2020年3月10日 第294号

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 古書市&古本まつり 第86号
      。.☆.:* 通巻294・3月10日号 *:.☆. 。
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初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛け下さい。

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━━━━━━━━━━【シリーズ 古書の世界】━━━━━━━━

北陸古本案内 その3
                          オヨヨ書林 山崎 有邦

 前々回の石川県、前回の富山県に続き、今回は福井の古本屋を紹
介させていただきます。

福井駅前の好文堂。街の本屋としては広めの店内に、文庫・漫画・
文芸書・趣味本・郷土史・全集・美術書・アダルトとないジャンル
はないくらいまんべんなく網羅された品揃えです。古い雑誌や戦前
の本もしっかりと置かれています。

続きはこちら
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オヨヨ書林
https://oyoyoshorin.jp/

━━━━━━━━━【シリーズ 古本マニア採集帖】━━━━━━

第14回 倉敷から遠いでさん ぼやきながら集めるひと

                               南陀楼綾繁

 昨年の3月、岡山大学のキャンパス内のスペースで「小さな春の
本めぐり」というイベントが開催された。「瀬戸内ブッククルーズ」
というグループの主催で、中四国の個性的な本屋が出店した(この
イベントは今年も開催予定だったが、新型コロナウィルスの影響で
中止となったのは残念だった)。

続きはこちら
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南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。
「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ
・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。本と町と人を
つなぐ雑誌『ヒトハコ』(書肆ヒトハコ)編集発行人。著書に
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市
の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)などがある。

ツイッター
https://twitter.com/kawasusu

『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』 南陀楼綾繁 著
皓星社刊 価格:1,600円(+税) 好評発売中!
http://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/atsumeruhito/

━━━━━【3月10日~4月15日までの全国即売展情報】━━━━━

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

※新型コロナウイルスの影響により、今後、各地で予定されている
即売展も、中止になる可能性がございます。
お客様のご理解、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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第10回 戸田書店 古本・古書フェア(群馬県)

期間:2020/01/27~2020/03/15
場所:戸田書店 高崎店 高崎市下小鳥町438-1

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イービーンズ古本まつり(レコード・CD市 併催/宮城県)

期間:2020/01/30~2020/03/14
場所:宮城県仙台市青葉区中央4-1-1 9階 杜のイベントホール

http://www.e-bf.jp/e_beans/news/index.html

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フジサワ古書フェア(神奈川県)

期間:2020/02/27~2020/03/11
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場
   神奈川県藤沢市南藤沢2-1-1フジサワ名店ビル

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第14回 カジル横川古本市(広島県)

期間:2020/03/01~2020/03/15
場所:JR横川駅前フレスタモール カジル横川 1階通路 
   広島市西区横川町3-2-36 JR横川駅隣接

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第93回 彩の国 所沢古本まつり(埼玉県)

期間:2020/03/04~2020/03/10
場所:くすのきホール 
   (西武線所沢駅東口前 西武第二ビル8階 総合大会場)
https://tokorozawahuruhon.com/

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第22回フジサワ湘南古書まつり(神奈川県)

期間:2020/03/12~2020/03/15
場所:有隣堂藤沢店イベントホール (フジサワ名店ビル6階)
   神奈川県藤沢市南藤沢2-1-1 フジサワ名店ビル

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BOOK & A(ブック&エー)

期間:2020/03/12~2020/03/15
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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紙魚之會

期間:2020/03/13~2020/03/14
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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第178回神戸古書即売会(兵庫県)

期間:2020/03/13~2020/03/15
場所:兵庫古書会館 神戸市中央区北長狭通6-4-5

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たにまち月一古書即売会(大阪府)

期間:2020/03/20~2020/03/22
場所:大阪古書会館 大阪府大阪市中央区粉川町4-1
http://www.osaka-kosho.net/

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趣味の古書展

期間:2020/03/20~2020/03/21
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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国際稀覯本フェア-日本の古書 世界の古書-

期間:2020/03/20~2020/03/22
場所:東京交通会館 展示会場12F カトレアサロン A・B  
   千代田区有楽町2-10-1  
http://abaj.gr.jp/

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浦和宿古本いち

期間:2020/03/26~2020/03/29
場所:JR浦和駅西口下車 さくら草通り徒歩5分 マツモトキヨシ前
https://twitter.com/urawajuku

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和洋会古書展

期間:2020/03/27~2020/03/28
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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五反田遊古会

期間:2020/03/27~2020/03/28
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4

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中央線古書展

期間:2020/03/28~2020/03/29
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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第7回 小倉駅ナカ本の市(福岡県)

期間:2020/03/28~2020/04/05
場所:小倉駅ビル内・JAM広場 (JR小倉駅 3階 改札前)

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第39回 古本浪漫洲 Part1~Part5

期間:2020/04/01~2020/04/17
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2

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青札古本市

期間:2020/04/02~2020/04/05
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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下町書友会

期間:2020/04/03~2020/04/04
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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第12回横浜めっけもん古書展(神奈川県)

期間:2020/04/04~2020/04/05
場所:神奈川古書会館1階特設会場

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第15回 上野広小路古本まつり

期間:2020/04/06~2020/04/12
場所:永谷お江戸上野広小路 ギャラリー+スペース36  
台東区上野1-20-10 お江戸上野広小路亭1階

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立川フロム古書市

期間:2020/04/10~2020/04/24
場所:フロム中武(ビッグカメラ隣) 3階バッシュルーム(北階段際)
   立川駅北口徒歩5分

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書窓展(マド展)

期間:2020/04/10~2020/04/11
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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大均一祭

期間:2020/04/11~2020/04/13
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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次回メールマガジンは3月下旬に発行です。

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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,200店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその294 2020.3.10

