曲-近代教育の諸相』だ(同名の映画があるらしいが未見である)。核となる大半の教育文献はNさんという稀代の教育文献コレクターの旧蔵書だった。氏はベテランの古本屋さん達の間ではつとに有名で、都内で毎週のように行われている古書即売会では「教育」に少しでも関係がある文献であれば毎回狂ったように大量に購入していたという。そんな氏がお亡くなりになって、その蔵書がある時期の古書市場に三カ月近くにわたって出品され続けた。それは「もう勘弁して下さい」と願わずにはいられないほどの量だった。ある日の市場ではワンフロア全てが氏の蔵書だったこともある。それも、ご丁寧にとても細かく仕分けて出品されていたので、全ての入札を終えた頃にはフルマラソンを完走しきったかのようにヘトヘトになった(その証拠に入札直後、当時定期的に通院していた病院で行った尿検査ではタンパクが検出されて糖尿病かと焦ったものだ)。

 それまで「教育」といえば、「女学生の自筆日記」や「外地の学校資料」「児童の慰問手紙」といった「曲者」しか扱ったことがなかった弊店であったが、何故だかよく分らないが、この口を遮二無二買いまくった。おそらく「儲かる」「面白い」と後先考えず直感的に思ってしまったのだろう。これは私の悪い癖だ。それにしても今思えば無謀にもほどがある…。そして、いつしか金は尽き、自宅は教育文献で足の踏み場も無いほどの「戦場」と化した。

 それからは古本屋にとっては何よりも大事な市場にも通わず(正確には金銭的な面で通えず)、自宅に籠って妻と二人で目録を書きまくるという地味で平坦、そしてゴールの見えない日々が続いた。とにかく尋常でない量である。書いて、書いて、書いて、書きまくった。頭の中には絶えず「いつまで続くぬかるみぞ」という語句が踊っていた。目録作成の楽しさよりも、本当に完成するのかという不安の気持の方が遥かに勝っていた。目録上に「夏休み」や「放課後」といった項目を立てたのは、そんな自分を少しでも解放したかったからかもしれない。その様な状況下で、元来怠け者である私にとって、最大の武器となったのは「金が無い」ということに尽きると思う。要は「背水の陣」である。後には引けない。やるしかなかった。大きな声では言えないが、この時「金が無い」は大きな強みだった。

 半年以上の引き籠り生活を経て、何とか完成にこぎつけることが出来たのは、Nさんの圧倒的なコレクションのおかげでもある。Nさんの「人生」を賭けたコレクションと真向から対峙して、勝手ながらNさんの期待に応えたい、負けたくない、そんな風に思っていた。
 また、一見すると教育とは無関係と思われる品もよく見るとやはり教育に関係していた。一冊の「本」を多角的に捉えるということを学んだのもNさんのおかげかもしれない。目録の巻頭には「本書をN氏に捧ぐ」と、気障な一文を入れた。
 完成した目録を手して、妻と少し奇妙なことを言い合った。「Nさんが生きていたら大量の注文をくれたかなあ」と。 

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風船舎古書目録第10号『青春狂詩曲-近代教育の諸相』
A5判 全446頁 残部ナシ

赤見 悟(あかみ さとる)
1978年、埼玉県児玉郡上里町生まれ
2005年11月、杉並区阿佐ヶ谷にて「風船舎」実店舗開業
2007年夏、実店舗を閉め、通販専門に
2009年1月、古書目録第1号発行
2019年秋、古書目録第15号「越境特集」発行予定

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2019年6月25日 第277号

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☆INDEX☆
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1.『書籍文化史料論』             鈴木俊幸
2.『これからはソファーに寝ころんで』を語る   岡崎武志
3.『平成音楽史』
      片山杜秀 + 山崎浩太郎 田中美登里(聞き手)
                      山崎浩太郎

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(224)】━━━━━━━━━

『書籍文化史料論』

                     鈴木俊幸

 旧著『書籍流通史料論 序説』(2012年、勉誠出版)は、書
籍流通に関わる論考に絞ってまとめたものであるが、このたび上梓
の『書籍文化史料論』は、流通だけではなく、江戸時代から明治の
半ばまでの書籍文化史全体に及んで、これまで書きためた、また書
き下ろしの史料がらみの論考を収めた。

続きはこちら
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『書籍文化史料論』 鈴木俊幸 著
勉誠出版 定価 10,800円 (本体10,000円) 好評発売中!
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101007

━━━━━━━━━━━【自著を語る(225)】━━━━━━━━━

『これからはソファーに寝ころんで』を語る

                        岡崎武志

 創業約140年という老舗出版社、春陽堂書店から『これからは
ソファーに寝ころんで』という本が出ました。全編書き下ろしエッ
セイと写真をたくさん使った本というのは、これまでの私の著作に
なかったタイプ。そのことを意識して作った。
 古書愛好家にとっては、版元が春陽堂書店ということに、グッと
来るかも知れない。書籍小売店として出発、明治15年頃から出版に
手を染め、以来140年近い歴史を持つ出版社である。

続きはこちら
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『これからはソファーに寝ころんで』 岡崎武志 著
春陽堂書店 価格:1,944 円(税込) 好評発売中!
https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000660/

