2023年5月25日号 第371号

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☆INDEX☆
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1.『ハイデッガーとギリシア悲劇』
             京都工芸繊維大学基盤科学系教授 秋富克哉

2.『戦前期日本のポスター―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』
                青梅市立美術館 学芸員 田島奈都子

3.『「100まんびきのねこ」たちは、どこから生まれどこへいったの』
        児童文学者・ノートルダム清心女子大学教授 村中李衣

4.『国書刊行会50年の歩み』
                        国書刊行会 川上貴

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━━━━━━━━━【大学出版へのいざない6】━━━━━━━━━━━

『ハイデッガーとギリシア悲劇』
             京都工芸繊維大学基盤科学系教授 秋富克哉

 紀元前6世紀に遡るとされるギリシア悲劇については、ジャンルの成立
や歴史についても、個々の悲劇詩人や作品についても、おそらく無数と言
いうるほどの研究が蓄積されてきたはずである。哲学の領域でも、古くは
アリストテレスの『詩学』、そしてはるか時代を経てニーチェの『悲劇の
誕生』、これらは哲学的ギリシア悲劇論としてすでに古典的な地位を築い
てもいる。他方、20世紀を代表するドイツ人哲学者マルティン・ハイデッ
ガーについては、哲学界にあって、同時代の哲学者と比べても圧倒的な分
量の研究がなされてきたことは疑いない。近年では、約10年前に公刊され
た「黒表紙のノート」における「反ユダヤ主義」的な発言が世界中を席巻
したことも記憶に新しい。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11444

書名:『ハイデッガーとギリシア悲劇』
著者名:秋富克哉
出版社名:京都大学学術出版会
判型四六判/製本形式並装/ページ数:250頁
税込価格:2,200円
ISBNコード:978-4-8140-0477-5
Cコード:1310
6月中旬発売予定
https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784814004775.html

━━━━━━━━━━【自著を語る(307)】━━━━━━━━━━

『戦前期日本のポスター―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』
               青梅市立美術館 学芸員 田島奈都子

 2023年3月に吉川弘文館から出版された拙著『戦前期日本のポスター
―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』は、19世紀末から1945年の終戦
までの、約50年間に製作された日本製ポスターが、「美術史」という枠
組みの中で語られるべき存在あることを、多くの人に知ってもらうため
に著したものである。

 著者の現在の専門は1945年までの日本製ポスターであるが、調査研究
の基軸は美術史に置いており、過去にもこの立場から書籍を何冊か著し
てきた。しかし、それらはいずれも作品を主体とした、図録的な色彩の
強いものであった。一方、新刊書はあくまでも文章を主体にした研究書
であることから、註や史料の引用も充実しており、この点は今後の調査
研究にも役立つものと自負している。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11451

『戦前期日本のポスター 広告宣伝と美術の間で揺れた50年』
吉川弘文館刊
田島奈都子著
ISBNコード:978-4642039246
定価:4,950円(税込)
好評発売中!
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b618499.html

田島奈都子(たじまなつこ)

<略歴>
1968年 東京都に生まれる
2003年 筑波大学大学院博士課程芸術学研究科満期退学
現在 青梅市立美術館学芸員、専門は戦前期の日本製ポスター

<主要著書>
解説『現代商業美術全集』全25巻(復刻版、ゆまに書房、2001年)
解説『明治・大正・昭和お酒のグラフィティ サカツ・コレクションの世界』
  (国書刊行会、2007年)
編著『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争 135枚が映し出す真実』
  (勉誠出版、2016年)
編著『明治・大正・昭和初期 日本ポスター史大図鑑』(国書刊行会、2019年)
編著『ポスター万歳 百窃百笑』(文生書院、2022年)

━━━━━━━━━━【自著を語る(308)】━━━━━━━━━━

『「100まんびきのねこ」たちは、どこから生まれどこへいったの』
       児童文学者・ノートルダム清心女子大学教授 村中李衣

 すべての始まりは、今から30年前、ブックグローブ社の伊藤元雄さん
から手渡された1冊の小ぶりな絵本からでした。促され、シャリシャリ
紙で丁寧にくるまれたその上から指で表紙のタイトルをなぞってみました。

 ”Nothing at All” 。「ワンダ・ガアグの最後の創作だよ。訳して
みない?」と伊藤さんに言われ、恐る恐る中のページをめくっていきま
した。ガアグと聞いて、私の頭の中にはすぐさま代表作『100まんび
きのねこ』に描かれたモノトーンの鮮やかな構図が思い浮かびました。
(わあっ、あの有名なガアグが描いた絵本かぁ~。でも『100まんび
きのねこ』とは雰囲気がちょっと違うなぁ。やわらかで穏やかな色彩だし、
『100まんびきのねこ』のような両見開きを使った構図もほとんどな
いんだなぁ)と意外に思った記憶があります。でも、その意外だなぁ~
の奥に潜んでいたガアグの心の軌跡に思いを馳せることなどなく、ただ
ただガアグの作品に触れていられるという嬉しさだけで、「やってみま
す」と答えたのでした。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11456

『「100まんびきのねこ」たちはどこから生まれどこへいったの』
ブック・グローブ社刊
村中李衣著
ISBNコード:978-4-938624-29-3
Cコード:C0095
定価:2,700円(税別)
好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784938624293

━━━━━━━━━━【自著を語る(番外編)】━━━━━━━━━━

『国書刊行会50年の歩み』
                         国書刊行会 川上貴

 国書刊行会は創業50年を迎え、2022年11月から全国の書店で50周年フェア
を開催している。実は創業は1971年で、本来であれば2021年にフェアを開催
するべきであったが、新型コロナウイルス感染症の影響で2021年はフェア開
催を見送り、2022年からの開催とした。筆者は今回のフェアや記念小冊子を
はじめ、一連の創業50周年事業の企画・運営を担った。

 フェアの無料頒布物としては2冊の記念小冊子を刊行した。1冊は『私が選
ぶ国書刊行会の3冊』(編集担当者は小社編集部の伊藤昂大)。知名の53名に
小社の書籍から3冊を選書いただき、推薦文とともに掲載したものだ。本冊子
は創業40周年フェア(2012年開催)の際に制作した記念小冊子と同コンセプト
のものであり、今回のフェアの第一弾として11月から配布を開始した。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11627

国書刊行会創業50周年記念小冊子
『国書刊行会50年の歩み』
『私が選ぶ国書刊行会の3冊』
(※非売品)
https://www.kokusho.co.jp/news/2022/11/202211042200.html

本小冊子の配布は全国各地の「創業50周年記念フェア」開催書店にて行っております。
https://www.kokusho.co.jp/news/2023/04/202304141810.html
https://www.kokusho.co.jp/50th/fair

━━━━━━━━━━━━【プレゼント企画】━━━━━━━━━━━━

国書刊行会創業50周年記念小冊子『国書刊行会50年の歩み』と
『私が選ぶ国書刊行会の3冊』(2冊セット)を、
抽選で12名様にプレゼント致します。
ご応募お待ちしております。

応募申込は下記ページにてお願い致します。
 締切日 5月29日(月)午前10時

https://www.kosho.ne.jp/entry2023/0525/0525.html

━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

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「大学出版へのいざない」シリーズ 第7回

書名:『ウィリアム・フォークナー 語りの力 -その創造性の起源へ』
著者名:梅垣昌子
出版社名:名古屋外国語大学出版会
判型:A5/製本:形式上製/ページ数:445頁
税込価格:4,950円(本体4,500円)
ISBNコード:978-4-908523-24-3
Cコード:0098
2023年8月下旬刊行予定
https://nufs-up.jp/
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『シティ・ライツ ノート』
街から舎刊
本間健彦著
税込価格:2,200円(税込)
ISBNコード:9784939139284
好評発売中!
https://machikarasha.thebase.in/items/73875259
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『杉浦康平のアジアンデザイン』
新宿書房 刊
港の人 発売
杉浦康平 著
神戸芸術工科大学アジアンデザイン研究組織 著
赤崎正一 編
黄國賓 編
定価:4,290円(税込)
ISBN:9784896294194
6月上旬発売予定
http://www.shinjuku-shobo.co.jp/
http://www.shinjuku-shobo.co.jp/new5-15/html/mybooks/483_Sugiura.html
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『銭湯』(第4回ことばと新人賞受賞作)
書肆侃侃房刊
福田節郎著
ISBNコード:978-4-86385-577-9
定価:1,600円(税抜)
5月下旬発売予定
http://www.kankanbou.com/books/novel/0577
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

5月~6月の即売展情報

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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日本の古本屋メールマガジン その371・5月25日

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋」事業部
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  https://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部・編集長:藤原栄志郎

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『国書刊行会50年の歩み』

『国書刊行会50年の歩み』

国書刊行会 川上貴

 国書刊行会は創業50年を迎え、2022年11月から全国の書店で50周年フェアを開催している。実は創業は1971年で、本来であれば2021年にフェアを開催するべきであったが、新型コロナウイルス感染症の影響で2021年はフェア開催を見送り、2022年からの開催とした。筆者は今回のフェアや記念小冊子をはじめ、一連の創業50周年事業の企画・運営を担った。

 フェアの無料頒布物としては2冊の記念小冊子を刊行した。1冊は『私が選ぶ国書刊行会の3冊』(編集担当者は小社編集部の伊藤昂大)。知名の53名に小社の書籍から3冊を選書いただき、推薦文とともに掲載したものだ。本冊子は創業40周年フェア(2012年開催)の際に制作した記念小冊子と同コンセプトのものであり、今回のフェアの第一弾として11月から配布を開始した。