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:二見彰
 編集長:藤原栄志郎

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第14回 倉敷から遠いでさん ぼやきながら集めるひと

第14回 倉敷から遠いでさん ぼやきながら集めるひと

南陀楼綾繁

 昨年の3月、岡山大学のキャンパス内のスペースで「小さな春の本めぐり」というイベントが開催された。「瀬戸内ブッククルーズ」というグループの主催で、中四国の個性的な本屋が出店した(このイベントは今年も開催予定だったが、新型コロナウィルスの影響で中止となったのは残念だった)。私は一箱古本市に箱を出し、トークもしたのだが、このとき温厚そうな男性に声を掛けられた。それが「倉敷から遠いで」さんだった。その半年後、倉敷でお会いして話を聞いた。

「ホントは〈蟲文庫〉で会いたかったんですけど、休みで……」。「倉敷から遠いで」さん(以下、遠いでさん)は、駅前のカフェで会うなり、残念そうに云った。蟲文庫には頻繫に通っているそうで、その空間に居るのがいちばん落ち着くようだ。
 遠いでさんは、1960年に倉敷で生まれ、育つ。実家は神社で、祖父の代まで11代続く神主だった。昔は寺子屋も兼ねており、家には和本や習字の道具があったという。父は神社を継がず、会社員となった。遠いでさんは3人兄弟の真ん中で、上は兄、下は妹だった。
 家には『少年少女世界の名作全集』があり、小学生の頃に全部読んだという。『少年サンデー』『少年ジャンプ』などのマンガ雑誌を買ってもらい、テレビのアニメや特撮にも熱中した。
「母に連れられて、玉島の商店街の本屋によく行きました。保育園のときに『絵本を買ってほしい』と頼んだ記憶がぼっけえ(すごく)残っていますね」

 1973年小学6年の冬、岡山市民会館で兄と一緒に吉田拓郎のコンサートを観て衝撃を受ける。本屋で拓郎の『気ままな絵日記』(立風書房)を買い、熟読した。
「この本の最後に『ここからあなたの絵日記です』と書き込めるスペースがあるのですが、のちに岡山の古本屋で買った本には、当時の持ち主がその岡山でのコンサートのことを書いてあって驚きました」

 中学校に入ると、吉田拓郎らがDJの深夜放送を聴き、レコード屋と映画館に通った。高校ではパンクロックとレゲエにハマり、本屋で『ロッキング・オン』などの音楽雑誌や音楽に関する本を買った。遠い出さんが通ったという、78年に岡山市に開店した中古レコード屋〈LPコーナー〉は、私も大学生の頃に帰省のたびに寄った店で懐かしい。
 この頃好きだった作家は、星新一、筒井康隆、北杜夫、遠藤周作などで当時の定番と云えるだろう。この時期は古本屋に入ったことはないそうだ。
 高校を卒業し、岡山市内の会社に就職すると、自分で使える金ができたことから、レコード集めに熱中した。この時期には村上春樹、村上龍、橋本治、金井美恵子などを読む。しかし、1980年代後半になると仕事が忙しくなり、好きなバンドが解散したことなどで、音楽や本から離れていった。

 35歳で結婚し子どもが生まれると、空いた時間に本を読もうという気持ちになった。「いままでと同じような本だと飽きるじゃろうから」と、吉本隆明を読んでみることにした。「生きかたへの答えが欲しかったんですかね」。倉敷や岡山市の古本屋をめぐって、吉本の著作の7、8割を集めた。
「当時は何店かあった〈万歩書店〉にもよく行きました。荷物を持たずに古本屋にいると、なぜか店員に間違えられることが多かったです。客に訊かれた本を一緒に探してあげたこともあります(笑)」
 倉敷の蟲文庫は、別の場所で開店したときには何となく入りにくく、現在の美観地区に移転してから行くようになった。最初は吉本の本しか目に入らなかったが、次第に通うようになる。

 そのうち、吉本隆明が評論で取り上げた詩人や、書肆ユリイカの本などの詩の出版社に興味が移った。また、書物同人誌『sumus』の存在を知り山本善行、岡崎武志、林哲夫らの本を読んだ。
「『sumus』で取り上げていた尾崎一雄、木山捷平、上林暁らの私小説や、洲之内徹、渡邊一夫らの随筆を集めるようになりました」
 私小説のどんなところに惹かれるのかと訊いてみると、「なんじゃろう、なにか惹きつけられるんですよね。木山や上林の文章には、死を感じます」と、遠いでさんは云う。梅崎春生の『幻化』や佐藤泰志の『海炭市叙景』のように、緊張感のある小説が好きだそうだ。 
 木山捷平は岡山の地元作家ということもあり、とくに好きだという。笠岡市にある生家も訪ねた。その場所を知っていると、読むときに情景が目に浮かぶからだ。ほかにも、内田百閒、正宗白鳥、永瀬清子、高祖保らの地元作家の本を集めている。
『sumus』同人でもある山本さんが、2009年に京都で古本屋〈善行堂〉を開店したときには、「下鴨納涼古本まつり」に合わせて訪れた。そのときに山本さんに、「来週にでもまたこの店に来たいけど、倉敷は遠いでー」と話したことから、その後、ネットで「倉敷から遠いで」と名乗るようになったという。

 古本ブログが主流だったころは、更新されるのを楽しみにしていたが、ツイッターが盛んになるとそちらを見るように。そこで知った古本イベントやトーク、ライブなどに足を運ぶ。「倉敷から遠いで」とぼやきつつも、関西にもしばしば遠征している。
「イベントには古本屋をめぐるのとは別の面白さがありますね。これがあるから、飽きずに20年近く古本ライフが続いているのかもしれません」
 古本屋や古本好きの知り合いも増え、本の話ができるようになったのも嬉しいという。
「ブログ『古本屋ツアー・イン・ジャパン』の小山力也さんが、倉敷の古本屋で買った本を忘れたと書いたのを見て、その店まで探しに行って見つけ、送ってあげたこともあります」