岡崎武志的LIFE オカタケな日々
https://www.shunyodo.co.jp/blog/2019/05/okatake_1/

━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━

「平成音楽史」 片山杜秀 + 山崎浩太郎 田中美登里(聞き手)

                      山崎浩太郎

 この本は、平成の30年間におけるクラシック音楽の状況を、対談
形式でふり返ってみたものです。
 音楽にかぎらず、日本近代思想の語り手として、圧倒的な知識と
縦横無尽の話術をもつ片山さんとともに、衛星ラジオ「ミュージッ
クバード」の4時間番組のために話した内容をもとに、さらに追補の
対談をしてまとめました。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=4982

『平成音楽史』片山杜秀 著 山崎浩太郎 著 田中美登里 聞き手
アルテスパブリッシング 定価:1800円+税 好評発売中!

https://artespublishing.com/shop/books/86559-200-9/

━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

古本屋ツアー・イン・ジャパンの2019年上半期活動報告(仮題)
古本屋ツーリスト 小山力也
http://furuhonya-tour.seesaa.net/

『書物学 第16巻 特殊文庫をひらく』 編集部 編
勉誠出版 定価 1,620円 (本体1,500円) 予約商品
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=9_29&products_id=101018

『古本屋散策』 小田光雄 著
論創社 定価:4800円+税 好評発売中!
http://ronso.co.jp

古本乙女の独り言④
古本好きの財布のヒモの結び加減
カラサキ・アユミ

古本乙女の独り言③ はこちら
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

6月~7月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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日本の古本屋メールマガジンその277 2019.6.25

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:二見彰
編集長:藤原栄志郎

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bunka

『書籍文化史料論』

『書籍文化史料論』

鈴木俊幸

 旧著『書籍流通史料論 序説』(2012年、勉誠出版)は、書籍流通に関わる論考に絞ってまとめたものであるが、このたび上梓の『書籍文化史料論』は、流通だけではなく、江戸時代から明治の半ばまでの書籍文化史全体に及んで、これまで書きためた、また書き下ろしの史料がらみの論考を収めた。勉誠出版の雑誌『書物学』に15回連載した「書籍文化史料片々」も併せて収めた。いずれも、書籍の文化の歴史の、書籍そのものだけではなかなか捉えられないさまざまな様相を、書籍に関わる、また関わりそうな史料を掘り出しながらあぶり出そうとしたものである。といえば、いささかかっこよく聞こえるが、どんな史料があってどう使えるのか、何が史料となりうるか、手探りしながら試みたものたちである。あぶり出せたものは、小さな局面、小さな状況に過ぎないかもしれないが、そこそこ具体的で生々しいはずである。

 出来上がった本をパラパラと繰って図版を眺めてみると、これとこれはG書店で見付けたもの、この店は年に一回は当たりがあるなとか、これはO書房に頼んで落札してもらったものだとか、これはS書店の目録から注文したもの、間に合ってよかったとか、これはT書店から他とまとめて買い入れたものだけど、まだ料理できていないものも残っているなとか、N書房の店頭ワゴンも油断なく毎週チェックすべきだなとか、ハンコ目当てに東京古書会館ではなんでもかんでも買いあさったな、とかとか、これまでの渉猟のさまざまが思い出されて懐かしい。古書会館の和本の山の中に見付けたものを、家に帰ってじっくり眺めているうちに、ひょっとしてツレがまだ山の中に混ざってはいなかっただろうかと気になって翌日早々また古書会館に出向いて見付けたものもある。それは30年ほど前のことで、ようやくこの度日の目を見たわけである。機が熟すのに時間がかかったというか、機が熟したことにしちゃう踏ん切りができたというか。

 昨年10月に松本の高美書店から出版した『信州の本屋と出版―江戸から明治へ』も、これまた30年近く心掛けてきた信濃出来の書籍・摺物の網羅的な収集が基礎になっている。質はともかく点数については、長野県立図書館や信州大学図書館所蔵のものを今では優に越えているであろう。ヤフオクや長野県内で得たものも多いが、これも神保町通いで集めたものが圧倒的に多くを占めているのであった。そんなこんな、私がこれまで続けてきた書籍文化史の研究(らしきもの)は、古書店・古書展とともにあった。これなくしては、ありえなかった。したがって、両書ともそれなりにお金をかけた本ではある。

といっても、1000円以内で入手のものがかなりの割合を占めている。これだけの金額で1世紀以上前のものがたくさん手に入るということは、それだけ豊富な蓄積を誇れる厚みのある文化であった証拠である。そして、誰でも小遣い銭で始められる研究であるということでもある。また、無駄歩きを含めて、多大の時間を掛けた本でもある。しかし、その時間とは、煩瑣な日常業務から切り離されて気ままにうろうろできる至福の時間であった。現在も、新たな研究に歩を進めるための史料獲得とモチベーション維持のために古書店歩きは欠かせないし、今後も、金曜日の神保町通いは私にとって大きな楽しみであり続けるはずである。



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「平成音楽史」 片山杜秀 + 山崎浩太郎 田中美登里(聞き手)