 そして、もう1冊が『国書刊行会50年の歩み』である。こちらは書名の通り小社のこれまでの歩みをまとめたいわゆる社史である。筆者が企画をし、編集作業は筆者と伊藤が担当し、2023年3月から配布を開始した(なお、口絵と本文に掲載している書影は営業部の竹中朗の撮影による)。おかげさまで両小冊子とも大変好評をいただき、『国書刊行会50年の歩み』は配布開始から1週間程度であっという間に在庫が切れてしまい、増刷もした(ちなみに、筆者は本冊子の完成後すぐにアメリカ出張に出てしまったため、SNSでの反響しか知ることができず、実はすべてが幻であったような気がしている)。2冊の小冊子は基本的にフェア開催店のみでの取扱品となり、フェアも小冊子も好評のため、開催期間を延長し、現在も開催店を募集している。8月下旬頃まではフェアを続けていく予定である。

 そもそも『国書刊行会50年の歩み』をなぜ企画したのかといえば、まず何よりも筆者が国書刊行会を愛しているからである。自身が若い頃から憧れていた国書刊行会の歩みを、創業50周年という機会には何らかの形で残さなければならないという思いは入社以来ずっと抱いており、その思いが本冊子の根底にある。ただ、通常の社史のような格式張ったものにするつもりは当初からまったくなく、読者の方々に「読みもの」として楽しんでいただけること、そして願わくは笑っていただけることを目指して制作をした。なぜ笑っていただきたかったのかといえば、先輩諸氏から聞く小社の数々のエピソードや自身の実体験がどれも風狂無頼というかある種の幻想文学的であり、その空気感もまた小社の社史として形に残したかったからである。「国書刊行会らしさ」には笑いの要素も含まれていると筆者は思っている。

 本冊子は資料性という観点では小社が扱うすべてのジャンルをカバーしきれてはいないが、幻想文学や海外文学を筆頭になるべく多くのジャンルについて言及することを心がけた。小社の代表的な書籍を紹介するカラー口絵からはじまり、創業者および代表取締役の佐藤今朝夫によるあいさつ、元編集長であり小社の幻想文学路線を決定づけた礒崎純一へのインタビュー(ライター・書評家の朝宮運河氏による)、小社在籍時にミステリ路線を開拓したフリーランス編集者の藤原義也氏(藤原編集室)によるエッセイ、小社の特殊編集者である樽本周馬と特殊翻訳家の柳下毅一郎氏の対談、元営業部長・元編集部課長の竹中朗によるコラム、現役社員の座談会(取材・構成は朝宮運河氏)、沿革……とヴァラエティブックのような構成にしているのは筆者の個人的な趣向であるが、小社のようなごった煮の会社の歩みをまとめるにあたってはこの形がベストであったと思っている。時間と予算が許すのであれば本冊子であまり言及していない仏教書や研究機関向けの大型書籍、語学教材などの記事も追加し、収録記事もまだまだ内容を充実させたかったがこれはまた別の機会としたい。

 造本については、最後の最後まで函・表紙・本文小口と天地まで漆黒に染められている《セリーヌの作品》よろしく三方小口染め加工(希望は金か朱色)をするつもりで粘っていたが、全社員から狂っていると止められたのはここだけに記しておく。また、本冊子の装画も含め今回のフェアのメインビジュアルはコラージュアーティストのM!DOR!氏に、デザインは山田英春氏に手がけていただいた。はじめてその作品を拝見したときからフェアのビジュアルはM!DOR!氏に依頼しようと考えていたので、素晴らしい新作を制作していただき、それらをデザインしてくださった両者には感謝してもしきれない。

 最後に、本冊子の編集作業で各編集者の思いなどに触れ、出版というものは人と人の縁があって成立するのだという至極当たり前のことを改めて実感した。冒頭のあいさつで代表が語っているように、著者・訳者の方々をはじめ、装幀家や組版・印刷・製本会社、小社の書籍を販売しようと思っていただける書店の方々、そして読者の方々に心より感謝したい。

 今後も国書刊行会が「国書刊行会らしさ」を失わないことを、一社員として、また一愛読者として願って止まない。

 
 
 
 


『国書刊行会50年の歩み』

 

『私が選ぶ国書刊行会の3冊』

 
 
国書刊行会創業50周年記念小冊子
『国書刊行会50年の歩み』
『私が選ぶ国書刊行会の3冊』
(※非売品)
https://www.kokusho.co.jp/news/2022/11/202211042200.html

本小冊子の配布は全国各地の「創業50周年記念フェア」開催書店にて行っております。
https://www.kokusho.co.jp/news/2023/04/202304141810.html
https://www.kokusho.co.jp/50th/fair

Copyright (c) 2023 東京都古書籍商業協同組合

2023年5月10日号 第370号

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 古書市&古本まつり 第124号
      。.☆.:* 通巻370・5月10日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。

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━━━━【古本屋でつなぐ東北(みちのく)7(完)】━━━━━

東北の古本屋―――地域の文化を紡ぐとは

            (福島県&宮城県・阿武隈書房)有賀史人

 福島県いわき市で、一〇坪ほどの小さな店舗を営んでおります。二〇
一八年夏の開店で、もう少しで五年になります。その間、猫は欠かした
ことがありません。近所の野良猫や飼い猫どもが、一、二匹は常時店の
何処かにいるはずです。茶トラのゴンタと、かげ猫のシッポは、人にな
つかないので、店番はしません。以前いた片目のタロウは、接客好きで
店の集客に一役買ってくれました。猫は寄ってくるのですが、お客様は
一日に数人訪れる程度のささやかな店です。

(「日本古書通信」2023年2月号より転載)

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11419

━━━━━━━━━【シリーズ書庫拝見13】━━━━━━━━━

国立映画アーカイブ 個人コレクションをめぐるドラマ

                         南陀楼綾繁

 4月12日、JR東京駅には多くの人が行き交っていた。だいぶ人の流れが
戻ってきたなと感じつつ、八重洲口に出る。信号の向こうに3月末で閉店し
た〈八重洲ブックセンター〉本店が見える。私が小学生の時、初めて上京
して真っ先に訪れた新刊書店だ。

 がらんとした建物の横を通り、京橋の交差点へと向かう。この辺りもこ
の十数年で再開発のため、すっかり変わってしまった。その一角に2020年
に休止した〈LIXILギャラリー〉が入っていた建物がある。その2年前には
品揃えにいつも唸らされた〈LIXILブックギャラリー〉(元〈INAXブック
ギャラリー〉)が閉店している。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11467

南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」
の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、
編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。

ツイッター
https://twitter.com/kawasusu

国立映画アーカイブ
https://www.nfaj.go.jp/

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「コショなひと」始めました

東京古書組合広報部では「コショなひと」というタイトルで動画
配信をスタート。
古書はもちろん面白いものがいっぱいですが、それを探し出して
売っている古書店主の面々も面白い!
こんなご時世だからお店で直接話が出来ない。だから動画で古書
店主たちの声を届けられればとの思いで始めました。
お店を閉めてやりきったという店主、売り上げに一喜一憂しない
店主、古本屋が使っている道具等々、普段店主同士でも話さない
ことも・・・
古書店の最強のコンテンツは古書店主だった!
是非、肩の力を入れ、覚悟の上ご覧ください(笑)

※今月の新コンテンツはありません。

YouTubeチャンネル「東京古書組合」
https://www.youtube.com/@Nihon-no-Furuhon-ya

━━━━━【5月10日~6月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

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光が丘 春の古本市

期間:2023/03/15~2023/05/14
場所:リブロ光が丘店 東京都練馬区光が丘5-1-1 リヴィン光が丘5階
   都営大江戸線光が丘駅A4出口より徒歩3分

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イービーンズ 古本まつり(宮城県)

期間:2023/04/08~2023/05/21
場所:イービーンズ9F 杜のイベントホール

https://www.e-beans.jp/event/event-7897/

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港北古書フェア(神奈川県)

期間:2023/04/29~2023/05/12
場所:有隣堂センター南駅店店頭

http://www.yurindo.co.jp/store/center/

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第2回 戸田書店やまがた古本まつり(山形県)

期間:2023/05/02~2023/07/02
場所:戸田書店山形店 特設会場 〒990-0885 山形市嶋北4丁目2-17

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BOOK & A(ブック&エー)

期間:2023/05/11~2023/05/14
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

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第48回 古本浪漫洲 Part 1

期間:2023/05/11~2023/05/13
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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MARUZENギャラリー「ふつうの古本まつり」(福岡県)

期間:2023/05/11~2023/05/22
場所:ジュンク堂書店福岡店 2階 MARUZENギャラリー
   〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名1丁目15-1 天神西通りスクエア

https://honto.jp/store/news/detail_041000077654.html?shgcd=HB300

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フリーダム展

期間:2023/05/12~2023/05/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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名鯱会(愛知県)

期間:2023/05/12~2023/05/14
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

https://hon-ya.net/

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第48回 古本浪漫洲 Part 2

期間:2023/05/14~2023/05/16
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)  新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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新橋古本まつり

期間:2023/05/15~2023/05/20
場所:新橋駅前SL広場

https://twitter.com/slbookfair

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第48回 古本浪漫洲 Part 3

期間:2023/05/17~2023/05/19
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)  新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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趣味の古書展

期間:2023/05/19~2023/05/20
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

https://www.kosho.tokyo

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第48回 古本浪漫洲 Part 4

期間:2023/05/20~2023/05/22
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)  新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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第48回 古本浪漫洲 Part5(300円均一)