「自宅の2階に本を置いていたら壁に割れ目ができてしまったので、定期的に本を処分している」「〈万歩書店〉でいい本が並んでいる棚だなと思ったら、自分が売った本が並んでいました(笑)」「買ったはずの本がどこにあるか判らなくなることはしょっちゅう」
 2人いる娘はどちらも本好きで、小学生のときは読書感想文のための本を「遠いで」さんがブックオフで探して揃えていた。
「いまもLINEで欲しい本を連絡してきます。ふだんは小遣い制で、本を買う金を捻出するのに苦労していますが、こういうときは妻に隠さず正々堂々と古本屋に行けるんです」と云うのが、なんだか笑える。

 遠いでさんの話は、古本好きなら共感することばかり。のんびりした岡山弁でぼやきながら古本の話を聞いていると、たちまち時間が過ぎていく。
「漠然といずれは古本屋をやりたいと思っていて、不動産屋の物件をつい見てしまいます」とおっしゃる。プロの古本屋になったとしたら、善行堂の山本さんがそうであるように、古本好きの気持ちをくすぐる店主になるのだと思う。

南陀楼綾繁
1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。
「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。本と町と人をつなぐ雑誌『ヒトハコ』(書肆ヒトハコ)編集発行人。著書に
『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)などがある。

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『蒐める人 情熱と執着のゆくえ』 南陀楼綾繁 著
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北陸古本案内 その3

北陸古本案内 その3

オヨヨ書林 山崎 有邦

 前々回の石川県、前回の富山県に続き、今回は福井の古本屋を紹介させていただきます。

福井駅前の好文堂。街の本屋としては広めの店内に、文庫・漫画・文芸書・趣味本・郷土史・全集・美術書・アダルトとないジャンルはないくらいまんべんなく網羅された品揃えです。古い雑誌や戦前の本もしっかりと置かれています。集めたというよりは集まって来るというべきかもしれませんが、あらゆる種類の本が密度高く積まれ、全部見るのに2~3時間はかかりそうなボリュームです。駅前ロータリーすぐ向かい。途中下車の価値ありです。

HOSHIDOは、福井駅近くのスナックやバーの入る雑居ビルの一室に、週一日(水曜日)オープンする小さな店です。前のお店のカンターをそのまま利用し、ボトルの並んでいたであろう棚に古本、新刊、CDなどが並んでいます。店主は編集や出版も手がけられています。

現在、福井で店舗営業をしているのはこの二軒くらいとのことで、少し寂しい現状となっています。
福井や石川に限らず、地方の個人商店はどこでも同じかもしれませんが、高齢化や人手不足、売り上げ不振などで廃業したり、店舗営業から日本の古本屋サイト等での通信販売に移行するお店もあります。

Mさんのお店は数年前に高齢のため閉店されました。いわゆる街の本屋で、歴史、小説、マンガ、文庫などど大まかに分類されていました。それを棚ごとに区切り(一番上の段から下の段まで一括)、入札封筒がつけられ、近県の業者を店に集めて、売立て市が行われました。本棚も一緒に持って行っていいよと言われ、当店も含め北陸の各地に貰われていきました。本人はいまでもお元気で、地元のスポーツ大会などで活躍されているそうです。

Iさんも高齢のため店舗を閉店されました。自宅を事務所にしてネット販売は続けられるとのことで、店を、棚や在庫と帳場にあったコタツごと、引き継ぎました(現在の富山の2号店になります)。こちらにお金がないのを知って分割にしていただいたり、ネットですぐにも売れそうな本を「うっかり忘れていったり」と大変お世話になりました。その後も年に一度、忘年会をさせていただいています(Iさんの奢りですが)。

Yさんも、高齢のため店を閉めて、通信販売に移行されました。近県の業者を集めての入札会が開催され、一階の店舗部分で一括、二階の倉庫部分で一括の、二口にわけての大入札会でした。しっかりとした郷土史料の多い一階、ウブ口の未整理品の多い二階ともに、かなりの落札価格となり、当店も入札しましたが下札にも届きませんでした。

Nさんは、老衰でお亡くなりになられました。建物ごと片付けて貸し出すとのご遺族の要請で、石川古書組合の有志で本を整理しました。戦前から続くお店で、かなり古いものも多い店でした。仕分けして、東京と地元の市場に出品しました。

Eさんが入院したと、ご家族の方から組合に連絡があり、倉庫の本を整理することになりました。郷土史を中心に、貴重なものが多く、有志で仕分けし、業者の交換会に出品しました。本も良いものが多かったのですが、書画骨董もかなりあり、そちらは古美術の業者が整理されたそうです。数ヶ月かけて倉庫の本を片付け終えた頃(ハイエース10台分)、自宅事務所の方もとお願いされました。Eさんは、しばらくしてお亡くなりになられたと聞きました。

Sさんは、通信販売専門の店でしたが、親の遺産が入り、数年前、念願のお店を開店されました。スーパーの前で立地はいいけれど、思うように売り上げが伸びず(ただ話しに来るひとは何人もいたそうですが)、しばらくして廃業することに決めたとのことで、片付けを手伝いました。何もなくなってガランとした物件の前を通ることがありますが、次の借り手は現れていないようで、Sさんの字の「金貨買います」の張り紙がそのまま日に焼けています。現在は悠々自適な生活のようで、先日も「大きい買取があって売り先を探している」という頼もしい電話がかかってきました。

Tさんのお店は、2007年3月に起こった能登半島地震の日から開いていません。
揺れが収まった後に恐る恐る店に向かうと、本棚が倒れ、床に本が散乱していたそうです。なんとか人ひとり通れる道を確保したのが限界で、店を続ける気力は残っていなかったとのことでした。隣の倉庫側から出入りし、催事やネット販売は続けているものの、店側のシャッターはずっと開けていないそうです。

本の広場は北陸の古書店が集まって営業していた古本即売所でした。
金沢駅の駅ビルの奥まった場所の、いつ行っても人のいないファーストフード店のさらに奥の迷路のような場所での営業でしたが、それでも一定数の古書ファンに、電車の時間の前後にお寄りいただいていました。北陸新幹線の開通に伴う駅ビル自体の全面リニューアルとともに閉店。地味に好評だっただけに残念です。次の場所を探していますが、手頃な物件がなかなか見つかりません。