「平成音楽史」片山杜秀 + 山崎浩太郎 田中美登里(聞き手)

山崎浩太郎

 この本は、平成の30年間におけるクラシック音楽の状況を、対談形式でふり返ってみたものです。
 音楽にかぎらず、日本近代思想の語り手として、圧倒的な知識と縦横無尽の話術をもつ片山さんとともに、衛星ラジオ「ミュージックバード」の4時間番組のために話した内容をもとに、さらに追補の対談をしてまとめました。

 平成の御代を迎えたころは、まさにバブル景気の絶頂期。クラシック音楽界でも海外から一流アーティストが続々と来日、CDがLPに代わって普及して、その手軽さでバンバン売れ、レコード店も外資系の大型店が次々と繁華街の中心部にオープンしていました。
 バブル景気はすぐにはじけてしまい、就職氷河期が来たけれども、モノを買う、消費する生活そのものは1997、8年頃まで拡大を続けました。そのあとインターネットが普及しはじめて質量ともに発展を続け、「音楽を聴く」生活スタイルも大きく変化して現在に至るわけですが、その変容のなかでクラシックはどのように聴かれ、愛されたのか。

 片山杜秀さんも、私こと山崎浩太郎も、ともに1963年生まれです。20代後半からの30年間、ちょうど社会に出てから、昔なら定年を迎えるという時期を、平成とともに過ごしたことになります。それぞれの実体験を踏まえつつ、昭和と令和のあいだにどんな変化が起きたのかを話しました。
 昭和のあいだはまだ、空洞化しながらも厳然として存在していた「教養」の枠組が、平成になると崩れはじめました。クラシックの場合でいえば、まずは大作曲家による名曲、大演奏家による名盤を聴くべきだ、聴かねばならないという「教養のたが」が外れてきて、ききての個人的な趣味が遠慮なく前面に出るようになっていく。マーラーやブルックナーの長大な交響曲が人気を集めたり、ケーゲルやスヴェトラーノフといったマイナーな指揮者の、「猟奇的」とか「爆演」とかいわれる演奏のCDが、ベストセラーになったりする。

 指揮者カラヤンのように「帝王」といわれたカリスマ的スターが死んでしまって、崇めるべき権威も、倒すべき権威もなくなり、中心が見えにくくなった時代。そのなかで、壮大そうに見えるんだけれども、壮大さに憧れているんだけれども、どこかキッチュな、まがいものじみたものへの共感が生まれていく。こうした感覚は、平成に起きた大きな事件にも、つながっていきます。

 たとえば、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教は、ソ連崩壊でそれまでの安定した地位を失ったロシアの音楽家を集めて、キーレーンというオーケストラをつくり、教祖自作の作品を東京のホールで演奏させました。あるいは、佐村河内守という人物は、「耳の聞こえない作曲家が独学で生み出した、壮大な交響曲」という物語をつくり、後期ロマン派の怪物のように長大で陰鬱な、そして最後は感動的に終る大交響曲を別人に作曲してもらい、自分の作品として発表する。そこに偶然にも東日本大震災が発生し、その苦しみをいやす音楽のつくりてとして、佐村河内は期待されることになりました。

 どちらも、最終的には大いなる幻滅と悲劇に終わるわけですが、平成という時代を生きる人間たちの精神のある一面を、象徴しているように思えます。クラシックは、音楽マーケットのなかではごく小さなものですが、それでもなお、時代の一側面を語れるだけの影響力を保っていると思います。



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『平成音楽史』片山杜秀 著 山崎浩太郎 著 田中美登里 聞き手
アルテスパブリッシング 定価:1800円+税 好評発売中!
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『これからはソファーに寝ころんで』を語る

『これからはソファーに寝ころんで』を語る

岡崎武志

 創業約140年という老舗出版社、春陽堂書店から『これからはソファーに寝ころんで』という本が出ました。全編書き下ろしエッセイと写真をたくさん使った本というのは、これまでの私の著作になかったタイプ。そのことを意識して作った。

 古書愛好家にとっては、版元が春陽堂書店ということに、グッと来るかも知れない。書籍小売店として出発、明治15年頃から出版に手を染め、以来140年近い歴史を持つ出版社である。大正期には漱石、芥川の本も出し、なんといっても戦後、大衆小説の廉価普及に尽力した春陽堂文庫がある。しかし平成に入り、過去の出版遺産の再生産というかたちでしか、同社の出版活動を意識することはなかった。

 昨年あたりから、自社サイトを起ち上げ、新刊に力を入れて行こうという体制が整い、私にもチャンスが訪れたわけだ。スマホで撮りだめた大量の写真を使って、何かやりたいとずっと思っていて、この機会を利用させてもらうことになった。まず写真ありきで、それに合わせて文章を書き下ろすというスタイルの本が出来上がった。

 自由時間の多いライター生活の過ごし方と、2年前に還暦を迎え、老いを意識した心境も同時につづりたい。副題に「還暦男の歩く、見る、聞く、知る」とあるのは、そういうわけである。年を取れば、若い頃と違って残り時間が少なくなり、自然にさまざまなことをあきらめるようになる。しかし、それを「消極的というより、積極的に『あきらめ』る」と考えることで、楽になった。書くことで生まれたレトリックではあるが、なるべくその心境に近付けたいと思ったのである。歳を取るのも悪くないぞ、と言いたかったのである。