期間:2023/05/23~2023/05/25
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2023/05/25~2023/05/28
場所:さくら草通り(JR浦和駅西口 徒歩5分 マツモトキヨシ前)

https://twitter.com/urawajuku

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♭立川フロム古書市ご案内♭

期間:2023/05/25~2023/06/05
場所:立川駅北口徒歩5分フロム中武(ビッグカメラ隣) 3階バッシュルーム(北階段際)

http://mineruba.bookmarks.jp/saiji.htm

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五反田遊古会

期間:2023/05/26~2023/05/27
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4
   JR山手線、東急池上線、都営浅草線五反田駅より徒歩5分

https://www.kosho.ne.jp/?p=567

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和洋会古書展

期間:2023/05/26~2023/05/27
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

https://www.kosho.ne.jp/?p=562

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中央線古書展

期間:2023/05/27~2023/05/28
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=574

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第10回 BOOK DAY とやま駅(富山県)

期間:2023/05/27~2023/05/28
場所:富山駅南北自由通路(あいの風とやま鉄道中央口改札前)

https://bookdaytoyama.net/

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第106回 彩の国所沢古本まつり(埼玉県)

期間:2023/05/31~2023/06/06
場所:くすのきホール (西武線所沢駅東口前 西武第二ビル8階 総合大会場)

https://tokorozawahuruhon.com/

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杉並書友会

期間:2023/06/03~2023/06/04
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=619

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反町古書会館展(神奈川県)

期間:2023/06/03~2023/06/04
場所:神奈川古書会館1階 横浜市神奈川区反町2-16-10

http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm

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書窓展(マド展)

期間:2023/06/09~2023/06/10
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

https://www.kosho.ne.jp/?p=571

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好書会

期間:2023/06/10~2023/06/11
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=620

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アクロスモール新鎌ヶ谷古本市(千葉県)

期間:2023/06/10~2023/06/22
場所:アクロスモール新鎌ヶ谷 1F 中央エレベーター前
   千葉県鎌ケ谷市新鎌ヶ谷2-12-1

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『BOOK DAY とやま駅』(富山県)

期間:2023/06/10~2023/06/10
場所:富山駅南北自由通路(あいの風とやま鉄道中央口改札前)

https://bookdaytoyama.net/

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heidegger

『ハイデッガーとギリシア悲劇』 【大学出版へのいざない6】

『ハイデッガーとギリシア悲劇』 【大学出版へのいざない6】

秋富克哉(京都工芸繊維大学基盤科学系教授)

 紀元前6世紀に遡るとされるギリシア悲劇については、ジャンルの成立や歴史についても、個々の悲劇詩人や作品についても、おそらく無数と言いうるほどの研究が蓄積されてきたはずである。哲学の領域でも、古くはアリストテレスの『詩学』、そしてはるか時代を経てニーチェの『悲劇の誕生』、これらは哲学的ギリシア悲劇論としてすでに古典的な地位を築いてもいる。他方、20世紀を代表するドイツ人哲学者マルティン・ハイデッガーについては、哲学界にあって、同時代の哲学者と比べても圧倒的な分量の研究がなされてきたことは疑いない。近年では、約10年前に公刊された「黒表紙のノート」における「反ユダヤ主義」的な発言が世界中を席巻したことも記憶に新しい。

 しかし、これら両者、すなわちギリシア悲劇とハイデッガーという組み合わせとなると、国内外を見渡してもほとんど研究のなされていないのが実情である。その最大の理由は、ハイデッガーの著作にギリシア悲劇を主題にしたものがないことに由る。もっとも、誤解がないように言えば、ギリシア悲劇作品への言及ということなら、今なお大きく取り沙汰されるナチス加担、具体的には、ナチスが政権を獲得した1933年にフライブルク大学学長に就任して行った演説「ドイツの大学の自己主張」で、アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』(今この作品の作者の真贋問題には触れないでおく)の一節を引いていることは、早くから知られていた。また、その学長職の早期退任後、1935年に行われた講義『形而上学入門』で、今度はソポクレスの『オイディプス王』に言及し、さらに『アンティゴネ』のなか「人間讃歌」として知られる合唱歌を取り上げたことも周知である。この講義録は、『存在と時間』の途絶が事実上宣言された1953年に、この表題のまま単行本として公刊されたものであり、『存在と時間』と後期思想との関係を探るうえでもきわめて重要なものとされてきた。このような次第で、このソポクレス解釈を扱った研究はなかったわけではない。拙著の執筆でも、その数少ない欧語文献を参考にもした。とはいえ、それらの研究が主題設定という点で、ごく限定的なところを動いていることは否定できない。それも、繰り返せば、ハイデッガー自身の直接的な言及の少なさに由るのである。

 しかしながら、全102巻の予定で刊行されてきた全集版がかなり出揃い、公刊著作以外の講義録、覚書き、とりわけ上記「黒表紙のノート」をもとに、公刊著作だけからは取り出せない様々な主題が扱われるようになった。すなわち、著作には見出せないか、あるいは講義録を含めてもせいぜい断片的に触れられているに過ぎない事象が、覚書きや「黒表紙のノート」の公刊を通して、点と点が線で繋がれるように、それぞれの位置づけや意味づけにおいてこれまで以上に明確に、あるいはそもそも初めて、気づかれるようになったということである。拙著が取り上げる「ギリシア悲劇」もまた、そのような主題の一つである。たしかに、覚書きや「黒表紙のノート」に、ギリシア悲劇についての言及が数多くあるわけではない。その言及は、依然断片的である。しかし、従来知られていたよりも早い時期の言及が、すなわち学長就任以前および以後の時期の言及が、思索の動きとともにいくつか見出されたことは、ギリシア悲劇という主題の考察にとって決定的になった。公刊著作や講義録とは違う性格の資料ゆえ、その扱いには慎重さが求められるとしても、これら新しい資料なしに、拙著の執筆はありえなかったであろう。

 拙著では、「黒表紙のノート」でのギリシア悲劇への言及と結びつけられる「運命」概念をもとに、いったん『存在と時間』に遡って検討することから始め、その後1930年代から40年代の思索の動きに焦点を合わせ、上でも触れたアイスキュロスとソポクレス各々の作品についての言及を考察した。さらに、ソポクレス解釈に大きな影響を与えたヘルダーリンの詩作との思索的対話をもとにディオニュソス像の検討、そしてディオニュソスということから必然的に結びつくニーチェとの対決、最後に、この時期のハイデッガーにとって決定的となった「ヘルダーリンとニーチェ」を改めて論じるとともに、存在そのものを悲劇的とする独自な立場を考察した。

 こうしてハイデッガーにとってのギリシア悲劇を主題的に論じるとき、最後に改めて問われるべきは、上記の時期以降ギリシア悲劇への言及がほとんどなくなるという事実である。これをどのように考えるべきか。ギリシア悲劇という主題をハイデッガーの思索全体のなかで照らし出そうとするかぎり、この試みは、ギリシア悲劇への言及の考察だけでは終わらず、それが言及されなくなることの必然性にも向かわなければならないのである。

 
 
 
 
 


書名:『ハイデッガーとギリシア悲劇』
著者名:秋富克哉
出版社名:京都大学学術出版会
判型四六判/製本形式並装/ページ数:250頁
税込価格:2200円
ISBNコード:978-4-8140-0477-5
Cコード:1310
6月中旬発売予定
https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784814004775.html

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国立映画アーカイブ 個人コレクションをめぐるドラマ【書庫拝見13】

国立映画アーカイブ 個人コレクションをめぐるドラマ【書庫拝見13】

南陀楼綾繁

 4月12日、JR東京駅には多くの人が行き交っていた。だいぶ人の流れが戻ってきたなと感じつつ、八重洲口に出る。信号の向こうに3月末で閉店した〈八重洲ブックセンター〉本店が見える。私が小学生の時、初めて上京して真っ先に訪れた新刊書店だ。

 がらんとした建物の横を通り、京橋の交差点へと向かう。この辺りもこの十数年で再開発のため、すっかり変わってしまった。その一角に2020年に休止した〈LIXILギャラリー〉が入っていた建物がある。その2年前には品揃えにいつも唸らされた〈LIXILブックギャラリー〉(元〈INAXブックギャラリー〉)が閉店している。

 これらは、これから向かう国立映画アーカイブで映画を観る前後に立ち寄っていた本屋だ。慣れ親しんだルートが成立しなくなると、町を歩くのもつまらなくなる。

 そんなことを考えながら、国立映画アーカイブの入り口に到着する。昨日からスタートした「没後10年 映画監督 大島渚」の大きなシートが貼られている。ここが「東京国立近代美術館フィルムセンター」から現在の名前に変わってからもう5年経つのか。月日の流れは速い。

国立映画アーカイブの外観

ノンフィルム資料の重要性

 受付で会った教育・発信室の吉田夏生さんに案内され、4階の図書室に上がる。何度か来たことがあるが、ここの閲覧室はゆったりと広く落ち着く。

閲覧室内観(画像提供・国立映画アーカイブ)

「コロナ禍以降、図書室の態勢も変わり、今は火・木・土の週3日開室になっています」と吉田さんが説明する。今日は休室日に取材させてもらうのだ。

 出迎えてくれたのは、主任研究員の岡田秀則さん。映画フィルムを保存・運用するフィルム・アーカイビングの第一人者であり、『映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画』(立東舎)などの著書もある。

 2015年、フィルムセンター時代に映画書を一堂に集めた「シネマブックの秘かな愉しみ」という展覧会を開催した際には、門外漢の私がなぜか岡田さんから指名されて、「私の好きな映画書」を選んだ(黒田信一『突撃! グフフフ映画団』講談社文庫、冨田均『東京映画名所図鑑』平凡社、中山信如『古本屋「シネブック」漫歩』ワイズ出版 の3冊だった)。

 岡田さんは1996年に前身の東京国立近代美術館フィルムセンターに入り、2007年から展示事業と映画資料の担当になった。
「つまり、ノンフィルム資料の担当ということですね」。ノンフィルムとはフィルム以外の関連資料を指す。
「単行本、雑誌、シナリオ、映画祭カタログ、映画パンフレットなど一般公開を前提とした文献類と、ポスター、スチル写真、映写機などの機材など特別資料に分かれます。この図書室では前者を所蔵しています」