店がなくなってしまう話は淋しいものですし、いずれ自分の店もそうなる日が来ると思うとやるせないですが、こんな風に、本自体は業者交換会等で再び次の業者へと循環していくと思うと、少しは安心して、また新しい本を仕入れられそうです。いつの日か片付けをしてくれるであろう古本屋に「こんな売れそうもない本ばっかり溜め込んで」と呆れられないように、ちゃんとした本を仕入れなければいけません。

オヨヨ書林
https://oyoyoshorin.jp/

Copyright (c) 2020 東京都古書籍商業協同組合

2020年2月25日 第293号

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     。.☆.:* その293・2月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.虎屋文庫『ようかん』    虎屋文庫
2.『本を売る技術』について         矢部潤子
3.企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」のご案内
                山口直孝(二松学舎大学 教授)

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━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━

虎屋文庫『ようかん』

                  虎屋文庫

 羊羹はお好きですか? ちょっと地味なお菓子だと思われていま
せんか?
 いえいえ、とんでもない。羊羹は実に多彩な顔を持った、また謎
に満ちた、魅力的な食べ物なのです。しかし、餅や饅頭や鯛焼きの
本はあるのに、羊羹の魅力を伝える一般書籍はありませんでした。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=5554

『ようかん』 虎屋文庫 著 
新潮社 定価:2,420円(税込) 好評発売中!
https://www.shinchosha.co.jp/book/352951/

━━━━━━━━━━━【自著を語る(235)】━━━━━━━━━━

『本を売る技術』について

                      矢部潤子

 このたび、本の雑誌社から「本を売る技術」という本を出しました。
長い間書店の店頭で働いてきたなかで、試行錯誤しながら積み重ね
てきた、本屋の基本的な仕事のしかたや考えかた、さらに一冊を買
っていただくために、今するべきことの具体的ないろいろをまとめた
つもりです。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=5537

『本を売る技術』 矢部潤子 著
本の雑誌社 定価:1760円(税込)好評発売中!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/4860114388.html

━━【企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」】━━

企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」のご案内

                山口直孝(二松学舎大学 教授)

「日本文学史上の最高傑作の一つ」(阿部和重)、「日本語で書か
れた小説」の「ベスト・ワン」(奥泉光)と称される『神聖喜劇』
で知られる大西巨人(1916年~2014年)の歩みを直筆原稿や関連資
料でたどる企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」
を東京古書会館、二松学舎大学の二つの会場で開催します。詳細は、
下記の案内をご覧ください。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=5534

企画展 作家・大西巨人―「全力的な精進」の軌跡 開催

二松学舎大学会場
開催期間:2月4日(火)~3月14日(土) (日・祝 3月9日(月)休館) 
時間:10時~16時
場所:九段1号館地下3階 大学資料展示室
https://www.nishogakusha-u.ac.jp/library/index.html#tokusetsu01

東京古書会館会場
開催期間:2月21日(金)~3月14日(土) (日・祝 3月9日(月)休館) 
時間:10時~17時 最終日15時まで
場所:2階情報コーナー
https://www.kosho.ne.jp/?p=358

━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

『評伝 竹内好 その思想と生涯』 黒川みどり 著 山田 智 著
有志舎刊 価格 2,800円+税 好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672361

『近世前期江戸出版文化史』 速水 香織 著
文学通信刊 価格 8,800円+税 2月下旬 発売予定
https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-24-1.html

古本乙女の独り言⑧
古本愛によって生み出されし咄嗟の判断
カラサキ・アユミ

古本乙女の独り言⑦ はこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=5399

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

2月~3月の即売展情報

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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 次回は2020年3月中旬頃発行です。お楽しみに!
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日本の古本屋メールマガジンその293 2020.2.25

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋事業部」
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:二見彰
編集長:藤原栄志郎
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hongijyutu

『本を売る技術』について

『本を売る技術』について

矢部潤子

 このたび、本の雑誌社から「本を売る技術」という本を出しました。長い間書店の店頭で働いてきたなかで、試行錯誤しながら積み重ねてきた、本屋の基本的な仕事のしかたや考えかた、さらに一冊を買っていただくために、今するべきことの具体的ないろいろをまとめたつもりです。

 36年ほどの間に、100坪の駅前書店から1000坪の大型書店まで、さまざまな規模と立地の計7店舗で働きました。スタートは芳林堂書店池袋本店で、多層階の当時は大型書店でした。3年後、開店するパルコブックセンター新所沢店に入り、パルコブックセンター吉祥寺店に異動、93年渋谷パルコにオープンするパルココブックセンター渋谷店に移ります。その後、パルコブックセンター池袋店で半年働き、リブロ池袋本店に異動しました。本店閉店後は、よむよむ花小金井店で9か月にいて、書店員に区切りを付けました。

 書店員の基礎を教わったのは、やはり新卒で入社した芳林堂書店です。研修があって、1週間の座学、数週間ずつの各フロア巡回、仮配属先でさらに研修。私は医学・理工書フロアに配属でした。当時、そのフロアに配属になった人がたどる担当ジャンルのコースは決まっていて、新人はいつも講談社ブルーバックスから。ここで納品、単品管理、注文や返品の仕方、そして棚と向き合う姿勢を仕込まれたあと、新刊や買切商品、常備品の扱い等々を学習していくことになります。

 売場と商品のコンディションを整えるということ、メンテナンスにきちんと手をかけるということ、これも最初に教わったことだけれど、つい後回しにしがち。が、これが実はお客さまに手に取っていただく、そしてさらに一冊買っていただくための、簡単で有効な手立てだとやはり思います。店内を見廻し、什器や商品に手を入れ続けて、そして売れる棚売れる平台、売れる店に育て上げるということ。この本のなかでも再三、この点を語ったつもりです。