 東京散歩や旅行についても、思う存分書いた。「坂を巡れば文学も人生もわかる」「水郡線の旅」などがそうである。坂巡りは、一時熱中して、地図を片手にわざわざ坂を上り下りするために、都心へ出かけて行ったこともあった。梶井基次郎が下宿していた麻布台を訪ねて行って、植木坂を上がったところで、ぐうぜんに高峰秀子邸を見つけた時は驚いた。早稲田から神田川を越え、胸突坂という都内屈指の急な石段は、村上春樹が早稲田大学に入学した際、しばらく上り下りした。坂の上に「和敬塾」という寮があったのだ。これもわざわざ訪ねて行った。

 そのほか、音楽、映画、読書と、若い時からずっと続いてきた趣味についても開陳している。足掛け5年になる「中川フォークジャンボリー」というフォークライブイベントの裏方と司会進行を担当し、ボスの中川五郎さん(フォークのレジェンド)と楽しくご一緒させてもらっている。もっとも敬愛する作家・庄野潤三の遺族とお近づきになって、名作『夕べの雲』の舞台となった生田の山の上の家を何度か訪れた。いずれも、若き日に、大阪で音楽や文学に触れ始めた時、将来、そんなことが起きるとは想像だにしなかった。上林暁旧邸への訪問もそうだし、なんだか、本書に書かれた自分の文章を読むと、歓喜にあふれている。

 出版状況が悪化の一途をたどる中、この先、どれだけ本を出し続けることができるか、まったく分からないのが現状である。一冊いっさつに全身全霊を打ち込むこと、自分という人間をさらけ出すことを心がけていきたい。『これからはソファーに寝ころんで』は、その出発点となる著作である。
 


sofa
『これからはソファーに寝ころんで』 岡崎武志 著
春陽堂書店 価格:1,944 円(税込) 好評発売中!
https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000660/

岡崎武志的LIFE オカタケな日々
https://www.shunyodo.co.jp/blog/2019/05/okatake_1/”>

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2019年6月10日 第276号

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 古書市&古本まつり 第76号
      。.☆.:* 通巻276・6月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。

初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛け下さい。

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━━━━━━━━━━【シリーズ 古書の世界】━━━━━━━━

古書目録「堀紫山伝」のこと(三)

                  高橋 徹(月の輪書林)

  堀紫山の手元に届いた手紙は、いったい何通あったのだろう。
 寝床に入って、ふとそんな疑問がわいた。
 紫山は、新聞記者という職業柄、人とのつきあいが広い。
一千通、いや三千通はあったか。紫山の生涯は76年、当時としては
長生きだ。年少の頃からたんねんに数えたなら、五千通を超えたか
もしれない。

続きはこちら
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高橋 徹(たかはしとおる)
1958年、岡山県の山奥、柵原鉱山に生まれる。日本大学芸術学部文
芸学科を2か月で中退。鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」
の美術助手として映画製作に関わるも挫折、87年に大田区蒲田の古
本屋・龍生書林の店員となる。
3年半の修業の後、90年、東急池上線の蓮沼駅近くに「月の輪書林」
を開く。
特集古書目録に「私家版 安田武」、「古河三樹松散歩」、
「美的浮浪者・竹中労」、「寺島珠雄私記」、「李奉昌不敬事件予
審訊問調書」、「三田平凡寺」、「太宰治伝」などがある。
著書には『古本屋 月の輪書林』(1998年/晶文社)がある。

━━━━━━━━━【シリーズ 古本マニア採集帖】━━━━━━

古本マニア採集帖
第6回 中根ユウサクさん 息子に妖怪を教え込むひと

                      南陀楼綾繁

「見て見て―、この本すごいんだよ!」と、『こども妖怪・怪談新
聞』(世界文化社)をめくって私に見せるのは、小学1年生のソウ
スケくん。今回登場願うのは彼……ではなくて、その横に座るお父
さんである中根ユウサクさんだ。
子どもの頃から筋金入りの怪奇やSF好きである中根さんは、ソ
ウスケくんが物心つくかどうかの時期から妖怪についての英才教育
を施し、ソウスケくんは立派な妖怪マニアに成長した。

続きはこちら
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南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。
「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ
・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。本と町と人を
つなぐ雑誌『ヒトハコ』(書肆ヒトハコ)編集発行人。著書に
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市
の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)などがある。

ツイッター

https://twitter.com/kawasusu

『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』 南陀楼綾繁 著
皓星社刊 価格:1,600円(+税) 好評発売中!

http://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/atsumeruhito/

━━━━━【6月10日~7月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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イービーンズ古本まつり ※レコード・CD市併催(宮城県)

期間:2019/05/31~2019/07/08
場所:宮城県仙台市青葉区中央4-1-1
9階 杜のイベントホール

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有隣堂藤沢店4階古書フェア(神奈川県)