 映画史においてノンフィルム資料が重要であるのは、フィルム自体が散逸しやすいものだからだ。戦前の映画フィルムは可燃性でしばしば焼失した。また、映画会社は公開が終わったフィルムを廃棄処分にした。その結果、日本では「戦前の映画は一割も残っていない。専門家は四パーセントぐらいと推察する」(山根貞男『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅』草思社)。
「ある映画がいつ公開されたか、あるいは検閲で切除され題名が判らないフィルムを特定する時など、さまざまな場面でノンフィルムの文献資料が裏付けになるんです」と岡田さんは云う。

 松竹大谷図書館や早稲田大学演劇博物館でも映画書や雑誌を所蔵しているが、公的な映画専門の図書館は日本にここしかない。

図書室創設に関わった辻恭平

 ここでざっとフィルムセンター=国立映画アーカイブの沿革をたどっておく。

 1952年、京橋の旧日活本社ビルに国立近代美術館(1967年に東京国立近代美術館となる)が開館。その事業のひとつとして「フィルム・ライブラリー」が発足し、上映会が開催される。
「最初は美術映画を上映し、翌年から劇映画を上映するようになりました。当初はフィルムを一本一本収集してゆくだけでした」と岡田さん。

 1967年、終戦時GHQに接収され、アメリカ議会図書館に保管されていた日本映画約1300本が返還され、フィルム・ライブラリーが受け入れ先になった(入江良郎「フィルムセンターの映画上映事業」、『東京国立近代美術館60年史』東京国立近代美術館)。

 1969年には「フィルムセンター」が設置。東京国立近代美術館本館は竹橋の北の丸公園に移転し、京橋がフィルムセンターの本拠となる。翌年に開館し、上映活動を行なう。

 1984年9月、フィルムセンター5階から出火し、外国映画フィルムの一部が焼失。その後、上映は竹橋の美術館講堂で行なわれた。大学生の時、私もここでハワード・ホークス監督の映画を観たが、狭い会場で立ち見だったことを覚えている。
「これ以前から、フィルム保存のために収蔵庫を持つ議論がされてきましたが、むしろ火事が世論を後押しし、そんな中で1986年に相模原分館が設立されました。空調などの管理のもと、映画フィルムや映画関連資料を収蔵しています。2011年竣工の2つ目の保存棟には『映画文献資料室』もあります」

 1995年には京橋に現在の建物が開館。数々の上映を行なってきた。そして前に触れたとおり、2018年に国立映画アーカイブとなったのだ。

 では、図書室はどの段階で設立されたのか。
「以前の建物だった1978年11月ですね。1階にあって会議室と兼用だったと聞いています」。半開架式で、本はガラスのキャビネットに入っていたという。

 ここで登場するのが、辻恭平という人物だ。辻は1905年、神戸生まれ。東宝の前身であるPCLに入社し、東宝や新東宝の事務畑で働き、岩波映画にも関わった。その傍ら、学生時代から映画の本を集めはじめた。しかし、生活費の必要からフィルム・ライブラリー助成協議会(現・川喜多記念映画文化財団)に譲渡され、それが1977年にフィルムセンターに譲渡された。辻が集めた約1700冊が、この図書室の基礎になったのだ。辻の旧蔵書の奥付には蔵書印と購入日が記入されている。


津村秀夫『溝口健二というおのこ』に記された辻恭平蔵書印と購入日(画像提供・国立映画アーカイブ)

 しかも、辻は自ら図書室に通って図書の整理に携わった。辻はコレクションを手放した後で、映画書誌の執筆を思い立ち、1968年から調査を始めている。フィルムセンターの図書室に通うのは、書誌の調査のためでもあっただろう。
「最初に出た映画の書誌は、1937年(昭和12)の山口竹美の『日本映畫書誌』(映画評論社)です。辻さんは自身の蔵書を手放さざるを得なかった代わりに、日本初の完全な映画書誌をつくろうとしたんです」と、映画史研究者の佐崎順昭さんは話す。

山口竹美『日本映畫書誌』

 早稲田大学大学院で映画史を専攻していた佐崎さんは、1987年頃からアルバイトとしてフィルムセンターの図書室で働く。そこで辻と出会う。
「辻さんは週に一回ぐらいのペースで通って。受け入れた本のカードを書いたり、集めるべき本をアドバイスされていました。利用者からの質問に答えることもありましたね」

 辻は当時80代で、優しくて紳士的な人だった。孫の世代に当たる佐崎さんにも丁寧に接した。
「その一方で、本の取り扱いには厳しかったです。雑に扱うと叱られました。本棚でも背表紙がピシッと揃うように並べていました。辻さんからは資料を大切にする姿勢を教わりました」

 当時の図書室で利用者が閲覧できるのは書籍のみで、雑誌は内部資料扱いだった。それに対して辻は「日本で唯一の映画専門図書館なんだから、雑誌や洋書も揃えるべきだ」と話していたという。
「いつも小さな黒い手帳を持って、見たことのない本をチェックされていました。足が悪かったので杖を突きながら、国会図書館や各地の図書館にも通われて調査されていました。その成果が1989年に刊行された『事典 映画の図書』(凱風社)です」

辻恭平の労作『事典 映画の図書』。全526ページ

 1995年、現在の建物が完成し、図書室は4階に入った。その際、資料の分類として辻が『事典 映画の図書』で考案した映画図書用十進分類表を採用した。

 大分類として「0 書誌 事典 逐次刊行物 叢書、講座」「1 解説、観賞 概説、理論 評論、論集 随筆」「2 歴史 各国 伝記」「3 脚本 製作、演出 美術、音楽 演技」「4 記録 動画」「5 技術、撮影 音 響、映写 建築」「6 産業 社史 営業」「7 政策 規制 社会」「8 教育 社会心理 大衆娯楽」「9 日本映画シナリオ・物語 外国映画シナリオ・物語」に分け、さらに中分類、小分類と分かれていく。

 ざっと見た印象だが、映画書の実情に即した分類になっていて判りやすい。図書室でこの分類を採用したのも納得できる。
「これを採用したことを辻さんは喜んでくれました」と佐崎さんは語る。もっとも、新しくなった図書室に辻が通うことは少なくなり、1997年に亡くなった。

閲覧室に掲げられている「映画の図書 分類表」(画像提供・国立映画アーカイブ)

雑誌、パンフレットと個人コレクション

 図書室の現在の蔵書数は、図書が約5万3800冊。ここには単行本、映画祭カタログ、パンフレットが含まれる。雑誌は登録済みが約4万冊で、整理中のものや業界誌も多い。シナリオは約4万4000冊。

 それではいよいよ、書庫を見せていただこう。

 事務室の隣に、集密書架が並んでいる。中央の通路を挟み、大雑把に、右側に映画雑誌、映画祭カタログ、シナリオ、パンフレットが並べられている。左側には館が購入してきた新刊書、その先には辻恭平を筆頭に個人が収集したコレクションが並べられている。

映画検閲や映画教育に関する本(辻恭平旧蔵図書)が並ぶ棚

「現在、書庫の棚を移動中なんです」と説明するのは、司書の笹沼真理子さん。図書館に三人いる司書のひとりだ。たしかに、あちこちに移動を示す紙が貼られている。

書庫の内部。本棚に資料の移動を示す表示が

 取材ではいつものことだが、あまりの量にどこから見ていいかも判らない。たとえば、映画パンフレットの棚で一冊抜き出すと、渋谷〈ユーロスペース〉1987年に上映したアレックス・コックス監督『レポマン』のパンフレットだった。この映画、観たなー。この縦長のサイズがよかったんだ。
「〈シネマスクエアとうきゅう〉とか〈シネマライズ渋谷〉とか、独自のパンフレットを出している映画館も多かったですよね」と、同世代の岡田さんと懐旧モードに入りそうになる。映画の話でノスタルジーに浸ると、時間はいくらあっても足りなくなる。

 日本映画のシナリオは決定稿が揃っている。審査のために製作会社が映倫に提出したものが、映倫から寄贈されるそうだ。
「その前の段階のものや、最終的な完成稿も重要なので集めたいんですが、映画業界内の資料なので収集ルートがなかなかないんです」と岡田さん。パンフレットやシナリオも資料価値が高いので、寄贈を求めているという。

森﨑東監督『女生きてます 盛り場渡り鳥』(1972)の決定稿

 個人のコレクションとしては、辻恭平のほか、御園京平、雨夜全、吉田智恵男、松浦幸三、塚田嘉信らの収集家や萩昌弘などの映画評論家のものもある。

 御園は稀代の映画資料収集家で、その「みそのコレクション」はポスター、雑誌、映画館プログラムなど膨大なものだ。なかでも貴重な雑誌は中性紙保存箱に収められている。荻昌弘は映画評論家で、寄贈されたのは洋書やパンフレットが多い。プレスシートは地下に別置されている。

 雨夜全(あまやたもつ)は、戦前、文部省社会教育局の映画部で企画を担当する傍ら、映画雑誌を収集し、その目録をつくった。図書室には1916年から1945年にいたる580種が寄贈された(佐崎順昭「日本映画雑誌研究資料(戦前)、雨夜全 映画雑誌コレクション目録」、『東京国立近代美術館紀要』第3号、1991 第4号、1994)。
「お孫さんから『家を壊すので』とフィルムセンターに連絡をもらいました。『どんな雑誌があるんですか?』と訊くと、『活動の~』と云うので驚きました。下見に行くと、とてもきれいな状態でした」と、佐崎さんは振り返る。