 本屋が通常もっている武器は、まずは“場所の力”だということを自覚したのは、渋谷PBCからだったでしょうか。一日の新刊が段ボール一箱のときから、96年の最大売上げを達成したころ、そして徐々に下降していく、その過程のさなかにいることになって、その時々で、いろいろなことを試しました。どこになにをどれくらい置いたら売上げが最大になるのか、そしてその場所がさらに力を持つことになるのかを、その都度即決して繰り返す。失敗したり上手くいったり。1,000冊売った本もあるけれど、それは渋谷PBCの、なかでもあの平台一台の力を成長させた成果だと思います。瞬間最大風速を記録した単発を誇るのではなく、なにをどれくらい置くかということに理由を持たせる継続的な仕事の、その途中経過の果実だったと。つまりは、畑仕事のように、棚を耕し、平台を耕し、商品を置き、手入れし続け、より大きな収穫を得る。

 この本が、いま本屋で奮闘している書店員を少しでも元気にすることができたなら、こんなに嬉しいことはありません。そして、明日売場でやるべきことが次々思いついたらなお嬉しいし、良い結果を得ることができたならさらに嬉しい。もちろん書店員でなくても、またネット書店で買うことが多いという人にも、ぜひ読んでいただきたい。本を買うという行為は同じだけれど、便利とは違う尺度の楽しさを感じていただけるはずと信じています。

hongijyutu

『本を売る技術』 矢部潤子 著
本の雑誌社 定価:1760円(税込)好評発売中!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/4860114388.html

Copyright (c) 2020 東京都古書籍商業協同組合

企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」のご案内

企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」のご案内

山口直孝(二松学舎大学 教授)

 「日本文学史上の最高傑作の一つ」(阿部和重)、「日本語で書かれた小説」の「ベスト・ワン」(奥泉光)と称される『神聖喜劇』で知られる大西巨人(1916年~2014年)の歩みを直筆原稿や関連資料でたどる企画展「作家・大西巨人――「全力的な精進」の軌跡」を東京古書会館、二松学舎大学の二つの会場で開催します。詳細は、下記の案内をご覧ください。

 今回の展示は、大西巨人の資料が二松学舎大学に寄託されたことを記念して企画されたものです。二松学舎大学では、2014年夏から巨人の蔵書約1万1千点の調査を進めてきました。2018年秋には、附属図書館資料センターを発足させ、貴重資料受け入れの環境を整えました。寄託資料は、原稿、草稿類(約8千枚)、ノート、メモ、手帳、日記、執筆資料、書簡、手紙、切り抜きなど段ボール箱で20を超える膨大なものです。全容の把握には相当の時間を要すると思われますが、今回の展示では、現時点で確認できたものを紹介します。ほとんどは、今回が初公開となります。

 二松学舎大学会場では、代表作『神聖喜劇』の成り立ちを紹介します。『神聖喜劇』は、戦時下の兵営における抵抗活動を通じて青年知識人の主人公が虚無主義から脱却し、他者との連帯の可能性を感じるまでの過程を描いています。4百字詰め原稿用紙約4千7百枚の大長編小説には、起筆から刊行完結まで25年の歳月が費やされました。会場には、おびただしい推敲の痕跡が残る原稿、草稿、執筆覚え書き、目次案などを展示しました。巨人が一語をもゆるがせにせず制作に取り組んでいたことや作品世界が作者予想以上に拡大していったことを感じていただければ幸いです。今回新たに見つかった未発表作『明暗の軌跡』、『遺書の告発』の草稿もこちらでご覧いただけます。

 東京古書会館会場では、第一作『精神の氷点』から未完に終わった『八つの消滅』までの創作の歩みを紹介します。長編『天路の奈落』、『三位一体の神話』、中編『娃重島情死行』、短編『連絡船』などの諸作品、「「仆れるまでは」、「仮構の独立小宇宙」などのエッセイの原稿、草稿、ノートを一堂に集めました。巨人が編集に携わった総合雑誌『文化展望』や日記、書簡、手帳、また、蔵書のうち、しおりの挿み込みや書き込みがあるものを選んで公開します。

一個の作品がそれ自体で完結していることを望み、私小説的な読解を戒めた巨人は、自己を語るのに禁欲的な書き手であり、創作の舞台裏は知られていませんでした。今回の展示によって、書斎における巨人の孤独な営みが「全力的な精進」(『神聖喜劇』)の持続であったことを感じていただければ幸いです。みなさまのご来場をお待ちしております。

会場:
【東京古書会館会場】東京古書会館2階展示スペース
【二松学舎大学会場】二松学舎大学九段キャンパス1号館地下3階資料展示室

開催日時:
【東京古書会館会場】2020年2月21日(金)~3月14日(土)10:00~17:00
〔(日)・(祝)および3/9(月)閉室〕

【二松学舎大学会場】2020年2月4日(火)~3月14日(土)10:00~16:00
〔(日)・(祝)および3/9(月)閉室〕

講演会中止のお知らせ
2月29日(土)13:00~15:00 に開催を予定しておりました、
「父親としての大西巨人」大西赤人(作家) 
講演会は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、中止させていただきます。