期間:2019/06/06~2019/06/19
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場
藤沢市南藤沢2-1-1フジサワ名店ビル7F

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♭立川フロム古書市ご案内♭

期間:2019/06/13~2019/06/27
場所:立川駅北口徒歩5分フロム中武(ビッグカメラ隣)
3階バッシュルーム(北階段際)

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書窓展(マド展)

期間:2019/06/14~2019/06/15
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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第47回 鬼子母神通りみちくさ市

期間:2019/06/16~2019/06/16
場所:雑司が谷 鬼子母神通り

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第20回 紙屋町シャレオ古本まつり(広島県)

期間:2019/06/17~2019/06/23
場所:紙屋町シャレオ中央広場 広島市中区基町地下街100号

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五反田古書展

期間:2019/06/21~2019/06/22
場所:南部古書会館  品川区東五反田1-4-4 

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オールデイズクラブ(愛知県)

期間:2019/06/21~2019/06/23
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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新興古書大即売展

期間:2019/06/21~2019/06/22
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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好書会

期間:2019/06/22~2019/06/23
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

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有隣堂イセザキ本店チャリティワゴンセール(神奈川県)

期間:2019/06/22~2019/07/15
場所:有隣堂伊勢佐木町本店

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新宿西口古本まつり

期間:2019/06/25~2019/06/30
場所:東京都交通広場 新宿駅西口地下

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第88回シンフォニー古本まつり(岡山県)

期間:2019/06/26~2019/07/01
場所:岡山シンフォニービル1F  自由空間ガレリア

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2019/06/27~2019/06/30
場所:JR浦和駅西口さくら草通り徒歩5分マツモトキヨシ前

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ぐろりや会

期間:2019/06/28~2019/06/29
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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古書愛好会

期間:2019/06/29~2019/06/30
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

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第6回 上野広小路古本祭り

期間:2019/07/01~2019/07/07
場所:永谷お江戸上野広小路 ギャラリー+スペース36
台東区上野1-20-10 お江戸上野広小路亭1階

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三省堂書店池袋本店古本まつり

期間:2019/07/02~2019/07/08
場所:西武池袋本店別館2階=特設会場
(西武ギャラリー) 東京都豊島区南池袋1-28-1

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倉庫会(愛知県)

期間:2019/07/05~2019/07/07
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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第10回横浜めっけもん古書展(神奈川県)

期間:2019/07/06~2019/07/07
場所:神奈川古書会館1階特設会場
横浜市神奈川区反町2-16-10

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「令和・古本まつり」 主催・高知県古書籍商組合(高知県)

期間:2019/07/06~2019/07/07
場所:蔦屋書店・高知店(卸し団地) 高知市南御座6-10

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第176回 神戸古書即売会(兵庫県)

期間:2019/07/12~2019/07/14
場所:兵庫県古書会館 一階・二階  神戸市中央区北長狭通6-4-5

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日本の古本屋メールマガジンその276 2019.6.10

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 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
 広報部:二見彰
 編集長:藤原栄志郎

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第6回 中根ユウサクさん 息子に妖怪を教え込むひと

第6回 中根ユウサクさん 息子に妖怪を教え込むひと

南陀楼綾繁

「見て見て―、この本すごいんだよ!」と、『こども妖怪・怪談新聞』(世界文化社)をめくって私に見せるのは、小学1年生のソウスケくん。今回登場願うのは彼……ではなくて、その横に座るお父さんである中根ユウサクさんだ。
 子どもの頃から筋金入りの怪奇やSF好きである中根さんは、ソウスケくんが物心つくかどうかの時期から妖怪についての英才教育を施し、ソウスケくんは立派な妖怪マニアに成長した。『ゲゲゲの鬼太郎』が大好きで、親子で高円寺の即売会に出かけ、水木しげるの『妖怪大図鑑』(講談社)を買ってもらった。そういえば、いま見せてくれた『こども妖怪・怪談新聞』も水木プロダクションの監修だ。
 親子二代にわたる妖怪本好きは、どのようにして生まれたのだろうか?

 中根さんは1977年、愛知県豊田市生まれ。両親は公務員で、父は本好きだった。とくにマンガが好きで、あだち充から岡崎京子まで幅広く読んでいた。また映画も好きで、まだレンタルビデオがはじまった頃に借りてきて、アニメや怪獣映画を息子と一緒に観たという。小学2年のとき、『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメの新シリーズがはじまり、親に原作や妖怪図鑑を買ってもらった。
 古本屋について教えてもらったのも父からで、小学5年のときに市内の古本屋に連れて行ってもらい、マンガを買ったという。親子二代と書いたが、三代にわたって本についての知識が伝えられているのだ。
 一方、学校図書館には子ども向けのSFや怪奇もののシリーズがあり、それらを読んだ。
「なかでも覚えているのが、あかね書房の『少年少女世界SF文学全集』に入っていたジョン・ウィンダムの『怪奇植物トリフィドの侵略』です。食人植物と文明が滅びるという、ハッピーエンドではない物語に衝撃を受けました」