 雨夜は収集した雑誌を分類するためのカードまで印刷していた。その現物も残されている。

雨夜全作成の分類カード(画像提供・国立映画アーカイブ)

 吉田智恵男は活動弁士についての著作があり、没後に雑誌などが寄贈される。自分の手で合本した状態で棚に並ぶ。よく見ると、その製本にはカレンダーの裏紙などが使用されている。

 佐崎さんによると、吉田コレクションを受け入れた際に辻恭平に見せたところ、辻は完成間際の『事典 映画の図書』に付録として「吉田智恵男蔵書からの70」を追加したという。

吉田智恵男旧蔵の『蒲田』

 最近の受け入れで大きいのは塚田嘉信コレクションで、今年3月に報告書が発行された。塚田は映画史研究家で、映画雑誌の創刊号目録などを刊行した。そのコレクションは搬入時には320箱にのぼったという。

塚田嘉信『映画雑誌創刊号目録』大正篇、昭和篇、補遺篇

「資料の寄贈をしたいという方が突然受付にいらしたのですが、それが塚田さんの妹さんでした。塚田さんは1995年に亡くなったのですが、その後22年もずっと資料を守っていらしたんです」と、岡田さんは云う。

 先の報告書によると、妹さんはまず映画専門古書店に足を運んだが、「シャッターが閉じていたため、そのまま当館へのご来訪と相成った」という(岡田秀則「よみがえる塚田嘉信コレクション」、『映画史家・塚田嘉信 そのコレクションと業績』)。

 個人の蔵書が古書店を通じて、本の海に還流されることを、必ずしも悪いことだとは思わないが、このようにまとまって専門の資料館に受け入れられたことは互いにとってよかったと云えるだろう。

 こうしてみると、同室が受け入れた個人コレクションの背後には、紙一重のタイミングで売却されたり、廃棄されたりした例が数多くあったのだろうと推測できる。ひとつひとつの受け入れにドラマがある。それだけに、書庫に収まった資料を大事に保存し活用していかねばならないのだ。

 古本屋と云えば、国立映画アーカイブには「反町茂雄旧蔵・衣笠貞之助コレクション」と呼ばれる資料が存在する。映画監督・衣笠貞之助の台本の原稿、写真、書簡や、大映作品のネガフィルムなど11万点にのぼるものだ(入江良郎「反町茂雄コレクション、小亀家所蔵資料 衣笠貞之助生涯資料について」、『NFCニューズレター』第70号、2006年12月)。

 古典籍一筋の反町茂雄と映画資料は何となく結びつかないが、「古書の入札会で40個以上ものダンボール箱に収められた大口資料」を「反町氏が米寿を迎えられた記念に私費を投じて購入」したという。反町はその資料を1989年にNHK放送文化研究所に寄贈。それが1998年にフィルムセンターに寄贈されたのだという。

 この連載の第6回で触れたように、反町は故郷・長岡市の図書館にも大量の資料を寄贈している。古書業界だけでなく図書館・資料館にとっても恩人なのだ。

 この衣笠貞之助コレクションは図書室ではなく、地下の収蔵庫に所蔵されている。
「こういった個人資料は特別資料扱いです」と岡田さんは説明する。

 図書室では、破損や劣化した資料を補修する作業も行なっている。大きな修復は外注しており、取材時には『映画年鑑』の函や、『浪人街』のシナリオなどの修復資料があった。

修復作業中の資料

 現物を修復するとともに、資料のデジタル化も進められている。スチル写真や映画館の写真をデジタル化し、サイトで公開している。図書室では国会図書館が所蔵していないものも含めて、1357冊の映画雑誌を全ページデジタル化し、室内の端末で閲覧、印刷することができる。

増えていく資料の行方

 図書室の利用者は、映画研究者、映画ファン、映画業界関係者が多い。
「レファレンスの問い合わせも多いですね。調べるのに時間がかかるものもあり、出版物に使われる場合は間違えるとそれが後世まで残ってしまいます。映画と云っても時代もジャンルも幅広いので、網羅的に把握するのは大変です」と、司書の笹沼さんは云う。その調べがいかに役に立っているかは。多くの映画本の謝辞に同室の名前が挙げられていることでも判るだろう。

 映画ファンから自分が子どもの頃に観た映画について聞かれることも多く、利用者のあいまいな記憶を探って調べて特定の映画の資料を提供すると喜んでもらえるという。

 笹沼さんは以前は別の専門図書館に勤務していたが、映画好きであることから、1998年、図書室の司書を公募した際に採用される。

 資料の選書も担当し、新刊書店や古書店、古本市に足を運び、古書目録や「日本の古本屋」などもチェックして、購入希望のリストを作成する。雑誌の欠号を埋めるためにリストもつくっている。
「古本屋さんは親切に教えてくださいますね。この図書室にあるべきだと思って、優先的に声をかけてくださるんです」

 最近では神保町の古本屋から連絡をもらい、『キネマ旬報』の創刊号から第51号までを入手した。「初期の号は塚田嘉信さんでも揃えられなかったレアなもので、まとまって出たのは戦後初めてだと聞きました」と、岡田さんも嬉しそうだ。

 長年、探しているうちに笹沼さんは、映画本の相場やレア本を見つけるスキルが成長。いまでは、本屋の棚を見ると、図書室が所蔵していない本がすぐ判るというからすごい。
「映画本は、地方で出版されている本や個人が発行している本も多いです。それらを見つけて、購入することも心がけています」と笹沼さん。

 その中には、広島在住の映画史家・有田嘉伸さんが地方で刊行された映画本を集め、2001年に刊行した『地方映画書探訪』(レタープレス)のような労作がある。

 これらの本は、閲覧室に最近入った本のコーナーを設けるとともに、国立映画アーカイブのTwitterでも紹介しているので要チェックだ。

有田嘉伸『地方映画書探訪』

新着図書のコーナー

「2000年代以降、映画雑誌は減ってきていますが、映画本の出版は充実しています。映画史の振り返りの時期なんでしょうね」と岡田さんは云う。

 また、映画書を収集した人が亡くなるなどで、資料を寄贈したいという声も増えているという。
「いまある書庫はもう満杯に近いので、当室で所蔵しているものは、他の図書館を紹介することもしています。でも、できれば個人が収集したときの状態で、バラバラにせずに受け入れたい気持ちがあります」と、笹沼さんは複雑な胸の内を語る。

 2010年、フィルムセンターは各地の映画資料を所蔵する機関を紹介する『全国映画資料館録』を発行。その後も改訂版を出している。
「国立映画アーカイブは自身で資料を収集するとともに、国内のさまざまな機関の資料の所蔵状況について把握し、ネットワークをつくる役割があります」と、岡田さんは話す。

 デジタル化やネットワーク化によって、今後増えていく資料がいいかたちで保存・活用されていくといい。

 取材を終え、人気のない閲覧室で書庫から出してもらった映画本を手に取る。女優・夏川静江の『私のスタヂオ生活』(矢来書房ほか)、小津安二郎が装丁した岸松雄『日本映画様式考』(河出書房)と筈見恒夫『映画の傳統』(青山書院)など。

 佐崎さんによると、夏川の本は辻恭平の旧蔵書。「何かのパーティの折、辻先生が夏川さんにお話しになり、夏川さんも揃いでは持っていないので、大変喜ばれたとのことです」と佐崎さんは証言する。

夏川静江『私のスタヂオ生活』1~4巻

小津安二郎が装丁した2冊

 眺めているうちに、古い映画が観たくなった。近いうちに名画座に行こう。

 
 
 
 
 
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。

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東北の古本屋―――地域の文化を紡ぐとは 【古本屋でつなぐ東北(みちのく)7(完)】

東北の古本屋―――地域の文化を紡ぐとは 【古本屋でつなぐ東北(みちのく)7(完)】

(福島県&宮城県・阿武隈書房)有賀史人

 福島県いわき市で、一〇坪ほどの小さな店舗を営んでおります。二〇一八年夏の開店で、もう少しで五年になります。その間、猫は欠かしたことがありません。近所の野良猫や飼い猫どもが、一、二匹は常時店の何処かにいるはずです。茶トラのゴンタと、かげ猫のシッポは、人になつかないので、店番はしません。以前いた片目のタロウは、接客好きで店の集客に一役買ってくれました。猫は寄ってくるのですが、お客様は一日に数人訪れる程度のささやかな店です。

 二〇二一年一一月に、宮城県仙台市に新たに店を開きました。仙台駅から歩いて五分ほどの場所で、こちらは若いスタッフたちに任せています。五〇坪ほどの広さで、一万点ほどの本やレコードを陳列しています。また、仙台では、ここ数年、デパートや新刊書店などの古書催事が盛り上がっています。 実家で飼っていた茶ト ラのビーちゃんが、昨年亡くなりました。享年おおよそ二五歳。私が二〇歳の頃に拾ってきた猫で、実家で面倒をみてもらっていました。古書業界に入りたての二〇歳。あれから二五年たちます。

 一月一四日の仙台市内はどんと祭に正月飾りを納めに来る車で混雑しています。どんと祭は小正月の晩に正月飾りを燃やすものです。そんな神社の車列をわき目に、今日の買取現場へと向かいます。亡くなられた神主の蔵書で、娘さんからの依頼です。書斎の本は一日で終わる量ではなく、数日かかりそうです。二階の寝室はお札などを作る作業場で、今日の夜にお焚き上げになるはずだった正月飾りの切り紙が散乱しています。「これは骨董屋さんに売るには忍びなくて」と、娘さんから託されたのが釜神様と金精様でした。釜神様は、宮城県北に分布する家の台所に祭られる大きな木製面、金精様は奥会津の屋内に祭られる木製の男根。知人の博物館の学芸員に相談してみますとお預かりしました。