お問い合わせ:二松学舎大学附属図書館 TEL 03-3263-6364

oonishi

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youkan

虎屋文庫『ようかん』

虎屋文庫『ようかん』

虎屋文庫

 羊羹はお好きですか? ちょっと地味なお菓子だと思われていませんか?
 いえいえ、とんでもない。羊羹は実に多彩な顔を持った、また謎に満ちた、魅力的な食べ物なのです。しかし、餅や饅頭や鯛焼きの本はあるのに、羊羹の魅力を伝える一般書籍はありませんでした。
 「わたしたちが作らなくてはいけないのでは?」
 使命感にかられて本づくりに取り組んだのは和菓子屋・虎屋の菓子資料室、虎屋文庫。和菓子に関する資料収集・調査研究を行い、展示開催、機関誌『和菓子』の発行、執筆・講演などで和菓子の魅力を広く伝える仕事をしている研究部門です(企業アーカイブズとしての仕事も担当)。
 はじめての羊羹の本ですから、原材料や作り方といった基本はもちろん、季節の風物を映した色とりどりの羊羹が、江戸時代から現代まで作られていることをビジュアルでお見せしたい、文豪たちが羊羹について語った味わい深い文章も紹介したい…。盛沢山な切り口が提案されましたが、この辺りは問題なくまとまりそうでした。近年の話題として、パリやニューヨークなどでも開催されたイベント「羊羹コレクション」をとりあげ、参加店の商品を中心とした全国のおいしい羊羹も、新潮社編集部のセレクトで紹介することになりました(ぜひ、新しい味に出会ってください)。
 しかし、難関が残されました。羊羹の通史です(本では「ようかん全史」)。
 そもそも羊羹が菓子ではなかったことはわかっています。本来の羊羹は、古代中国において大変なご馳走だった熱々の羊肉のスープ(羹=あつもの)だったのです。鎌倉~室町時代にこれを禅僧が日本に伝えて精進料理となったところまではよしとして、なぜ菓子になったのか? ―――わかりません。これまで、菓子としては、餡と小麦粉を蒸して固める蒸羊羹が先に生まれ、その後、餡と寒天を煉り固める煉羊羹ができたとされてきました。この二つもずいぶん違う菓子ですが、これ以外に餡を使わない羊羹も存在しており、菓子としての羊羹の定義すら困難です。
 虎屋文庫は史料に基づいた調査研究を旨としていますので、歴史の空白を単なる空想で埋めるわけにはいきません。「ある程度妥当な推論」を見つけるために、史料を探し直し、読み返し、議論を重ねる、「羊羹のことしか考えない日々」が続きました。その結果(時間はかかりましたが)、蒸羊羹は3種類あったのではないか、煉羊羹は水羊羹から発展したのではないか、虎屋で「羊羹製※」「水羊羹製」と呼んでいる生菓子は普通の羊羹とは全く違うが、羊羹の進化(変化)の過程を表しているのではないか等々、当初は考えてもみなかった様々な新説が生まれるに至りました。詳しくは本をお読みいただきたいのですが、菓子としての羊羹の歴史の流れが、今までよりも少し滑らかになったのではないかと考えています。これを足掛かりとして、この先、誰かが更に新しい見解を示してくれる日が来るなら、どんなに嬉しいことでしょう。

 戦国武将や茶人、公家、もちろん菓子屋もふくめ、様々な人たちが遺した、山のような羊羹の記録と向き合うことは、この菓子がいかに愛されてきたかを確認する作業でもあったように思っています。

※一般には「こなし」と呼ばれる。

youkan

『ようかん』 虎屋文庫 著 
新潮社 定価:2,420円(税込) 好評発売中!
https://www.shinchosha.co.jp/book/352951/

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2020年2月10日 第292号

■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■
 。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
 古書市&古本まつり 第85号
      。.☆.:* 通巻292・2月10日号 *:.☆. 。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。

初旬に(10日前後)全国で開催されている古本展示即売会など、
イベント情報をお送りします。お近くで開催される際は、ぜひ
お出掛け下さい。

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━━━━━━━━━━【シリーズ 古書の世界】━━━━━━━━

北陸古本案内 その2

                  オヨヨ書林 山崎 有邦

前回は石川県の古本屋について書かせていただきましたが、今回は
お隣、富山県の古本屋の紹介です。

 東京から金沢に引っ越した数年の後、富山市・岩瀬の古道具屋
・スヰヘイ社さんから、ミニ古本市へのお誘いを受けました(そ
の古本市の、男の子が本を読んでいるイラストは、現在、細野晴
臣の本の表紙や、雑誌『POPEYE』のイラストなどでも活躍されて
いる富山出身の漫画家・堀道広画伯でした)。

続きはこちら
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オヨヨ書林
https://oyoyoshorin.jp/

━━━━━━━━━【「文学カレー漱石」】━━━━━━━━━

「文学カレー漱石」

                     コクテイル書房 狩野 俊

 当店は高円寺にある、古本屋と居酒屋がいっしょになった店です。
今では珍しくないブックカフェの先駆けとして20年以上に渡り、こ
のような業態の店を営んでいます。文学にちなんだお酒やつまみを
楽しみながら、壁にある本を読むことも買うこともできます。当店
では1年前から夏目漱石の名を冠した、文学カレー「漱石」というも
のをお出ししています。そのカレーのことを書かせていただきます。

続きはこちら
/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=5513

コクテイル書房
http://koenji-cocktail.info/

ツイッター
https://twitter.com/cocktail_books

━━━━━━━━━【シリーズ 古本マニア採集帖】━━━━━━

今月の古本マニア採集帖は休載となります。

━━━━━【2月10日~3月15日までの全国即売展情報】━━━━━

https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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第三回ジュンク堂新春古書展(沖縄県)

期間:2020/01/18~2020/02/24
場所:那覇ジュンク堂 地下1Fイベント広場前  
那覇市牧志1-19-29 D-NAHA ゆいレール 美栄橋駅 徒歩3分

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第10回 戸田書店 古本・古書フェア(群馬県)

期間:2020/01/27~2020/03/15
場所:戸田書店 高崎店 高崎市下小鳥町438-1

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イービーンズ古本まつり(レコード・CD市併催/宮城県)

期間:2020/01/30~2020/03/14
場所:宮城県仙台市青葉区中央4-1-1 9階 杜のイベントホール

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三省堂書店池袋本店古本まつり

期間:2020/02/04~2020/02/11
場所:西武池袋本店別館2階=特設会場(西武ギャラリー)

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フィールズ南柏 古本市(千葉県)

期間:2020/02/14~2020/02/28
場所:フィールズ南柏 モール2 2階催事場  
   柏市南柏中央6-7

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第6回 古書会館de古本まつり(京都府)