 中根さんは中学に入っても、本やマンガ、アニメに浸っている。高校では市の中央部に電車通学するようになり、行動範囲が広がった。
「本屋でサブカルの要素が強かった時期の『ガロ』を買って教室で読んだり、季刊『幻想文学』で紹介された作品を古本屋で探していました。同じクラスに探偵小説好きの友人や先生がいて、ぼくが黒板にいたずらで『大坪砂男』と書いたら、それを見た先生が(代表作の)『天狗』について語りだすくらいで(笑)」
 この頃、のちに絶版文庫ブームを牽引した〈ふるほん文庫やさん〉が豊田市に開店している。中根さんはそこに通って、同店が発行する目録を読むことで、古本の基本的な知識を得る。ここで買ったのが、ウィンダムの『トリフィド時代』(創元推理文庫)。同じ作品のジュブナイル版を小学生で読んでいる。大げさに云えば、この作品はのちの中根さんの行動原理になる。

 名古屋にある大学の経済学部に入り、大学の近くにあった〈ヴィレッジヴァンガード〉の本店でアングラやサブカルの本を買ったり、映画館でSFやホラー映画を観まくり、自主映画をつくってコンテストに応募するほどになる。中根さんの話を聞いていると、ともかく同時期にいくつもいろんなことに深くハマっているのが判る。
「大学では教授から大学院への進学を勧められました。ドクター中根という響きにちょっと惹かれましたが、自分がやりたいのはやっぱり妖怪のことだと思いました。それで、別の大学で民俗学を学ぼうとも考えたのですが、結局、映像関係の会社に就職しました」
 仕事はきつく、古本屋通いが唯一のストレス発散法だった。SFやミステリー、UFO、オカルトなどの本を扱う〈猫又文庫〉の店主と意気投合し、仕事帰りに店に寄って話すのが楽しかった。どんな本がレアかということも教えてもらったという。

 後に中根さんは、転職して2006年に東京に引っ越す。
「初めて来たときは、神保町に行くのに神田駅で降りるという定番のミスをしています(笑)。神保町に電車一本で行けるところに住み、毎週のように即売展に通いました」
 そこで昭和初期に発行されたエログロ雑誌『猟奇画報』を手にして、妖怪が出てくることに驚く。これまで自分が考えていたよりも、「妖怪」というテーマには広がりがあると気づいたという。この雑誌に関わった民俗学者・風俗史家の藤澤衛彦は、妖怪研究のキーパーソンの一人である。
「エログロ雑誌から検閲や発禁のことを知りたくなるというふうに、興味の範囲がどんどん広がっていきました」というように、平田篤胤『古今妖魅考』という和本から、科学者にして心霊学者のカミーユ・フラマリオンが書いた『科学小説 世界は如何にして終るか』(改造社、1923)まで、ここでは紹介できないほど多くの単行本や雑誌を見せてもらった。

 東京での中根さんは、妖怪についてのイベントに参加したり、コミケで妖怪の同人誌を出している人に会ったりと、知り合いを増やしていった。北原尚彦さんが会長を務める日本古典SF研究会にも属し、毎月の例会にも参加する。また、超常現象を取り上げる同人誌『Spファイル』とその後継誌『UFO手帖』にも参加している。いったい、いくつ並行してやってるんだ!
「喫茶店に集まって、蔵書を見せ合う会もやっていました。本は一人で集めていても広がりがない。詳しい人と情報交換することで、『そんな本もあるのか!』と知ることができるんです」
 いま、中根さんが熱中しているのは、動く植物。先の『トリフィド時代』に出てきた食人植物の類(たぐい)は、さまざまな時代・場所の書物に見られるという。
「これも妖怪の仲間ですね。日本における食人植物のイメージが、どのように変遷していくかを追っているところです」

 中根さんは、ネットや目録ではほとんど古本を買わず、店や即売展で買うようにしている。本の状態を確かめて、納得してから買いたいという気持ちが強いそうだ。
「内容が面白くても、状態が悪ければ買わないことがありますし、後でいい状態のものが出たときは買いなおすことがあります。本は自分だけでなく、次の世代の人のものでもあると思うので。死んだあとは息子が継いでくれれば嬉しいですし、彼がその頃には妖怪から離れていたら古本屋を通じて市場に戻してもいいんです」
 もっとも、アマゾンやヤフオクを使わないことで自分に制限をかけている面もある。
「興味の範囲が広がるばかりで、当然本は増えていきます。妻は結婚前から私の古本趣味は知っていますが、すでに部屋が二つ本で埋まっているので、二人いる子どもが大きくなったらスペースをどうしようと、いまから頭が痛いです」
 ここでソウスケくんが「パパの部屋は本の川みたいになっていて、入り口がないんだよ」と口をはさむ。中根さんが云うには、生まれたときから本の山に囲まれているので、狭いすき間をすり抜けるのに慣れているのだとか。もっとも、怖い絵の表紙の本が多いので、「あの本をどこかに隠してくれ」と頼むというのがカワイイ。
 このインタビューは出版社の一室で行なったのだが、ソウスケくんが「ここも本がいっぱいあるけど、うちよりはマシですよ」と真面目くさっていったのには笑った。
 中根さんの今後の探書と研究がますます深まることに期待するとともに、ソウスケくんが立派な古本マニアに育っていくように祈りたい。20年後ぐらいに、また親子でインタビューさせてほしいものです。