 この神主の御先祖は戦国期に宮城県の牡鹿半島に土着した熊野修験という伝承を持っており、戦後まで半島のいくつかの神社を管掌していました。もう捨ててしまうという段ボール箱を何十箱と開けて整理していますと、明治から大正期の書付が数十冊出てきました。病を治したり、家の災厄を払うなどの呪法の写本で、国家神道が成立した近代でも、修験系の呪法をこの地域の神主が用いた証左となるものでした。

 古本屋は、釜神様や金精様、呪法の書付などに売価を付けて売ることができます。そして、それらは実際に売れるものです。しかし、そのモノの持つ由緒来歴を商品情報に乗せることは現状難しいことです。御神体に旧〇〇家所蔵の記載を付けることや、呪法の書付に神主の履歴書や神社台帳をセットにして売買することは、現状プライバシーの観点から難しいと思うのです。こうした意味では、古本屋は、本やモノを伝えてきた人の来歴や地域のコンテキストを漂白した上で商品化しているという一面があります。

 いわき市でとれた魚が常磐物としてPRされ、東京へと出荷されていきます。地物のいいところは地元の住民の口には入らずに、高く売れるところへと出荷されます。近年は中国やドバイに営業へ行ったといいます。古本屋も然りで、いい本は東京の市場へ送り、すぐに売れそうなものはインターネットで売り捌く。商売としては至極真っ当なことではあります。古本屋は、地域の文化を後世に伝える文化的な使命がある。確かに、地元の方々が持ち伝えてきた本や資料を、次の世代へと引き継いでゆくという一面はあります。自戒を込めて言いますが、それは結果であり、原因ではないのです。

 あらためて、東北の古本屋とは何か。確かに東北という地で、古本屋を営んでいることは事実です。仕入れも東北という地から行っている。しかし、東北が伝えてきた本や資料は何処へ向かうのか。本やモノにまつわる東北という記憶は、仕入れ先の人から「いい人のもとへ届けてください」といわれるたびに、こんなことを思うのです。

 

※写真は阿武隈書房仙台店店内風景

 
 
(「日本古書通信」2023年2月号より転載)

 
 
 
 


『増補新版 東北の古本屋』 折付桂子著
文学通信刊
ISBN978-4-909658-88-3
四六判・並製・312頁(フルカラー)
定価:本体1,800円(税別)好評発売中!
https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-88-3.html

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『「100まんびきのねこ」たちは、どこから生まれどこへいったの』

『「100まんびきのねこ」たちは、どこから生まれどこへいったの』

児童文学者・ノートルダム清心女子大学教授 村中李衣

 すべての始まりは、今から30年前、ブックグローブ社の伊藤元雄さんから手渡された1冊の小ぶりな絵本からでした。促され、シャリシャリ紙で丁寧にくるまれたその上から指で表紙のタイトルをなぞってみました。

 ”Nothing at All” 。「ワンダ・ガアグの最後の創作だよ。訳してみない?」と伊藤さんに言われ、恐る恐る中のページをめくっていきました。ガアグと聞いて、私の頭の中にはすぐさま代表作『100まんびきのねこ』に描かれたモノトーンの鮮やかな構図が思い浮かびました。(わあっ、あの有名なガアグが描いた絵本かぁ~。でも『100まんびきのねこ』とは雰囲気がちょっと違うなぁ。やわらかで穏やかな色彩だし、『100まんびきのねこ』のような両見開きを使った構図もほとんどないんだなぁ)と意外に思った記憶があります。でも、その意外だなぁ~の奥に潜んでいたガアグの心の軌跡に思いを馳せることなどなく、ただただガアグの作品に触れていられるという嬉しさだけで、「やってみます」と答えたのでした。

 でも、いざ”Nothing at All” という作品に向きあってみると、素人同然の私が簡単にこなせる仕事ではないことがすぐにわかりました。なにより悩ましかったのは、主人公の姿かたちが見えない子犬「ないない」が姿かたちを手に入れるため、ものしりガラスから授けられた魔法の唱え言葉I’m busy Getting dizzyの訳し方です。この唱え言葉は、九日間日の出とともに起き出して「ないない」がたったひとりで執り行う神聖な儀式の要です。その場の雰囲気も伝えながら、ガアグのリズミカルな言葉運びの魅力を音の響きも拍も異なる日本語に移し替えるとなると、いったいどんな日本語が似合うのかしら。

 I’m busy Getting dizzy I’m busy Getting dizzy I’m busy Getting dizzy……繰り返し声に出しているうちに、これに替わる訳などない気がしてきました。主人公の子犬「ないない」は、最初のうち、姿かたちは見えないけれどちゃんとそこにいることを兄妹たちにわかってもらえてさえいればそれでいいんだと思っていました。他者に見えないことなんか平気だったのです。でも、兄弟たちはもらわれていったのに姿が見えない「ないない」だけ、そこにいることに気づいてもらえず取り残されてしまった時、初めてやっぱりみんなに認めてもらえるような〈自分というかたち〉を手に入れなきゃダメだと気づきます。そして涙ぐましい努力の末にとうとう望みを叶えるわけですが、この唱え言葉はその努力の証し。ばっちり決まらなければ、はるばるアメリカから日本にやってこようとしている「ないない」の望みは端から断たれてしまうことになります。

 さてどうしたもんか・・・と考え込んでいる私の横で絵本をいっしょに眺めてくれていた母が、「そりゃ、笠置シヅ子のあれよあれ!」と言いながら、やおら立ち上がると、お尻を振り振りぐるぐる回りながら、歌い出したのです。

 ♪なぁ~にがなんだか てんてこまい~

 必死でお目当ての買い物を探しているうち、いったい自分が何をしてるんだか、さっぱりわからなくなりお手上げだという「買い物ブギー」の替え歌のようでした。歌い終わると「きっと、このワンちゃんもこんな感じだったんじゃないかしら?」と愉快そうに笑う母。なるほど!と、急に視界が開けたような気がしました。恥も外聞もかなぐり捨て、ただただ見える犬になりたい一心でぐるぐる回り続ける「ないない」の、傍から見れば滑稽なほどの一途さが、母の歌う姿の中で却ってくっきり見えてきました。

 こうして「てんてこまいまいぐるぐるまい」の唱え言葉が生まれたのです。

 人の一生には、『100まんびきのねこ』のちいさいねこのように、いつかだれかがそっと見つけ出し、受け入れてくれる日を信じて生き続けてみることが必要な時と、『なんにもないない』の子犬のように自分は他の誰とも替えの効かない唯一無二の存在であることを他者に伝える努力が必要な時の両方がある。そのことを、ガアグはまさに自分の歩いてきた道のりと重ね合わせながら表現し続けたのではないでしょうか?ガアグの存在に向けた哲学的な問いは、欠かさずつけていた日記と並行して作品を読み解いていくと、より鮮明になります。そして絵本の中に託されたこの問いから抜け出していくためのメッセージは、小さな子どもにもしっかりと共感でき、励ましを与えるものであることも、保育現場でガアグの絵本を読みあう実践を続ける中で確認できました。

 そんなこんなで、30年間知らず積もっていったガアグ作品への思いを、ぽつりぽつりと伊藤さんにお話しすると、再び「実はまだ世の中に知られていない、ガアグが手掛けたアリスのおはなしやカーランコレクションが所蔵しているガアグの貴重なスケッチがあるからそれも加えて1冊の本にまとめてみなさい」と励ましてもらいました。

 ガアグがどんな一家に生まれ、どんな少女時代を過ごし、貧しい一家の家計を支えるため青春時代どんな道を選択してきたか。また、苦しい生活の中でも学ぶことをあきらめず新しい一歩を踏み出すチャンスを逃さなかったこと、そして運命的な児童書編集者との出会いにより『100まんびきのねこ』を世に送り出すこととなったいきさつや、その後の仕事の進め方。さらに家族のために夢や理想を捧げてきたような人生ではあったけれど、ゴールが近くなってようやく、自分の表現したいものだけを自分のために思う存分描ける場所を手に入れた喜び。合わせてその喜びが創作の形になって表わされた『なんにもないない』が、現代の子どもたちの胸にしっかりと届いたいくつかの読みあい現場の報告。それらをつたない形ではありますが、ようやく1冊にまとめることができました。

 長い間、ぼんやりとしてそのかたちがみえなかったちっぽけな私からガアグへの愛ですが、本というかたちをもらって、♪わて ほんまに Nice to See You! です。

 
 
 
 


『「100まんびきのねこ」たちはどこから生まれどこへいったの』
ブック・グローブ社刊
村中李衣著
ISBNコード:978-4-938624-29-3
Cコード:C0095
定価:2,700円(税別)
好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784938624293

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『戦前期日本のポスター―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』

『戦前期日本のポスター―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』

青梅市立美術館 学芸員 田島奈都子

 2023年3月に吉川弘文館から出版された拙著『戦前期日本のポスター―広告宣伝と美術の間で揺れた50年―』は、19世紀末から1945年の終戦までの、約50年間に製作された日本製ポスターが、「美術史」という枠組みの中で語られるべき存在あることを、多くの人に知ってもらうために著したものである。

 著者の現在の専門は1945年までの日本製ポスターであるが、調査研究の基軸は美術史に置いており、過去にもこの立場から書籍を何冊か著してきた。しかし、それらはいずれも作品を主体とした、図録的な色彩の強いものであった。一方、新刊書はあくまでも文章を主体にした研究書であることから、註や史料の引用も充実しており、この点は今後の調査研究にも役立つものと自負している。

 ところで、多くの人はポスターが「美術作品」として扱われることに対して、それほど違和感を覚えないであろう。なぜなら、現在日本のいくつかのミュージアムにおいてポスターは、収集対象と目されており、展覧会も開催されてもいるからである。しかし、美術史という学問領域の中で、ポスターを専門的に研究することは、基本的に今でも歓迎されていない。