期間:2020/02/14~2020/02/16
場所:京都古書会館 3階 京都市中京区高倉通夷川上る

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港北古書フェア(神奈川県)

期間:2020/02/14~2020/02/25
場所:有隣堂センター南駅店店頭ワゴンでの販売

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倉庫会(愛知県)

期間:2020/02/14~2020/02/16
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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さよなら東急東横店 渋谷大古本市

期間:2020/02/20~2020/02/25
場所:渋谷駅 東急東横店西館8階 催物場

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たにまち月一古書即売会(大阪府)

期間:2020/02/21~2020/02/23
場所:大阪古書会館 大阪府大阪市中央区粉川町4-1

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ぐろりや会

期間:2020/02/21~2020/02/22
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://www.gloriakai.jp/

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好書会

期間:2020/02/22~2020/02/23
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9  

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2020/02/27~2020/03/01
場所:JR浦和駅西口下車 さくら草通り徒歩5分 マツモトキヨシ前
URL:https://twitter.com/urawajuku

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第22回フジサワ湘南古書まつり(神奈川県)

期間:2020/02/27~2020/03/11
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場
   藤沢市南藤沢2丁目1-1

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城南古書展

期間:2020/02/28~2020/02/29
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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西部展

期間:2020/02/28~2020/03/01
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9  

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第14回 上野広小路亭古本まつり

期間:2020/03/02~2020/03/08
場所:永谷お江戸上野広小路 ギャラリー+スペース36  
   台東区上野1-20-10 お江戸上野広小路亭1階

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第93回 彩の国 所沢古本まつり(埼玉県)

期間:2020/03/04~2020/03/10
場所:くすのきホール
   西武線所沢駅東口前 西武第二ビル8階 総合大会場
URL:https://tokorozawahuruhon.com/

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東京愛書会

期間:2020/03/06~2020/03/07
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
URL:http://aisyokai.blog.fc2.com/

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オルデーズクラブ

期間:2020/03/06~2020/03/08
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

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3月反町古書会館展(神奈川県)

期間:2020/03/07~2020/03/08
場所:神奈川古書会館1階特設会場
   横浜市神奈川区反町2-16-10

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古書愛好会

期間:2020/03/07~2020/03/08
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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BOOK & A(ブック&エー)

期間:2020/03/12~2020/03/15
場所:西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9

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紙魚之會

期間:2020/03/13~2020/03/14
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22 

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第51回 鬼子母神通りみちくさ市

期間:2020/03/15
場所:雑司が谷 鬼子母神通り
URL:https://kmstreet.exblog.jp/

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次回メールマガジンは2月下旬に発行です。

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日本の古本屋メールマガジンその292 2020.2.10

【発行】
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 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部:二見彰
 編集長:藤原栄志郎

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「文学カレー漱石」

「文学カレー漱石」

コクテイル書房 狩野 俊

 当店は高円寺にある、古本屋と居酒屋がいっしょになった店です。今では珍しくないブックカフェの先駆けとして20年以上に渡り、このような業態の店を営んでいます。文学にちなんだお酒やつまみを楽しみながら、壁にある本を読むことも買うこともできます。当店では1年前から夏目漱石の名を冠した、文学カレー「漱石」というものをお出ししています。そのカレーのことを書かせていただきます。

 日本にカレーという食べ物が入って来たのは明治時代の始め、イギリス から伝わりました。昭和二年にインド人革命家ラス・ヒバリ・ボースが亡命中、庇護を受けていた中村屋の相馬夫妻に振る舞ったカレーが、本格的インドカレーの到来だと言われています。明治大正と半世紀、オリジナルのインドカレーを知らずに創意工夫を重ねて、日本独特のカレー文化を築き上げました。そしてそれは現在も続き、カレーは国民食と言われるまでになりました。
 
 日本の近代文学も、明治以降に輸入された多数の翻訳小説の影響を深く受けいれ、多数の作品を生み出してきました。カレーと文学。一見なんの関係もなさそうなふたつの事柄は日本の近代化とともに、同じような道のりを歩んできたのです。文学カレーはこれらを背景につくりあげました。カレーの中に物語を溶け込ませた、食べる文学と言えるかもしれません。

 文学カレー「漱石」は夏目漱石が食べて「おいしい!」と思ってくれるように作り上げました。大好物だった牛肉をメインの具材にし、生涯胃痛や精神衰弱に悩まされた漱石のこころと身体に寄り添うようにスパイスを調合しました。刺激の強い唐辛子を使わずに、辛みは胡椒で出して、やさしい口当たりに。消化に良いように、野菜は細かく刻んで入れました。

 小説「三四郎」の一説にこんな文章があります。「僕はいつかの人に淀見軒でカレーライスをごちそうになった」淀見軒というのは、実際に本郷四丁目にあった洋食屋だったそうです。値は張るけれど味は良いと評判の店だったと言われています。漱石も通っていたであろうこの淀見軒のような昔懐かしい洋食屋のカレーを目指しました。

 この文学カレー「漱石」は評判も良く、文豪の名を恥ずかしめることなく、遠方から足を運んでくださるお客さまもいらっしゃる人気メニューになりました。そこでこの度これをレトルトカレーとして販売することにしました。発売日は2月9日、漱石の誕生日です。このカレーは原則、本屋でしか買えないカレーです。このカレーが話題になることで、本に興味を持つ人を増やすことも目的のひとつです。遠方の方には「日本の古本屋」で通信販売をいたします。クレジット決済もできますので是非ご活用ください。値段は600円+消費税となります。おいしさにこだわったら原価がたいへんなことになり、高いようですがこれがぎりぎりの価格なのです。