南陀楼綾繁
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。
「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。本と町と人をつなぐ雑誌『ヒトハコ』(書肆ヒトハコ)編集発行人。著書に
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)などがある。

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『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』 南陀楼綾繁 著
皓星社 価格:1,600円(+税) 好評発売中!
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古書目録「堀紫山伝」のこと(三)

古書目録「堀紫山伝」のこと(三)

高橋 徹(月の輪書林)

 堀紫山の手元に届いた手紙は、いったい何通あったのだろう。
 寝床に入って、ふとそんな疑問がわいた。
 紫山は、新聞記者という職業柄、人とのつきあいが広い。一千通、いや三千通はあったか。紫山の生涯は76年、当時としては長生きだ。年少の頃からたんねんに数えたなら、五千通を超えたかもしれない。
 だけど今、我が手にあるのは、明治26年12月15日付の小栗風葉の書簡に始まり、堀紫山を「たった一人の友」と呼ぶ上司小剣の昭和11年9月11日のハガキまで、わずか200通にすぎない。

 それでも、関東大震災、東京大空襲、そして敗戦と大小さまざまの災禍をくぐり抜け、よくぞこの令和の世まで生き残ってくれたと天に感謝したい。
 さて、この200通、保存状態が極めて良いのだ。ひょっとして紫山は、考えに考えぬいて、後世に遺すべしと200通を選び大切に保存して来たのかもしれない。
 内田魯庵が「硯友社の幕僚」と呼んだ紫山だ、尾崎紅葉からの手紙は少なくとも50通はあったと思うのだが、手元には母方の祖母・荒木せんの死をつたえるハガキが一枚、それに年賀状一枚と、あきらかに少ない。

 紅葉死去の際、新聞社に手紙を貸したまま戻って来なかったのか? あるいは紅葉門下の後輩に懇望されてあげてしまったか?
 不可解なことはまだある。
 紫山の妹の堀保子だ。
 保子は、夫だった大杉栄が殺された半年後の大正13年3月15日午後6時、紫山の住む芝区二本榎の家で息をひきとった。41歳。病に伏し、引越せざるおえなかった大正12年11月まで、一人で暮らした四谷区南伊賀町の家財はすべて兄の家に運び込まれたはずなのに、保子の肉筆がハガキ一枚しかないのは一体どうしたことか。
 堀保子研究が、伊藤野枝にくらべてはるかに立ち遅れている一端はこんなところにあるのかもしれない。

 日蔭茶屋事件で大杉栄と別れた後、保子は大正7年7月、独力で個人誌『あざみ』(全4冊)を発行した。現物は沓(よう)として姿をあらわさない幻の雑誌だが、『初期社会主義研究』15号(平成14年)に「総目次」が掲載されている。馬場孤蝶、山田わか、安成二郎、堺利彦、岡野辰之助、徳永保之助、小寺菊子、遠藤清、そうそうたる執筆者のラインアップだ。読みたいが読めないもどかしさ、誰か『あざみ』を所持している方がいたならぜひ買わせて下さい。保子が心血をそそいだこの雑誌を隅から隅まで読み込むことで、堀保子の研究は一気に前に進むと思うのだが。
 それにしても堀保子の生資料は、いったいどこへ消えてしまったのか。
 そんなことを考えていたら、お客のSさんから四谷の西念寺の近くで保子が昔住んでいた家を発見したとの便りが舞いこんだ。

 先日、新宿に用があったので、四谷駅から西念寺をめざして歩いた。
 四谷は懐かしいところだ。今は影も形もなくなったが、駅横の戦後のにおいがプンプンただようマーケットに古河三樹松さんがいて、幾度か話をききに行ったことがあるからだ。三樹松さんは当時85歳位だったが、三坪程の古河書店の現役店主で、木の踏み台にちょこんと立って店番をしていた。三樹松さんは、とても小さな人で、踏み台に乗らないとレジスターに隠れてしまうのだった。

 三樹松さんは、明治44年1月24日に大逆事件で処刑された古河力作の弟でもあった。
堀保子は、その死刑執行の3日前に大杉栄と古河力作の面会に東京監獄を訪れている。当時10歳だった三樹松さんは、その時のことを大人になってから保子と話すことがあったのかな、そんなことを考えながら、大通りを新宿へ向って歩く。歩き始めてすぐの細い路地を左に折れると、そこは、堀保子が大正時代、何度も行き来した西念寺横丁だ。どこか淋し気なその道の行き止まりに保子はいた。
 小柄で色白、額が広く口がちょいと大きい、好奇心が強く利巧で根性もある、だけど、何より片意地な女、堀保子の旧宅跡をしばし見つめた。
 古書目録「堀紫山伝」の本当の主人公は、堀保子なのかもしれない、そんなことを思った。
                          (おわり)