 この背景には、「美術作品とは作家の創作性の発露であり一点もの」という、「狭義の美術」を信奉している人や、「芸術のための芸術」という、芸術至上主義的な考え方を尊ぶ人が斯界には未だに多く、彼らからすると、広告宣伝という世俗的な目的のために、機械で製作された複製物であるポスターは、「美術」ではないのである。もっとも、美術史においても昨今は、研究の主流が古典的な「作家作品論」から、美術と社会との関わりや、社会の中での美術のありようを論じるものに移行しつつあり、特に近現代美術に関してはそうした傾向が強い。そしてだからこそ、実社会とともに歩むことが常に求められるポスターが末席とはいえ、シリーズ「近代美術のゆくえ」に加えられたのであり、このことは美学美術史的には大きな一歩といえる。

 さて、本書においてはポスターを「広告宣伝を目的として、洋紙に石版印刷術以降の洋式印刷術を用いて、広範囲な掲出を前提として、量的に製作されたもの」と定義し、全体を大きく3つの章に分けて考察した。前述した定義には美術的な文言がなく、この点には読者もいささか面食らったかもしれない。しかし言うまでもなく、世に出る全てのポスターが、美術的価値を有しているわけではなく、それがそのように認められるためには、作家性や創作性、美的要素が加味されなければならない。したがって、本書において取り上げたポスターの作者は、結果的に当時の有名画家や図案家が多くなった。ただし、『万葉集』に「詠み人知らず」の歌が収録されているように、本書においてもポスターとして優れていれば、作者が不詳なものでも「作品」として積極的に取り上げたつもりである。

 では、本書の具体的な章立てであるが、第1章は「日本における「ポスター」の登場」と題して、ポスターという言葉の定着や、前時代の日本美術との関わり、及び製作に用いられる技術の移入や、掲出・受容される環境などについて解説した。戦前期の日本製ポスターと、その作家について詳しく知りたい読者からすると、本章は周辺的かつ些末に映るかもしれない。しかし、自国にはなかった全く新しいものが外国から紹介され、それが定着する過程で起こったさまざまな事象は、その後の展開を理解するうえでも意外と興味深い。

 続く第2章は「美人画ポスターという存在」と題して、女性を主題にした商業ポスターを題材に、その始まりと展開について考察した。鏑木清方や北野恒富、上村松園などの、美人画を得意とした画家が彩管をふるった作品は、当時の最高級の製版印刷技術を駆使して製作されていることから、ポスターであっても非常に美しく優美である。

 最後の第3章は「戦争とポスター」と題して、戦時期に製作されたプロパガンダ・ポスターについて見ていくことにした。本章においては中村研一、宮本三郎、伊原宇三郎、藤田嗣治などの、いわゆる「戦争画」を描いた画家とポスターとの関係性についても言及しており、このあたりに関しては読者の満足度も高いと思われる。

 前述したように、昨今のポスターは美術として語られることも多い。しかし、それらは広告宣伝を目的として、印刷という複製技術を用いて大量に製作・流布される以上、元来マスメディアとしての側面を持っている。要するに、ポスターとは多面的な存在であり、筆者が試みた美術史的な立場からの考察だけで、全てのポスターを正しく理解し、評価できるとは思っていない。ただし、ポスター研究において最も立ち遅れているのが、美術史的なアプローチであり、本書の刊行によってその歪みが多少なりとも解消され、埋もれた作家や作品に光が当たるようになれば、著者としては幸甚である。

 
 
 
 
田島奈都子(たじまなつこ)

<略歴>
1968年 東京都に生まれる
2003年 筑波大学大学院博士課程芸術学研究科満期退学
現在 青梅市立美術館学芸員、専門は戦前期の日本製ポスター

<主要著書>
解説『現代商業美術全集』全25巻(復刻版、ゆまに書房、2001年)
解説『明治・大正・昭和お酒のグラフィティ サカツ・コレクションの世界』(国書刊行会、2007年)
編著『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争 135枚が映し出す真実』(勉誠出版、2016年)
編著『明治・大正・昭和初期 日本ポスター史大図鑑』(国書刊行会、2019年)
編著『ポスター万歳 百窃百笑』(文生書院、2022年)

 
 
 
 


『戦前期日本のポスター 広告宣伝と美術の間で揺れた50年』
吉川弘文館刊
田島奈都子著
ISBNコード:978-4642039246
定価:4,950円(税込)
好評発売中!
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b618499.html

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2023年4月25日号 第369号

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     。.☆.:* その369・4月25日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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1.『移民が移民を考える―半田知雄と日系ブラジル社会の歴史叙述―』

                    京都外国語大学外国語学部
                  ブラジルポルトガル語学科講師
                       フェリッペ・モッタ

2.『出版を「自分事」として語るために』(オックスフォード 出版の事典)

                   山崎隆広(群馬県立女子大学)

3.『近代出版研究 第2号「雑著・雑本・ミセレイニアス」が出来ました』

                    小林昌樹(近代出版研究所)

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━━━━━━━━━【大学出版へのいざない5】━━━━━━━━━━━

『移民が移民を考える―半田知雄と日系ブラジル社会の歴史叙述―』

                    京都外国語大学外国語学部
                  ブラジルポルトガル語学科講師
                       フェリッペ・モッタ

 2023年は日本ブラジル移民115周年を記念する年です。「移民」という
単語は多義的で、新天地を求めて越境する人、また具体的な歴史的事象を
も指します。日本社会においては外国人労働者および難民をもっと受け入
れるべきかどうかという問題が激論されていますが、日本にはかつて多く
の人々を国外に送り出した過去があると意識している人はどのくらいいる
のでしょうか。戦後に勝ち取った経済大国という地位は我々の「移民」に
対する記憶を微妙なものにしたのかもしれません。しかし、送出国として
の過去を認識しなければ真の国際化と多文化共生は不可能であり、空言で
終わってしまうと感じざるを得ません。移民史研究はこのように、我々の
「今」とも強く繋がっています。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11345

書名:『移民が移民を考える ―半田知雄と日系ブラジル社会の歴史叙述―』
著者名:フェリッペ・モッタ
出版社名:大阪大学出版会
判型/製本形式/ページ数:A5判/上製/318頁
税込価格:6,050円(税込)
ISBNコード:978-4-87259-759-2
Cコード:C3020
好評発売中!
https://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-759-2.html

━━━━━━━━━━【自著を語る(番外編)】━━━━━━━━━━

『出版を「自分事」として語るために』(オックスフォード 出版の事典)

                   山崎隆広(群馬県立女子大学)

 2023年1月、15名の訳者の方々とともに本書を訳出、上梓した。A5判506
頁函入。出版が抱える様々な課題を、歴史、経済、法、流通、テクノロジ
ーなど複合的な視点から25章にわたって論じた税込26,400円(!)の大著
である。筆者は本書監訳者の一人を務めさせていただいたが、巷間「出版
不況」がいわれつづけるなか、決して安くはない価格でありながら、この
ような正統的出版学の研究書が出版されることはとても重要なことだと思
うし、大変嬉しい。世の中まだまだ捨てたものではない、と思う。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11407

『オックスフォード 出版の事典』
丸善出版刊
植村八潮・柴野京子・山崎隆広 監訳
判型:A5 528ページ
ISBNコード:978-4-621-30792-2
Cコード:3504
定価:26,400円(税込)
好評発売中!
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/?book_no=304830

━━━━━━━━━━【自著を語る(番外編)】━━━━━━━━━━

『近代出版研究 第2号「雑著・雑本・ミセレイニアス」が出来ました』

                   小林昌樹(近代出版研究所)

 この雑誌は近代出版について「小さい問題の登録」を目標に始めた年
刊の研究誌で、創刊は昨年、みなさんにお伝えしました。4月7日に第
2号が発刊されたのでお知らせします。

■未開拓のジャンルには古本が利く!――オカルト、UFO、霊術
 巻頭には英文学者で小説家、横山茂雄先生のロングインタビューを載
せました。先生は、オカルト史研究を切り開いた方です。こういった、
先行研究も方法論もないジャンルを研究するには、なにか秘密があるに
違いないと見込んでお話を伺ったところ、果たして、広汎な古本利用が
あったことが分かりました。そのうえ、当時、『特殊古本雑誌』(1982)
なる同人誌まで出されていたのです。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11356

『近代出版研究 第2号』
皓星社刊
近代出版研究所編
A5判並製/288ページ
ISBNコード:978-4-7744-0786-9
定価:2,000円(税別)
好評発売中!(試し読みあり)
https://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/9784774407869/

━━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━

大尾侑子 著『地下出版のメディア史――エロ・グロ、珍書屋、教養主義』
(慶応義塾大学出版会)が第44回 日本出版学会奨励賞(2022年度)を受賞しました。

慶応義塾大学出版会
『地下出版のメディア史――エロ・グロ、珍書屋、教養主義』
https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766428032/

第44回 日本出版学会賞(2022年度)
https://www.shuppan.jp/materials/jyusho/2023/04/19/2713/

「無駄」を愛するあなたへ贈る本 『地下出版のメディア史』
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=9409

━━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━

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「大学出版へのいざない」シリーズ 第6回

書名:『ハイデッガーとギリシア悲劇』
著者名:秋富克哉
出版社名:京都大学学術出版会
判型四六判/製本形式並装/ページ数:250頁
税込価格:2,200円
ISBNコード:978-4-8140-0477-5
Cコード:1310
6月中旬発売予定
https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784814004775.html
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『「100まんびきのねこ」たちはどこから生まれどこへいったの』
ブック・グローブ社刊
村中李衣著
ISBNコード:978-4-938624-29-3
Cコード:C0095
定価:2,700円(税別)
好評発売中!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784938624293M
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小冊子『国書刊行会50年の歩み』
国書刊行会
https://www.kokusho.co.jp/news/2023/04/202304141810.html