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北陸古本案内 その2

北陸古本案内 その2

オヨヨ書林 山崎 有邦

 前回は石川県の古本屋について書かせていただきましたが、今回はお隣、富山県の古本屋の紹介です。

 東京から金沢に引っ越した数年の後、富山市・岩瀬の古道具屋・スヰヘイ社さんから、ミニ古本市へのお誘いを受けました(その古本市の、男の子が本を読んでいるイラストは、現在、細野晴臣の本の表紙や、雑誌『POPEYE』のイラストなどでも活躍されている富山出身の漫画家・堀道広画伯でした)。富山の護国神社で毎月第1日曜に骨董の蚤の市が立ち、以前そこで何度か古美術や焼き物の古本を並べて売っていたので、その縁だったかと思います。ピアノの演奏会が開かれるくらい雰囲気のよい店内で、売り物のアンティークの本棚や飾り棚を利用させていただいての古本市が楽しくて、一緒に参加した高岡市(富山県)の上関文庫さんと盛り上がり、その勢いで、いまは往事の様な活気がない富山市の街中でもこんな感じの(かつて若者だった自分たちが通いたかった店のような)店舗がやりたいと、共同経営の古本屋を開くことになりました。

 場所は富山市内のメインの商店街から一本入ったところ。家賃は安く、美大卒の若い店主が営む民芸店や、オーガニックの化粧品店など、少し変わった店の集まる長屋。店番は交代。売り上げは折半。店名は『まんが道』という案もありましたが、サイモン&ガーファンクルのアルバム『ブックエンド』から。並べる本はお互いの在庫を持ち寄りました。敷金・礼金を払ったら、本棚を買うお金がなくなって、福井県の松村古書店さんの倉庫で使っていたものを譲っていただきました。スヰヘイ社さんから、開店祝いに帳場用の木の机をいただき、さらに塗装のはげていた店のドアを、青く塗っていただきました。

 いままで古本屋のほとんどなかった商店街に出来た店は、地元の人に重宝がられました。友達の友達で全員が繋がるような小さい街ですので、翌年(2013年)からブックエンドが中心となって始めた古本イベント「BOOK DAY とやま」もすぐに認知してらえ、富山のゴールデン・ウィークの定番イベントとなりつつあります。その頃各地で盛んだったブック・イベントを見よう見まねで始めた第1回は、不忍ブック・ストリートでおなじみの一箱古本市と、当時『本屋図鑑』を出版されたばかりの夏葉社の島田潤一郎さんと、ライター・編集者の北條一浩さんをお呼びしてトーク・イベントを開催しました。

つい昨日のことのようです。BOOK DAY とやまはその後も回を重ね、牧野伊三夫さん、ミシマ社・三島邦弘さん、里山社・清田麻衣子さん、服部みれいさん、関谷武裕さん、ひらのりょうさん、安田謙一さん、菊地成孔さん、柴田聡子さんなど、様々なゲストに出演していただき、いろいろな人や施設を巻き込み、今年の春で8回目を迎えます。古本屋の出店も、富山県内だけでなく、北陸、そして全国各地から集まるようになりました。ポスターは3回目からずっと堀画伯ですが、今回思い起こすと、スヰヘイ社のミニ古本市からのお付き合いになります(早稲田青空古本市の永島慎二先生のような存在でしょうか)。

 前置きが長くなりましたが、このイベントとブックエンド開店がきっかけとはいえないまでも、少しの後押しくらいにはなったかもしれない(そうだったら嬉しい)、富山県でここ数年に新規開店した新しいお店を、紹介させていただけたらと思います。

 デフォー。ブックエンドの3軒隣に出来た絵本の専門店。ショーウィンドウの、月替わりのテーマに沿って並べられた絵本の表紙を眺めるのが楽しみです。

 ジンジャー・ラーメン・ブックス。富山市内、花水木通り。旧ラーメン屋のカウンターをそのまま利用した古本屋。コーヒーは出しても、ラーメンはメニューにありません。店名と看板が前の店のまま。手抜きの店かと思いきや、品揃えは本格的でこだわり有りです。

 ひらすま書房。「ひらすま」は富山弁で昼寝のこと。射水市、旧小杉町の大正時代に建てられた旧小杉郵便局の古い建物を利用した施設「LETTER」の1階にある古本屋。2階はアトリエ。奥ではイベントをやっていることも多い。ミニコミやリトルプレスを中心とした品揃えですが、渋めの古本も増殖中です。Zineなどのワークショップなども開催。

 古本いるふ。岩瀬から滑川に引っ越したスヰヘイ社(現・古道具 スヰヘイ)さんの向かいに、2年前の春にオープン(富山の古本業界の裏にスヰヘイさんの影があちこちに)。デザイン書・美術書・写真集の品揃えは県内随一。2階がギャラリーになっています。各地のイベントにもフットワーク軽く出店。現在、BOOK DAY とやまの実行委員長です。

 コメ書房。店主夫妻が南砺市の散居村へVターン移住。のどかな田園地帯の中の、農家の納屋を改装したブックカフェです。コンセプトは「百姓のくらし」とのことで、1冊ずつ丁寧に選ばれた古本が並びます。かぶらずしサミットなどのイベントも開催。

 古本なるや。高岡市から氷見線で3駅の伏木駅前。店主がジャズ・ミュージシャンでもあります。店も、古本販売だけでなく、ワークショップやライブ、相談支援などに開放されている。品揃えは雑多ですが、なにか見つかりそうなポテンシャルと、店主の人柄か絶妙な居心地の良さを感じさせます。ブログやチラシなど、店主の書く文章も面白い。ジャズと古本て、なんでこんなに相性がいいんでしょうか。

 一番新しい(2年前)、いるふ、コメ書房、なるやは開店時期がほぼ同じですが、品揃えは各店各様で頼もしい。
 店主の数だけ古本屋があり、そういう店を訪ねるのが古本屋巡りの楽しみという、当たり前だけど自分が売る側に回ってからはずっと忘れていたことを、富山で気づかされました。

bookday
BOOK DAY とやまの模様

hirasuma
ひらすま書房

komeshobo2
コメ書房

オヨヨ書林
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