高橋 徹(たかはしとおる)
1958年、岡山県の山奥、柵原鉱山に生まれる。日本大学芸術学部文芸学科を2か月で中退。鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」の美術助手として映画製作に関わるも挫折、87年に大田区蒲田の古本屋・龍生書林の店員となる。
3年半の修業の後、90年、東急池上線の蓮沼駅近くに「月の輪書林」を開く。
特集古書目録に「私家版 安田武」、「古河三樹松散歩」、「美的浮浪者・竹中労」、「寺島珠雄私記」、「李奉昌不敬事件予審訊問調書」、「三田平凡寺」、「太宰治伝」などがある。著書には『古本屋 月の輪書林』(1998年/晶文社)がある。

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『古本屋 月の輪書林』
晶文社 定価:本体1900円+税 好評発売中!
https://www.shobunsha.co.jp/?p=1459

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2019年5月24日 第275号

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     。.☆.:* その275・5月24日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.雑誌渉猟日録 関西ふるほん探検 高橋輝次
2.「新・よくわかる出版流通のしくみ 2019-20年版」
         株式会社メディアパル 代表取締役 小宮秀之
3.特殊文庫の古典籍-知の宝庫をめぐり珠玉の名品と出会う
             大東急記念文庫 学芸課長 村木敬子
4.古本乙女の独り言③  カラサキ・アユミ

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(223)】━━━━━━━━━

雑誌渉猟日録 関西ふるほん探検

                       高橋輝次

 今回、本メルマガに前著『編集者の生きた空間』に続いて、また
書かせていただくことになり、光栄に思うとともにいささか身構え
てしまう(配信数が相当多いそうですから)。
さて、本書も私が古本屋や古本展でたまたま出会った本や雑誌をき
っかけにして、関西、とくに神戸や大阪の主にマイナーな詩人や文
学者、画家、そして同人誌などを日録の形式で気ままに探索したも
のである。

続きはこちら
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『雑誌渉猟日録 関西ふるほん探検』 高橋輝次
皓星社 価格:2,000円(+税) 好評発売中!
http://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/zassisyouryou/

━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━

「新・よくわかる出版流通のしくみ 2019-20年版」

                 株式会社メディアパル
                    代表取締役 小宮秀之

出版不況といわれて久しい。市場規模は14年連続マイナスであり、
書店も出版社、雑誌点数も減少しています。また、以前は考えられ
なかった取次が経営破綻するということも起きています。
そのような厳しい状況下でも、昨年は71,000冊の新刊書籍、2,800点
の雑誌が発行され、市場には90万点以上の書籍が出回りました。

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『新・よくわかる出版流通のしくみ 2019-20年版』
メディアパル発行 頒価540円(本体500円+税) 好評発売中!
https://www.mediapal.co.jp/book/519/index.html

━━━━━━━━━━━【学芸員登場シリーズ】━━━━━━━━

今、見るべき!
「五文庫連携展示 特殊文庫の古典籍-知の宝庫をめぐり珠玉の名品と出会う」

           公益財団法人五島美術館
            大東急記念文庫 学芸課長 村木敬子

 ある分野に特化した書物を所蔵する図書館「特殊文庫」。今、東
アジアの古典籍を収蔵する東京近郊の五つの文庫で標記のような連
携展示が行われている。その五文庫とは三菱財閥の創業者岩崎彌太
郎が設立した東洋文庫、その令弟彌之助が岩崎家の霊廟に建てた静
嘉堂文庫、九州の実業家麻生太賀吉の収書を礎とする慶應義塾大学
附属研究所斯道文庫、東急電鉄の元会長五島慶太が創設した大東急
記念文庫、そして歴代の蔵書家達の垂涎の的である鎌倉時代の金沢
北条氏の文庫を受け継ぐ神奈川県立金沢文庫である。

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五文庫連携展示

東京・神奈川の五つの特殊文庫で東洋の叡智に触れる千年の旅
──知の宝庫をめぐり、珠玉の名品と出会う 特殊文庫の古典籍

大東急記念文庫(五島美術館)・慶應義塾大学三田キャンパス
(斯道文庫)・東洋文庫・静嘉堂文庫・金沢文庫と「五文庫連携
展示 特殊文庫の古典籍」と題して、同時期に書物に関する展覧会
を連携して開催します。

詳しくは
https://www.gotoh-museum.or.jp/classic.html  をご覧下さい。

━━━━━━━━━【古本乙女の独り言③】━━━━━━━━━━

愛しの古本との共同生活、その喜びと葛藤

                   カラサキ・アユミ

レンタルしてきた或るアメリカ映画、蔵書が整然と並べられた書棚
に囲まれた部屋で主人公の女性がワイングラスを片手に時折口に運
びながら机の上に広げた本を読み耽るシーンがあった。たった数十
秒しか映らなかったその情景を私は羨望の眼差しで掴んでしまった。
その姿その空間その行為の格好良さときたら!!

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━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

『書籍文化史料論』 鈴木俊幸 著
勉誠出版 定価 10,800円 (本体10,000円) 好評発売中!
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101007

『平成音楽史』片山杜秀 著 山崎浩太郎 著 田中美登里 聞き手
アルテスパブリッシング 定価:1800円+税 好評発売中!
https://artespublishing.com/shop/books/86559-200-9/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

5月~6月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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日本の古本屋メールマガジンその275 2019.5.24

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