※本小冊子の配布は全国各地の「創業50周年記念フェア」
開催書店にて行っております。
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『戦前期日本のポスター 広告宣伝と美術の間で揺れた50年』
吉川弘文館刊
田島奈都子著
ISBNコード:978-4642039246
定価:4,950円(税込)
好評発売中!
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b618499.html
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

4月~5月の即売展情報

※新型コロナウイルスの影響により、今後、各地で予定されている
即売展も、中止になる可能性がございます。ご確認ください。
お客様のご理解、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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日本の古本屋メールマガジン その369・4月25日

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋」事業部
 東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
 URL  https://www.kosho.or.jp/

【発行者】
 広報部・編集長:藤原栄志郎

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2023年4月19日号 第368号

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 。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
 古書市&古本まつり 第123号
      。.☆.:* 通巻368・4月19日号 *:.☆. 。
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メールマガジンは、毎月2回(10日号と25日号)配信しています。

━━━━━━━━━━━━━【お詫び】━━━━━━━━━━━━

ECサイト「日本の古本屋」が4月8日より長期に渡って
利用できなくなっておりましたこと深くお詫び申し上げます。

━━━━━【「日本の古本屋」が表示されない会員様】━━━━━

現在、「日本の古本屋」が表示されない、繋がらないなどのお問い合わせが
寄せられておりますが、以下の「再表示」操作をすることで解消されることがあります。

以下リンクをご参照ください。
※PCのみの操作説明となります。
https://www.kosho.ne.jp/announce/reload20230417.pdf

━━━━━━【古本屋でつなぐ東北(みちのく)6】━━━━━━

本という文化をつなぐ――震災と原発事故を乗り越えて

                   (福島県・岡田書店)岡田 悠

 岡田書店は、祖父の兄が戦前、福島県いわき市中心部より南にある植田町
で開業しました。戦後は中心部に近い内郷に店を構えました。

 その後、祖父が港町の四倉で新刊書店を始め、そこで祖母も少しだけ貸本
屋もしていたそうです。私はその町で育ちました。

 小さな商店街にある本当に小さな店でしたが、小学校の近くで、私と兄は
毎日店で母の迎えを待っていました。そのうち父も会社を辞め古本屋を始め、
小学生の私の周りは本だらけになりました。しかし、私は本には全く興味を
持たず、読むのは漫画くらいで当時好きだった月刊誌は祖父が毎月与えてく
れるし、欲しい漫画は父が全巻揃えてくれました。お小遣いを貯めて自分で
買う事はなく、本の有り難みのようなものを感じる事はありませんでした。
もちろん、自分が古本屋になるなど、考えた事もありませんでした。

(「日本古書通信」2023年1月号より転載)

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11337

━━━━━━━━━【シリーズ書庫拝見12】━━━━━━━━━

新潮社資料室 出版史を体現する資料に囲まれて

                         南陀楼綾繁

 新潮社は、私が最初にその名前を意識した出版社だ。

 小学生の頃、親に頼んで『星新一の作品集』全18巻を買ってもらった。
すでに完結していたが、配達を頼んだ無店舗の本屋さんが毎月1巻ずつ届
けてくれるのを首を長くして待った。この作品集には月報とオリジナルの
栞、そして新潮社の新刊案内が挟まっていて、本とともに熟読した。

 中学生になると、本屋でPR誌の『波』や文庫刊行目録をもらってきて、
やっぱり熟読した。インターネットのない時代、新刊の情報はこういった
方法でしか手に入らなかった。そういった経験から、自分にとって新潮社
は特別な出版社だった。

続きはこちら
https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=11370

南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一
文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、
図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年
から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」
の代表。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、「石巻まちの本棚」
の運営にも携わる。著書に『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、
『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』
(ちくま文庫)、『古本マニア採集帖』(皓星社)、
編著『中央線小説傑作選』(中公文庫)などがある。

ツイッター
https://twitter.com/kawasusu

新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/

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「コショなひと」始めました

東京古書組合広報部では「コショなひと」というタイトルで動画
配信をスタート。
古書はもちろん面白いものがいっぱいですが、それを探し出して
売っている古書店主の面々も面白い!
こんなご時世だからお店で直接話が出来ない。だから動画で古書
店主たちの声を届けられればとの思いで始めました。
お店を閉めてやりきったという店主、売り上げに一喜一憂しない
店主、古本屋が使っている道具等々、普段店主同士でも話さない
ことも・・・
古書店の最強のコンテンツは古書店主だった!
是非、肩の力を入れ、覚悟の上ご覧ください(笑)

※今月の新コンテンツはありません。

YouTubeチャンネル「東京古書組合」
https://www.youtube.com/@Nihon-no-Furuhon-ya

━━━━━【4月19日~5月15日までの全国即売展情報】━━━━━

⇒ https://www.kosho.or.jp/event/list.php?mode=init

※現在、新型コロナウイルスの影響により、各地で予定されている
即売展も、中止になる可能性がございます。ご確認ください。
お客様のご理解、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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光が丘 春の古本市

期間:2023/03/15~2023/05/14
場所:リブロ光が丘店 東京都練馬区光が丘5-1-1 リヴィン光が丘5階
   都営大江戸線光が丘駅A4出口より徒歩3分

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フジサワ古書フェア(神奈川県)

期間:2023/03/23~2023/04/19
場所:有隣堂藤沢店4階ミニ催事場  JR藤沢駅南口フジサワ名店ビル4階

http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm

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イービーンズ 古本まつり(宮城県)

期間:2023/04/08~2023/05/21
場所:イービーンズ9F 杜のイベントホール

https://www.e-beans.jp/event/event-7897/

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第6回南大沢古本まつり

期間:2023/04/14~2023/04/20
場所:京王相模原線南大沢駅前~ペデストリアンデッキ~三井アウトレット前特設テント

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本の散歩展

期間:2023/04/21~2023/04/22
場所:南部古書会館 品川区東五反田1-4-4 
   JR山手線、東急池上線、都営浅草線五反田駅より徒歩5分

https://www.kosho.ne.jp/?p=609

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オールデイズクラブ古書即売会(愛知県)

期間:2023/04/21~2023/04/23
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

https://hon-ya.net/

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ぐろりや会

期間:2023/04/21~2023/04/22
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

http://www.gloriakai.jp/

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好書会

期間:2023/04/22~2023/04/23
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=620

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第8回松山ブックマルシェ(愛媛県)

期間:2023/04/22~2023/04/23
場所:和光会館(旧 和光幼稚園) 愛媛県松山市緑町1-2-1

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春の阪神古書ノ市(大阪府)

期間:2023/04/26~2023/05/01
場所:阪神百貨店梅田本店 8階催事場  大阪市北区梅田1丁目13番13号

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春の古本掘り出し市(岡山県)

期間:2023/04/26~2023/05/01
場所:岡山シンフォニービル1F  自由空間ガレリア

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浦和宿古本いち(埼玉県)

期間:2023/04/27~2023/04/30
場所:さくら草通り(JR浦和駅西口 徒歩5分 マツモトキヨシ前)

https://twitter.com/urawajuku

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西部古書展書心会

期間:2023/04/28~2023/04/30
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=563

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第20回 四天王寺 春の大古本祭り(大阪府)

期間:2023/04/28~2023/05/05
場所:大阪 四天王寺 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18

http://kankoken.main.jp/

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城北古書展

期間:2023/04/28~2023/04/29
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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港北古書フェア(神奈川県)

期間:2023/04/29~2023/05/12
場所:有隣堂センター南駅店店頭

http://www.yurindo.co.jp/store/center/

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第41回 春の古書 大即売会(京都府)

期間:2023/05/01~2023/05/05
場所:京都市勧業館「みやこめっせ」  京都市左京区岡崎成勝寺町9-1

https://kyoto-koshoken.com/

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第28回八王子古本まつり

期間:2023/05/03~2023/05/07
場所:JR八王子駅北口ユーロード特設テント

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東京愛書会

期間:2023/05/05~2023/05/06
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

http://aisyokai.blog.fc2.com/

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杉並書友会

期間:2023/05/06~2023/05/07
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

https://www.kosho.ne.jp/?p=619

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反町古書会館展(神奈川県)

期間:2023/05/06~2023/05/07
場所:神奈川古書会館1階 横浜市神奈川区反町2-16-10

http://kosho.saloon.jp/spot_sale/index.htm

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BOOK & A(ブック&エー)

期間:2023/05/11~2023/05/14
場所:西部古書会館  杉並区高円寺北2-19-9

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第48回 古本浪漫洲 Part 1

期間:2023/05/11~2023/05/13
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場) 新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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フリーダム展

期間:2023/05/12~2023/05/13
場所:東京古書会館 千代田区神田小川町3-22

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名鯱会(愛知県)

期間:2023/05/12~2023/05/14
場所:名古屋古書会館 名古屋市中区千代田5-1-12

https://hon-ya.net/

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第48回 古本浪漫洲 Part 2

期間:2023/05/14~2023/05/16
場所:新宿サブナード2丁目広場(催事場)  新宿区歌舞伎町1-2-2

https://kosho.co.jp/furuhon_romansu/

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新橋古本まつり

期間:2023/05/15~2023/05/20
場所:新橋駅前SL広場

https://twitter.com/slbookfair

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日本の古本屋メールマガジンその368 2023.4.19

【発行】
 東京都古書籍商業協同組合:広報部・「日本の古本屋」事業部
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【発行者】
 広報部・編集長:藤原栄志郎

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